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腰痛治療に関して男性医師と女性医師とで有意な差

 腰痛症患者の疼痛マネジメントの判断に関して、男性医師と女性医師とで有意な差があることが、オランダ・ユトレヒト大学のDieuwke S Veldhuijzen氏らによる調査の結果、報告された。女性医師のほうが男性医師よりも薬物療法を第一選択とする割合が高いという。これまで、疼痛治療に関するバイアスとして、医師の性差について利用可能な情報はほとんどなかった。Pain Practice誌オンライン版2012年11月23日号の掲載報告。 研究グループは、医療提供者の性別と患者特性が腰痛治療における選択に影響するかどうかを調査した。 訓練を受けた医師によって診察された腰痛症患者(男性46%)186例のデータを、レトロスペクティブな観察研究によって検討した。 初回診察時に、薬物療法、侵襲的治療、その他オプション治療の3つのうち第一治療選択として選んでいたものでグループ分けをし、主要アウトカムとした。カイ2乗検定と多変量ロジスティック回帰分析によって、医師や患者(両方またはどちらか)の性別と治療選択との関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・医師の性別は、腰痛症治療における第一選択肢の有意な予測因子であることがみられた。・女性医師は、第一選択治療として薬物療法をより多く選ぶ傾向が認められた。・侵襲的治療やその他オプションについては、性別による有意な差はみられなかった。・これらの傾向に、患者が以前に別の疼痛専門家によって受けていた疼痛治療の影響はみられなかった。・患者の性別は疼痛管理に関する判断に影響はみられず、患者と医師間の性別の一致、不一致による影響もみられなかった。

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第9回 説明義務 その3:「説明義務の客体」癌の告知は誰まですべき!?

■今回のテーマのポイント1.法的な説明義務の客体は、診療契約の当事者である患者である2.診療契約の当事者でない家族に対して、患者の同意なく患者情報を提供しても違法とならない場合は限られている3.患者の同意なく、家族に患者情報を提供する法的義務を課すこと及び家族を探索する義務を課すことは、行き過ぎといえるが、判例があるため注意する必要がある事件の概要77歳男性(X)は、昭和60年より虚血性心疾患等にてY病院の循環器科に外来通院していました。平成2年10月に胸部X線を撮影したところ、肺野にコイン様陰影が認められたことから、呼吸器内科医であるA医師にコンサルトし、精査した結果、多発性の肺腫瘍で胸水貯留もあることが判明しました。A医師は、すでに根治的治療は困難であり、Xの余命は長くて1年程度と判断したため、Xに対し、病名を伏せ、肺の検査をするために入院するように勧めました。しかし、Xは、「高齢の妻と2人暮らしのため入院はできない」と拒否しました。また、A医師は、診察に家族を同行するよう依頼しましたが、結局Xは1人で通院してきました。翌月、A医師は、Xの家族には病名を伝えた方がいいと考え、カルテ記載のXの自宅電話番号にも電話しましたが、つながりませんでした。その後、外来主治医がB医師に変更され、2ヵ月通院していましたが、それ以上家族に連絡を取る等は行われませんでした。最終的にXは、他院に入院したものの平成3年10月に死亡しました。なお、Xには、最後まで病名の告知はなされませんでした。これに対し、Xの家族は、Y病院に対し、Xが末期癌であることを本人又は家族である原告らに対し告知しなかったことは、説明義務違反であるとして1600万円の損害賠償請求を行いました。第1審では末期癌の告知をいつ、誰に、どのような方法で行うかは、医師に広範な裁量が認められるとして、原告の請求を棄却しましたが、第2審においては、Xに対して告知しなかったことは違法ではないものの、患者本人に対し告知しないと判断した以上、医師には患者の家族に関する情報を収集する義務があり、必要であれば家族と直接接触するなどして患者家族に対して告知するか否かを検討する義務があるとして、これに違反したY病院に対し120万円の損害賠償責任を認めました。この原審に対し、Y病院が上告したところ、最高裁は、家族に対する説明義務につき、原審を維持したうえで、下記の通り判示しました。なぜそうなったのかは、事件の経過からご覧ください。事件の経過77歳男性(X)は、昭和60年より虚血性心疾患等にてY病院の循環器科に外来通院していました。平成2年10月に胸部X線を撮影したところ、肺野にコイン様陰影が認められたことから、呼吸器内科医であるA医師にコンサルトし、精査した結果、多発性の肺腫瘍で胸水貯留もあることが判明しました。12月にA医師の外来を受診した際、Xが前胸部痛を訴えたこと、Y1はすでに根治的治療は困難であり、Xの余命は長くて1年程度と判断したことから、Xに対し、病名を伏せ、肺の検査をするために入院するように勧めました。しかし、Xは、「高齢の妻と2人暮らしのため入院はできない」と拒否しました。また、A医師は、診察に家族を同行するよう依頼しましたが、結局Xは1人で通院してきました。翌1月、A医師は、Xの家族には病名を伝えた方がいいと考え、カルテ記載のXの自宅電話番号にも電話もしましたが、つながりませんでした。A医師は、翌月よりY病院で診療をしなくなることから、Xのカルテに「転移病変につきXの家族に何等かの説明が必要」と記載しました。2月から、外来主治医がB医師に変更されましたが、B医師からは家族に連絡を取る等は行われませんでした。Xは、Y病院にて治療を受けていても前胸部痛が改善しないことから、3月になってZ病院を受診したところ、Z病院の医師CからXの長男に対して、Xが末期肺癌である旨の説明がなされました。最終的にXは、Z病院に入院し、同年10月に死亡しました。なお、Xには、最後まで病名の告知はなされませんでした。事件の判決「医師は、診療契約上の義務として、患者に対し診断結果、治療方針等の説明義務を負担する。そして、患者が末期的疾患にり患し余命が限られている旨の診断をした医師が患者本人にはその旨を告知すべきではないと判断した場合には、患者本人やその家族にとってのその診断結果の重大性に照らすと、当該医師は、診療契約に付随する義務として、少なくとも、患者の家族等のうち連絡が容易な者に対しては接触し、同人又は同人を介して更に接触できた家族等に対する告知の適否を検討し、告知が適当であると判断できたときには、その診断結果等を説明すべき義務を負うものといわなければならない。なぜならば、このようにして告知を受けた家族等の側では、医師側の治療方針を理解した上で、物心両面において患者の治療を支え、また、患者の余命がより安らかで充実したものとなるように家族等としてのできる限りの手厚い配慮をすることができることになり、適時の告知によって行われるであろうこのような家族等の協力と配慮は、患者本人にとって法的保護に値する利益であるというべきであるからである。これを本件についてみるに、Xの診察をしたA医師は、前記のとおり、一応はXの家族との接触を図るため、Xに対し、入院を1度勧め、家族を同伴しての来診を1度勧め、あるいはカルテに患者の家族に対する説明が必要である旨を記載したものの、カルテにおけるXの家族関係の記載を確認することや診察時に定期的に持参される保険証の内容を本件病院の受付担当者に確認させることなどによって判明するXの家族に容易に連絡を取ることができたにもかかわらず、その旨の措置を講ずることなどもせず、また、本件病院の他の医師らは、A医師の残したカルテの記載にもかかわらず、Xの家族等に対する告知の適否を検討するためにXの家族らに連絡を取るなどして接触しようとはしなかったものである。このようにして、本件病院の医師らは、Xの家族等と連絡を取らず、Xの家族等への告知の適否を検討しなかったものであるところ、被上告人〔患者側〕については告知を受けることにつき格別障害となるべき事情はなかったものであるから、本件病院の医師らは、連絡の容易な家族として、又は連絡の容易な家族を介して、少なくとも同被上告人らと接触し、同被上告人らに対する告知の適否を検討すれば、同被上告人らが告知に適する者であることが判断でき、同被上告人らに対してAの病状等について告知することができたものということができる。そうすると、本件病院の医師らの上記のような対応は、余命が限られていると診断された末期がんにり患している患者に対するものとして不十分なものであり、同医師らには、患者の家族等と連絡を取るなどして接触を図り、告知するに適した家族等に対して患者の病状等を告知すべき義務の違反があったといわざるを得ない」(最判平成14年9月24日民集207号175頁)ポイント解説今回は3回にわたる説明義務の最終回となります。テーマは、「説明義務の客体」についてです。診療契約は、医療機関(*医師個人ではないことに注意〔第8回参照〕)と患者個人との間で締結されています。したがって、患者以外の第三者は、たとえ家族であったとしても法律上の関係がない第三者ですから、原則として契約上の義務である説明義務の対象とはなり得ません。特に、医師等医療従事者には刑法134条1項(秘密漏示)※1等に守秘義務が定められており、違反した場合には刑事罰が科されることもありますので、たとえ患者家族であったとしても(家族間で相続争いがある場合など、往々にして紛争の種になることがあります)みだりに第三者に患者の情報を伝えることは許されないといえます。さらに、本最高裁判決後である平成15年に成立し、平成17年に全面施行となった「個人情報保護法」※2からも、患者の同意なく第三者に患者情報を提供することは、原則的には許されない(個人情報保護法23条1項)ことから、本判決との整合的理解が必要となります。●患者本人の同意なく家族に病状を伝えることは違法か?それでは、患者の同意なく家族に患者情報を伝えることは、一切許されないかと問われるとそうではありません。刑法134条1項は「正当な理由」がある場合には、医師等が患者の情報を第三者に提供しても守秘義務違反にはならないとしています。したがって、家族に病状を伝えることが「正当な理由」に該当するのは、どういった場合かが問題となります。この点、現在は、個人情報保護法がありますので、個人情報保護法上、適法に第三者に提供できる場合は、少なくとも「正当な理由」に該当すると考えられます。すなわち、個人情報保護法23条1項各号に該当する場合には「正当な理由」に該当する結果、守秘義務違反とならないと考えられます。したがって、患者の同意なく家族に病状を伝える場合であっても、個人情報保護法23条1項2号「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」に該当するような場合、すなわち、意識がない患者又は重度の認知症の高齢者などにおいて、病状や状況を家族等に説明する場合には、患者の同意がなくても「正当な理由」があると考えられます。ただし、その場合であっても「本人の家族等であることを確認した上で、治療等を行うに当たり必要な範囲で、情報提供を行うとともに、本人の過去の病歴、治療歴等について情報の取得を行う。本人の意識が回復した際には、速やかに、提供及び取得した個人情報の内容とその相手について本人に説明するとともに、本人からの申し出があった場合、取得した個人情報の内容の訂正等、病状の説明を行う家族等の対象者の変更等を行う」(国立大学附属病院における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン)ことが必要と考えられます。●適法に患者家族に病状を伝えるための方法は?しかし、患者の同意が不要となるのが、そのような特別な場合だけに限るとすると、日常診療に多大な支障をきたすことになるのは明らかです。そのため、現在の実務運用としては、診療に関する患者情報の家族への提供は、「院内掲示」を用いた事前の包括的同意取得によって、患者の同意を得ているとして適法に行えることにしています。つまり、「国立大学附属病院については、患者に適切な医療サービスを提供する目的のために、当該国立大学附属病院において、通常必要と考えられる個人情報の利用範囲を施設内への掲示(院内掲示)により明らかにしておき、患者側から特段明確な反対・留保の意思表示がない場合には、これらの範囲での個人情報の利用について同意が得られているものと考えられる」(国立大学附属病院における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン)としており、この院内掲示に「患者さんの家族への病状説明」と記載することで、包括的同意を取得していることとなるため、家族への病状説明が適法になるのです。●本判決の整合的理解さて、患者の同意なく家族に病状を伝えても違法とはならない場合は理解できましたが、だからといって、そのような場合においては、当然に患者の同意なく家族に病状を伝えなければならない(=伝えないことが違法)ということにはなりません。たとえば、救急搬送された患者が覚せい剤を使用していることが判明した場合、その旨を警察に通報することは、「医師が、必要な治療または検査の過程で採取した患者の尿から違法な薬物成分を検出した場合に、これを捜査機関に通報することは、正当行為として許容されるものであって、医師の守秘義務に違反しないというべきである」(最判平成17年7月19日刑集第59巻6号600頁)とされていますが、逆に警察に伝えなかったからといっても違法にはなりません。そして、現在の法律上、患者の同意なくとも第三者に患者情報を提供する義務が課されているのは、 (児童虐待の防止等に関する法律第6条1項)児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。 (同法同条3項)刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第1項の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならない。 や麻薬及び向精神薬取締法、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、食品衛生法等特殊な場合に限られています。本件では、医師が、医学的な判断から患者本人に癌告知をしないとした場合において、患者の同意なく家族に病状を伝えようとした場合ですが、個人情報保護法を踏まえた現在の解釈としては、同法23条1項2号に該当するといえますので、家族に伝えることが違法にはならないと考えられます。しかし、それを超えて契約関係にもない家族に伝えないことが違法かと問われると、何らの法律もない現状においては判断が分かれると考えます。特に、捜査機関ではない医療機関に、家族を探して連絡を取る義務(探索義務)を課すことは、たとえ患者や家族にとって重大な事実であったとしても行き過ぎといえます。しかも本件では、患者に「入院を1度勧め、家族を同伴しての来診を1度勧め、あるいはカルテに患者の家族に対する説明が必要である旨を記載」しているにもかかわらず、なお探索義務を尽くしていないとされています。探索義務に関連する他の判例としては、「医師としては真実と異なる病名を告げた結果、患者が自己の病状を重大視せず治療に協力しなくなることのないように相応の配慮をする必要がある。しかし、A医師は、入院による精密な検査を受けさせるため、Xに対して手術の必要な重度の胆石症であると説明して入院を指示し、二回の診察のいずれの場合においても同女から入院の同意を得ていたが、同女はその後に同医師に相談せずに入院を中止して来院しなくなったというのであって、同医師の右の配慮が欠けていたということはできない」(最判平成7年4月25日民集49巻4号1163頁)としているものや、「患者の疾患について、どのような治療を受けるかを決定するのは、患者本人である。医師が患者に対し治療法等の説明をしなければならないとされているのも、治療法の選択をする前提として患者が自己の病状等を理解する必要があるからである。そして、医師が患者本人に対する説明義務を果たし、その結果、患者が自己に対する治療法を選択したのであれば、医師はその選択を尊重すべきであり、かつそれに従って治療を行えば医師としての法的義務を果たしたといえる。このことは、仮にその治療法が疾患に対する最適な方法ではないとしても、変わりはないのである。そうだとすれば、医師は、患者本人に対し適切な説明をしたのであれば、更に近親者へ告知する必要はないと考えるのが相当である」(名古屋地判平成19年6月14日判タ1266号271頁)としたものがあります。これらを総合すると、1度では違法で2度だと適法というようにもみえますが、そういった問題なのでしょうか?倫理的に家族をできる限り探したほうがよいとすることは構いませんが、契約関係にもなく、法律上の明文もなく、場合によっては、先に述べたように相続等紛争にも発展しかねないことなども考えると、本判決は裁判所の行き過ぎた判断といえるのではないでしょうか。本判決がでた時代には、医療バッシングの風に流され、法と倫理の相違をわきまえず、明示された条文なしに裁判官自らの倫理観のみで、違法と判断する判決が多々生まれ、その結果、萎縮医療、医療崩壊が生じました。司法はその役割を自覚し、法律に基づく判断をするべきものと考えます。 ※1.(刑法134条1項)医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。※2.(個人情報の保護に関する法律23条1項)個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。一法令に基づく場合二人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。三公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。四国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。最判平成14年9月24日民集207号175頁最判平成17年7月19日刑集第59巻6号600頁最判平成7年4月25日民集49巻4号1163頁名古屋地判平成19年6月14日判タ1266号271頁

