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veliparib、gBRCA変異のないBRCA-like型TN乳がんでPFS改善(SWOG S1416)/ASCO2020

 転移を有するトリプルネガティブ(TN)乳がんで、生殖細胞系列BRCA遺伝子(gBRCA)変異はないが、相同組み換え修復不全(HRD)スコアや体細胞系列BRCA1/2変異などの分析でBRCA-like型に分類された患者に対し、PARP阻害薬veliparibをシスプラチンに追加することで無増悪生存期間(PFS)が延長したことが、第II相SWOG S1416試験で示された。米国・University of Kansas Medical CenterのPriyanka Sharma氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表した。 PARP阻害薬は、gBRCA1/2変異のある進行乳がんでPFSを改善することが報告されている。また、TN乳がんの40~60%はHRDを示し、HRDはPARP阻害薬の感受性に関連することが示唆されている。・対象:転移/局所再発のTN乳がんまたはgBRCA1/2変異HER2陰性の進行乳がん患者・試験群:シスプラチン(75mg/m2)+veliparib(300mg経口投与、1日2回、Day 1~14)、3週ごと(veliparib群)・対照群:シスプラチン(75mg/m2)+プラセボ(プラセボ群)・評価項目:[主要評価項目]3グループ(gBRCA陽性、BRCA-like、非BRCA-like)におけるPFS[副次評価項目]奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、クリニカルベネフィット率(CBR)、安全性 3グループの分類については、veliparib群とプラセボ群に割り付けた後にgBRCA検査を実施し、変異がない場合は追加のバイオマーカー分析(myChoiceによるHRDスコアが42以上、体細胞系列BRCA1/2変異、BRCA1遺伝子プロモーター領域のメチル化、生殖細胞系列の相同組み換え修復遺伝子変異)を実施し、gBRCA変異あり、BRCA-like(追加のバイオマーカー分析で陽性であった患者)、非BRCA-likeに分類した。 主な結果は以下のとおり。・無作為に割り付けられた335例中、321例(95.8%)が有効性評価の適格基準を満たした(veliparib 群161例[50.2%]、プラセボ群160[49.8%])。・平均年齢は56歳、TNBCが95%、白人が76%、未治療患者が69%であった。・gBRCA変異ありが37例(11.5%)、BRCA-like が99例(30.8%)、非BRCA-like が110例(34.3%)、未分類が75例(23.4%)であった。・gBRCA変異ありにおいて、veliparib群のPFS中央値が6.2ヵ月、プラセボ群6.4ヵ月で有意差が認められなかった(HR:0.66、95%CI:0.30~1.44、p=0.29)・gBRCA-likeにおいて、veliparib群のPFS中央値が5.9ヵ月、プラセボ群4.2ヵ月に比べて有意に延長した(HR:0.53、95%CI:0.34~0.83、p=0.006)。・非BRCA-like、未分類では、PFSの有意な改善は見られなかった。・サブグループ解析では、BRCA-likeにおいて、veliparibを1次治療で投与された患者のPFS中央値が、veliparib群が6.1ヵ月でプラセボ群の4.2ヵ月より有意に延長し(HR:0.49、95%CI:0.29~0.83、p=0.008)、OS中央値もveliparib群が17.8ヵ月とプラセボ群の10.3ヵ月より有意に延長した(HR:0.53、95%CI:0.28~0.99、p=0.048)。さらにHRDスコアが42以上のPFS中央値も、プラセボ群4.2ヵ月に対してveliparib群6.1ヵ月と有意に延長していた(HR:0.53、95%CI:0.31~0.89、p=0.016)。・Grade3/4の有害事象は、好中球減少症(46% vs.19%)、貧血(23% vs.7%)、白血球減少症(27% vs.7%)、血小板減少症(19% vs.3%)において、veliparib群でプラセボ群より有意に発現率が高かった(すべてp<0.001)。 Sharma氏は、gBRCA変異ありのグループで有意差が見られなかった理由として、患者数が37例と少ないことによるパワー不足を挙げ、第III相BROCADE3試験ではveliparibの追加でPFSが改善していることを紹介した。最後に、BRCA-likeのTN乳がんにおける有効性を示した本試験は、PARP阻害薬の役割をgBRCA変異を越えて広げるための大きな前進である、と結んだ。

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転移性尿路上皮がんに対するアテゾリズマブの1次治療としての有効性:第III相多施設ランダム化比較試験(IMvigor130)(解説:宮嶋哲氏)-1235

 本邦において現在、転移性尿路上皮がんに対する1次治療はゲムシタビンとシスプラチン併用療法(GC療法)であるが、治療中に再発を来すことはまれではない。2次治療として免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)が期待されているが、本邦ではペンブロリズマブが唯一承認されている。アテゾリズマブは、転移性尿路上皮がんに対する2次治療としてICIの中で初めて有用性が示され、2018年にFDAに承認されたICIである。 本研究は、2016年からの2年間に転移性尿路上皮がんを対象に1次治療としてアテゾリズマブの有効性について検討を行った第III相国際多施設ランダム化比較試験(IMvigor130)である。1,213例を対象に、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用、アテゾリズマブ単剤、プラセボ+プラチナ製剤併用の3群にランダム化している。 ITT populationにおけるPFSの中央値は、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用8.2ヵ月、プラセボ+プラチナ製剤併用6.3ヵ月であった(HR:0.82)。OSの中央値は、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用16.0ヵ月、プラセボ+プラチナ製剤併用13.4ヵ月であったが(HR:0.83)、アテゾリズマブ単剤とプラセボ+プラチナ製剤併用の比較では15.7ヵ月vs.13.1ヵ月であった(HR:1.02)。投薬中止となる有害事象は、アテゾリズマブ+プラチナ製剤併用で34%、アテゾリズマブ単剤で6%、プラセボ+プラチナ製剤併用で34%の患者で認められた。転移性尿路上皮がん患者への1次治療で、プラチナ製剤にアテゾリズマブを併用することでPFSの延長が示され、新規治療オプションとしての可能性が示された。サブグループ解析では、がん組織におけるPD-L1の発現レベルによる各群の生存率への影響を検討しているが、PD-L1の発現レベルによってアテゾリズマブ単剤群の描く生存曲線が明らかに異なる点は大変興味深い。

