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オセルタミビル10代への使用制限解除へ

 2018年5月16日、厚生労働省は「抗インフルエンザウイルス薬の安全対策」を議題に、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開催した。主な論点は、抗インフルエンザ薬と異常行動に関する安全対策措置について、2007年からオセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル)のみに適用されている、10代への原則使用差し控え措置についてなど。※写真=中外製薬ホームページより 本会は、今回集まった報告で、オセルタミビルと異常行動との因果関係について明確な結論が出ていないこと、また、抗インフルエンザ薬服用の有無や種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時に異常行動が発現する可能性があることなどを踏まえ、オセルタミビルの警告措置を撤回し、ほかの抗インフルエンザ薬と記載方法を揃える方向で意見が一致した。2007~18年春まで続いていた、使用差し控え措置 オセルタミビルは、A/B型インフルエンザウイルス感染症の適応を有する経口薬である。2007年、本剤を服用した中学生が、自宅療養中にマンションから転落死した報道を受け、ハイリスクを除いた10代の患者には原則使用を控えるよう添付文書に追記され、緊急安全性情報が配布された。  2009年、オセルタミビル服用と異常行動の関係について、報告書がとりまとめられたが、明確な結論を出すことは困難とされ、現行の安全対策措置の継続が適当と判断された。 服薬が原因で異常行動が発現するとは言い切れない 2009年以降、新たな調査が行われたが、ラットなどにおける非臨床試験、厚生労働省のデータにおける疫学研究では、異常行動との因果関係について明確な結論は出なかった。 岡部班が、2009/2010年シーズン~2016年3月までの報告について行った疫学調査の結果、抗インフルエンザ薬の服用有無、種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時に異常行動が発現する可能性があり、服用なし群で約90%、抗インフルエンザ薬服用群の約70%が2日目までに発現していた。また、発現するタイミングは、睡眠から覚醒した直後が多いといった傾向が認められた。 さらに、福島 若葉氏(大阪市立大学大学院医学研究科 公衆衛生学 教授)らが廣田班疫学調査のデータを使用して行った解析1)では、オセルタミビルの初回服用後、異常行動が発現しやすい傾向が示されたが、この期間は高熱が出るインフルエンザの初期と重なることなどから、インフルエンザ自体による異常行動を否定できないと結論している。今後の対応について 以上の結論などから、現在オセルタミビルのみに適用されている、10代への原則使用差し控え措置について適当でないと判断され、ほかの抗インフルエンザ薬に共通の注意喚起と同様に、重要な基本的注意欄への記載に変更する方針だ。 その他の具体的な記載方法、今後の対応などは次回の調査会であらためて議論するという。 ■参考文献1)Fukushima W, et al. Vaccine. 2017;35:4817-4824.■参考厚生労働省 ホームページ(インフルエンザ)

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第1回 楽しい同行♪&無菌室稼動!【はらこしなみの在宅訪問日誌】

初めまして。はらこし なみと申します。在宅訪問専任の薬剤師をしています。目の前の患者さんの在宅療養をより良いものに!と、患者さんのサポートに奮闘しています。お別れのときのやるせなさを乗り越え、チーム医療での自分の立ち位置を見つめ直しながら、前向きに頑張る日々を綴っていきたいと思います。楽しい同行♪「次回は2週間後の25日に伺いますね~」いつもの看護師さんの締めくくりで部屋を出ます。ここは高齢者専用住宅。今日は医師と看護師に同行しています。「先生、次はクリスマスですね~」「ぼく、サンタクロースになるよ」は?まさか先生。待ち合わせ場所の施設玄関に現れた先生は赤かった!!!きゃあ、先生~。施設入居者の皆さん、軒並み血圧up↑↑先生とわからず動揺する方まで...急いでお髭とって「僕です!」高齢者や病気を患っている方にとっては刺激が強すぎた?ほんの少しの変化(温度、気候もそうですが)が体に影響するのだと再認識しました...。無菌室稼動の依頼が!さて。病院主催の緩和ケア勉強会に参加して他の職種の方々と連携するように心懸けています。勉強会の最後には参加者の各部門から連絡事項の伝達があります。病院で在宅訪問を担当している看護師さんから「TPN患者さんの在宅が開始予定なのですが、混合できますか?」と。ここは高齢者専用住宅。今日は医師と看護師に同行しています。夢に見ていた無菌室の稼働!!うちの薬局には無菌室がありますが、実際に処方箋を受けたことはこれまでなかったんです。しかし、実際に段取りを始めると・・・、準備する物品の多さ、手順の確認、注射薬剤の知識のなさに焦り、緊張の毎日。薬局薬剤師にとって、注射、輸液などを扱うことがなく、未知の世界です・・・。無菌調製している別店舗のスタッフに色々と教えてもらう日々が始まりました。調製前の準備から指導されっぱなしです・・・。「1回1回、ドアはしっかりしめる!」「ここ拭いた?」「ここに置いちゃだめだよ!」ありがたい指導のもと、ようやく稼働にこぎ着けました。初の輸液処方箋。適応外使用に四苦八苦ですが、資料やガイドラインなどを勉強して、実際の現場ではこのような使用法もあるのだ、と改めて感じています。やっと1例。いっぱいいっぱいですが、これからは必要としている患者さんに届けられるよう、努力したいと思います。