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静脈血栓塞栓症に対する4つの新規経口抗凝固薬vs.従来薬/BMJ

 ビタミンK拮抗薬と比較して、新規経口抗凝固薬は急性静脈血栓塞栓症の再発リスクは同程度であり、全死因死亡も同程度であるが、リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)については出血リスクを減少することが、カナダ・マギル大学のBenjamin D Fox氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。BMJ誌2012年11月24日号(オンライン版2012年11月13日号)掲載より。リバーロキサバン、ダビガトラン、キシメラガトラン、アピキサバンvs.ビタミンK拮抗薬 研究グループは、新規経口抗凝固薬[リバーロキサバン、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)、キシメラガトラン(開発中止)、アピキサバン(同:エリキュース)]について、急性静脈血栓塞栓症における有効性を批判的にレビューすることを目的とした。 試験選択基準は、ビタミンK拮抗薬との比較による無作為化試験とし、2012年4月時点におけるMedline、Embase、Cochrane Libraryをデータソースとして文献の検索と、関連研究の手動検索および専門家への聞き取りを行った。 解析では、イベント再発、重大出血、全死因死亡をアウトカムとした。有効性と安全性について9試験を組み込みレビューとメタ解析 選択基準を満たした9試験を組み込み、有効性については1万6,701例、安全性については1万6,611例のデータに基づき評価を行った。有効性と安全性のデータは、各経口抗凝固薬で階層化した。 結果、静脈血栓塞栓症の再発率は、すべての新規薬と従来薬(ビタミンK拮抗薬)との間で有意な差はみられなかった。・リバーロキサバン(4試験) 相対リスク(RR):0.85、95%信頼区間(CI):0.55~1.31・ダビガトラン(2試験) RR:1.09、95%CI:0.76~1.57・キシメラガトラン(2試験) RR:1.06、0.62~1.80・アピキサバン(1試験) RR:0.98、0.20~4.79 リバーロキサバンは従来薬よりも重大出血を抑制したが、他の新規抗凝固薬は抑制しなかった。・リバーロキサバン RR:0.57、95%CI:0.39~0.84・ダビガトラン RR:0.76、95%CI:0.49~1.18・キシメラガトラン RR:0.54、0.28~1.03・アピキサバン RR:2.95、0.12~71.82 全死因死亡率は、すべての新規薬と従来薬との間で有意な差はみられなかった。・リバーロキサバン RR:0.96、95%CI:0.72~1.27・ダビガトラン RR:1.00、95%CI:0.67~1.50・キシメラガトラン RR:0.67、0.42~1.08・アピキサバン RR:6.89、0.36~132.06 リバーロキサバンとダビガトランの補正後間接比較の結果は、静脈血栓症(0.78、0.49~1.24)、重大出血(0.75、0.41~1.34)、全死因死亡(0.96、0.59~1.58)いずれのエンドポイントについても、どちらがその他の薬よりも優るのかというエビデンスは得られなかった。 Fox氏は、「大規模な対照無作為化試験の必要性は残されたままである」とまとめている。

