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第39回 「服薬期間中のフォロー」で実際に糖尿病患者のHbA1cは改善するのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 9月1日より施行される改正薬機法で義務化される「服薬期間中のフォロー」は多くの薬剤師が意識しているようで、電話やメッセージアプリなどによる支援を実施していたり、いろいろと検討していたりするという話を聞きます。海外においては、すでにテキストメッセージや電話によるフォローを行い、それらのアウトカムを検討した論文が少なからず存在します。今回はその中から、2018年5月にBMJ誌に掲載された、ショートメッセージサービス(SMS)をベースにした糖尿病自己管理サポートの論文を紹介します1)。対象患者は16歳以上のコントロール不良(HbA1cが65mmol/molまたは8%以上)の1型または2型糖尿病患者366例で、通常のケアに加えて個別化されたテキストメッセージによるフォローを最大9ヵ月間受ける介入群183例と、通常ケアのみを受ける対照群183例にランダムに割り付けて比較しています。途中脱落や連絡が取れなくなったなどの被験者を除き、各群177例が解析に含まれました。テキストメッセージで提供された情報は、糖尿病自己管理や生活スタイルに関わるサポート、動機付けおよびリマインドで、メッセージは自動コンテンツ管理システムにより送信されています。主要評価項目はHbA1cのベースラインから9ヵ月時点における変化、セカンダリアウトカムは3ヵ月と6ヵ月時点におけるHbA1cの変化、効果の自覚、セルフケアの行動、健康関連のQOLなど21項目をみています。9ヵ月時点の平均HbA1bは、対照群の-3.96mmol/mol(標準偏差[SD]:17.02)と比べて介入群では-8.85mmol/mol(SD:14.84)で、補正後平均差-4.23(95%信頼区間[CI]:-7.30~-1.15)と有意に低下しました。セカンダリアウトカムについては、21項目中、フットケア(補正後平均差:0.85[95%CI:0.40~1.29]、p<0.001)、全体的な糖尿病サポート(補正後平均差:0.26、95%CI:0.03~0.50、p=0.03)、EQ-5D評価による視覚アナログスケール(補正後平均差:4.38、95%CI:0.44~8.33、p=0.03)、糖尿病の症状の自覚(補正後平均差:-0.54、95%CI:-1.04~-0.03、p=0.04)の4項目で有意な差が出ています。患者の介入への満足度は高く、169例中161例(95%)が役に立ったと報告しており、164例(97%)がほかの糖尿病患者にも勧めたいと思うと報告していました。また、85例(50%)がほかの人とメッセージを共有しており、120例(71%)が糖尿病について学ぶ助けになったとしています。シンプル、簡易なメッセージでも血糖コントロールに効果あり実際どのようなメッセージがどのくらいの期間送られていたかについては、研究のプロトコル論文2)の表1にモジュールごとに詳しく書かれています。たとえば、インスリンモジュールであれば、「未開封のインスリンは冷所保管してください。変色したもの、塊が析出しているもの、期限切れのもの、ひび割れや漏れのあるもの、冷凍や過熱されたものは使用しないでください」などで、禁煙モジュールであれば「(こんにちは)(名前)さん。糖尿病の良好な管理と将来の健康のために禁煙をしましょう。禁煙サポート窓口へお電話ください(番号)」、血糖モニタリングモジュールであれば「(こんにちは)(名前)さん。血糖値をチェックする時間です。測定結果を返信してください」などです。そのほかにも運動の工夫、低血糖対策、親近者のフォローなどモジュールごとに決まったメッセージがあります。今後、臨床的なアウトカムとしての検討がさらに進んでいくと思いますが、薬剤師視点ではごく当たり前のシンプルなメッセージを送ることが、定期フォローの中で血糖コントロールに寄与するというのは現場としても勇気づけられる結果だと思います。実業務でも工夫して、服薬期間中のフォロー体制を構築する参考になるのではないでしょうか。1)Dobson R , et al. BMJ. 2018;361:k1959. 2)Dobson R, et al. Trials. 2016;17:179.