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コレステロールの吸収と合成を阻害する初の配合錠「アトーゼット配合錠LD/HD」【下平博士のDIノート】第1回

コレステロールの吸収と合成を阻害する初の配合錠「アトーゼット配合錠LD/HD」今回は、高コレステロール血症治療薬「エゼチミブ/アトルバスタチンカルシウム水和物配合錠LD/HD(商品名:アトーゼット)」を紹介します。コレステロールの吸収と合成をともに阻害するため、単独投与よりもLDLコレステロール値を低下させる可能性、また、1剤の服用で済むのでアドヒアランス向上や患者負担の軽減が期待できます。<効能・効果>高コレステロール血症、家族性コレステロール血症の適応で、2017年9月27日に承認され、2018年4月23日より販売されています。本剤は、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬であるエゼチミブと、HMG-CoA還元酵素阻害薬であるアトルバスタチンの配合剤です。異なる作用機序の成分を配合することで、小腸でのコレステロールおよび植物ステロールの吸収阻害作用と、肝臓でのコレステロール合成阻害作用により、血液中のコレステロールを低下させることが期待されます。なお、本剤を高コレステロール血症、家族性コレステロール血症治療の第1選択薬として用いることはできません。<用法・用量>通常、成人には1日1回1錠を食後に経口投与します。エゼチミブ/アトルバスタチンの含量は、LD錠が10mg/10mg、HD錠が10mg/20mgとなっており、アトルバスタチンの用量は、年齢、症状により適宜増減可能です。高コレステロール血症の場合はアトルバスタチンとして最大20mg、家族性高コレステロール血症の場合は最大40mgまで増量できます。<臨床効果>日本人高コレステロール血症患者309例を対象とした国内第III相二重盲検比較試験において、ベースラインからのLDLコレステロール変化率は、エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg併用群はエゼチミブ10mgおよびアトルバスタチン10mgの各単独群との間、エゼチミブ10mg+アトルバスタチン20mg併用群はエゼチミブ10mgおよびアトルバスタチン20mgの各単独群との間に有意差が認められました。<副作用>国内の臨床試験では、臨床検査値異常を含む副作用が272例中4例(1.5%)に認められています。主な副作用は、胃炎、腹部膨満感、便秘などの消化器症状と、ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、Al-P増加などの臨床検査値異常でした。<患者さんへの指導例>1.コレステロール吸収を抑える成分と、コレステロール合成を抑える成分の2種類が配合され、心血管系疾患の危険性を少なくすることが期待できます。2.一緒に飲んではいけない薬や避けたほうがよい薬がありますので、ほかに服用している薬があれば、必ず医師・薬剤師に伝えてください。3.手足のしびれ、筋力低下、筋肉痛、赤褐色の尿など[横紋筋融解症の前駆症状]がみられた場合や、これまでと違うだるさ、食欲不振、吐き気、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる症状[肝機能低下]がみられた場合はすぐに連絡してください。<Shimo's eyes>本剤を高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の第1選択薬として使用すること、またはアトルバスタチン以外の同効薬の単独投与(ゼチーア錠も該当)からの切り替えは、原則として認められていないので注意が必要です。切り替えが下記に該当しない場合は疑義照会をする必要があります。【LD錠の適用】(1)エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg併用、(2)アトルバスタチン10mgで効果不十分な場合【HD錠の適用】(1)エゼチミブ10mg+アトルバスタチン20mg併用、(2)アトルバスタチン20mg、(3)エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg併用またはエゼチミブ/アトルバスタチン配合錠LDで効果不十分な場合本剤の薬価はLD錠、HD錠ともにゼチーア錠と同額のため、ゼチーア錠とリピトール錠あるいは後発のアトルバスタチン錠をそれぞれ単剤で併用するよりも医療費が軽減されます。アドヒアランスの向上も期待できるので、両剤を必要とする患者さんにとってメリットを感じやすいでしょう。通常、新薬の発売から1年間は14日分しか投与できないという処方日数制限がありますが、本剤の場合、既存薬のゼチーア錠とリピトール錠の併用療法は実質的に1年以上の臨床使用経験があるため、処方日数制限の対象外となっています。

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統計のそこが知りたい!