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コーヒー摂取量が多い人はアディポネクチンも多い―日本人労働者を対象とした研究―

 コーヒーの摂取量はアディポネクチンと正の相関、レプチンと負の相関を示すことが、名古屋大学大学院 山下健太郎氏らの研究で明らかになった。また、アディポサイトカインは、コーヒー摂取量と脂質および高感度C反応性タンパク(hs-CRP)との関連に影響をもたらすが、コーヒー摂取量と肝機能マーカーとの関連には影響しないことが報告された。Nutrition & diabetes誌2012年4月2日付の報告。 コーヒー摂取量とアディポサイトカインとの関連についての情報は少なく、心血管疾患と糖代謝に対するコーヒーの有益な作用の根底にあるメカニズムはよく理解されていない。本研究では、コーヒーの摂取量とアディポサイトカインであるアディポネクチンおよびレプチン、炎症マーカー、糖代謝、脂質および肝機能マーカーとの関連について検討された。また、アディポネクチン、レプチンが、コーヒー摂取量とこれらの指標との関連に与える影響について検討した。 日本人労働者(男性:2,554人、女性:763人)を対象とした横断研究。コーヒー摂取量とアディポサイトカインやその他のマーカーとの潜在的な関連は、交絡因子を調整した多重線形回帰モデルを用いて評価した。また、アディポネクチンとレプチンのそれぞれがコーヒー摂取量と各マーカーとの関連に与える影響については、複数媒介分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・コーヒーの摂取量は、アディポネクチン、総コレステロール、LDLコレステロールと有意な正の相関を認めた。また、レプチン、hs-CRP、トリグリセライド、肝酵素とは有意な負の相関を認めた(すべてp <0.05)。・アディポネクチンおよびレプチンで調整後、コーヒー摂取量とhs-CRPあるいはトリグリセリドとの関連は有意に弱まったが、肝機能マーカーには影響がなかった。・コーヒー摂取量と糖代謝マーカーとの関連は認めなかった。

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その4

患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Qなぜ、ステロイド外用薬をきちんと塗らないのですか。(いくつでも)(その他の理由)≪ケアネット編集後記≫今回は、医師の指示への遵守度が100% ではなく、さらにステロイド外用薬を使用していた患者さんに、なぜ、指示を守れなかったかの理由を聞いた結果をお示しします。約3割が『治ったと思ったから』『塗り薬の感触が気になる』と回答しています。ちなみに、『塗り薬への不信感』は13.0%でした。先生はこの結果に関してどう思われますか?

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もしも先生自身に”万が一”のことがあったら…延命治療、どうしますか?