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転移を有する尿路上皮がん1次治療、アテゾリズマブ併用でPFS延長(IMvigor130)/Lancet

 転移を有する尿路上皮がんの1次治療において、抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体製剤アテゾリズマブとプラチナ製剤ベースの化学療法の併用療法は、プラチナ製剤ベースの化学療法単独に比べ無増悪生存(PFS)期間を延長し、安全性プロファイルは化学療法単独とほぼ同様であることが、米国・マウント・シナイ・アイカーン医科大学のMatthew D. Galsky氏らの検討「IMvigor130試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年5月16日号に掲載された。プラチナ製剤ベースの化学療法は免疫調節作用を誘導するため、PD-L1およびPD-1の遮断を増強するなど、PD-L1/PD-1阻害薬との有益な併用効果がいくつか示されている。2018年7月、本試験の独立データ監視委員会(IDMC)による計画外の早期解析の結果に基づき、米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)は、転移を有する尿路上皮がん(PD-L1発現腫瘍)の1次治療におけるアテゾリズマブの処方を承認しており、今回は、PFSの最終解析と全生存(OS)の中間解析の結果が報告された。IMvigor130試験には35ヵ国221施設が参加 IMvigor130試験は、日本を含む35ヵ国221施設が参加した無作為化第III相試験であり、2016年7月~2018年7月の期間に患者登録が行われた(F. Hoffmann-La RocheとGenentechの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、未治療の局所進行・転移を有する尿路上皮がんで、全身状態(ECOG PS)が≦2の患者であった。 IMvigor130試験で被験者は、アテゾリズマブ+プラチナ製剤ベースの化学療法(シスプラチンまたはカルボプラチン+ゲムシタビン)(A群)、アテゾリズマブ単独(B群)、プラセボ+プラチナ製剤ベースの化学療法(C群)を受ける群に無作為に割り付けられた。 治療は、21日を1サイクルとし、担当医評価で増悪となるか、許容できない毒性が発現するまで継続された。アテゾリズマブは、各サイクルの第1日に1,200mgが静脈内投与された。 有効性の主要エンドポイントは、intention-to-treat集団における担当医評価によるPFS期間とOS期間の2つ(A群とC群の比較)、およびOS期間(B群とC群の比較)とした。IMvigor130試験のPFS期間中央値:A群8.2ヵ月vs.C群6.3ヵ月 IMvigor130試験には1,213例が登録され、A群に451例(37%、年齢中央値69歳[IQR:62~75]、女性25%)、B群に362例(30%、67歳[62~74]、23%)、C群には400例(33%、67歳[61~73]、26%)が割り付けられた。原発巣は、膀胱がそれぞれ69%、73%、73%を占めた。追跡期間中央値は11.8ヵ月(IQR:6.1~17.2)だった。 シスプラチン不適格例(Galsky基準)は、A群が263例(58%)、B群が192例(53%)、C群は222例(56%)であった。担当医の選択で、カルボプラチンの投与を受けたのは、A群が314例(70%)、C群は264例(66%)であった。 PFSの最終解析とOSの中間解析が行われた2019年5月31日の時点で、PFS期間中央値はA群が8.2ヵ月と、C群の6.3ヵ月に比べ有意に延長した(層別化ハザード比[HR]:0.82、95%信頼区間[CI]:0.70~0.96、片側検定のp=0.007)。このPFS期間に関する治療効果は、すべてのサブグループで一貫してA群で良好であった。 また、OS期間中央値は、A群が16.0ヵ月、C群は13.4ヵ月であった(層別化HR:0.83、95%CI:0.69~1.00、片側検定のp=0.027)。 B群とC群の比較では、OS期間中央値はB群が15.7ヵ月、C群は13.1ヵ月であった(層別化HR:1.02、95%CI:0.83~1.24)。PD-L1の発現状況別のOS期間のサブグループ解析では、IC2/3(PD-L1発現細胞の割合≧5%)およびIC0(同<1%)/IC1(同≧1~<5%)のいずれにおいても、B群とC群の間に有意な差はなかった。 客観的奏効率は、A群が47%(完全奏効13%、部分奏効35%)、B群が23%(6%、17%)、C群は44%(7%、37%)であった。奏効例の奏効までの期間中央値は、それぞれ8.5ヵ月、評価不能、7.6ヵ月だった。 治療関連のGrade3/4の有害事象は、A群が81%、B群が15%、C群は81%で発現した。治療関連の重篤な有害事象は、それぞれ32%、12%、26%でみられた。Grade3/4のとくに注目すべき有害事象の頻度は、8%、8%、4%であった。 治療中止の原因となった有害事象は、A群が34%、B群が6%、C群は34%で認められた。このうち、アテゾリズマブまたはプラセボの中止をもたらした有害事象の頻度は、それぞれ11%、6%、7%であった。 著者は、「これらの結果は、転移を有する尿路上皮がんの1次治療の潜在的な選択肢として、アテゾリズマブ+化学療法を支持するものである」としている。

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ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法限定追加レジメン、肺がん1次治療でOS改善(CheckMate9LA)/ASCO2020