大好評をいただいた「わかる統計教室」に引き続き、医学統計のわかりにくい部分を解説する新コーナーの登場です。このコーナーでは、医学論文を読むに当たって多くの人が疑問に思うこと、勘違いしやすいことを取り上げ、簡潔にわかりやすく解説していきます。最初にこのコーナーで理解し、さらに「わかる統計教室」で詳しく学習していただければ、さらに理解は進みます。統計解析の専門家、志賀 保夫氏(株式会社アイスタット)に解説いただきます。●くわしい統計の学習は わかる統計教室

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第1回 「標準偏差」と「標準誤差」の使い分けは【統計のそこが知りたい!】

第1回 「標準偏差」と「標準誤差」の使い分けは論文、図などでよく目にする標準偏差(standard deviation:SD)と、よく似た統計用語に標準誤差(standard error:SE)があります。今回は、両者をどのように使い分けているのかについて解説します。※本稿では、標準誤差と標準偏差とが類似しているので、混乱を避けるため本文では「標準誤差」を「標準誤差(SE)」あるいは「SE」と表します。■標準偏差の働きを考える標準偏差とは何かを考えてみましょう。ご存じのように、ある薬剤の効果に関する試験を行った結果、得られたデータの散らばりの程度を数値で示すことができれば、その値を比較することによって薬剤を評価することができます。その散らばりの程度を示す数値のことを「標準偏差(standard deviation:SD)」といいます。注意が必要なのは、標準偏差は平均値と比べて、「どれだけばらついているか?」「差が大きいか?」を求めた数値ですので、データの分布が偏っていて外れ値があり、平均値と中央値が大きく異なるような場合は、このデータの代表値として平均値を用いるのは適切ではありません。その結果、標準偏差も外れ値に対して強く影響を受け、大きな値になってしまいます。次に標準誤差(SE)について考えてみましょう。標準誤差(SE)とは、標準偏差(SD)を√nで割った値です。上の式からもわかるように、標準誤差(SE)は必ず標準偏差よりも小さくなります。■母集団を知るために必要な尺度は何か?標準誤差(SE)は必ず標準偏差よりも小さくなりますので、標準誤差(SE)を用いてグラフなどを作成したほうがデータのバラツキが少ないように見えるので見かけがよくなります。実際に、多くの医学論文などで標準誤差(SE)が使われていますが、決して見かけをよくするために標準誤差(SE)を用いているわけではありません。もう一度、前述の式をよく見てみましょう。標準偏差が大きいと、外れ値があったり、試験の結果として得られるデータのバラツキが大きいということです。したがって、標準偏差は小さいほうが良いわけです。では、サンプルサイズnの大小関係については、どう考えればよいでしょうか。母集団のことを知るためには、サンプルサイズnは大きいほうが良いですね。標準誤差(SE)の式を見てください。標準偏差、nがどのような場合、標準誤差(SE)は小さくなるでしょうか?標準偏差が小さく、nが大きいときに標準誤差(SE)が小さくなります。つまり、データの散らばり程度とサンプルサイズnの大きさを考慮して求められた標準誤差(SE)は、母集団のことを知るためのバロメーターとなるのです。ですから、標準誤差(SE)は重要だということです。■誤差について考える簡単な事例で具体的にみてみましょう。次の図「薬剤Aと薬剤Bの平均値棒グラフ」は、論文で見る機会が多いと思います。図 薬剤Aと薬剤Bの平均値棒グラフ薬剤A、Bそれぞれの平均値に示されているエラーバーを見てください。これが誤差(エラー)を表していることはおわかりだと思いますが、その意味は何でしょうか。エラーバー(error bar)は、データの誤差(エラー)の程度を表すためのもので、±標準偏差、±標準誤差(SE)、パーセンタイル(percentile)、95%信頼区間(confidence interval:CI)などが使い分けられています。この図はどちらも同じデータを表したもので誤りではありません。しかし、エラーバーの長さが(1)と(2)で違います。つまり、論文の図あるいは説明文には、エラーバーが何を表しているかを明確に記さなければなりません。では、今回のテーマに戻り、標準偏差と標準誤差(SE)の使い分けについて考えてみましょう。エラーバーに標準偏差を用いるのは、標準偏差はデータのバラツキそのものを示す指標ですから、純粋にデータのバラツキを示したい、あるいは比べたいというときは標準偏差を使うべきです。たとえば、対象者がどのような特徴を持っていたのかを記述するときです。±標準偏差はおおよそデータの2/3が含まれる範囲としてかまいません。±1.96×標準偏差であれば、データのおおよそ95%が含まれます。これらの目安は、データが正規分布に従うときはかなり正確ですが、そうでないときには用いることはできません。身近な例では、人間ドッグ受診後に渡される臨床検査値の正常範囲は、健常人の95%が含まれる区間となっていることはよく知られています。一方、標準誤差(SE)は母集団のことを知るためのバロメーターですので、母集団の平均の区間推定量となります。ですから、母平均の推定をしたい、あるいは比べたいというときは標準誤差(SE)を示せばよいのです。母平均ですから、多くの論文で標準誤差(SE)が用いられているのです。●標準偏差の算出方法(1)個々のデータから平均値を引く。求められた値を「偏差(deviation)」という。(2)個々の偏差を平方する。(「偏差×偏差」)。求められた値を「偏差平方(squared deviation)」という。(3)求められたn例の偏差平方を合計する。合計の値を「偏差平方和(sum of squared deviation)」という。(4)偏差平方和をn数(n例)で割る。求められた値を「分散(variance)」という。(5)分散のルートを計算する。求められた値を「標準偏差(SD)」という。●標準誤差(SE)の算出方法■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション1 母集団、n数、サンプル数、サンプルサイズとはセクション5 標準誤差(SE)とは第4回 ギモンを解決! 一問一答質問3 標準偏差と標準誤差の違いは何か?