突然やってくる死、徐々に視界に入ってくる死、目の前をかすめて通り過ぎた死…と、医師の日常診療には様々な形の「死」があります。患者のもとに訪れる死に"一時停止"を出せるのが医師という立場。意識のない患者さん、取り巻く家族の嘆きを目にしながら、どうするのが正しいのか悶々とする先生方も多いのではないでしょうか。ではもし先生ご自身がその立場になったら?今回の「医師1,000人に聞きました!」では、"医師ならでは"の死生観があるのか、それを外部に表明しているのかを伺ってみました。コメントはこちら結果概要医師の7割が「自分の延命治療は控えてほしい」と回答"自分自身の延命治療"について70.8%の医師が「控えてほしい」と回答。『自分で思考できて初めて、"生きている"と考えている』『だんだん状態が悪くなる姿をさらしたくない』といった、自らの生き方に関する考えのほか、『家族の精神的・経済的負担が大きすぎるのを普段から見ているため』『(回復が見込めないなら)お金と医療資源は必要な人のために使わなければいけない』など、現場に立つ医師ならではの声が上がった。そのほか『救命救急センターで働いていた時は"延命治療をやめる基準"があったが、一般の病院でも広めるべき』といった意見も寄せられた。「家族の判断に任せたい」とする医師、『家族が納得することが重要』22.3%の医師が「家族の判断に任せたい」と回答。『死を家族が受け容れられるかどうかにかかっているから』『死は自分の問題ではなく、生者にとっての問題だから』といった意見のほか、『負担がかかるのは家族なので判断を任せたい』とする声も上がった。そのほか『家族の意思を尊重しないと、担当医が後で何を言われるか分からないので』など、日常診療で遭遇するケースから感じている意見も寄せられた。約半数の医師が、自分の延命治療に関する希望を外部に表明している延命治療に対する自分の考えについて、「希望はあるが表明していない」と回答したのは全体の43.4%。一方「書面に残している」医師は全体の6.4%、「家族に口頭で伝えている」医師は40.0%と、約半数が何らかの形で外部に表明しているという結果となった。年代別で見ても顕著な差はなく、30代以下の若手医師でも6.4%が書面にしていると回答。設問詳細延命治療についてお尋ねします。2007年、日本救急医学会の 「救急医療における終末期医療のあり方に関する特別委員会」にて救急医療の現場で延命治療を中止する手順についてのガイドライン案がまとめられています。一方「自分らしい最期を迎えたい」として、リビング・ウィルやエンディングノートといわれる文書に延命治療に関する希望を事前に書いておく取り組みも広がりつつあります。11月11日の朝日新聞によると『全国の救命救急センターの6割以上が、過去1年間に高齢者に対して人工呼吸器や人工心肺などの装着を中止したり、差し控えたりした経験のあることが、朝日新聞社の調査でわかった。救命医療で「最後の砦(とりで)」とされる救命センターでも、回復が見込めない患者に対し、家族や本人の希望があれば、延命治療を控える動きが広がっていた。最も重症の患者を診る3次救急を担う全国254の救命救急センターに10月、高齢者への終末期医療の実態を聞いた。57%の145施設から回答があった。この1年に救急搬送された65歳以上の高齢者に、人工呼吸器や人工心肺、人工透析などの積極的な治療を中止したり差し控えたりした経験の有無と件数を尋ねた。この結果、63%にあたる91施設が「ある」と回答した。呼吸器の中止・差し控えは計302件あり、このうち、患者の年齢や病気名など具体的データを挙げた中止例は14件あった。人工心肺の差し控え・中止は37件あった』とのこと。そこでお伺いします。Q1. 万が一先生ご自身が事故・病気などで判断力・意思疎通能力を喪失し、回復が見込めないとされた場合、延命治療についていかがお考えですか。延命治療は控えてほしい家族の判断に任せたい医師の判断に任せたい積極的治療をしてほしいわからないその他(          )Q2. Q1のお考えについて、当てはまるものをお選び下さい。書面に残している家族に口頭で伝えている希望はあるが表明していない考えたことがないQ3. コメントをお願いします(Q1・2のように考える理由やきっかけ、考えを表明している方はその理由、医師として日常診療で遭遇した具体的な場面など、どういったことでも結構です)2012年11月15日(木)~16日(金)実施有効回答数:1,000件調査対象:CareNet.com医師会員CareNet.comの会員医師に尋ねてみたいテーマを募集中です。採用させて頂いた方へは300ポイント進呈!応募はこちらコメント抜粋 (一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「延命処置をして、後日家族から「こんなに苦しいのならやめておけばよかった」と言われたことがある」(50代,内科,一般診療所勤務)「本人には苦痛を理解する能力もなくなっていると思われる。であれば、家族の満足が重要。」(40代,循環器科,病院勤務)「判断力・意思疎通能力を喪失したらあとは家族に任せます。家族がどんな形でも生きていてほしいと望めば生かしてくれればいいし、延命を望まないならそれもいい。」(50代,外科,病院勤務)「身寄りの無い方がそういった状況に陥った場合、非常に困ることがよくある」(30代以下,内科,一般診療所勤務)「延命を家族の希望でのみ行うことがあるが、本人の希望は本当はどうであったか悩むことも多い。自分にはして欲しくない。」(60代以上,内科,病院勤務)「日常診療中、回復の見込めない患者の家族に延命治療について説明を行いながら、自分自身も毎回毎回受身になって考えている」(40代,腎臓内科,病院勤務)「医療費が大幅に上昇している現在、医師として自身の治療においては延命治療は遠慮したい。」(50代,外科,病院勤務)「心臓動いている=生きている とは思わない。 そう思う、思いたい家族の気持ちはわからないでもないが、心臓を動かすためだけに、安らかな最期を迎えられないケースを数多く診てきたので。」(30代以下,総合診療科,病院勤務)「延命した結果、家族関係が悪くなることをよく見る」(40代,総合診療科,病院勤務)「個人的には拒否したいのですが家族と相談していないので」(30代以下,消化器科,病院勤務)「お金と医療資源は必要な人のために使わないといけないと常に周囲に言っているので。この考え方がないと医療費の増大につながる。これは信念なので自ら実践したい」(50代,脳神経外科,病院勤務)「生まれてくる時は意思を発現出来ないのだから、 死ぬ時はせめて意思を尊重されたい」(50代,内科,一般診療所勤務)「回復不能な患者に,家族の希望で延命を行ったが,長期化し,家族が疲弊した上に,さんざん文句を言われた.」(40代,呼吸器科,病院勤務)「高齢患者を中心に多くの患者を看取った経験から、意思疎通不能でただ胃ろうやIVHで生かされているだけの寝たきり患者には自分自身はなりたくないし、そのような状況で家族に迷惑もかけたくない。」(40代,内科,病院勤務)「意味がなくても、残される家族が納得するまで頑張るのも、見送られる側の務めだと思います。 人と人とのつながり(まして家族間の絆など)は、意味があるないだけでは計り知れないはず。」(30代以下,呼吸器科,病院勤務)「医療経済面で悪影響。 ベジになった際の家族の負担。」(30代以下,血液内科,病院勤務)「控えてほしい。センチメンタルになっても仕方ない。医師なら冷静に考えたら、結果はこうなる。」(50代,消化器科,一般診療所勤務)「延命の期間は人生にとって何の意味もなく、意義があるとしたら家族が受け入れるための時間が必要なことがある場合だけでしょう。最初からそのような時の受け入れを家族が出来るのなら不必要でしょう。」(40代,内科,病院勤務)「延命治療を希望して、途中で中止する事は難しいから。」(50代,内科,病院勤務)「高齢者と若年者では異なるが、高齢者の場合は積極的治療は控えたい。」(40代,形成外科,病院勤務)「未来のことは正確には予測できません。文書を残すことはマイナスになることもあるので、家族にまかせます。」(50代,内科,一般診療所勤務)「点滴や呼吸器でつながれても短時間に抜去できれば社会復帰も可能であるが、時間の経過とともに「これは無理だな」という病態は救命医を経験したものなら判る。無理と思いながら患者さんのため、家族のためと言い聞かせながら延命を図ることが度々あった。もし自分がその様な状態になった場合延命処置は望まない。」(60代以上,循環器科,一般診療所勤務)「自分自身が何も分からなくなった場合、死を家族が受け容れられるかどうかにかかっていることから、家族の意向に任せたい。多分しばらく苦しんでから、納得したところで延命はしないと選択するとは思う。患者さんをみても、その死を家族が受け容れられるかどうかで処置が変わる。いずれ受け容れることにはなるが、本人意思だからと延命を全く行わないと、家族は受け容れる間もなく死と直面してしまう。本人が苦しむことはわかるが、残されることになる家族の考えは大事だと思う。」(40代,神経内科,病院勤務)「日々,そのような患者を面前にしているが,患者本人も浮かばれないし,家族も辛く,連れて帰ることもできず,病院のベッドも無駄に埋まっているのを黙って見ている。私自身はそういう患者に呼吸器などはつけずに看取っているが,病院全体では全く看取れず,寝たきり呼吸器+胃ろうが増えていっている。こういう状況はおかしいと思うので。」(50代,小児科,病院勤務)「眠るように死にたい。いつも疲れているので最後くらいは眠らせてほしい。」(40代,外科,病院勤務)「積極的な治療がかえって家族の負担になることを経験しているため」(40代,内科,一般診療所勤務)「書面に残している。判断できるときにしておく、 無駄なことはしない。いつかは死ぬのだから」(50代,内科,一般診療所勤務)「自分のことだけを考えれば延命治療は希望しないが 家族にとって自分が生きていること(心臓が動いていること)に意味があるなら延命してもらってもかまわない」(40代,内科,一般診療所勤務)「患者や家族の意思を尊重しないと、後で何を言われるか分からない。特に殆ど面会にすら来てない親族が後から文句を言って来る場合が多いので要注意である。」(40代,内科,一般診療所勤務)「その人の意思を無視して、ただ生きてて欲しいと願うのは家族のエゴだと思う。」(40代,泌尿器科,一般診療所勤務)「以前救命救急で働いていましたが、高齢者の場合、御家族に聞くとほぼ「もうこのまま楽に・・・」という答えが多く、 若くして突然となると、「やはり出来る限りのことは・・・」という答えが多い気がします。 私自身は、回復がみこめないのであれば、家族に負担をかけずにという思いが強いです。」(30代以下,消化器科,病院勤務)「死は自分にとっての問題ではなく、生者にとっての問題だから、他人の意思にゆだねるしかない。」(40代,産婦人科,病院勤務)「植物状態でいることは、初めのうちは少しでも長く生きてほしいという希望がかなえられるが、長期化することで家族も疲弊してくることがほとんどなので、延命治療は希望しない。」(30代以下,代謝・内分泌科,病院勤務)「命そのものの重大さについては言うまでもないが、その一方、いわゆる「生ける屍」として生き長らえることに「人間」としての尊厳があるのかどうか、疑問に思う」(50代,その他,その他)「本人が意思を失っていれば、家族が代役を務めるしかない。負担がかかるのは家族なので家族の判断を尊重したい。」(30代以下,整形外科,病院勤務)「長期療養型病院に15年勤務していますが、入院患者さんの平均年齢がこの15年で80代から90代に。認知症、経管栄養で寝たきり、意志の疎通が図れなくなった多くの患者さんの最期に立ち会う際、お元気に通院されていた姿を思い出し、自分は長生きしたくない、と切に感じる今日この頃です」(40代,循環器科,病院勤務)「自身が高齢となり長患いをしていた場合は延命治療を控えていただきたいが、突然の事故などの場合は家族に判断してもらいたい。」(40代,循環器科,病院勤務)「研修病院で延命治療をした経験から、延命をして喜ぶ結果になった人は(患者の)年金などを目当てにした人以外見たことがないから。医師、本人、家族とも負担になるだけだったから。」(30代以下,総合診療科,病院勤務)「呼吸器を外すと警察やマスコミにたたかれる可能性があるので、積極的に行うことを避けなければ仕事を続けることができないと思う。」(40代,内科,病院勤務)「積極的治療をしてほしい。どんな姿でも命は大切。」(50代,内科,病院勤務)「寝たきり10年以上、MRSAなどの感染も加わり、体も固まって、胃ろうになってボロボロになって、死んでいく高齢者が多いです。人間らしい生活が送れないなんてみじめ!です。そのころには周囲の親戚に『まだ死んでいなかったの?』なんて言われてしまうかも?実際、90歳の自分の祖母が一番年上の孫に言われていましたが・・・『税金泥棒』とも・・・葬式もなくなってしまいました。」(30代以下,代謝・内分泌科,病院勤務)「(書面に残しているが)今でも悩んでいます。今後方針が変わるかもしれません。」(40代,耳鼻咽喉科,病院勤務)「回復の見込みがなく、延命のみを目的とする自分の生には(自分としては)意義を感じられない」(40代,精神・神経科,その他)「実際その状態の患者を診ていて、延命治療のある意味残酷さが見えてきたから。」(40代,外科,病院勤務)「親と同居のため、 親の分の意思確認時に、自分のことについても同時に伝えた」(40代,産業医,その他)「自分の父がそうであったように、惨めな姿を見せたくない、家族に負担をかけたくない、そして残された者がそういう思いにいたったので。」(40代,泌尿器科,一般診療所勤務)「回復の見込みがなくても移植臓器を提供できれば良い。その為には延命は不都合」(40代,内科,病院勤務)「家族の希望で延命処置をすることがあるが、患者本人にとっては何もメリットはなく、家族が死を受け入れるまでの時間稼ぎでしかない。いつまでも生きていてほしいという心情は十分理解できるが、死を受け入れることは患者のためでもあることを理解してほしい」(50代,外科,病院勤務)「本当に、家族も延命治療を望んでいるのか疑わしいのにも関わらず、延命治療が行われている場面が多々ある。」(40代,産婦人科,病院勤務)「救命救急センターで働いていた時は延命をやめる基準というのがあったが、そういった基準を一般の病院でも広めるべきである。」(40代,整形外科,病院勤務)「胃ろう患者を毎日見ており、 家族を含め 無理な延命治療を避けるよう書面にしました」(50代,内科,病院勤務)「経済的な理由で苦しんでいる家族もある。杓子定規に判断基準があっても困る」(40代,内科,一般診療所勤務)「意識のない状態で点滴や呼吸器で治療されている方をたくさん見てきて、自分ではそういう治療は希望しないと判断した」(40代,内科,一般診療所勤務)「日常の診療でいつも以下の内容を患者家族に説明している。『いつまでも病院へは入院出来ない。いずれは自宅で家族が看なければならない。意思疎通も出来ない、寝たきりの患者の介護は非常に大変で、介護サービスを利用しても夫や妻だけでは必ずと言いよい程破綻する。子供も協力して、自分たちで介護出来る覚悟が無ければ安易に延命措置を望まないで欲しい。そうでなければ患者にも家族にとっても不幸である。 また、現在医療費は毎年増加し、膨大な額になっている。 そのため社会全体の考え方も、出来るだけ医療費を効率的に使う方向であり、将来性の見込めない方への多大な配分は望まれていない。 このような考えを踏まえて総合的に判断してほしい』」(40代,神経内科,病院勤務)「『回復の見込みのない患者』に対する積極的な治療は、本人だけでなく家族、親戚も不幸にしてしまうような気がする。自分自身は、回復の見込みがないのなら、そのまま看取ってもらいたい。(家族が延命を希望したとしても・・・)」(40代,小児科,病院勤務)「無駄な延命治療(ほとんどは家族が希望)のために、本人の意思に沿わないと思われる悲惨な症例をたくさん見てきたため。 自分の配偶者は医療従事者ではないので、どこまで理解しているか甚だ疑問です。 書面に残す必要性も感じていますが、具体的にはその時その時の状況で判断すべきことが多いため、なかなか難しいと感じています。」(50代,内科,一般診療所勤務)「医学的には延命治療は行うべきではないと考えるが、実臨床では関わっている家族などの人たちの考えを無視できない。」(50代,外科,病院勤務)「自分自身は長生きしようと思わないが、死とは周りの人が受け入れる過程も大切なので、結局家族の意向にそった治療にならざるを得ないのではないだろうか。」(40代,小児科,病院勤務)「延命だけで長く生きておられる人をたくさん見ているが、意味のない延命は自分のためにも、社会のためにも無駄な時間に感じる」(50代,代謝・内分泌科,病院勤務)「胃ろう、気管切開して延命を図っている人を見かけるが、その患者さん本人のためになっているのか疑問。自分が、そうなった場合は、少なくともこれらの処置はお断りします。」(40代,外科,病院勤務)「やはり自己で思考できて初めて意義ある人生と思うので。また、自分に意識や思考能力がない回復の見込みのない状態で、家族に負担のみかけさせるのには耐えられないから。」(50代,外科,病院勤務)「その状態では意識もなく自分自身の人生としてはすでに終わっている。もし、年金等の条件や心の準備のために家族が延命させて欲しいと望めばそれでもよいので任せたい」(40代,内科,病院勤務)「無駄な延命は人間の尊厳を害し、無駄な介護を発生させ、無駄な医療費をかけ、若い世代に負担をかけるのみ、だと思います。日常的に現場を見ていて、少しでも回復の見込みがあれば全力を尽くす価値を感じますが、回復の見込みがないのに挿管、人工呼吸器などつないで意識のない患者をひたすら輸液で栄養して…という場面を見るたびに、やるせない気持ちになります。徒労感も倍に感じます」(30代以下,代謝・内分泌科,病院勤務)「かつての延命と言われる処置を行っていたとき、患者の家族から「いつまでこんな状態が続くのか」と恨み節のように言われたことがあった。自分でも本当に必要な処置なのかと考えるきっかけになった」(40代,内科,一般診療所勤務)「積極的治療をしてほしい。回復が見込めないという判断が早計なことがあるので、とりあえず、全力を尽くすのが医師としての義務である。」(60代以上,産婦人科,病院勤務)「回復の見込みがないのであれば肌の色艶のいい時に死んでしまいたい」(40代,脳神経外科,病院勤務)「今や高齢者が、「胃ろう」「気切」「ポート」を持つのが、施設に入る条件になっていたりするのを見ると、そこまでして生かされるよりも、寿命と思って死んでいきたいと思う」(30代以下,神経内科,病院勤務)「患者本人としても、無駄に回復の見込みがないのに苦しみたくないと思うが、書面に残すような形で意思表示することまでは考えていなかった。」(40代,精神・神経科,病院勤務)「自分としては延命治療は望まない。しかし家族がどんな形でも生きていることを望む(もしくは何らかの精神的支えになりうる)場合は家族の判断にまかせたい。」(40代,腎臓内科,病院勤務)「私と家内は、生命末期には無駄な延命措置(治療ではない)をしないように書面に残し、家族にも伝えてあります。延命措置をするかしないかはあくまで本人の意思で、リビング・ウイル をきちんとしておくべきでしょう。延命措置を望む人はそれで結構でしょう。」(60代以上,整形外科,一般診療所勤務)「自分の祖母が認知症のある状態で昏睡状態になり、経鼻胃管からの栄養剤注入と酸素投与で生命を保ったまま、心臓の限界に達するまで生命を維持していたが、果たしてそれが本当に良かったのか7年経った今でもわからないので、自分は同じようにはしたくないから。」(30代以下,小児科,病院勤務)「面会などもなく、ただただ心肺が活動しているだけというのをたくさんみてきたから」(40代,消化器科,病院勤務)「通常自分でも経管などしますが、最後は結構悲惨です。高齢化進む中でこれらはもう一度考えてみる必要があります。両手を挙げて賛成ではありませんが、個人の意志を尊重した最期も必要かもしれません」(50代,内科,病院勤務)「伯母がくも膜下出血で植物状態になり、二年間見舞い、看病していた母の精神的負担をみていたから。」(50代,精神・神経科,病院勤務)「延命治療でだんだん状態が悪くなる姿を家族にさらしたくない。できるだけ自然な状態で亡くなりたい。」(50代,小児科,病院勤務)「一度延命治療を始めてしまうと、それを中止するのが家族も医師も難しい判断をせまられるから」(50代,小児科,一般診療所勤務)「『悲しいけど仕方ない』と惜しまれながら最期を迎えられたら幸せかと思っています。『やっと終わった』と思われての最期は避けたいです」(30代以下,内科,病院勤務)「延命治療を行い,した甲斐があったという症例が非常に少ない印象」(30代以下,外科,病院勤務)「父の死の直前、同じような状況になった。無理な延命は、かえって父を苦しめているような気がした」(50代,眼科,一般診療所勤務)「カルテに書く事はあるが、専用の用紙はない状態です。 トラブルなどが多い為、残した方が良いです」(30代以下,内科,一般診療所勤務)「そういう状況になったとき、自分の体はもう自分のものではなく、家族など残される人のものかと思いますので、家族に決めてもらえば十分です。 葬式なんかも故人のものではなく、生きている人のためのものだと考えていますし」(50代,泌尿器科,一般診療所勤務)「現状では、家族からの希望により途中で延命治療を中止すると、あとでややこしいことになる可能性があるから」(30代以下,消化器科,病院勤務)「10年前は、新生児集中治療室NICUに勤務で、超未熟児を必死で治療し、後遺症なき生存をめざして心血を注ぐ日々でした。 一生懸命救命しえた幼い命ですが、脳出血や脳性麻痺など後遺症も多く、一生人工呼吸器が必要だったり、よくても車椅子、寝たきりの状態の子も少なくありません。苦労や愚痴も口にせず、我が子のために一生介護する親御さんたちを数多くみてきましたが、やはり家族の負担はあまりに大きかったのを間近でみていたので、自分の時には延命を望まない思いが強いです」(30代以下,小児科,一般診療所勤務)「自身では控えてほしいと考えているが、家族とは相談していないので、急にこのような状態になったら現状では家族の判断通りになると思う。」(30代以下,外科,病院勤務)「やはり主治医がベストと思われる方法を選択してもらえればよいと考えます」(50代,消化器科,一般診療所勤務)「三次救急の現場を数年経験し、本人の意思と家族の意思の違いに悩むことが多かった」(30代以下,消化器科,病院勤務)