 PD-L1とCTLA-4阻害薬は補完的に働く。また、PD-L1阻害薬と化学療法の併用は複数の臨床研究で生存ベネフィットが示されている。非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療において、PD-L1阻害薬ニボルマブとCTLA-4阻害薬イピリムマブに2週間の限定化学療法を追加治療を評価する第III相非盲検無作為化試験CheckMate9LAの中間解析の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)でMartin Reck氏が発表した。・対象:Stage IVまたは再発NSCLC患者、PS0~1・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価のPFS、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、NIVO+IPI+Chemo群(361例)とChemo群(358例)に無作為に割り付けられた。・OS中央値はNIVO+IPI+Chemo群14.1ヵ月、Chemo群10.7ヵ月と、NIVO+IPI+Chemo群で有意に改善した(HR:0.69、96.71%CI:0.55~0.87、p=0.0006)。・最低追跡期間12.7ヵ月のアップデートOSの中央値は、NIVO+IPI+Chemo群15.6ヵ月、Chemo群10.9ヵ月であった(HR:0.66、95%CI:0.55~0.80)。・組織別OS中央値のHR比をみると、非扁平上皮がんでは0.69(95%CI:0.55~0.87)、扁平上皮がんでは0.62(95%CI:0.45~0.86)であった。・PD-L1別OS中央値のHR比をみると、PD-L1<1%では0.62(95%CI:0.45~0.85)、PD-L1≧1%では0.64(0.50~0.82)と、PD-L1の発現を問わずNIVO+IPI+Chemo群で良好であった。なお、PD-L1 1~49%では0.61(0.44~0.84)、PD-L1≧50%では0.66(0.44~0.99)であった。・BICR評価のPFS中央値は、NIVO+IPI+Chemo群6.7ヵ月、Chemo群5.0ヵ月であった(HR:0.68、95%CI:0.57~0.82)。・ORRはNIVO+IPI+Chemo群で38%、Chemo群では25%であった。・Grade3/4治療関連有害事象(TRAE)の発現率は、NIVO+IPI+Chemo群47%、Chemo群38%であった。 NIVO+IPI+Chemo群は主要評価項目OSを達成し、より長期の追跡でもOSのさらなる改善がみられた。また、組織型、PD-L1発現を問わず有効性は一貫していた。発表者らは、NIVO+IPI+限定Chemo治療は、進行NSCLCにおける新たな1次治療の選択肢として考慮すべき、との見解を示している。

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ICI有害事象、正しく理解し・正しく恐れ・正しく対処しよう【そこからですか!?のがん免疫講座】第5回

はじめに今までは、主に免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果に焦点を当てて解説してきましたが、今回は少し趣を変えて有害事象、とくにICI特有の免疫関連有害事象に焦点を当て、それがどのようなメカニズムで起きるのかを話題にしたいと思います。抗がん剤の有害事象のいろいろ抗がん剤の有害事象といえば、やはり悪心・嘔吐、脱毛、血球減少などをイメージするかと思います。これらはいずれも、細胞傷害性抗がん剤といって、シスプラチンなどの従来の抗がん剤でよく出現した有害事象です。がん細胞だけでなく、さまざまな正常細胞を傷害してしまい、傷害を受けやすい細胞がダメージを受けて有害事象につながります。とくに血球減少はそれに伴う感染症で命にも関わるので、皆さん非常に気を使っているかと思います。その後、ゲフィチニブなどの分子標的薬が登場して、標的に応じた特有の有害事象が出現するようになりました。たとえば、ゲフィチニブは上皮成長因子受容体(EGFR)を阻害しますので、上皮が傷害される結果起きる有害事象の報告が多くなります。皮膚であれば皮疹、腸管上皮であれば下痢、といったような感じです。血管新生阻害薬であれば血管内皮細胞増殖因子(VEGF)という分子を阻害するため、特有の高血圧など血管に関わる有害事象が起きやすくなります。では、あらためてICIについて考えてみましょう。ICIは免疫、とくにT細胞を活性化させる薬剤ですので当然といえば当然ですが、免疫に関連した特有の有害事象を起こします。前回までに免疫が自己を攻撃すると「自己免疫性疾患」になる、という話をしましたが、まさに「自己免疫性疾患」のような有害事象が出現し、それらをまとめて免疫関連有害事象と呼んでいます。ICIにより活性化したT細胞はさまざまな臓器を攻撃し、臓器によって非常に多彩な有害事象が報告されています1)。たとえば、甲状腺を攻撃すれば甲状腺機能異常、肺を攻撃すれば肺臓炎、消化管を攻撃すれば腸炎、膵臓のインスリン産生細胞を攻撃すれば糖尿病、といった具合です1)。従来の抗がん剤治療ではあまり見ない有害事象が多く、まれながら命に関わるものも報告されています。適切に対処するためには、まれでも「起きうる」と認識することが重要です。有害事象が発生するメカニズム「ICIが免疫を活性化するから有害事象が発生する」だけでは、本稿は終了になってしまいますので、もう少し詳しく説明したいと思います。自己抗原に反応して攻撃するT細胞は発生の過程で選択を受けるので、われわれの身体の中にはあまり残っていないはずです。しかし、一部は除去されずに残っているものがあるとされ、そういったT細胞が自己を攻撃すると「自己免疫性疾患」になってしまいます。こうしたT細胞が自己を攻撃しないようにするシステムがわれわれの身体には元々備わっており、そのシステムが正常に働いていれば問題は起きません。そして、そのシステムの1つが、免疫チェックポイント分子なのです。PD-1やCTLA-4も決してがん細胞を攻撃するT細胞“だけ”を抑制している分子ではなく、むしろ、本来こうした「自己を攻撃しないために備わっている分子」なのです。したがって、ICIの使用によってがん細胞を攻撃するT細胞だけでなく、自己を攻撃するT細胞も活性化されることで、自己免疫性疾患のような有害事象が出てしまうのです(図1)。画像を拡大する免疫関連有害事象を「正しく」恐れる前回、「抗原には階層性がある」という話をしました。「強い免疫応答を起こせる抗原はがんのネオ抗原で、自己抗原は強い免疫応答を起こさない」はずでしたね(図2)。画像を拡大する実は、弱い抗原によって活性化されたT細胞であれば、ステロイドなどのT細胞を抑制する薬剤によって比較的抑えられやすく、逆に強い抗原によって活性化されたT細胞は、ステロイドでは抑えにくい、という実験結果があります(図3)2)。画像を拡大する実はこのことはICIにとって非常に都合がよいことです。「(強い免疫応答を起こさない抗原である)自己抗原を認識するT細胞の活性化はステロイドによって抑制されやすい」、すなわち、「(自己を攻撃するT細胞の活性化によって起きる)免疫関連有害事象はステロイドなどの適切な治療によって抑えることができる」からです(図3)。逆に、「(強い免疫応答を起こす)ネオ抗原を認識するT細胞の活性化にステロイドはあまり影響を与えない」、つまりは「ステロイドは効果にあまり影響しない」といえます(図3)。大規模な臨床で証明された確定的なものではなく、あくまで可能性での話になりますが、以上のことから、ステロイドはICIの効果にあまり影響を与えることなく、免疫関連有害事象を抑えられるかもしれません(図3)2)。実際、有害事象にはステロイド使用などの適切な対処で対応できる場合が多く、有害事象でステロイドを使用したうえでICI投与を中止しても、薬剤の効果が続いたケースも報告されています。効果と関係があるってホント?個々の患者でICIによる免疫の活性化度合いは異なります。ここでまた抗原の階層性の話になりますが、強い免疫応答を起こすネオ抗原を認識するT細胞だけを運よくICIが活性化できれば、効果だけが出て、免疫関連有害事象は起きません(図4:A)。一方、弱い免疫応答を起こす自己抗原を認識するT細胞まで活性化させる反応がICIで起きた場合を想定してください。もちろん、自己を攻撃する免疫関連有害事象は起きますが、それほど強い免疫の活性化であれば、強い反応を起こすネオ抗原を認識するT細胞も活性化しているはずなので、効果も出るはずです(図4:B)。こういった患者さんが一定割合で存在するため、効果と有害事象はある程度の相関性があるはずです3)。画像を拡大するもちろん、ICIで免疫応答がまったく起きない人には有害事象も効果も出ません(図4:C)。では、有害事象だけが出て効果がない人では何が起きているのか?と疑問も湧くかと思いますが、1つの理由を抗原の観点で論じるならば、どんなに免疫を活性化させても、元のがん細胞にネオ抗原のような標的になるがん抗原が少ない場合にはやはり無効なのだろう、と思われます(図4:D)。それだけがん抗原は重要な要素なのです。免疫関連有害事象を正しく理解し・正しく恐れ・正しく対処すれば、ICIは効果がある患者さんにとっては大きなメリットのある薬剤です。当初の連載予定回数をオーバーしてしまいましたが、次回は追加で細胞療法の話をしたいと思います。1)Michot JM, et al. Eur J Cancer. 2016;54:139-148.2)Tokunaga A, et al. J Exp Med. 2019;216:2701-2713.3)Haratani K, et al. JAMA Oncol. 2018;4:374-378.