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保険薬局は非営利法人にすべきか?【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第1回 

最近、保険薬局が国民の保険料や税金を株主に還元することは問題であり、保険薬局は非営利法人に限定すべきとの主張を聞くことがあります。皆さん知ってのとおり、現在、薬局の多くは株式会社です。この指摘は、株式会社が保険薬局を運営していることに対してのものと考えてよいでしょう。よく、株式会社は誰のものかという議論がありますが、法的な「所有と経営の分離」という考えをもとにすれば、株式会社は株主のものと考えるのが一般的でしょう。だからと言って、株主が株式会社を全面的に自由にできるのではなく、取締役の選任ができたり、利益の分配が受けられたりするという意味です。だからこそ、株式会社は誰のものかという議論になるわけですが。株式会社と薬局法人の併存ならアリ?さて、今回は保険薬局が株主に、国民の保険料や税金を還元することについて指摘がありましたが、これは利益の配当が問題にされています。また、会社を清算した場合、残余財産分配の問題もあるかもしれません。ご存じのとおり、病院などを開設する医療法人は非営利とされ、配当は禁止されています。そのため、薬局も同様に非営利法人とすべきとの主張は以前からありました。取締役への報酬支払いであれば、働くことへの対価と見ることができますが、株主への配当に関して、保険料などが使われるのは適切ではないということなのかもしれません。これまでも、非営利で薬局を行う法人を薬局法人などと呼び話題になったことがありました。保険調剤だけに限るのであればそのような考えもわかりやすいですが、一般的な薬局では保険調剤と別に一般用医薬品の販売なども行っていますし、株式会社であるため、その他の事業を行っている場合も多くあります。薬局は、以前から小売りの一面があり、昨今言われる「健康サポート薬局」などの考えが進んでいけば、保険調剤だけでは完結しないでしょう。そう考えると、保険薬局を原則非営利として、医療事業などだけを行う医療法人のように、業務を限定するのは難しいかもしれません。そういう意味では、現在の保険薬局が保険調剤のみを行っているように見られているからこその指摘とも言えそうです。また、実際に、すでにこれだけ多くの株式会社が経営している保険薬局を、すべて非営利にするのはなかなか難しいように思いますし、思い切った規制をすると法的にも問題がありそうので、実現するのは容易ではありません。そのため、すぐに薬局法人などの議論が具体的に開始するとは思えませんが、既存の株式会社は据え置きと認めた上で、今後、法人の一形態として薬局法人なるものが認められる可能性はあるかもしれません。調剤報酬改定では、大手チェーン全体の収益を下げるような動きもあるようですが、営利がだめと言うなら、中小も大手も本来は関係がなく、全保険薬局の問題とも思えます。今後、どれだけ大きな議論になるかはわかりませんが、動きに注目しておいてもよいかもしれません。

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適切なワクチン接種は母子手帳の確認から

 ファイザー株式会社は、2017年12月13~18日、ワクチン接種に対する実態調査アンケートを行い、その結果を示した。 調査の結果、保護者が母子健康手帳(母子手帳)をいつも携帯し、医師との適切なコミュニケーション(母子手帳を見せるなど)をとることで、小児のワクチン接種に適切な状況がもたらされる可能性が示唆された。母子手帳の活用により、小児の感染症予防につながることが期待される。 主な結果は以下のとおり。・Q1.小児の診察時に母子手帳を見せていますか? 対象:1~5歳の小児を持つ母親1万726人 いつも見せている:44.1%(4,733人) 予防接種の時のみ見せている:47.7%(5,118人)「いつも見せている」の回答者は、小児が1歳では60.2%(1,248/2,074人)だが、成長するにつれて減る傾向があり、5歳では37.0%(815/2,202人)まで下がった。・Q2.なぜ診察時に母子手帳を毎回見せていないのですか?(複数回答) 対象:Q1.で「いつも見せている」と回答した以外の母親5,993人 見せてほしいと言われないから:91.9%(5,509人) その他の各回答:10%以下・Q3.肺炎球菌ワクチンの追加接種を実施しましたか?(Yes回答を集計) 対象:ワクチン接種スケジュールを順守できた2~5歳の小児の母親8,467人 母子健康手帳を病院で提示している群(8,119人)のYes回答:94.0% 母子健康手帳を病院で提示していない群(348人)のYes回答:86.0%医療機関で母子健康手帳を見せていないと、ワクチンの追加接種実施率が低い傾向にある。■参考ファイザー株式会社 プレスリリース