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てんかん患者のうつ病有病率は高い

 てんかんはうつ病と有意に関連しており、うつ病はてんかんを持つ人(PWE)において高頻度に認められることが、カナダ・カルガリー大学のKirsten M Fiest氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。著者は、「この所見は、PWEでのうつ病の適切な診断と治療の重要性を強調するものである」と結論している。Neurology誌オンライン版2012年11月21日号の掲載報告。てんかんを持つ人のうつ病有病率は23.1% 研究グループは、MEDLINE(1948~2012年)、EMBASE(1980~2012年)、PsycINFO(1806~2012年)をデータソースに、てんかんとうつ病について報告した住民ベースのオリジナル研究を包含基準としたシステマティックレビューを行った。関連論文の文献リスト、カンファレンスアブストラクトも検索対象とし、その他に専門家への聞き取りも行った。要約の検索とデータ抽出は2人の独立したレビュワーにより行われ、PWEにおけるうつ病の有病率と、てんかんとうつ病の関連を推定した[報告された推定オッズ比(OR)]。 てんかんとうつ病の関連を解析した主な内容は以下のとおり。・7,106件のアブストラクトがスクリーニングされ、14の特色あるデータソースにおいて23件の論文が報告されていた。・9試験・PWE 2万9,891例の報告において、アクティブなうつ病(現在あるいは昨年)有病率は23.1%(95%CI:20.6~28.31)であった。・14試験・121万7,024例のうち5試験で報告されていたPWEにおけるアクティブなうつ病のオッズ比は、2.77(95%CI:2.09~3.67)であった。・生涯うつ病について、4試験・PWE 5,454例の報告では有病率13.0%(95%CI:5.1~33.1)であり、3試験・被験者4,195例で報告されたPWEの生涯うつ病オッズ比は2.20(95%CI:1.07~4.51)であった。

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ワクワク ! 臨床英会話

1.受付対応2.初めての問診 3.家族の病気 4.生活習慣  5.出産歴 6.女性特有の問題 7.アレルギー 8.薬 9.予防接種 10.風邪  11.頭痛12.呼吸困難13.腹痛  14.糖尿病 15.便秘 16.腰痛  17.関節痛 18.骨折 もしも英語しか話せない患者さんが来院したらドキドキしませんか?この教材は、ドキドキを“ワクワク”に変えてもらおうと企画されました。特に外来で使える英語を重視して、ネイティブが自然に理解出来る表現を多数紹介しています。そして、プログラムの一番の特長はパペットたちと一緒に「練習」するコーナー。楽しみながら、何度も練習できるので、いつの間にか自然な表現が身についてしまいます。もちろん、伊藤彰洋先生の「日本人が間違えやすい医学英語」のワンポイント解説も見逃せません。すぐに使える臨床英会話を楽しくマスターしましょう !収録タイトル1. 受付対応 Reception ~笑顔が大切、受付対応~2. 初めての問診 History Taking ~初めての問診~3. 家族の病気 Family History ~ご家族の病気も教えてください~4. 生活習慣 Social History ~もっと知りたいあなたの生活習慣~5. 出産歴 OB History ~出産経験はありますか?~6. 女性特有の問題 GYN History ~女性の悩み、知っていますか?~7. アレルギー Allergies ~アレルギーはありますか?~8. 薬 Medication ~どんなお薬を使ってますか?~9. 予防接種 Immunization ~予防接種は受けましたか?~10 .風邪 Cold ~よくある風邪だと思うんですが・・・~11. 頭痛 Headache ~頭痛って、意外と心配です~12. 呼吸困難 Difficulty Breathing ~息が苦しくて、苦しくて~13. 腹痛 Abdominal Pain ~お腹が痛いんです~14. 糖尿病 Diabetes Mellitus ~糖尿病が気になるこの頃~15. 便秘 Constipation ~便秘の予防にイイことは?~16. 腰痛 Back Pain ~腰が痛くて、痛くて~17. 関節痛 Joint Pain ~関節痛で仕事もできず…~18. 骨折 Fracture ~骨が折れた!~