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FDA、アテゾリズマブ単剤を非小細胞肺がん1次療法に承認/ロシュ

 ロシュ社は、2020年5月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、アテゾリズマブを転移を有する成人のPD-L1高発現(TC≧50%またはIC≧10%)非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として承認したことを発表した。  この承認は、第IIIのIMpower110試験の中間解析の結果に基づくもの。 IMpower110は、PD-L1選択、化学療法未治療のStage IV 非扁平上皮または非扁平上皮NSCLCにおいて、アテゾリズマブ単剤療法と化学療法(シスプラチン/カルボプラチンとペメトレキセド/ゲムシタビンの併用)を比較する第III相無作為化非盲検試験。アテゾリズマブ単剤療法により、PD-L1高発現患者の全生存期間(OS)が化学療法と比較して、7.1ヵ月改善した(OS中央値:20.2ヵ月対13.1ヵ月、HR:0.59、95%CI:0.40〜0.89、p=0.0106)。

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二ボルマブとイピリムマブの併用が悪性胸膜中皮腫の生存期間を延長(CheckMate-743)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2020年4月21日、未治療の悪性胸膜中皮腫(MPM)を対象とした第III相 CheckMate-743試験において、ニボルマブ(一般名:オプジーボ)とイピリムマブ(一般名:ヤーボイ)の併用療法が、主要評価項目である全生存期間(OS)を延長したことを発表した。 独立データモニタリング委員会であらかじめ計画されていた中間解析で、二ボルマブとイピリムマブの併用療法が、化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較して、統計学的に有意に、臨床的に意義のあるOSの改善を示した。  本試験で認められた二ボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、同併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。

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上部尿路がんに対する術後抗がん化学療法の有効性:POUT trial第III相試験(解説:宮嶋哲氏)-1216

