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糖尿病性網膜症の進行を抑制する薬物療法

2型糖尿病患者の網膜症進行に対する薬物療法の効果を検討した結果、強化血糖コントロールと、抗高脂血症薬併用療法で進行率の低下が認められたことが報告された。一方、強化血圧コントロールによる効果は認められなかった。報告は、「ACCORD」試験被験者のサブグループ「ACCORD Eye」被験者データを解析した結果による。これまでのデータで、血糖、コレステロール、血圧という全身性因子が、糖尿病性網膜症の発症および進行に重要な影響を及ぼしている可能性が示唆されていたことを受けて行われた。NEJM誌2010年7月15日号(オンライン版2010年6月29日号)より。ACCORDサブグループ対象に解析無作為化試験「ACCORD」(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)は、2型糖尿病を有し心血管疾患リスクが高く、各種薬物療法を受けている1万251例が参加して行われた。被験者は、血糖コントロールの強化治療(目標<6.0%)もしくは標準治療(同7.0~7.9%)を受け、さらに脂質異常症に対する治療として抗高脂血症薬の併用投与[フェノフィブラート(商品名:リピディルなど)1日1回160mg+シンバスタチン(商品名:リポバスなど)]か単独投与(プラセボ+シンバスタチン)を、あるいは収縮期血圧コントロール[目標<120mmHg(強化群)か<140mmHg(標準群)]を受けた。これら治療の糖尿病性網膜症に対する4年時点の効果について、サブグループ「ACCORD Eye」(2,856例)を対象に評価が行われた。評価は、ETDRS(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)重症度スケール(7方向の立体眼底写真を17段階で評価、高段階ほど重症)で3段階以上の進行、あるいはレーザー光凝固術または硝子体切除術を余儀なくされた糖尿病性網膜症の発症について検討された。強化血糖コントロールのオッズ比0.67、抗高脂血症薬併用療法のオッズ比は0.604年時点の糖尿病性網膜症の進行率は、強化血糖コントロール群は7.3%だったのに対し、標準血糖コントロール群は10.4%だった。強化血糖コントロール群の補正後オッズ比は0.67(95%信頼区間:0.51~0.87、P=0.003)。抗高脂血症薬治療別では、併用群は6.5%だったのに対し、単独群は10.2%だった。併用群の補正後オッズ比は0.60(0.42~0.87、P=0.006)。一方、血圧コントロールについては、強化血圧コントロール群10.4%、標準血圧コントロール群8.8%で、強化血圧コントロール群の補正後オッズ比は1.23(0.84~1.79、P=0.29)だった。(医療ライター:武藤まき)

542.

スタチンの思わぬ効果・有害事象

スタチンの想定されていない効果および有害事象について検討する、英国人男女200万人超を対象とする前向きコホート研究が、英国ノッティンガム大学プライマリ・ケア部門のJulia Hippisley-Cox氏らにより行われた。思わぬ効果として、食道がんリスク低下の有益性が認められた一方、様々な有害事象リスク上昇との関連が確認されたという。BMJ誌2010年6月5日号(オンライン版2010年5月20日号)掲載より。スタチン各種、用量、投与期間ごとに効果・有害事象を定量化Hippisley-Cox氏らは、スタチンの思わぬ効果・有害事象について、種類・用量・投与期間別に定量化することを目的とし、イングランドおよびウェールズの開業医(GP)368人の診療データをQResearch databaseから収集し検討した。200万4,692例分の患者データ(30~84歳)のうち、スタチン服用新規患者は、22万5,922例(10.7%)だった。処方の内訳は、15万9,790(70.7%)がシンバスタチン(商品名:リポバスなど)、5万328例(22.3%)がアトルバスタチン(商品名:リピトール)、8,103例(3.6%)がプラバスタチン(商品名:メバロチンなど)、4,497例(1.9%)がロスバスタチン(商品名:クレストール)、3,204例(1.4%)がフルバスタチン(商品名:ローコールなど)だった。検討された主要評価項目は、心血管疾患の初回発生、中等度~重度ミオパシー、中等度~重度肝機能障害、急性腎不全、静脈血栓塞栓症、パーキンソン病、認知症、関節リウマチ、白内障、骨粗鬆症性骨折、胃がん、食道がん、大腸がん、肺がん、メラノーマ、腎臓がん、乳がん、前立腺がん。食道がんリスク低下、肝機能障害・急性腎不全・ミオパシー・白内障リスク増大スタチンとの関連が有意ではなかったのは、パーキンソン病、関節リウマチ、静脈血栓塞栓症、認知症、骨粗鬆症性骨折、胃がん、大腸がん、肺がん、メラノーマ、腎臓がん、乳がん、前立腺がんの各リスク。食道がんリスクについては低下が認められた。一方で、中等度~重度肝機能障害、急性腎不全、中等度~重度ミオパシー、白内障のリスクは増大することが認められた。有害事象は、スタチンの種類を問わず同等にみられた。ただし肝機能障害についてはフルバスタチンでリスクが高かった。用量反応効果は、急性腎不全、肝機能障害で明瞭だった。服用期間中の全リスク増加は、最初の1年目が最も高かった。白内障リスクは男女とも、服用中止後1年以内で標準に戻った。食道がんのリスクは、女性は1年以内に男性は1~3年以内で標準に戻った。急性腎不全リスクは、男女とも1~3年以内に、肝機能障害リスクは、女性は1~3年以内に男性は3年以降に標準に戻った。心疾患リスク20%閾値に基づく5年予防NNT(治療必要数、対患者1万例)は、女性の場合、心血管疾患が37例(95%信頼区間:27~64)、食道がんは1,266例(850~3,460)だった。男性はそれぞれ、33例(24~57)、1,082例(711~2,807)だった。一方、5年NNH(有害必要数、対患者1万例)は、女性の場合、急性腎不全が434例(284~783)、中等度~重度ミオパシーは259例(186~375)、中等度~重度肝機能障害136例(109~175)、白内障33例(28~38)だった。男性のNNHは、ミオパシーのNNHが91例(74~112)だった以外は、全体として女性と同等だった。Hippisley-Cox氏は、「食道がん以外の有益性は証拠立てることができなかったが、有害事象については母集団に潜在する事象が確認でき定量化できた。さらに、有害事象の最もリスクの高い患者をモニターできるよう個別リスクのさらなる検討を進める必要がある」と結論している。