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骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科

(Ⅰ) 「トリアージ・BTLS」 (II) 「ATLS」 (III) 「外傷のみかたの原則・脊髄損傷」 (IV) 「下肢の損傷」 (V) 「上肢の損傷・その他の外傷」 (Ⅰ) トリアージ・BTLS災害時のトリアージ、そして多発性外傷患者を診るためのBTLSのエッセンスをコンパクト且つ「実戦的」に解説します。ここでも強烈なインパクトで大好評の[仲田式暗記術]が大活躍!「ほこつめて」「カンキアンスキ」など番組に登場する言葉とその意味を記憶しておけば落ち着いて対応できるに違いありません。(Ⅱ)ATLSトリアージ・BTLS同様、ATLSも迅速かつ正確に患者の状態を見極め判断することがとても重要です。そして「してはいけないこと」「しなければならないこと」が多くあります。救急対応としては医師として日常的に遭遇する可能性の高い状況であり、ATLSの手順と必ず発見すべき超致死的損傷を見落とすことは許されません。(Ⅲ)外傷のみかたの原則・脊髄損傷骨折を来たす外力とそれを受けた時にどんな状態の骨損傷を起こすのか、また骨折時の副子固定の方法、その原則と例外…といった基本的なことから、整形外科以外の医師がやってしまいがちな間違いなどを取上げ、おなじみ「仲田式暗記法」では脊髄損傷を起こしたと思われる患者さんをみるために知っていると便利な神経診察の方法、頸部の固定法、鞭打ち損傷のしくみなどを解説します。(Ⅳ)下肢の損傷踵骨骨折をみたら必ず疑わなければならないことは何か、そのとき実施すべき診察法は? 捻挫が起こるメカニズムと注意しなくてはならない場所、そして治療の大原則は? アキレス腱断裂をみるためのテスト方法や固定の方法は? 下腿骨骨折の患者さんを専門医に送るときに伝えて欲しいことなどなど、知っていそうで知らないあれこれを、多くの症例スライドとともに詳しく解説します。(Ⅴ)上肢の損傷・その他の外傷脊椎圧迫骨折と上腕骨骨折、高齢者に多い橈骨遠位端骨折、幼児に多い肘内障、そして指の損傷について解説します。また、「その他の外傷」として熱傷、銃創、爆創を取り上げ、その対処法も学習します。銃創や爆創をみる機会なんて・・・と思っていたら大間違い!仲田先生自身の体験談をもとに、医師として、いついかなる患者さんに遭遇しても落ち着いて対処できるよう、仲田式診察法の極意を覚えましょう!

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明解!Dr.浅岡の楽しく漢方

東洋医学の特徴(前編)東洋医学の特徴(後編) 講師の浅岡先生曰く、『西洋医学は西洋科学の一部なわけで、いわゆる元素の集合体として物を見ますよね。人間の体も同じ、パーツに分けて考えます。そしてパーツの異常を「病名」というかたちで表現し、その原因を「排除」するという考え方で治療を進めます。それぞれのパーツごとに専門家がいて、場合によって一人の患者さんが複数の治療を同時に受けることになります。一方、東洋医学ではパーツの異常は観察するものの「結果として全体のバランスがどうなっているのか」に注目をします。そして西洋医学との根本的な相違として、東洋医学では病名を診断するのではなく「状態を診断する」という手法をとるのです。つまり、「△△病」といえば西洋医学では「これこれの病態でなになに」と一つのことを指すことになりますが、東洋医学の視点は「△△病」に罹った人の「状態」に着目して治療をすることになるので答えが一つになるとは限らないわけです。つまり、病名が一緒でもその結果として陥る状態は様々なのだから、それぞれ個の事情に合わせて治療しようと考えるのが東洋医学の思想だということなのです。 ですから、「漢方薬を西洋医学的考え方の下に使う」という発想の限界はご理解いただけると思うのです。漢方薬を使うこと自体に意味があるのではなく、それを使いこなすために必要な「東洋医学の視点」が重要なのだということです。』 今まで何度読んでも難解だった「東洋医学」、そして「漢方」。そんな思いを吹き飛ばす浅岡式「東洋医学の視点」、それは常に講演会を満席にする楽しくわかりやすい講義。漢方を正しく処方、治療するために必要な基礎知識を解説します。

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明解!Dr.浅岡の楽しく漢方

カゼに葛根湯が効かない?めまい、耳鳴り元気が出なくて. . ./食欲もイマイチ. . カゼに葛根湯が効かない?今回はカゼについての漢方治療のお話です。ごく一般的な疾病「カゼ」。「カゼのひき始めに葛根湯」はよく用いられる言葉ですが、そもそも「ひき始め」とはいつまでの段階なのでしょうか。また葛根湯が全く効かなかったという経験はありませんか?本シリーズ第1回「東洋医学の特徴」で学習した東洋医学的な診断方法“証(しょう)”。その『証』を使った治療で「カゼの治療と葛根湯の謎」が明解になります。また今回から「Dr.Kの漢方診療日記」と題し実際の診察シーンを想定したシミュレーションが展開します。めまい、耳鳴り人間の体の大部分を占める「水」は、その状態が適切でないとさまざまな症状を引き起こすことがあります。漢方用語でこれを「水毒」といい、めまいや耳鳴りはこの水毒が原因で引き起こされるケースが多い疾患。そんな症状に効く処方とは?生薬の働きから理解しましょう。今回も大奮闘! Dr.K の「漢方診療日記」。かわいい患者さんにあがり気味…? Dr.E の「ワンポイントアドバイス」は、診療の現場ですぐに役立つ一言です。そして「番外編」も見逃せません!今回は横浜中華街・お相撲の土俵・漢方薬の名前。この3つに一体どんな関係があるというのでしょう。答えは番組を見てのお楽しみ!!元気が出なくて. . ./食欲もイマイチ. .西洋医学ではなかなか診断がつかない「元気が出ない」とか「食欲がない」といった症状、当然医師の皆さまにもご経験があるはず。東洋医学ではこれらを“元気の気”とか“気持ちの気”の『気』という概念から診断します。「カンパーイ!ゴクゴク…フ~っ五臓六腑に滲みわたるなぁ…」。ところでこの五臓六腑って?心臓、肝臓、脾臓…いいえ、実は違うんです。それでは一体なに??答えは、番組の中に。Dr.Kも元気いっぱい!?「Dr.Kの漢方診療日記」ではどんな患者さんを診ることになるのでしょうか。臨床にすぐ活用できるケーススタディをお見逃しなく!

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明解!Dr.浅岡の楽しく漢方

乾燥肌には辛い季節そろそろ更年期かしら・・・鼻水が止まらない 乾燥肌には辛い季節「便秘が解消したらニキビも良くなった」「せっかく調子の良かったアトピー性皮膚炎が、不規則な生活で悪化してしまった」などは、よくあること。肌は内臓の鏡といわれるように、からだ全体の不調や気候が原因で皮膚症状が悪化する患者さんは多いものです。皮膚症状はとても治療の難しい分野であり、漢方の処方においても様々な処方が用意されています。木枯らしが吹いて空気が乾燥する季節。冬になって増えるのは皮膚の乾燥によるトラブル。お年寄りの掻痒症やアトピー性皮膚炎の悩みを、漢方ではどのように解決するのでしょう?そろそろ更年期かしら・・・のぼせ、イライラ、鬱傾向、月経不順、めまい…。中年女性にとってとても辛い更年期障害は、西洋医学的には「ホルモンの異常」としてとらえられています。「不定愁訴」といわれるこれらの症状はその名のとおり発現や症状が不定であり、治療がなかなか難しいところではないでしょうか。しかしこれまで学習してきた「東洋医学のものさし」、具体的には「気逆」「気鬱」などの「気」の異常、或いは「血」の異常、「水」の異常、といった「気・血・水」の概念を使って分析してみると、これらの症状はとてもわかりやすいのです。診断がつけば各々の症状に効く生薬から処方を選択することができます。鼻水が止まらない春の国民病とも言われるアレルギー性鼻炎、花粉症。漢方では小青竜湯がとても有名です。もしかすると「小青竜湯は花粉症の薬」と思われている先生方も多いかもしれません。ところが、それは間違いです。漢方は疾患名に対して薬を選択するのではなく「患者さんの状態」と「構成生薬の作用」で処方を選択することはこれまでの回でも出てきました。それでは、小青竜湯が効かない患者さんに対して一体どうすれば良い?ということになってしまいます。“この薬が花粉症にも用いられるの!?”と感じる意外で、目からウロコが落ちるような処方があるかもしれません。