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病気があっても働き続けられる職場作り

『事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン』を更新 厚生労働省は、2018年4月24日に『事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン』(2016年2月作成)に、難病に関する留意事項、企業・医療機関連携のためのマニュアルなどを追加・更新したガイドラインを発表した。 このガイドラインは、事業場が、がん、脳卒中などの疾病を抱える患者に対し、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするため、事業場における取組などをまとめたもの。「勤務状況を主治医に提供する際の様式例」などの様式例集のほか、支援制度、支援機関の情報、「企業・医療機関連携マニュアル」などが掲載されている。がん、脳卒中、肝疾患に難病を追加 今回、従来の留意事項の疾患である、がん、脳卒中、肝疾患に難病が追加された。「難病」については、「発病の機構が明らかでなく、治療法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなる疾病を指す」と定義し、就労世代に多い主な難病として「潰瘍性大腸炎、クローン病」「全身性エリテマトーデス」「パーキンソン病」を挙げ、疾患概要を説明している。 また、難病に共通してみられやすい症状として「全身的な体調の崩れやすさ-気力・体力の低下、疲れやすさなど」「発熱」「労作時の動悸・息切れ、筋力低下など」を示すとともに、これらに対して本ガイドラインでは、「難病治療の特徴を踏まえた対応」「メンタルヘルスへの配慮」「難病に対する不正確な理解・知識に伴う問題への対応」を企業などに求め、啓発している。■参考厚生労働省 治療と仕事の両立について■関連記事希少疾病ライブラリ 

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何から始める不動産投資?【医師のためのお金の話】第8回

何から始める不動産投資?こんにちは、自由気ままな整形外科医です。前回は、事前に不動産投資手法をしっかり勉強する必要があること、そして、おススメの勉強法についてお話ししました。さて、知識も仕入れたことだし、いよいよ不動産投資を始めてみるか! しかし、ちょっと待ってください。実際には、どのような不動産投資手法を選択するべきなのでしょうか。不動産投資の手法はさまざま不動産投資にはさまざまな手法があります。代表的な投資対象として、中古1棟マンション、新築1棟マンション、区分所有マンション、コインパーキング、築古木造戸建などがあります。これらの物件種類別の投資対象に、立地や銀行融資の有無などを掛け合わせることで、10種類以上の投資手法が確立されています。それぞれの投資手法には一長一短があり、これという正解はありません。Aさんにとってはフルローンでの中古1棟マンション投資が合っているが、Bさんにとっては現金買いでの築古木造戸建投資が望ましいなど、適切な投資手法は各人の目的とバックグラウンドによっても大きく異なります。一般的に、フルローンでの中古1棟マンション投資は、短期間で大きなキャッシュフローを得ることができます。このため、ホームランを狙うサラリーマン大家さんには人気の投資手法です。一方で、区分所有マンションや築古木造戸建投資は、現金買いが基本となります。これらの投資手法は、資金ショートしにくく手堅いものの、資産拡大スピードは遅いので、短期間で結果を出す必要に迫られている人からは敬遠されがちです。不動産投資の目的は明確に不動産投資の目的も、人によってさまざまです。一般的には、下記の5つを目的として不動産投資を行う人が多いです。1)賃料収入(インカムゲイン)目的2)売却益(キャピタルゲイン)目的3)節税対策4)相続対策5)現金の不動産化アーリーリタイアを狙うサラリーマン大家さんは、自らの生活費をまかなうために賃料収入からのキャッシュフローを確保する必要があります。必然的に、フルローンでの中古1棟マンション投資が人気化します。この場合、物件自体の資産価値に注目するのではなく、物件からのキャッシュフローを最大化することを重視します。一方、資産家が相続税圧縮のために、手元資金で不動産を現金買いするケースもあります。この場合は、資産価値が落ちにくい都市中心部の物件を投資対象にします。このような物件は利回りが低いためにキャッシュフローは出にくいですが、目的が相続税対策なので大きな問題にはなりません。では、医師の場合は、何を目的にすればよいのでしょうか?残念ながら“医師”というキーワードでひとくくりにすることはできません。医師の中にも相続対策や節税対策が必要な人もいれば、インカムゲインを目的とする人もいるからです。私の場合は、給与所得の節税対策、およびインカムゲインが目的です。投資を始めるに当たっては、自分の状況を勘案して、目的を明確化することが不動産投資の第一歩です。自分の得意な不動産投資手法を確立しようこのように不動産投資の目的によって、最適な不動産投資手法を選択する必要があります。そして、最初のうちは投資手法を1つに絞ることがポイントです。いろいろな不動産投資手法に目移りしていると、結局どの投資手法も身に付かず、中途半端に終わってしまいがちです。自分に合った投資手法を継続することで、経験値を高めていくことが重要なのです。