543.

スタチン投与中の糖尿病例において最低限到達しなければならないLDLコレステロール値は?

糖尿病合併例におけるLDLコレステロール値の管理目標値は120mg/dL未満が推奨されているが、アドヒアランス不良のため、コントロールが不十分な例も少なくはない。フルバスタチンが投与された高コレステロール血症合併糖尿病患者の大規模市販後調査の結果より、心イベント発症抑制のためにはLDLコレステロール値を最低限180mg/dL未満に管理することが重要であることが、東京医科大学 小田原雅人氏より第53回日本糖尿病学会学術集会にて発表された。これはフルバスタチンが投与された高コレステロール血症の長期投与時における心イベント発症率とその危険因子を検討した市販後調査Lochol Event Monitoring(LEM) Studyの糖尿病患者におけるサブ解析より得られた知見。3,000例を超える糖尿病と高コレステロール血症の併発例を3年以上追跡LEM StudyはHMG-CoA還元酵素阻害薬フルバスタチン(販売名:ローコール)20~60mg/日が投与された高コレステロール血症患者を一次予防群で5年、二次予防群で3年追跡した調査。2000年4月1日から2002年3月31日まで中央登録方式で21,139症例が登録され、その内19,084例が安全性評価対象例とされた。LEM Studyの結果は2009年に開催された第41回日本動脈硬化学会学術集会において発表されているが、今回、糖尿病合併の有無で層別解析した結果が発表された。評価対象例のうち、糖尿病患者は3,325例(17.4%)、非糖尿病患者は15,759例(82.6%)であり、高血圧合併例、心疾患合併例は糖尿病患者群で多かった。糖尿病合併の有無にかかわらず、LDLコレステロール値、総コレステロール値、トリグリセリド値はフルバスタチン投与前より有意に低下した。255例に心イベントが発現し、糖尿病患者群で2.1倍多く発現していた(p

544.