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明解!Dr.浅岡の楽しく漢方

何とかしたい「にきび」と「蓄膿」どうも、精神的に不安定で…『腰が痛い・関節が痛い』時の対応方法 何とかしたい「にきび」と「蓄膿」「にきび」は皮膚疾患、「蓄膿」といったら耳鼻科の疾患。でも東洋医学では、この2つの疾患は同じジャンルに分類されます。この例に限らず、漢方処方の適応症をみると全く関連のなさそうな疾患が並んでいることがよくあります。というのも、東洋医学の視点でみると共通の病態(状態)が存在しているためです。今回の例で病態を考えてみると「熱がこもっていて」「つまっている」という点に共通点があります。この時重要なのは、東洋医学には抗生物質のように「(菌などを)殺す」という発想がないこと。どうも、精神的に不安定で…寒い季節が終り春が始まろうとする時、天候や気温など環境は変化しやすく不安定になりがち。それに伴って人のからだも不安定な状態に陥りやすくなります。特にこの冬から春への移行時期は気持ちが不安定となる、東洋医学の視点でいう「気の異常」が現れやすくなる時期です。これまで何度も出てきた「気の異常」。一体どんなものがあったでしょうか? そう、「気逆」「気鬱」「気虚」の3つです。しかし、この3つになかなかすっきり分類できない、つまりこれらが錯綜して現れるタイプの方もたくさんいらっしゃいます。そんな時のもう1つの分類法とは?また、それらに対応する生薬とは?季節の変調に上手に対応してゆく処方をご紹介します。『腰が痛い・関節が痛い』時の対応方法“痛み”に漢方の処方を用いるケースとしては、「消炎鎮痛剤が使いにくい患者さんに」、「コントロールが今ひとつなので消炎鎮痛剤と併用する」などが多いようです。けれど、上手に漢方薬を活用すれば、患者さんの全身状態を改善し、疼痛も良くなることが多々あります。例えば、痛みを増幅させる要因となる「湿気」や「冷え」。これは東洋医学の概念では「水」と「寒」ということになります。さらに「血」の概念を導入して、困難な疼痛治療を行なってみると…。今回は聴講生参加型の講義。数ある漢方処方から、事例に見合った処方を選択することができるでしょうか?皆さんもご一緒に考えてみてください。

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明解!Dr.浅岡の楽しく漢方

『頭痛』への対応咳私、クーラーに弱いの 『頭痛』への対応「頭痛」は、誰もが経験する普遍的で不快な症状。今回は頭痛の原因を「気・血・水・寒熱」という概念に基づいて考えていきます。これまで紹介してきたように、漢方処方では症状の原因を東洋医学の視点で考え、その原因に効果を発揮する生薬から最終的に処方を選択します。そうすれば、ずっと効果的に漢方処方を学ぶことができます。また今回は、人気の「Dr.Kの漢方診療日記」の中で、“時間制限つきクイズ”を実施します。番組をご覧のみなさまも、患者さんの訴えに対してご自身ではどの処方を選択するか、考えてみてください!咳咳を来たす疾患の背景には、実に様々な原因が考えられます。呼吸器疾患や心疾患はもちろんのこと、中には原因不明の「咳」も数多く存在します。東洋医学の原典である『皇帝内経素問』にも「咳論」というコーナーがあるほどです。そんな「咳」に果たして漢方ではどのように対応していくのでしょうか? 咳を訴える患者さんを東洋医学的に診察する時のキーワードは「燥湿」と「寒熱」、そして「気逆」です。これらのキーワードを組み合せたいくつかのパターンに患者さんの状態を分類し、各々の状態に効果を発揮する生薬を選択していきます。全く違った特徴を持つ生薬がともに咳の治療にあたるのはなぜか? 答えは本編の中に。私、クーラーに弱いの今回のテーマは漢方治療の得意分野「冷え症」です。以前「冷え症」を取り上げた時は「血」の異常に的を絞ったお話でした。しかし「冷え」は他にもさまざまな要因によって起こります。その要因別に漢方処方も対応を変えていかねばなりません。また、「冷え症」といえば、従来は寒い季節の症状と考えられていましたが、最近では夏に冷え症で来院される患者さんも多くなっています。意外にも沖縄に冷え症の方が多いという報告もあります。これは現代の冷え症の原因にクーラーが関与しているからなのでしょう。現代人の「冷え」を治療するために大切なキーワードである「寒熱」や「水」の概念から「冷え」を考えていきます。

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みんなの症候診断

第4回「病態生理でラクラクめまい診断!」第5回「実戦でコツをつかめ!その1」第6回「実戦でコツをつかめ!その2」 第4回「病態生理でラクラクめまい診断!」テーマは「めまい」。めまいと聞くと、耳鼻科専門医でも「ちょっと遠慮したいなあ」と思うほど悩ましい症候です。それに対し講師の前野先生は、「病態生理を知っていればめまいの診断はそれほど難しいことではありません」と主張します。例えばめまいで最も頻度の高いBPPVの場合、未だに画像診断に頼ってしまうことも多いようですが、発生機序を知っていれば簡単な診察で短時間に診断をつけることが可能です。その他の疾患も病態生理が頭の片隅にあれば、もう診断で迷うことはありません。この回では特別に前野先生オリジナルの「めまい鑑別アルゴリズム」をご紹介。本編視聴後はきっと、めまい診断の悩みがすっきり解決します !第5回「実戦でコツをつかめ!その1」 第6回「実戦でコツをつかめ! その2」シリーズもいよいよ大詰め。前野先生が言うように、鑑別診断においては必ずしも病名を当てることだけが重要なわけではありません。忙しい外来の中で、まずは緊急性のある疾患かどうかを判断すること、もし緊急性がなければコモンディジーズの典型かどうか判断すること。そしてそのどちらでもなければ、待てるかどうかの判断をすることが重要です。たとえ診断に行き着かなくても、このシリーズを学ばれると、だいたいどんな病態かおおよその推理は立てられ、緊急性を要するのかそうでないのか、くらいまでは想像がつくようになるでしょう。TV放送時には、「今までわけの分からなかった症候診断に一筋の光が見えた」「症候診断って楽しい!」など、大変ご好評をいただきました。2回にわたっていくつかの練習問題が出ます。ただし、必ずしもきちんとした回答がある症例ばかりではありません。患者さんからの最初の情報だけで、次にどんな疾患を考えなければいけないか、何をしなければいけないかを考えるイメージトレーニングです。これまでのシリーズを理解していれば簡単!ぜひトライしてみてください!

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明解!Dr.浅岡の楽しく漢方

冷え症や生理痛に悩んでいるの東洋医学の概念「気・血・水」。今回はこの中の「血」にスポットをあてます。「血」の異常、東洋医学では『お血』と『血虚』の2種に大別されます。お血とは血の巡りが悪くて、その結果様々な症状を引き起こすこと。血虚とは貧血、ではなくて血によって運ばれる栄養分が体のすみずみにまで配られないことによって現れる症状のこと。女性にとってとても辛い冷え症や生理痛・・・この症状でお悩みの方は少なくないはず。東洋医学では、こんな症状の治療にこの「血」の概念をあてはめて考えます。お腹が痛い ―お腹と心の深い関係―今回のテーマは腹部疾患。なかでも西洋医学的には解決が難しい『過敏性腸症候群』を中心に解説します。「断腸の思い」「ガッツ(腸)がある奴」の例えの通り、古来よりお腹と精神との関りは明白。ということは「お腹の調子が悪い=気持ちに問題がある」と考えられませんか?こんな時、漢方治療はとても効果的。下痢に下痢止め、便秘に下剤、ではなくて東洋医学的に患者さんの「状態」を踏まえて診断します。お腹が痛い患者さんに対し、気持ちや心の問題をよく考えることはとても大事なこと。“気”の概念を中心に、考えてみましょう。足腰に力が入らない東洋医学の概念の中で「五臓」という言葉があったのを覚えていますか?「心・肺・肝・脾・腎」でもこれは解剖学的な臓器のことではありませんでしたね。今回はその中から「腎」に効く処方をご紹介。腎臓疾患ではありませんのでお間違いなく!では一体何か? → 「腎」とは、生物が生まれつき持っている精気、つまりenergyのこと。「腎」の力が失われると、足腰に力が入らなくなったり、夜中におしっこが近くなったりする。こんな患者さんに優れた効果を発揮する漢方処方をお教えします。