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第2回 医業は書く仕事【宮本研のメディア×ドクターの視座】

第2回 医業は書く仕事医師は、相手に何かを伝える職業です。医学知識を駆使して言葉を発し、必要な文章を書き、身体表現を含めて周囲へ伝えながら、臨床や研究に従事しています。とくに臨床医の場合、診療中は患者や家族へ伝える作業がひたすら続きます。病状を聞き取り、治療経過を思考回路に載せながら伝え直す。日々の猛烈な作業量のうち、相手に医療を理解してもらうために伝達のウェイトが高くなります。ともに働く看護師や薬剤師などに対しても、適切な判断や行うべき処置を伝え続けなければいけません。口数が少ない医師でも、責任をもって指示した事実がないと、周囲のスタッフが動き出せない事態が多くあるのではないでしょうか。人に何かを伝えようとした時、聞き手や読み手が何をもって理解するかを、十分に想定しておく必要があります。とくに口頭では、同じ用語やシチュエーションだとしても、伝えるニュアンスや状況が異なれば、違う意味に解釈される可能性が高くなります。けれども、カルテや検査伝票に文字として記す行為は、相手への伝わりやすさを文字によって証明でき、治療経過を通じて、誰からもわかりやすい要素です。書く努力を地道に続けていけば、個性を活かしながら自分の揺るぎないスキルとして磨き上げることができます。私は研修医のとき、受け持ち患者の紙カルテを、A4用紙で毎日1ページほど手書きしていました。細かい文字であらゆる事を順番に書きこみ、SOAPがどんどん膨らんでいきました。今日の事実をちゃんと書き残したいという想いが強かったのです。ところが、私のカルテを読んだ指導医は一言、「これは書き過ぎ・・・」と素っ気ない。入院サマリーでは字数を大きく削るわけですから、日々の経過をただ書きとめているだけでは、病状の重要点がわからないというわけです。「カルテは日記みたいに書くな」というシンプルな指摘は、時間が経ってみると納得できる重要な教訓でした。その後も主治医や当直医として、数え切れないカルテを書きました。余計なことを書かず、でも大切なことは書き漏らさない。記載が簡潔で、治療方針もまとまっている上司のカルテを空き時間に読んでは、そのエッセンスをこっそり学んできました。伝えるという意味で、手書きの場合は、とにかく誰からも判読できる字で書くことも重要です。「読めないカルテは、書いていないのと同じ」という指摘は、1学年上の研修医から教えてもらいました。臨床現場にいると、忙しさを理由に手を抜きたくなりがちですが、きちんとした文字で書くことは判断の正しさを証明する理由にもなります。「あの先生の指示書、字が汚くて読めない」という場合、解読するスタッフや部下のモチベーションも下がります。カルテの翻訳担当者が必要という場合、何も書いていないのと同じです。もちろん喋る場合でも色々な注意が必要ですが、口頭で聞いた内容は部分的な記憶になりがちで、雰囲気や意図は残りにくい。口頭では脳内で要点だけが記憶に収納され、完全には再現されません。若手時代のカルテを読み直すと、自分自身の変化を実感するだけでなく、当時の喋り方や職場の雰囲気も思い出すでしょう。医師は医業を行うために相手へ情報を伝えていく中で、「過去の自分自身に対しても何かを伝えようとしている」と、私は考えています。こうしてケアネットに加わり、メディア側の仕事をしていると、医師として独自に培った知見が役立つ場合が多い。臨床医としての雑多な経験が、ビジネスでもおおいに役立っています。苦労してきた過去の自分にも、先輩として言い聞かせているような感覚があるのです。昔の自分が書き残した文章が残っているのであれば、再読してみることをお勧めします。気が付かなかった“何か”を、今の自分であれば理解することができるはずです。迷いや不安を乗り越えた経験を思い出し、現在までのキャリアに至った道を再認識できることでしょう。若手医師であれば、これからの仕事において、書き残すことの重要性をとくに意識しましょう。電子カルテが普及してコピペが容易な労働環境になりましたが、本質的に伝える仕事であるのを軽視しないようにしてほしいと思います。コピペを多用して自らの意見で書き残さないことを繰り返していると、後になって院内での個人的評判に影響することも考えられます。短い時間内で一気に情報をアウトプットできるのは、厳しい鍛錬を経た医師の素晴らしい特性です。そして自然と身に付くより、努力して獲得するほうが後日の成長に繋がるはず。こうしてメディアの世界から医業を振り返ると、書くことを含めた医師の総合スキルは、ビジネスの世界と比較しても高度です。皆で見直すことで、自分の確かな足跡を納得できる良いきっかけになるのではないでしょうか。今日のカルテ、どのように記載しましたか?