 上部尿路がんは予後不良であるものの、術後補助化学療法の有効性は確認されていない。本研究では腎盂尿管がんで腎尿管全摘除術を施行された患者(261例)を対象に、経過観察群とシスプラチン主体の抗がん化学療法投与群(ゲムシタビン+シスプラチンまたはカルボプラチン)の2群にランダム化してその有効性を前向きに比較検討したものである。 2012年から2017年までに登録された261症例のうち、132例が化学療法群、129例が経過観察群に割り付けられ、観察期間中央値は30.3ヵ月であった。術後化学療法はDFS(HR:0.45、p=0.0001)ならびにMFS(HR:0.48、p=0.0007)を有意に改善した。3年無事象生存率(event-free survival)は化学療法群で71%、経過観察群で46%であった。一方、Grade3以上の有害事象は、化学療法群で44%、経過観察群で4%に認めたが、治療関連死は認めなかった。 以上から、腎盂尿管がんに対する腎尿管全摘除術施行後のシスプラチン主体補助化学療法の有効性がようやく示されたといえる。ただし、対象となったコホートにはリンパ節陽性例が20%以上含まれていたことから、リンパ節陰性例だけ抽出した症例に関する結果に疑問が残る。さらには、リンパ節郭清の意義についても検討課題である。 腎盂尿管がんの術後は単腎となり腎機能は術前に比べ半減するため、投与可能なシスプラチンの量も減少する。したがって、術前抗がん化学療法の有効性に関する検討も必要である。さらには、免疫チェックポイント阻害薬の登場により、シスプラチン主体抗がん化学療法の立ち位置も今後は変化していくものと予測される。

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デュルバルマブの小細胞肺がん、FDA承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、3月30日、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(一般名:イミフィンジ)が、成人の進展型小細胞肺がんに対する1次治療として標準治療である化学療法(エトポシド+カルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、米国において承認されたことを発表した。 今回の米国食品医薬品局による承認は、第III相CASPIAN試験の結果に基づくもの。 CASPIAN試験では2つの主要評価項目を設定し、デュルバルマブと化学療法の併用療法群と化学療法群を比較した。その結果、デュルバルマブと化学療法の併用療法群では、死亡リスクが27%低下し(ハザード比:0.73、95%CI:0.59〜0.91、p=0.0047)、OS中央値は化学療法群の10.3ヵ月に対して13.0ヵ月であった。加えて、デュルバルマブと化学療法の併用療法群において、より高い客観的奏効率が得られたことも示された(化学療法群の58%に対して68%)。なお、デュルバルマブと化学療法の併用療法における安全性および忍容性は、これらの薬剤における既知の安全性プロファイルと一致していた。 また、デュルバルマブと化学療法との併用療法に抗CTLA-4抗体トレメリムマブを追加したもう1つの投与群の解析も完了しているが、こちらの主要評価項目は達成されなかった。詳細なデータは、今後の学会で発表される予定。

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非扁平上皮NSCLC、ペムブロリズマブ+化学療法の1次治療第III相試験アップデート(KEYNOTE-189)/JCO

 転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、ペムブロリズマブ+化学療法の第III相KEYNOTE-189試験の結果が更新された。Journal of Clinical Oncology誌2020年3月9日号オンライン版掲載の報告。 同試験の対象は、再発・転移のある無治療のStageIV非扁平上皮NSCLC患者616例。登録患者は、ペムブロリズマブ(3週ごと最大35サイクル)+化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセドの3週ごと4サイクル後、ペメトレキセド3週ごと)群410例とプラセボ+化学療法(ペムブロリズマブ併用群と同一用法・用量)群206例に無作為に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は23.1ヵ月であった(2018年9月21日時点)。・全生存期間(OS)中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群22.0ヵ月、化学療法群10.7ヵ月で、ハザード比(HR)は0.56(95%CI:0.45〜0.70)であった。・PD-L1発現別のOS HRは、TPS≧50%では0.59、TPS1~49%では0.62、TPS<1%では0.52であった。・無増悪生存期間(PFS)は、ペムブロリズマブ+化学療法群9.0ヵ月、化学療法群4.9ヵ月で、HRは0.48(95%CI:0.40~0.58)であった。・PD-L1発現別のPFS HRは、TPS≧50%では0.36、TPS1~49%では0.51、TPS<1%では0.64であった。・Grade3〜5の有害事象の発現率は、ペムブロリズマブ+化学療法群では71.9%、化学療法群では66.8%であった。 筆者らは、転移を有する非扁平上皮NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブと化学療法併用の生存ベネフィットはPD-L1発現レベル、肝臓/脳転移の有無にかかわらず確認されたとしている。

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上部尿路上皮がん、術後化学療法で無病生存率改善/Lancet