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激辛!伊賀流心臓塾

第6回「高血圧について 薬剤選択よりも大切なこと」第7回「不整脈知ってたらものすごい楽ですね!」第8回「避けては通れない臨床倫理の肝」 ※第1巻は「激辛!伊賀流心臓塾(第1巻)≪増補改訂版≫」となります。第6回「高血圧について 薬剤選択よりも大切なこと」自覚症状のない高血圧症においては、患者さん自身が治療途中でドロップアウトしてしまうケースが非常に多いのが実状ではないでしょうか。「どのような薬剤を選択するか」も大切ですが、それよりも、「患者さんに治療へのモチベーションを持っていただき、正しく治療を継続してもらうこと」の方が、はるかに重要であると伊賀先生は言います。番組では、薬剤治療だけでなく、高血圧治療に不可欠な減塩や運動療法についても患者自身が納得して治療を継続できるような様々な知恵を紹介していきますその他、二次性高血圧除外のための検査はどこまでするべきか、伊賀流禁煙指導法、白衣高血圧への対処、そして第一選択薬についてなど、皆様の疑問にズバリお答えします。【今回の症例】45歳男性。症状なし。5〜6年前の検診からいつも血圧160〜170/ 100であった。2年前に某総合病院を受診して降圧剤を処方されたが、1ヶ月で服用を自己中止する。今回、昇進試験を控え、会社から再診の指示があり当院を受診。心拍数は70、末梢動脈はすべて触知。その他の特記すべき所見なし。第7回「不整脈知ってたらものすごい楽ですね!」 ひとくちに動悸といっても、速いものから遅いもの、また規則的なものから不規則なものまで様々なタイプのものがあり、それらを患者さんが総称して「動悸」と呼んでいる…ということは、「第0回=イントロダクション」でもお伝えしました。 伊賀先生は、「的確に病歴を聴取することでほとんどの動悸の原因はわかる」と言います。そして、動悸の原因を特定せずに安易に不整脈薬などを処方することは厳に慎むべきとのこと。今回は、プライマリ・ケア医もぜひ知っておくべき動悸や不整脈特に日常よく遭遇する期外収縮、不整脈薬の使い方などについて核心を突いた解説をします。【今回の症例】65歳男性。2〜3年前から時々、特に夜間に「動悸」を感じていた。平地歩行や階段歩行では動悸も息切れもなし。血圧正常で、過剰心音、心雑音なく、胸部X線、心電図、一般採血も正常。第8回「避けては通れない臨床倫理の肝」 6センチ大の腹部大動脈瘤が偶然発見されたとします。純粋に「医学的適応」のみ考えれば手術するのが妥当であり、手術の目的は突然死を予防することです。ただ、手術したからといって日常生活に変化があるわけではなく、逆に手術しないからといって痛みや症状があるわけでもありません。このようなとき主治医は、「医学的な判断のみにとどまらず、患者の死生観や希望、そして家族の希望や経済的因子、生活の質の変化など、さまざまな背景を踏まえた総合的な判断を抜きにして決定をくだすことはできないと伊賀先生は言います。今回は、プライマリ・ケア医にとって避けては通れない臨床倫理をテーマに、その考え方や判断因子の整理の仕方などを学んでいきます。【今回の症例】85歳男性。元来無症状であった。上腹部痛から肝腫瘍疑いでCT検査を施行されたが肝腫瘍ではなく、腎動脈直下から始まる6.0cmの腹部動脈瘤を指摘された。血圧、バイタルサイン等は正常。

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Dr.岩田のスーパー大回診

第1回「チェックしといた?症候群」第2回「怒っていいとき、悪いとき」第3回「コンテンツよりデリバリー」 第1回「チェックしといた?症候群」このシリーズは岩田先生の専門である感染症に関する番組ではなく、ケアネットにも多く寄せられた「研修医をどう指導していいか分からない」「指導の目安になる教材が欲しい」などの声にお応えし、指導医のための研修医教育のコツとヒントをお伝えしてゆきます。番組ではテーブル回診の場面を再現して、その問題点と改善策を検証。世界各国の医療現場を体験し、そこで研修医の育成にも力を入れてきた岩田先生が、今の医療現場で不足している研修医指導 のスキルを分かりやすく解説します。もちろん指導の仕方に王道はありませんし、人それぞれやり方も違います。しかし、基本的なアプローチや、やってはならないことを覚えておくだけで、テーブル回診の効果は劇的に変わるでしょう。これから指導医の立場になる方、またすでに指導の現場で悩みを抱えている方は必見です !第2回「怒っていいとき、悪いとき」最近では医療界のみならず、教育界やビジネスの世界でも、どう後進を育てるかという「教育論」がしばしば論じられています。そして、“教育上は「ほめる」ことの方が効果が高く、「怒る」ことには意味がない”といった意見が大勢を占めつつあるようです。しかし、岩田先生はそれに異を唱えます。「教育方法に何が正しくて何が間違っているということはありません。正しいコンテキストとタイミングで用いられれば、全ての教育方法が有効なのです」。つまり、「怒る」教育も、コンテキストとタイミングさえ間違えなければ、優れた教育方法であるということです。岩田先生ご自身の体験も交えて、うまく使えれば研修医の将来にわたり効果がある「怒る」方法を伝授します。怒りたくても、怒り方が分からない、怒る勇気がない指導医の皆さん、必見です。第3回「コンテンツよりデリバリー」研修医を指導する上での悩みに“レクチャー”があります。聞いている研修医の反応が今ひとつだったり、ときには寝ている研修医までいたりして。自分の話がつまらないのか、それとも、レクチャーと言う手法自体がもう時代遅れなのか…と、多くの指導医の先生が悩んでいるようです。確かに最近は、レクチャー形式の一対多数の手法より、例えば、PBL(problem based learning)のようなインタラクティブな形式の方が教育効果が高いという声が多くあります。しかし岩田先生は、「やり方さえ巧く工夫すればレクチャーは非常に効果の高い教育方法で、決して退屈なものではありません」と言います。まずは“何を”話すかよりも、“どう”話すかが大切なのです。岩田先生が具体的な実例を交えて明解に解説。明日からのテーブル回診で早速試せる方法をご紹介します。

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Dr.岩田のスーパー大回診

第4回「PQRSTで終わらせない!」第5回「研修医は三日寝ないで一人前?」第6回「ムンテラを教えよう」 第4回「PQRSTで終わらせない!」指導医が研修医に、「問診で患者さんに痛みについて尋ねるときの手段について」質問すると、「“PQRST”をきちんと聞く」などと答える人がいます。最近は病歴聴取についての教材や教育方法が発達してきたため、研修医もこのようなことを良く知っています。そして指導医もまた、それさえできていれば十分だと思ってしまいがちです。しかし、それでは病歴聴取としては不十分なのです。PQRSTは単なるチェックリストに過ぎません。チェックリストを埋めているだけの問診では、疾患や患者さんの全体像を掴むことはできません。では、病歴聴取において指導医は研修医をどう指導したら、またどのように訓練していけばよいのでしょうか。岩田先生ならではの“指導医の心得”を伝授します !第5回「研修医は三日寝ないで一人前?」医療現場では当たり前ともされる「時間がない!」「忙しすぎる!」「人が足りない!」「今日も寝られない!」という過酷な状況の中、研修医に対しても「三日寝ないで一人前」のような感覚でいる指導医の先生が多いのではないでしょうか。しかし、乗客の命を預かるパイロットが適切な休養を義務として取るように、患者さんの命を預かる医師も「権利」としてでなく、「義務」として休養を取らなければいけません。つまり、プロである以上、患者さんのためにベストパフォーマンスを発揮するためには適切なタイムマネジメントが必要であり、研修医のタイムマネジメントを管理するのも指導医の役目なのです。「そうは言っても、手いっぱいでそんなことやってられない!」という方、ぜひ岩田先生からの明解なアドバイスをお聞きください。超多忙な中、多くの講演や執筆を手がける岩田先生ならではの妙技をご紹介します。第6回「ムンテラを教えよう」ムンテラは、ドイツ語のMund Therapie(ムントセラピア)の略語で、「口で治療する」という意味です。いわば医療行為の一環であり、エコーや心電図などの医療行為と同じく特別な技術を要するもの。この「ムンテラ」と呼ばれる、がん告知やインフォームドコンセントを、経験の浅い研修医一人に任せたりしていませんか? 「ムンテラ」は、医学知識があるからといって訓練なしで研修医が行っていいことではありません。でも、「ムンテラなんて教えたことも教わったこともない」という声が聞こえてきそうです。そんな悩める指導医のための基本知識を伝授します。岩田先生の明解解説でムンテラを教えるツボがわかります !

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Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!

第1回「狂ったシナリオ」第2回「構想の死角」第3回「もう一つの鍵」 第1回「狂ったシナリオ」どのような場合でも薬剤を選ぶ際にはシナリオというものがあるはず。漢方の場合でも当然根拠、「なぜ」と「だから」が必要です。もしその根拠を持たなければ、「シナリオは狂う」のです。「どうしてその処方になるのか」「なぜ他の処方ではないのか」「別の処方にチャンスはないのか」、番組は皆様ご自身にお考えいただきながら進んでいきます。漢方薬・生薬を題材とした知的ゲームのような展開。「知識」を超えて「思考」の世界へ!第2回「構想の死角」身体に起こる諸事について考える場合、様々な要素をピックアップし、考えを組み立てることが必要不可欠です。「こうなっているからこういう結果」「これが原因でこの症状」「だからこういう対処」…それが「構想」です。漢方診療においても「構想」がなければ対処はできません。ではその構想に「死角」があるとすれば、いったいどこにあるのでしょうか?この回では、『漢方薬がどのようにつくられてきたか』の道筋を追う事により「処方」とそれを構成する「生薬」の関係について、また「“水”に関する構想」とその死角について解説します。第3回「もう一つの鍵」患者さんの症状を確認し、原因がどこにあり、どのような問題点があるのかをつきとめるときにも、対応するときにも「鍵」は必ず存在します。西洋医学で対応するべきか、東洋医学で解決するべきか? 何がそれを決めるのか? それぞれの医学には問題解決のための「鍵」が用意されています。「扉を開けることができる鍵」がどちらにあるのか、どちらを選ぶか、その判断の極意をお届けします。またこの回では、番外編で「オーダーメイド治療」という言葉について取り上げます。その意味を踏まえながら「東洋医学の鍵」について考えましょう。

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