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無過失補償制度は医療萎縮を止めるか

 2018年3月25日、第8回 医療法学シンポジウム(第2回 稲門医師会・稲門法曹会合同シンポジウム)が、都内において開催された。シンポジウムでは「無過失救済補償制度はどうあるべきか~産科医療だけでなく~」をテーマに、前半では現状における無過失補償制度の問題点や課題、今後の制度設計について、後半では医療者、法曹関係者が全体討論として議論を交わした。金銭補償だけでは語れない医療事故後のフォロー はじめに杉原 正子氏(東京医療センター精神科)が、今回のテーマを選定した理由を説明。産科医療補償制度を例に挙げ、現状では経済的な補償がなされた後、患者や家族が置き去りにされていると指摘。支給に関しては、「疑わしきは支給する」というスタンスで穏やかな支給が望まれると同時に、患者や家族に必要とされるものは、経済的な補償に加え、診療やケアができる医療施設の情報や最新の医療情報だと語った。そして、日本の医療事故への提言も含め、実現すべき救済とは何かを学際的に対話していきたいと期待を寄せた。 次にサリドマイド薬害事件の当事者(サリドマイド児)として、患者の視点から増山 ゆかり氏が「患者にとって救済とは何か?」をテーマに、事件後の患者が置かれている立場やその思いを語った。1958年に発生したサリドマイド薬害事件から60年が経過し、当時障害を持って生まれた胎児も平均で55歳を超え、当時は予見できなかった影響に悩まされている。具体的には、身体的欠損からくるさまざまな社会的制限や差別のほか、健康な人と比較すると、解剖的にも循環器系や腎臓系に問題を抱え、加齢も10年程度早いという。今でも治療を断られることもあり、患者は金銭補償だけでは、自立的生活を成り立たせることは困難だと訴えた。そして、日本の医療の長所を認めつつも、「患者の意見を医療者が聞き、こうした薬害の被害に向き合うことが大切ではないか」と提言を行った。 次に大磯 義一郎氏(浜松医科大学医療法学 教授)が「無過失補償制度の意義と目的」をテーマに、現在の医療事故発生とその後の医療裁判の問題点を挙げ、医療事故の加害者の処分だけでは、事故の真相究明、再発防止、被害者(患者とその家族)の救済にならないことを指摘。再び医療萎縮が起きないように、裁判のような紛争手続きではない制度設計の必要性を述べた。とくに金銭賠償では解決できない被害者の癒しや加害医療者の救済、科学的な事故の再発防止などは個別に考えていく問題であり、その中で個々の無過失補償制度の有無も決めていくことが重要だと語った。諸外国の補償制度と医療事故への対応 次に坂根 みち子氏(坂根Mクリニック 院長)が「日本とスウェーデンの医療事故調査制度と無過失補償」について説明。スウェーデンでは医療事故が発生した場合、患者やその家族は、医療裁判ではなく「地方の苦情委員会」「医療福祉監査局」など7つルートで、医療事故への対応や補償を訴えることができると説明した。基本的に事故の再発防止を目的に、加害医療者の責任追及ではなく双方が対話できる場を整え、そのような場の内容が臨床現場にフィードバックされ、さらなる事故防止に役立てられているという。翻ってわが国の制度では、臨床現場に医療事故情報をフィードバックする機会も機能も十分ではないため、現状では医療安全に寄与していないと指摘し、「医療事故調査制度の制度1本化」「現場へのフィードバック機能」「早急な無過失補償制度の構築」など7つの提言を行った。 次に岩田 太氏(上智大学法学部 教授)が「医療事故と制裁をめぐる国際比較」をテーマに、ニュージーランド、スウェーデン、フランス、英国とわが国の医療事故後の対応を解説した。ヒューマンエラーは必ず起こることを前提に、医療過誤処罰は、刑事ではなく別の形で行うべきという立場で、諸外国の事例を説明した。ニュージーランドでは、広範な医療事故補償制度があり、訴権放棄や刑事訴追がほぼないため医師の協力は得やすいが、金銭賠償で解決できない課題もあるという。フランスでは、補償認定には一定の労働能力の喪失という認定基準があり、その幅も狭いために私訴も多い。英国では、民事裁判で賠償の有無などが判断されており、医療安全はNational Health Service (NHS)が集中管理しているが、近年裁判数は急増していると、各国の状況が紹介された。同氏は、今後のわが国での問題事例への対処として、行政処分の拡充や医療事故調査制度の充実を例に提案を行った。 次に大滝 恭弘氏(帝京大学医療共通教育研究センター 准教授)が、「無過失補償制度へ向けて」をテーマに制度設計に向けた論点整理を行った。わが国の無過失補償制度を概観し、補償範囲、費用負担、過失認定、事故調査制度との関連などが、複雑に絡んでいることを指摘。たとえば、予防接種健康被害救済制度は、有過失関係なく救済されるほか、費用は国が負担している。しかし、こうした全面補償の制度は悪用もされやすく、制度の設計の難しさを示唆した。今後、無過失補償制度を作るに当たっては、前述の設計要件だけでなく、(かなり難しいが)患者の訴訟対応をどう盛り込むかが超えるべき壁と説明した。今も不足している医療者からの情報提供 後半の全体討論では、はじめにわが国の医療の問題点として、医療者側からの情報提供が不足していることが挙げられ、これらが医療不信の一因になっていると指摘された。たとえば、医師からの医療事故レポートなどは、日本医療機能評価機構へ上がっていかず、ほとんどが医師以外の医療者であること、また、問題の薬剤に関しても医薬品医療機器総合機構の資料からわかるはずだが、活用されていないのが現状で、事故の減少につながらないなど情報流通の問題も論じられた。補償制度を作るのであれば、患者の安全とリンクした制度が必要と提案が行われたほか、行政の問題として、わが国は医療の安全対策や予防に対して予算がつかないという点があり、問題のある薬剤が判明した場合、その回収が遅いという指摘もあった。そのほか、サリドマイドを例にすると、わが国では障害者が自立的生活を送ることが難しく、金銭補償とは別にフォローする制度を海外のように構築してほしいとの声もあった。日本の医療について、小手先だけの対応ではなく全体のシステムを変えないと、医療事故防止や医師不足の解決にはならないなど、深い議論が交わされた。