 局所進行上部尿路上皮がん(UTUC)患者の治療において、腎尿管全摘除術後のゲムシタビン+プラチナ製剤併用による術後補助化学療法は、これを行わない場合に比べ無病生存(DFS)率を改善することが、英国・ランカシャー州教育病院国民保健サービス(NHS)ファンデーショントラストのAlison Birtle氏らの検討「POUT試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年3月5日号に掲載された。UTUCはまれな疾患で、膀胱上皮がんに比べて各病期の予後が不良とされる。UTUC患者の治療では、根治的腎尿管全摘除術後の術後化学療法の有益性に関して、国際的な合意は得られていないという。術後化学療法の有用性を評価する無作為化試験 本研究は、英国の71施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2012年6月~2017年11月の期間に患者登録が行われた(Cancer Research UKの助成による)。 対象は、年齢16歳以上、糸球体濾過量(GFR)≧30mL/分で、UTUCの根治的腎尿管全摘除術(画像上または肉眼的に異常と判定されたすべてのリンパ節の郭清を含む)を受け、術後のStageが筋層非浸潤性(pT2~pT4、N any)またはリンパ節転移陽性(pT any、N1~3)で、非転移性(M0)の病変を有し、組織学的に移行上皮がんが主の患者であった。 被験者は、サーベイランスを受ける群、または術後90日以内に、21日を1サイクルとする化学療法を4サイクル受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。化学療法は、シスプラチン(CDDP、70mg/m2)またはカルボプラチン(CBDCA、AUC 4.5または5)が第1日に、ゲムシタビン(GEM、1,000mg/m2)が第1日と第8日に静脈内投与された。 主要評価項目は、intention-to-treat(ITT)集団におけるDFS(割り付け時から初回の再発、転移、死亡までの期間)の割合とした。 本試験は、261例を登録した時点で、事前に規定された中間解析において有効性に関する早期終了の基準を満たしたため、患者登録が中止された。再発/死亡リスクが55%低減 71の参加施設中57施設から261例が登録された。化学療法群に132例、サーベイランス群には129例が割り付けられ、割り付け後にデータの使用への同意を撤回した化学療法群の1例を除く260例(ITT集団)が解析に含まれた。 ベースラインの全体の年齢中央値は68.5歳(IQR 62.0~74.1)、女性が32%含まれた。94%がpT2~pT3、91%がN0で、64%がGFR≧50mL/分であった。腫瘍部位は腎盂が35%、尿管が34%、両方が30%で、術式は開放手術が15%、腹腔鏡手術が82%、ロボット手術が2%であり、顕微鏡的切除断端陽性率は12%だった。フォローアップ期間中央値は30.3ヵ月(IQR:18.0~47.5)。 実際に化学療法を受けたのは126例で、割り付け後にGFRが低下したため76例中16例(21%)がCDDPからCBDCAに、割り付けから治療開始前にGFRが上昇したため50例中1例(2%)がCBDCAからCDDPに切り替えた。 DFS関連イベントの発生率は、化学療法群が27%(35/131例)と、サーベイランス群の47%(60/129例)と比較して有意に低く、相対リスクが55%改善された(ハザード比[HR]:0.45、95%信頼区間[CI]:0.30~0.68、log-rank検定のp=0.0001)。 3年DFS率は、化学療法群が71%(95%CI:61~78)、サーベイランス群は46%(36~56)であり、両群間の推定絶対差は25%(11~38)であった。DFS期間中央値は、化学療法群は未到達、サーベイランス群は29.8ヵ月だった。また、転移または死亡のリスクは、化学療法群で52%低下した(HR:0.48、95%CI:0.31~0.74、log-rank検定のp=0.0007)。 Grade3以上の急性治療関連有害事象は、化学療法群が44%(55/126例、GEM+CDDP 44%[31/71例]、GEM+CBDCA 44%[24/55例])、サーベイランス群は4%(5/129例)で認められた(p<0.0001)。化学療法群では、Grade3以上の好中球数の減少(36%)、血小板数の減少(10%)、悪心(6%)、発熱性好中球減少(6%)、嘔吐(6%)がサーベイランス群よりも多く、重篤な有害事象は32%にみられた。治療関連死の報告はなかった。 QOL(EORTC QLQ-C30、EQ-5D-5L)は、化学療法期間中とその直後(3ヵ月時、p=0.0028)は化学療法群で不良であったが、6ヵ月後にはこの差は解消した。 著者は、「プラチナ製剤ベースの化学療法は、UTUC患者の腎尿管全摘除術後の標準的な補助化学療法と考えられる」としている。

212.

NSCLCの術後補助化学療法、適正レジメンは?(TORG 0503)/Lung Cancer

 日本発の、非小細胞肺がん(NSCLC)術後補助化学療法の適正レジメンが示された。完全切除されたStage IB、IIおよびIIIAのNSCLCでは、術後補助化学療法が標準治療であるが、これまで最適な化学療法レジメンは決定されていない。日本医科大学呼吸器内科の久保田馨氏らは、これらの患者において望ましいプラチナベースの第3世代レジメンを選択する「TORG0503試験」を実施した。その結果、ドセタキセル+シスプラチン併用療法とパクリタキセル+カルボプラチン併用療法が、術後補助化学療法として安全に施行できることが示された。結果を踏まえて著者は、「次の臨床試験では、対照としてドセタキセル+シスプラチン併用療法を選択する」と述べている。Lung Cancer誌オンライン版2019年3月号の掲載報告。 研究グループは、完全切除されたStage IB、IIA、IIB、IIIAのNSCLC患者を、ドセタキセル(60mg/m2)+シスプラチン(80mg/m2)併用療法を3サイクル行う群(A群)と、パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)併用療法を3サイクル行う群(B群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は2年無再発生存割合、主な副次評価項目は全生存期間(OS)、有害事象(忍容性、毒性)などとした。 主な結果は以下のとおり。・111例(A群58例、B群53例)が無作為に割り付けられた。両群の患者背景は類似していた。・3サイクルの化学療法を完遂した患者の割合は、A群で93%(54/58例)、B群で92%(49/53例)であった。・両群で治療に関連した死亡は認められなかった。・2年無再発生存割合は、A群で74.5%(95%信頼区間[CI]:68.6~80.4)、B群で72.0%(95%CI:65.7~78.3)であった。・また、5年無再発生存割合はA群で61.6%、B群で46.0%であった。・2および5年OSは、A群で89.7%および73.9%、B群で86.9%および67.5%であった。

213.

化学療法誘発性悪心・嘔吐にオランザピン5mgは有効か(J-FORCE)/Lancet Oncol

 オランザピンは、化学療法誘発性悪心・嘔吐にアプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾンの3剤からなる標準制吐療法への追加が推奨されるが、その用量は10mgである。オランザピン5mgは、複数の第II相試験で10mgと同等の活性と良好な安全性プロファイルが示されている。国立がん研究センター中央病院の橋本 浩伸氏らは、シスプラチンベース化学療法による悪心・嘔吐の予防における、オランザピン5mg追加の有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相J-FORCE試験を実施した。Lancet Oncology誌オンライン版2019年12月11日号掲載の報告。 J-FORCE試験は国内26施設で行われた。対象は、シスプラチン(50mg/m2以上)の初回治療を受ける、造血器悪性腫瘍を除く悪性腫瘍患者。年齢は20~75歳。ECOG PSは0〜2。対象患者は、アプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾンに加え、オランザピン5mg/日またはプラセボを投与する群に1対1に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、完全奏効(遅延期[24~120時間]において嘔吐がなく、レスキュー薬を使用しない)患者の割合とした。 主な結果は以下のとおり。・2017年2月9日~2018年7月13日に、710例の患者が登録された。・356例がオランザピン5mg群に、354例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。・完全奏効患者の割合は、オランザピン5mg群79%(354例中280例)、プラセボ群66%(351例中231例)と、オランザピン5mg群で有意に多かった(p<0.0001)。・オランザピン群で、治療に関連したGrade3の便秘、Grade3の傾眠がそれぞれ1例に発現した。 筆者らは、「標準制吐療法であるアプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾンへのオランザピン5mgの追加は、シスプラチンベース化学療法患者の新たな標準制吐療法となりうる」と述べている。

214.