併用脂質低下療法の心血管イベント抑制効果:ACCORD

心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者に対するスタチン療法で、併用療法を行っても単独療法と比べて、イベント抑制効果は認められないことが、ACCORD試験から報告された。本論は、3月に行われた米国心臓病学会ACCで発表、NEJM誌2010年4月29日号(オンライン版2010年3月14日号)に掲載された。5,500例を、併用群・単独群に無作為化し4.7年追跡ACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者10,251例が参加する、厳格な降圧管理あるいは脂質管理が及ぼす影響を検討するために行われている試験。本論は、厳格な脂質管理の検討(ACCORD lipid trial:ACCORD Lipid)について報告したもので、5,518例が参加した。試験登録は、2001年1月~2005年10月に行われた。被験者は、オープンラベル2×2で無作為に、シンバスタチン(商品名:リポバスなど)+fenofibrateの併用療法群(2,765例)か、シンバスタチン+プラセボの単独療法群(2,753例)に割り付けられ追跡された。主要転帰は、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心血管系死亡の複合。平均追跡期間は、4.7年だった。両群にイベント発生の有意差認められず被験者平均年齢は62歳、女性が31%、37%が心血管イベントの既往があり、約60%が試験登録以前からスタチンを服用していた。結果、主要転帰の年間発生率は、併用群2.2%、単独群2.4%で、有意差は認められなかった(ハザード比:0.92、95%信頼区間:0.79~1.08、P=0.32)。また、副次転帰(主要転帰+うっ血性心不全による入院等、主要な心血管イベント、脳卒中など)も両群で有意差は認められなかった。年間死亡率も、併用群1.5%、単独群1.6%(ハザード比:0.91、95%信頼区間:0.75~1.10、P=0.33)だった。交互作用の可能性はある事前規定のサブグループ解析の結果、脂質低下の強化療法は、男性には有益だが、女性にはかえって有害となるかもしれない結果が示された。主要評価項目について、男性は併用群11.2% vs. 単独群13.3%だったが、女性では同9.1% vs.6.6%と逆転していた(交互作用P=0.01)。また脂質による交互作用の可能性も示され、基線でトリグリセリド値が高く(≧204mg/dL)・HDLコレステロール値が低かった(≦34mg/dL)患者は他のいずれの脂質群とも比べて併用療法が有益であることが示された。研究グループは、「シンバスタチン単独療法と比較して、シンバスタチン+fenofibrateの組合せによる併用療法が、致死的心血管イベント、非致死的心筋梗塞・脳卒中のイベントを抑制することは認められなかった。この結果は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者に対し、ルーチンで併用療法を用いることを支持しないものである」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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降圧薬+スタチンの降圧効果:PHYLLIS試験の2次解析

スタチンは、血清コレステロールの低減、また特異的(多面的)と思われる保護作用で心血管予防に寄与する。一方でいくつかの試験で、降圧効果も発揮するとの報告があるが、付加的防御機構として公表するには、試験に方法論的な限界があるともされている。そこでイタリア・Milano-Bicocca大学臨床・予防医学部門のGiuseppe Mancia氏ら研究グループは、以前に報告したスタチン併用による頸動脈の内膜-中膜厚の進行抑制を検討した試験PHYLLISから、24時間自由行動下血圧を基にした2次解析を行い、スタチンに付加的な降圧効果が認められるかを検討した。BMJ誌2010年4月17日号(オンライン版2010年3月25日号)掲載より。高血圧と脂質異常症を有する508例を対象に、無作為化プラセボ対照二重盲検試験PHYLLIS(Plaque Hypertension Lipid-Lowering Italian Study)は、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で、イタリアの13病院から軽度高血圧と脂質異常症を有する、45~70歳の患者508例が参加し行われた。被験者は、降圧治療にスタチンを追加し併用投与する群(スタチン併用群)、また追加投与しない群(降圧薬単独群)に無作為化された。降圧療法は、ヒドロクロロチアジド(商品名:ニュートライド)25mgを1日1回、もしくはfosinopril 20mgを1日1回にて、スタチン追加併用投与はプラバスタチン(同:メバロチン)40mgを1日1回で行われた。被験者の平均治療期間は2.6年。本解析では、その間の年1回の診察室血圧、自由行動下血圧を主要評価項目とした。スタチン併用にさらなる降圧効果認められず結果、降圧薬単独群(254例、総コレステロールの低下はわずかだった)、スタチン併用群(253例、総コレステロールとLDLコレステロールは顕著に持続的に減少)の両群とも、診察血圧はクリアカットに持続的に収縮期および拡張期とも降圧が図られていた。24時間血圧、日中・夜間血圧についても同様だった。降圧はスタチン併用群の方が、やや劣った。しかし期間中の両群間の差は、1.9mmHg(95%信頼区間:-0.6~4.3、P=0.13)を上回ることはなかった。Mancia氏は「24時間自由行動下血圧を基に解析した結果、スタチン追加併用に、さらなる降圧効果は認められなかった」と結論している。

546.