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高価な新薬が安い従来薬に敗れた日:高尿酸血症治療薬フェブキソスタットの屈辱(解説:桑島巌氏)-850

 心血管リスクが高い例では痛風を合併することが多く、以前は尿酸生成抑制薬アロプリノール(商品名:ザイロリック、サロベール、アロシトールなど)が尿酸低下効果も確実でありよく処方され、現在ではすでに後発品も登場している。 しかし、2011年に新薬フェブキソスタット(商品名:フェブリク)が登場すると、新薬に乗り換える臨床医が急増した。アロプリノールの尿酸低下作用は確実でしかも廉価であったにもかかわらず、なぜ薬価の高いフェブリクの処方が増えた理由については常に疑問に感じており、私自身はフェブリクを処方した経験はほとんどない。 そこにきて今回、フェブリクの心血管疾患の有害事象に対する非劣性を従来薬アロプリノールと比較、証明する目的で行われたCARES試験の驚きの結果が発表された。 痛風を合併している心血管高リスク症例6,190例を対象として、フェブキソスタット治療群とアロプリノール群にランダム化され、中央値32ヵ月追跡した。その結果、複合心血管イベントに関してはフェブキソスタットのアロプリノールに対する非劣性は認められたものの、2次エンドポイントである総死亡、心血管死のリスクは有意に高かったという結果であった。 フェブキソスタットは日本の帝人ファーマによって開発され、米国では武田薬品によって発売されているが、本試験は米国Takeda Development Center Americasの支援によって行われた試験である。 本試験のlimitationとして両群とも途中脱落例が異常に多いことが挙げられているが、その理由は明らかではない。両群における脱落率に差はないという。 この結果は非常に重大であり、高リスク合併例での本剤の処方について対応が必要だろう。

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013)お花見での急患の思い出【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第13回 お花見での急患の思い出しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆いや~今年の桜は早かった~。東京では4月のはじめに早々に散ってしまいましたが、毎年お花見の季節になると、思い出す患者さんがいます。それは、まだ大学医局時代、形成外科も兼ねた皮膚科当直をしていたときのこと。お花見会場から顔面外傷の急患が運ばれてくるというので、「きっとまた、酔っぱらいだろう…」と思っていたのですが、違いました。救急ベッドのカーテンを開けてみると、そこには左目の端から右目の端までがパックリと割れてしまったオジサンが。よくよく話を聞いてみると、お花見中に突然、誰かの飛ばしていたラジコンが顔面に突っ込んできたのだとか…なんとも気の毒な話です。傷は深く、かなり念入りに縫いました。ラジコンの破壊力、恐るべし!後日、元気になったオジサンが、外来にお花を届けてくれました。お花見の季節になると、このオジサンのことを思い出します。世の中、いつなんどき怪我をするか、わかりません!飛んでくるラジコンには注意しようと思います☆ではでは!

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