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<先週の動き>1.「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン 第1版」公表/厚労省2.急性期充実体制加算取得に「敷地内薬局」はNG、疑義解釈と訂正通知3.不正受給問題で医療法人が負債20億円を抱え破産/金沢市4.社会保障に医療介護分野でもデジタル技術の活用を/内閣府5.サイバー攻撃対策を盛り込んだ医療情報システムGL第5.2版/厚労省1.「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン 第1版」公表/厚労省厚労省は、「医師の働き方改革の推進に関する検討会」において、制度施行に向けて議論が一通り完了したことから、『医師労働時間短縮計画作成ガイドライン 第1版』を1日に公表した。24年4月からすべての医師に時間外労働の上限規制が適用される。医師の時間外・休日労働等の上限については、「36協定上の上限および、36協定によっても超えられない上限をともに、原則年960時間(A水準)・月100時間未満(例外あり)」とした上で、「地域の医療提供体制の確保のために暫定的に認められる水準(連携B・B水準)および集中的に技能を向上させるために必要な水準(C水準)」として、年1,860時間・月100時間未満(例外あり)の上限時間数を設定する。医療機関全体として医師の働き方改革を進めていくことが重要とし、年960時間を超える医師(=A水準超の時間外・休日労働を行う医師)が勤務する医療機関に対して、23年度末までにガイドラインに基づいた医師労働時間短縮計画の作成を努力義務とした。また、連携B・B・C水準の指定を目指す医療機関に対しては、医療機関勤務環境評価センターによる第三者評価を受審する前に、2024年度以降の計画案(取り組み実績と24年度以降の取り組み目標など)の作成を義務付けている。(参考)医師労働時間短縮計画作成ガイドライン及び医療機関の医師の労働時間短縮の取組に関するガイドライン(評価項目と評価基準)の公表について(厚労省)医師の働き方改革推進検討会、2024年度への準備整う C-2水準の審査組織の大枠固まる(日経メディカル)2.急性期充実体制加算取得に「敷地内薬局」はNG、疑義解釈と訂正通知厚労省は、22年度の診療報酬改定の疑義解釈資料(その1)を31日に公表した。医科診療報酬点数表関係257項目、不妊治療に関して90項目、DPCに関して15項目、費用請求に関して28項目など、歯科診療報酬と調剤報酬、訪問看護療養費についても同資料にまとめられている。また、同日に通知された「令和4年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について」では、急性期充実体制加算に関する施設基準として、特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係がないことが求められることとなった。要は、「急性期充実体制加算をする病院に対して敷地内薬局を設けることを認めない」ということ。今年度の改訂内容だけでなく、追加資料の更新にもしばらくは注視が必要だろう。(参考)急性期充実体制加算の緊急手術・看護必要度II・敷地内薬局NG等の考え方整理―疑義解釈1【2022年度診療報酬改定】(Gem Med)令和4年度診療報酬改定について(厚労省)3.不正受給問題で医療法人が負債20億円を抱え破産/金沢市石川県金沢市で旧藤井病院を経営していた医療法人社団 博洋会が、負債総額約20億円を抱え、先月16日に自己破産を東京地裁に申請し、受理されたことが明らかになった。一般病床40床、回復期リハビリ25床、医療療養40床の計105床を有し、ピーク時の06年9月期には売上高約17億9,000万円を計上していた。当院は20年9月、入院基本料の不正請求などの問題が発覚し、21年2月には東海北陸厚生局から、過去5年にわたって看護師らの勤務実態を偽って診療報酬約1億5,900万円を不正受給していたことを公表された。保険医療機関の指定が取り消されることになっていた今年1月に先立ち、21年8月に竜山会へ病院事業を譲渡していたが、債権者は1,000人を超え、負債総額はおよそ20億円を超える見通し。(参考)(医)社団博洋会~2021年2月に診療報酬不正受給を公表されていた~(東京商工リサーチ)負債総額は“約20億円超”か…金沢市で藤井病院を運営していた医療法人・博洋会が自己破産を申請(石川テレビ)診療報酬不正の医療法人が破産 負債総額20億円以上(北陸放送)4.社会保障に医療介護分野でもデジタル技術の活用を/内閣府社会保障のあり方を見直す「全世代型社会保障構築会議」の第3回が29日に開かれ、本格的に討論が開始された。医療・介護・福祉サービスについては人材の確保・育成のためにデジタル技術の活用や高齢・地域人材の活用を検討するほか、子育て支援や勤労者皆保険の実現のため、パート労働者やフリーランスの社会保障の適用などを取り組む対象に加えた。また、家庭における介護の負担軽減策としては、今後の介護ニーズが急増する首都圏や大都市での対策や介護離職の防止策、ヤングケアラーへの支援策についても論点として取り上げた。(参考)全世代型社会保障会議が「議論の整理」 医療・介護で「ICT活用による人材配置の効率化」を明記(JOINT)全世代型社会保障の当面の論点に係る議論の整理について(全世代型社会保障構築会議)5.サイバー攻撃対策を盛り込んだ医療情報システムGL第5.2版/厚労省厚労省は、30日に「健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ」を開催し、外部ネットワークを利用する上で医療機関等が負うべき管理内容を明示した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5.2版」が了承された。近年、医療機関等の医療情報システムに対するサイバー攻撃の多様化・巧妙化が進み、診療業務に大きな影響が生じるような被害が増えている。万が一障害が発生しても速やかに回復するためにはバックアップが重要であり、安全対策を行う上での具体的な方法などを記載している。(参考)医療情報システムガイドライン改訂を決定、ランサムウェアなどサイバー攻撃対策強化を―医療等情報利活用ワーキング(Gem Med)相次ぐ医療機関へのサイバー攻撃でガイドライン見直し 厚労省 バックアップデータでも“トリアージ”が必要(CB news)