肺がんuncommon EGFR変異に対するアファチニブの有効性/JTO

 uncommon EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対するアファチニブの有効性を検討した知見が示された。uncommon EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者におけるEGFR-TKIの有効性に関する臨床データは限られている。国立台湾大学病院のJames Chih-Hsin Yang氏らは、さまざまな臨床試験のプール解析から、アファチニブは、主要なuncommon EGFR遺伝子変異および複合変異を有するNSCLCに対して有効性を示すことを明らかにした。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年1月10日号掲載の報告。 研究グループは、無作為化臨床試験、拡大治験(人道的使用および拡張アクセスプログラム)、第IIIb相試験、非介入試験および症例集積研究においてアファチニブによる治療を受けたuncommon EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者計693例のプール解析を行った。 対象患者は、EGFR遺伝子変異により次のように分類された。(1)T790M、(2)exon 20挿入、(3)主要uncommon遺伝子変異(T790Mおよびexon 20挿入を除くG719X、L861Q、S768I、その他)、(4)複合変異、(5)その他のuncommon遺伝子変異である。 主要評価項目は、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、治療成功期間(TTF)であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象のEGFR-TKI未治療患者は315例であった。・主要uncommon遺伝子変異群では、TTF中央値は10.8ヵ月、ORRは60.0%、DoR中央値は17.1ヵ月であった。・複合変異群では、TTF 14.7ヵ月、ORR 77.1%、DoR 16.6ヵ月であった。・その他のuncommon遺伝子変異群では、TTF 4.5ヵ月、ORR 65.2%、DoR 9.0ヵ月であった。・exon 20挿入群では、TTF 4.2ヵ月、ORR 24.3%、DoR 11.9ヵ月であった。

215.

進展型小細胞肺がんに対するペムブロリズマブ+化学療法の成績(KEYNOTE-604)/Merck

 Merck社は、2020年1月6日、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)1次治療におけるペムブロリズマブと化学療法併用の第III相KEYNOTE-604試験において、主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表。 同研究では、ペムブロリズマブと化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)併用は、化学療法単独(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)と比較して統計的に有意なPFSの改善がもたらした(HR:0.75、95%CI:0.61~0.91)。全生存(OS)についてはペムブロリズマブ併用患者で改善が認められたが、事前に指定された統計学的基準を満たさなかった(HR:0.80 、95%CI:0.64~0.98)。同試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、以前に報告されものと同様であった。試験結果は今後の医学会議で発表され、規制当局と議論するとしている。 KEYNOTE-604試験では、453例が登録され、ペムブロリズマブ+化学療法またはプラセボ+化学療法に無作為に割り付けられた。複合主要評価項目はOSとPFS、副次評価項目は、客観的奏効率、奏効期間、安全性と生活の質(QoL)など。

216.

男性胚細胞腫瘍の心血管疾患リスクは?/JCO

 男性の胚細胞腫瘍は、まれだが20~30代に比較的多く発生するという特徴がある。その男性胚細胞腫瘍(精巣腫瘍)について、ブレオマイシン+エトポシド+シスプラチン(BEP)併用療法が、治療開始後1年未満の心血管疾患(CVD)リスクを顕著に増加させ、10年後にもわずかだがリスク増加と関連することが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のJakob Lauritsen氏らによる検討で明らかにされた。また、放射線療法が糖尿病のリスク増加と関連していることも示されたという。なお、経過観察の患者では、CVDリスクは正常集団と同程度であった。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年12月10日号掲載の報告。 研究グループは、デンマークの精巣腫瘍データベースを用いて、腫瘍治療後のCVDリスクを分析した。臨床データを収集するとともに、患者1例につきデンマークの正常集団から生年月日をマッチさせたリスク集団サンプリング(risk-set sampling)で対照10例を抽出し、治療とアウトカムとの関連性を、がん治療を時変共変量(time-varying covariate)として組み込んだCoxモデルでアウトカムごとに分析した。 心血管リスク因子、CVDおよび関連する死亡は、デンマークのレジストリで特定した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、胚細胞腫瘍の男性患者5,185例、対照男性5万1,850例で、追跡期間中央値は15.8年であった。・BEP併用療法(1,819例)は、高血圧症と高コレステロール血症のリスク増加と関連していた。・BEP併用療法開始後1年未満のCVDのハザード比(HR)は、心筋梗塞が6.3(95%信頼区間[CI]:2.9~13.9)、脳血管障害が6.0(2.6~14.1)、静脈血栓塞栓症が24.7(14.0~43.6)であった。・BEP併用療法開始後1年以降は、CVDリスクは正常レベルに低下したが、10年後の時点でも心筋梗塞(HR:1.4、95%CI:1.0~2.0)および心血管死(1.6、1.0~2.5)のリスク増加が認められた。・放射線療法(780例)は、長期追跡で糖尿病のリスクを増加させた(HR:1.4、95%CI:1.0~2.0)が、ほかのリスクは増加しなかった。・経過観察の患者(3,332例)では、心血管リスク因子、CVDおよび心血管死のデータは正常集団と同程度であった。

217.