スタチン治療中の脂質異常症、甲状腺ホルモン製剤eprotirome投与でLDL低下

脂質異常症はアテローム性動脈硬化性の心血管疾患のリスクを増大し、なおかつ大半はスタチン療法のみでは寛解が望めない。甲状腺ホルモン製剤は、血清低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールレベルを低下させると同時に、リポ蛋白代謝に有益な作用をもたらす可能性が期待され、脂質低下薬としての可能性が期待されている。そこで米国ジョンズ・ホプキンス大学内分泌・代謝学部門のPaul W. Ladenson氏らのグループは、甲状腺ホルモン製剤eprotirome(KB2115)の有効性をプラセボ対照で検討した。NEJM誌2010年3月11日号より。脂質異常症患者を対象に無作為試験を実施Ladenson氏らは、甲状腺ホルモン製剤のLDLコレステロール低下に関する安全性と有効性を評価するため、シンバスタチン(商品名:リポバスなど)またはアトルバスタチン(同:リピトール)の投与を受けている高コレステロール血症患者を対象に、多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験を行った。患者はスタチンに加えて、eprotirome(1日当たり25、50、100μg量)またはプラセボの投与を受けた。副次転帰を、血清アポリポ蛋白B、トリグリセリド、Lp(a)リポ蛋白レベルの変化とし、患者は試験期間中、心臓、骨、下垂体に起こり得る有害事象についてモニタリングされた。スタチン投与患者のLDLレベル低下に有用スタチン治療に加えた投与は、12週間行われた。血清LDLコレステロール値は、ベースラインの141mg/dL(3.6mmol/L)から、eprotirome 25μg量/日、50μg量/日、100μg量/日、プラセボでそれぞれ127、113、99、94mg/dL(3.3、2.9、2.6、2.4mmol/L)まで低下した(ベースラインからの平均低下率はそれぞれ7%、22%、28%、32%)。同様の変化は、血清アポリポ蛋白B、トリグリセリド、Lp(a)リポ蛋白でも同様の低下がみられた。eprotirome 投与と関連した心臓、骨における有害作用はみられなかった。また、eprotirome 投与を受けた患者でサイロキシン値は低下したが、血清中の甲状腺刺激ホルモンならびにトリヨードサイロニン値に変化はみられなかった。研究グループは12週に及ぶ本試験の結果、スタチン治療中患者への甲状腺ホルモン製剤eprotiromeの投与により、アテローム形成リポ蛋白の低下が認められたと報告している。(医療ライター:朝田哲明)

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スタチン治療により糖尿病発症リスクがわずかに増大、診療方針には変更なし

スタチン治療により、糖尿病の発症リスクがわずかながら増大するものの、心血管疾患のリスクを有する患者や心血管疾患患者の診療方針を変更するほどではないことが、イギリスGlasgow大学Glasgow心血管研究センターのNaveed Sattar氏らによるメタ解析で示された。スタチンのプラセボ対照試験における糖尿病の発症率は、JUPITER試験ではロスバスタチン群で高かったのに対し、WOSCOPS試験ではプラバスタチン群で低いなど相反する知見が得られている。これによりスタチンの長期使用の安全性に疑問が生じたため、系統的な検討が求められていた。Lancet誌2010年2月27日号(オンライン版2010年2月17日号)掲載の報告。1,000例以上の大規模な無作為化試験のメタ解析研究グループは、スタチンの使用と糖尿病発症の関連性について、公表されたデータと未発表のデータを用いてメタ解析を行った。データベース(Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials)を用いて、1994~2009年までに実施されたスタチンの無作為化対照比較試験を検索した。1,000例以上が登録され、1年以上のフォローアップが両群で等しく行われた試験のみを解析の対象とした。臓器移植患者や血液透析を要する患者の試験は除外した。糖尿病発症リスクが9%増大したが、絶対リスクは低い13のスタチンに関する試験(ASCOT-LLA、HPS、JUPITER、WOSCOPS、LIPID、CORONA、PROSPER、MEGA、AFCAPS TexCAPS、4S、ALLHAT-LLT、GISSI HF、GISSI PREVENZIONE)が同定された(合計91,140例)。平均4年間に4,278例が糖尿病を発症した(スタチン群2,226例、対照群2,052例)。スタチン治療により糖尿病の発症リスクが9%増大した(オッズ比:1.09、95%信頼区間:1.02~1.17)。試験間の不均一性はほとんど認めなかった[I(2)=11%]。メタ回帰分析では、スタチンによる糖尿病の発症リスクはより高齢の患者を対象とした試験で高かったが、ベースライン時のBMIやLDLコレステロール値の変化はリスクに影響を及ぼさなかった。4年間のスタチン治療を255例(95%信頼区間:150~852例)に対して行うと、1例が糖尿病を発症することが示され(スタチン群:12.23/1,000人・年、対照群:11.25/1,000人・年)、絶対リスクは低かった。著者は、「スタチン治療により糖尿病の発症リスクがわずかに増大したが、絶対リスクは低く、冠動脈イベントの低減効果と比べてもリスクは低かった」と結論し、「心血管疾患のリスクが中等度~高度の患者や心血管疾患患者の診療方針を変更する必要はない」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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多発性硬化症に対する経口クラドリビン、2年間の有効性確認