非扁平上皮NSCLC、KEYNOTE-189日本人延長試験の結果/日本肺癌学会

 未治療の非小細胞肺がん(非扁平上皮がん)に対してペムブロリズマブ+ペメトレキセド+プラチナ(シスプラチンまたはカルボプラチン)療法とペメトレキセド+プラチナ療法と比較したKEYNOTE-189試験の日本人延長試験の結果が、第60回日本肺癌学会学術集会で発表された。当試験の全集団ではペムブロリズマブ上乗せ群が全生存期間(OS)を有意に改善した(HR:0.49、95%CI:0.38~0.64、p<0.001)が、今回の日本人試験の評価項目は安全性、忍容性である。 主な結果は以下のとおり。・日本人患者は、全試験からの10例、日本人試験からの30例の計40例。ペムブロリズマブ+ペメトレキセド+プラチナ(Pembro/Pem/Plat)群25例、ペメトレキセド+プラチナ(Pem/Plat)群15例に無作為に割り付けられた。・ベースラインの患者背景では脳転移がPem/Plat群に多くみられた(Pem/Plat群33%に対しPembro/Pem/Plat群16%)。・Grade3~4の治療下発現有害事象(TEAE)はPembro/Pem/Plat群の72.0%、Pem/Plat群の60.0%で発現した。これは全集団と同等の結果であった(Pembro/Pem/Plat群71.9%、Pem/Plat群66.8%)。・日本人試験におけるOS中央値は、Pembro/Pem/Plat群では未到達、Pem/Plat群では25.9ヵ月であった(HR:0.29)。・日本人試験における無増悪生存期間中央値は、Pembro/Pem/Plat群では16.5ヵ月、Pem/Plat群では7.1ヵ月であった(HR:0.62)。 発表者である四国がんセンターの野上 尚之氏は、当試験の評価はあくまで安全性であり、効果については参考として考えるべきとの見解を示した。

218.

デュルバルマブの進展型小細胞肺がん、FDAの優先審査指定に/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2019年11月29日、デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)が治療歴のない進展型小細胞肺がん(SCLC)患者に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から生物製剤承認一部変更申請(sBLA)に対する優先審査指定を受けたことを発表。 このsBLAは、The Lancet誌に掲載された第III相CASPIAN試験の良好な結果に基づいて行われた。CASPIAN試験は、進展型SCLC患者の1次治療を対象とした、無作為化非盲検国際多施設共同第III相試験。同試験では、デュルバルマブと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用と化学療法単独、および、デュルバルマブ、トレメリムマブ、化学療法の併用と化学療法単独を比較したもの。全生存期間(OS)を主要評価項目とし、米国、欧州、南米、アジア、中東の 23カ国200以上の施設で実施されている。 同試験において、化学療法単独群のOS中央値は10.3ヵ月であったのに対し、デュルバルマブと化学療法併用群はOS中央値13.0ヵ月を示し、統計学的に有意で臨床的に意義のあるOSの延長を示した(ハザード比:0.73)。治療開始後18ヵ月時点で生存している患者の割合は、デュルバルマブ・化学療法併用群では33.9%、化学療法単独群では24.7%と推計され、併用療法によるOS延長のベネフィットが示された。 デュルバルマブの小細胞肺がん治療薬としての適応は本邦では未承認である。

219.

肺がん治療を変えたものは?医師が選ぶベスト10を発表

 2019年12月6日~8日まで日本肺癌学会学術集会が行われた。60回目という節目を迎えた今回は、特別企画として「肺がん医療のこれまでの60年を振り返り、これからの60年を考える」と題したシンポジウムが行われた。ここでの目玉は、学会員にアンケート形式で聞いた「肺がん治療史ベスト10」。肺がん治療において画期的だったと思われる出来事をランキング形式で挙げるというこの企画、当日発表されたベスト10は以下の通りだった。 1位 遺伝子変異の発見・分子標的薬の登場 2位 免疫療法の発見・承認 3位 低侵襲性手術の導入 4位 CTの開発・導入 5位 ゲノム医療・NGS/プレシジョンメディシン 6位 放射線治療の進歩 7位 気管支鏡検査 8位 シスプラチン(プラチナ製剤)の登場 9位 支持療法の進歩 10位 肺縮小手術の確立 1位の「分子標的薬の登場」は90年代後半、2位の「免疫療法の発見・承認」にいたっては2010年代に入ってからのトピックスであり、肺がん治療のここ数十年での急激な進展を学会員も実感していることが浮き彫りとなった。会場では、会長の光冨 徹哉氏(近畿大学)をはじめ、年代の異なる医師3人と患者連絡会の代表が、それぞれの立場からランキング結果への感想や治療法への思いを述べた。 「肺癌学会に望むこと」を聞いたアンケート結果も発表され、「認定医や専門医制度の発足」「より一層の国際化」「学会に行かなくても教育的講演を聞けるようにしてほしい」などの声が寄せられていた。

220.

扁平上皮肺がんの抗EGFR抗体ネシツムマブ発売/日本化薬

 日本化薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:涌元厚宏、以下「日本化薬」)は、2019年11月22日、抗悪性腫瘍剤ヒト型抗EGFRモノクローナル抗体ネシツムマブ(商品名:ポートラーザ)を発売した。ネシツムマブは、進行・再発扁平上皮非小細胞肺がんの治療薬としてイーライリリー・アンド・カンパニーが2015年より欧米にて販売しているヒト型抗EGFRモノクローナル抗体である。2019年8月1日付で日本化薬が日本イーライリリー社より製造販売権を承継し、発売準備を行っていた。・製品名:ポートラーザ点滴静注液 800mg・一般名:ネシツムマブ(遺伝子組換え)・効能・効果:切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌・用法・用量:ゲムシタビン及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはネシツムマブ(遺伝子組み換え)として1回800mgをおよそ60分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

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