日本では白血病の抗がん剤としてのみ承認されている免疫抑制薬クラドリビン(商品名:ロイスタチン)は、リンパ球サブタイプを選択的に標的とする特徴を有する。ロンドン大学クイーンズ・メアリー校のGavin Giovannoni氏ら「CLARITY」研究グループは、再発寛解型多発性硬化症患者への有効性を評価する、第III相試験である短期コース経口療法の96週間(24ヵ月間)の結果を報告した。NEJM誌2010年2月4日号より。再発寛解型多発性硬化症患者1,326例を対象に研究グループは、障害のEDSSスケール(Expanded Disability Status Scale、0~10の範囲で、スコアが高いほど障害の程度が高い)スコアが5.5以下で、過去1年間に1回以上の再発を経験した再発寛解型多発性硬化症患者1,326例を対象に無作為化試験を行った。被験者は、経口クラドリビンを累積投与量で3.5mg/kg体重投与される群、同5.25mg/kg体重投与される群、またはプラセボを投与される群に1:1:1となるよう割り付けられた。試験期間96週のうち、最初の48週での投薬は4コース(クラドリビン3.5mg/kg群は2コース+プラセボ2コース)行われた(投薬日数計8~20日間/年)。その後の48週以降に2コース(48週時点と52週時点)投与が各群に行われた(プラセボ群にはプラセボ投与、他の2群にはクラドリビン投与)。主要エンドポイントは、96週時点での再発率とした。試験を完了したのは1,184例(89.3%)、解析はintention-to-treatにて行われた。3.5mg群、5.25mg群とも再発率・障害進行とも有意に低下、ただし有害事象も高頻度クラドリビン投与群はいずれの用量群も、年間再発率がプラセボ群より有意に低下した。それぞれ3.5mg群0.14、5.25mg群0.15、プラセボ群0.33だった(両比較ともP

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スタチン併用療法ではniacinがエゼチミブを凌駕

スタチン単独療法患者の脂質プロファイルを改善する併用療法としては、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールを高める併用療法と、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールを低下させる併用療法の2つがある。ウオルター・リード米軍医療センターのAllen J. Taylor氏らの研究グループは、それぞれの併用療法の臨床効果を比較した有効性比較試験ARBITER-6 HALTSの結果について発表した。NEJM誌2009年11月26日号(オンライン版2009年11月16日号)より。スタチン単独療法患者を、niacin併用群とエゼチミブ併用群に無作為割り付けARBITER-6 HALTSは前向き無作為化平行群オープンラベル試験で行われた。冠疾患または同等の冠疾患リスクがあり、長期間スタチン療法を受けていて、LDLコレステロール値が100mg/dL(2.6mmol/L)以下、かつ、HDLコレステロール・レベルが男性は50mg/dL未満、女性は55mg/dL未満(男女各1.3、1.4mmol/L)を達成していた患者が登録された。被験者は、徐放性製剤niacin(目標:2,000mg/日)またはエゼチミブ(10mg/日)(商品名:ゼチーア錠)を併用投与するようランダムに割り付けられた。主要評価項目は、14ヵ月後の平均総頸動脈内膜中膜厚の基線からの変化とした。試験は、208例が試験を完了した時点で実施された解析で有効性が認められ、早期終了されている。平均・最大頸動脈内膜中膜厚ともniacin群で有意に低下14ヵ月の追跡期間中、niacin群の平均HDLコレステロール値は、18.4%増え50mg/dLとなった(P

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スタチンの長期服用者、胆石による胆嚢摘出術リスクがおよそ4割減

スタチンの長期服用者は、胆石による胆嚢摘出術リスクが、およそ4割減少するようだ。スタチンによって肝臓コレステロール生合成が低下し、そのため、コレステロール胆石の発症リスクが減ると考えられてはいたが、この点に関するヒトを対象にした試験はほとんどなかった。スイスBasel大学臨床薬理・毒性学のMichael Bodmer氏らが、大規模ケース・コントロール試験を行い明らかにしたもので、JAMA誌2009年11月11日号で発表した。ケース群とコントロール群、計13万人超を分析Bodmer氏らは、1994~2008年にかけて、胆石の診断を受け胆嚢摘出術を行った2万7,035人(ケース群)と、年齢や性別などをマッチングした10万6,531人(コントロール群)について、ロジスティック回帰分析を行った。被験者のうちスタチンを服用していたのは、ケース群2,396人と、コントロール群8,868人だった。胆石の診断を初めて受けた日からさかのぼって90日以内に、スタチンの処方を受けていた人のうち、その通算処方回数別に、胆嚢摘出術リスクを比較した。また、通算処方回数が20回以上の人を、スタチン長期服用者と定義した。スタチン長期服用者は胆嚢摘出術リスクが0.64倍にスタチンを長期服用していたのは、ケース群3.2%、コントロール群3.7%だった。スタチン長期服用者の、非長期服用者に対する胆嚢摘出術に関する補正後オッズ比は、0.64(95%信頼区間:0.59~0.70)だった。同補正後オッズ比は、年齢や性別、ボディマス指数(BMI)、スタチンのクラス別でも、いずれも0.6前後だった。スタチン服用者の非服用者に対する同補正後オッズ比は、スタチンの通算処方回数が増すごとに減少していた。処方回数が1~4回の群では、同補正後オッズ比は1.10(同:0.95~1.27)、5~19回では0.85(同:0.77~0.93)だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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心血管イベントの既往がない女性において発症リスクを46%減少 ―クレストールJUPITER試験より

米国フロリダ州のオーランドで開催された米国心臓協会(AHA)年次学術集会で、クレストール(ロスバスタチン)のJUPITER(ジュピター)試験の新たな解析結果が発表された。アストラゼネカ株式会社が20日に結果を報告した。JUPITER試験は、心血管イベントの既往がなく、LDL-Cは正常か低値であるものの、高感度CRP高値を示す患者を対象に行われた、クレストールの一次予防効果を検討したプラセボ対照大規模二重盲検比較試験。今回、女性6,801人を対象とした解析においてクレストール20mg/日投与群はプラセボ投与群に比べて、心血管イベント発症リスクを46%減少させることが確認された(p=0.002)。また、男性においても42%(p

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「フルバスタチン徐放製剤」血管手術後の心疾患転帰を改善

スイス・ノバルティス社は3日、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)」に掲載されたDECREASE (Dutch Echocardiographic Cardiac Risk Evaluation Applying Stress Echocardiography)III試験の結果によると、周術期にフルバスタチン徐放製剤(海外での製品名:Lescol XL)を投与し血管手術を行った患者において、術後30日以内の術後心疾患の転帰がプラセボ群に比べ有意に改善したことが示されたと発表した。エラスムスメディカルセンター(オランダ・ロッテルダム)で実施されたこの試験では、フルバスタチンを投与すると、総コレステロール値、LDLコレステロール(LDL-C)値が有意に低下し、高感度CRP値とインターロイキン-6濃度の低下によって反映される炎症の低下も有意に認められたとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090911.html#fn1

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周術期スタチン療法は血管手術患者の術後心血管系イベントを有意に減少

非心臓血管手術を受けるアテローム動脈硬化症患者は、心血管系に起因する心筋梗塞や死亡といった術後の心イベントリスクが高い。一方、術後30日のアウトカムにおけるスタチンの効果を評価するプラセボ対照試験は公表されていなかった。DECREASE IIIは、オランダ・エラスムス医療センターのOlaf Schouten氏らの研究グループによる、周術期スタチン療法が待機的血管手術患者で有害な心イベントの術後出現率を低下させるとの仮説を立証することを目的に行われたプラセボ対照試験。その結果が、NEJM誌2009年9月3日号に掲載された。徐放性フルバスタチンとプラセボを二重盲検二重盲検プラセボ対照臨床試験では、これまでスタチンの投与を受けたことのない患者を、ベータ受容体遮断薬に加えて、徐放性フルバスタチン(extended-release fluvastatin)80mgまたはプラセボのどちらかを、血管手術を受ける前に1日1回投与されるようランダムに割り付けた。そして脂質濃度、インターロイキン6濃度、C反応性蛋白(CRP)濃度が、ランダム化の際と手術前に測定された。主要エンドポイントは、術後30日以内の一過性の心電図異常、トロポニンTの放出、またはその両方で定義される心筋虚血の発生とした。副次エンドポイントは、心血管系と心筋梗塞の複合による死亡。計250例の患者がフルバスタチン、247例がプラセボに割り付けられた(中央値で血管手術37日前に投与)。心血管系の有害イベントが有意に減少総コレステロール、低比重リポ蛋白コレステロール、インターロイキン6、CRP濃度はフルバスタチン群で有意に低下したが、プラセボ群では変わらなかった。術後心筋虚血は、フルバスタチン群で27例(10.8%)、プラセボ群は47例(19.0%)で起こった(ハザード比:0.55、95%信頼区間:0.34~0.88、P=0.01)。心血管系に起因する死亡または心筋梗塞は、フルバスタチン群が12例(4.8%)、プラセボ群が25例(10.1%)で起こった(同:0.47、0.24~0.94)、P=0.03)。フルバスタチン治療による有害事象の発生率に有意な増加はみられなかった。これらの結果から研究グループは、血管手術を受ける患者に対する周術期フルバスタチン療法は、術後心疾患転帰改善との関連が確認できたと述べている。(医療ライター:朝田哲明)

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高齢者サブグループにおいて心血管イベント発症リスクが39%減少 JUPITER試験解析結果より

英国アストラゼネカ社は、スペイン・バルセロナで開催された欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)で8月31日(現地時間)、JUPITER(ジュピター)試験の新たな解析結果を発表した。昨年11月に発表されたJUPITER試験は、LDL-Cは正常か低値であるものの、炎症マーカーとして知られる高感度CRPが高値である男女を対象にクレストール(ロスバスタチン)の心血管イベント一次予防効果を検討したもの。その結果、クレストール20mg/日投与群はプラセボ投与群に比べて、心血管イベント発症リスクを44%(p

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ファイザーとアステラス製薬「カデュエット配合錠」のコ・プロモーション契約締結

ファイザー株式会社とアステラス製薬株式会社は26日、持続性Ca拮抗薬/HMG-CoA還元酵素阻害剤「カデュエット配合錠」(一般名:アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤)に関し、日本国内におけるコ・プロモーション(共同販促)契約を締結したと発表した。カデュエット配合錠は、ファイザーが販売する高血圧症・狭心症治療薬「ノルバスク錠」(一般名:アムロジピンベシル酸塩)とファイザーとアステラス製薬で共同販促する高コレステロール血症治療剤「リピトール錠」(一般名:アトルバスタチンカルシウム水和物)の有効成分を配合した経口治療剤。現在、70以上の国と地域で承認され、日本ではファイザーが2009年7月7日に製造販売承認を取得した。本契約に基づき、ファイザーはカデュエット配合錠の製造と販売を行い、アステラス製薬と共にプロモーション活動を実施する。なお、カデュエット配合錠は、薬価収載後に発売する予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_08_26.html(ファイザー)http://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-63.html(アステラス製薬)

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「ピタバスタチンカルシウム」の台湾・インドネシアにおけるライセンス契約締結

興和株式会社(以下「興和」)と田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱」)は18日、両社連結子会社である台田薬品股フェン有限公司(本社:台湾台北市、以下「台田薬品」)およびタナベインドネシア(本社:インドネシアジャカルタ首都特別州)が、高コレステロール血症治療剤「ピタバスタチンカルシウム(一般名、以下「ピタバスタチン」)」(日本国内での販売名:リバロ錠)について、各々、台湾およびインドネシアを対象とした独占的開発・販売実施権の許諾に係るライセンス契約を締結したと発表した。ピタバスタチンは、低用量で強力なLDL コレステロール低下作用を示す新規HMG-CoA還元酵素阻害剤としてストロングスタチンに位置づけられ、脂質異常改善効果以外に、長期使用での安全性、薬物相互作用発現の低減、糖尿病合併時の有用性等が確認されている。国内では2003年7月に製造承認を取得し、同年9月より販売が開始されている。興和は同剤を韓国およびタイで他社提携先を通じ販売を開始し、中国では今年7月より他社提携先を通じ販売開始。なお、米国では8月3日付で米国食品医薬品局(FDA)より販売許可を取得し、欧州16カ国では販売承認申請中とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.kowa.co.jp/g/pdf/press090818.pdf(興和株式会社/PDF)http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2009/MTPC_K090818.html(田辺三菱製薬株式会社)

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ピタバスタチンカルシウム、米国においてFDAより販売許可取得

興和株式会社は4日、2008年10月に100%子会社である米国Kowa Research Institute, Inc.を通じて米国食品医薬品局(FDA)に申請していた、原発性高コレステロール血症および混合型脂質異常症治療剤として「ピタバスタチンカルシウム(米国登録商標名:LIVALO)の新薬販売許可を、2009年8月3日(現地時間)付で取得したと発表した。ピタバスタチンは、強力なLDLコレステロール低下作用を示すことによりストロングスタチンに位置づけられ、その優れた脂質異常改善効果以外にも数多くの知見により、長期使用での安全性、薬物相互作用発現の低減、糖尿病合併時の有用性等が確認されている。今回の米国における販売許可の取得は、欧米での脂質異常症の総数約4,500症例による臨床試験にて確認されたピタバスタチンの有効性並びに安全性に基づいたもの。米国におけるピタバスタチンの販売については、同社の子会社である米国Kowa Pharmaceuticals America, Inc.(以下、KPA)が早急に販売活動を開始する予定とのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.kowa.co.jp/g/pdf/press090804.pdf

558.

心血管・冠動脈イベントの予測、CRPなど新バイオマーカーでわずかに改善

心血管・冠動脈イベントの発症リスク予測が、従来の喫煙や糖尿病といったリスク因子の他に、C反応性蛋白(CRP)などの新バイオマーカーという因子を加えることで、わずかだが改善することが、JAMA誌2009年7月1日号で発表された。スウェーデンLund大学のOlle Melander氏らが、約5,000人について追跡し、明らかにしたもの。心血管イベント、CRPとN-BNPを加えることでC統計量が0.007増Melander氏らは、1991~1994年にかけて、心血管疾患のない5,067人について、CRP、シスタチンC、リポ蛋白関連ホスホリパーゼ2などのバイオマーカー検査を行った。被験者の平均年齢は58歳、60%が女性だった。研究グループは被験者を2006年まで、平均12.8年間追跡調査した。追跡期間中、418件の心血管イベントと230件の冠動脈イベントが発生した。従来のリスク因子によるモデルでは、C統計量は心血管イベントが0.758、冠動脈イベントは0.760だった。これに、多変量Cox比例ハザードモデルを用い、心血管イベントにはCRPとN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(N-BNP)を加えることで、C統計量は0.007(p=0.04)わずかだが増加した。また冠動脈イベントについては、中間領域プロアドレノメデュリン(MR-proADM)とN-BNPを加えることで、C統計量は0.009(p=0.08)増加した。従来法では「中等度」と分類されていた「低度」の人の予測は改善新バイオマーカーを使うことで、発症リスクに関する階層分類の純再分類改善(net reclassification improvement;NRI)は、心血管・冠動脈イベント共に、有意ではなかった(心血管疾患イベント:0.0%、冠動脈イベント4.7%)。ただしリスクが「中程度」と予測された分類については、純再分類改善が図られていた(心血管疾患イベント:7.4%、冠動脈イベント14.6%)。この改善は、リスクが実際には中等度よりも低い人が、本来の低リスク階層に分類することができたことによるものだった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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アムロジピンとアトルバスタチンの合剤 カデュエットが製造販売承認を取得

ファイザー株式会社は7日、高血圧症、高コレステロール血症治療薬「カデュエット配合錠」(一般名:アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤)の製造販売承認を取得したと発表した。カデュエットは、高血圧症治療薬アムロジピン(製品名:ノルバスク)と高コレステロール血症治療薬アトルバスタチン(製品名:リピトール)を配合した経口治療剤で、1日1回経口投与で、高血圧症と高コレステロール血症を1錠で治療できる。また、アムロジピンとアトルバスタチンという異なる薬効成分を各2種類の用量に組み合わせた4剤型があるため、血圧、コレステロールの程度に応じた剤型を選択することが可能であり、それぞれの剤型は、容易に識別できるように異なる形になっている。カデュエットは、2004年に米国で承認されたのを皮切りに現在では世界60ヵ国以上で承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_07_07.html

560.

スタチン使用と地域在住高齢者の肺炎のリスク減少とは関連がない

本当にスタチンは、院外感染性肺炎のリスクを減少させる可能性があるのか? 米国ワシントン大学疫学部門Sascha Dublin氏ら研究グループが行った、住民ベースの症例対照研究の結果、「従前研究の所見は、“healthy user”のバイアスが反映されているのではないか」とする報告が寄せられた。BMJ誌2009年6月20日号(オンライン版2009年6月16日号)掲載より。65~94歳の高齢者約5万人をコホートに本研究は、2000~2002年の9月1日時点で最低2年、地域で暮らしていることが確認できた65~94歳の高齢者53,929例のうち、免疫適格性のあった46,824例(87%)を、肺炎症例群と対照群に照合させて行われた。参加者の共存症疾患、身体機能、認知機能、スタチン使用と肺炎のリスクに関連する潜在的交絡因子に関する情報は、診療記録および薬局データから集められ、現在のスタチン使用に関する肺炎発症リスクの推定値を算出し検証された。スタチン使用と肺炎リスク現象との関連は確認できず同定された肺炎症例群は1,125例、照合対照群は2,235例だった。症例群は対照群と比べて、慢性の肺疾患および心疾患(重篤で、機能もしく認知機能障害を有する)がより多く見られた。スタチン服用中の人は、症例群16.1%(181/1,125例)、対照群14.6%(327/2,235例)、補正オッズ比1.26(95%信頼区間:1.01~1.56)存在した。入院中でスタチン服用中の人は、症例群17.2%(68/395)、対照群は14.2%(112/788)で、不使用の人と比較した補正オッズ比1.61(1.08~2.39)存在した。2次予防を目的にスタチン服用中の人の肺炎発症リスクの補正オッズ比は、1.25(0.94~1.67)であった。一方、そのような徴候のない人においては、0.81(0.46~1.42)であった。これらからDublin氏は、「免疫力があり地域で暮らす高齢者においては、スタチン使用と肺炎のリスク減少とは関連がない」と結論した。

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