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SARS-CoV-2変異株、重症度が変化/Lancet

 遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)8領域に382ヌクレオチド欠損(Δ382)を認める新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異体の感染者は、症状が軽症であることが明らかにされた。シンガポール・国立感染症センターのBarnaby E. Young氏らによる観察コホート試験の結果で、著者は「観察されたORF8における欠損の臨床的影響は、治療やワクチン開発に影響を与えるものと思われる」と述べている。ORF8領域にΔ382を有するSARS-CoV-2遺伝子変異体は、シンガポールおよびその他の国でも検出されていた。Lancet誌オンライン版2020年8月18日号掲載の報告。Δ382変異体感染者と野生型感染者の低酸素症の発生を比較 研究グループは、シンガポールの公立病院7ヵ所で2020年1月22日~3月21日に、PCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認された患者のうち、Δ382変異のスクリーニングを受けた患者を後ろ向きに特定し、それら患者を集めた前向きコホート試験「PROTECT試験」を行った。 被験者の臨床情報や臨床検査・放射線検査データを、電子カルテおよび入院中・退院後に採取された血液・呼吸器検体情報から収集して、Δ382変異体感染者と野生型SARS-CoV-2感染者を比較。精確ロジスティック回帰法を用いて群間の関連性と、酸素補充療法を要する低酸素症の発生(主要エンドポイントで重症COVID-19の指標)について調べた。低酸素症発生リスク、Δ382変異体群は野生型群より低い 278例がPCR検査でSARS-CoV-2への感染が確認され、Δ382変異のスクリーニングを受けていた。そのうち131例がPROTECT試験に登録。92例(70%)が野生型に感染、10例(8%)が野生型とΔ382変異体の混合感染で、29例(22%)がΔ382変異体に感染していた。 酸素補充療法を要する低酸素症の発生率は、Δ382変異体感染群が野生型感染群よりも低率だった。Δ382変異体感染群は0%(0/29例)、野生型感染群は28%(26/92例)で絶対群間差は28%(95%信頼区間[CI]:14~28)だった。年齢や併存疾患について補整後、Δ382変異体感染群の酸素補充療法を要する低酸素症の発生に関するオッズは、野生型感染群と比べてより低かった(補正後オッズ比:0.07、95%CI:0.00~0.48)。(8月27日 記事の一部を修正いたしました)

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ビスホスホネートの非定形大腿骨骨折リスク、服用中止後速やかに低下/NEJM

 非定型大腿骨骨折リスクは、ビスホスホネートの使用期間とともに上昇するが、使用中止後は速やかに減少することが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のDennis M. Black氏らによる検討の結果、示された。また、リスクはアジア人のほうが白人よりも高いことや、非定型大腿骨骨折の絶対リスクは、ビスホスホネート使用に伴う大腿骨近位部骨折およびその他の骨折リスクの減少と比べると、非常に低いままであることも明らかにされた。ビスホスホネートは、大腿骨近位部および骨粗鬆症骨折を抑制する効果がある。しかし、非定型大腿骨骨折への懸念からビスホスホネートの使用が大幅に減少しており、大腿骨近位部骨折が増加している可能性が示唆されていた。NEJM誌2020年8月20日号掲載の報告。非定型大腿骨骨折と、ビスホスホネートおよびその他リスク因子の関連を評価 研究グループは、不確実性が残っている非定型大腿骨骨折とビスホスホネートおよびその他リスク因子との関連を明らかにする検討を行った。 2007年1月1日~2017年11月30日に、カイザーパーマネンテ南カリフォルニア医療システムの会員で、ビスホスホネートを処方された50歳以上の女性を追跡評価した。 主要アウトカムは非定型大腿骨骨折で、ビスホスホネートの使用を含むリスク因子データは電子健康記録から入手。骨折についてはX線画像で判定し、多変量Coxモデルを用いて解析を行った。 ビスホスホネートのリスク-ベネフィットのプロファイルを、使用期間1~10年でモデル化し、使用に関連する非定型骨折と、使用により予防したその他の骨折を比較した。ビスホスホネートの非定型骨折リスク、アジア人は白人の4.84倍 ビスホスホネートを処方された被験者女性は総数19万6,129人で、追跡期間中に発生した非定型大腿骨骨折は277件だった。多変量補正後の非定型骨折リスクは、ビスホスホネートの使用期間が長期になるほど上昇し、3ヵ月未満と比較したハザード比(HR)は、3~5年未満の使用では8.86(95%信頼区間[CI]:2.79~28.20)、8年以上では43.51(13.70~138.15)だった。 その他のリスク因子としては、アジア人種(対白人種HR:4.84、95%CI:3.57~6.56)、身長、体重(いずれも高い・重いほど上昇)、グルココルチコイドの使用などだった。 一方で、ビスホスホネートの使用中止により、非定型骨折リスクは急速に低下することが示された。 リスク-ベネフィットについては、ビスホスホネートを1~10年使用中の骨粗鬆症骨折・大腿骨近位部骨折リスクの低下は、白人については非定型骨折リスクの上昇を大幅に上回っていた。アジア人についても、大腿骨近位部骨折などビスホスホネートの予防効果は非定型骨折リスク増加を上回っていたが、白人ほど顕著ではなかった。具体的には、ビスホスホネート使用3年後の時点で、白人では大腿骨近位部骨折が149件予防され、ビスホスホネート関連の非定型骨折の発生は2件だった。これに対してアジア人ではそれぞれ、91件と8件だった。

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第27回 ケアマネを取ってみたものの…【噂の狭研ラヂオ】

動画解説山形県最上地域に3店舗を構えるほし薬局社長 星利佳先生にインタビュー。さすがは雪深い山形県、薬局の一部はバスの待合室としても開放しているそう。ドラッグストアのポップ作りは得意だけど、ケアプランは苦手だから得意な人に任せる。自分の得手不得手を見極めて前進する彼女のやり方とは?

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ケアネットDVD サンプル動画リンク集(2020年9月版カタログ掲載)

インデックスページへ戻るケアネットDVD 新刊・おすすめのサンプル動画をご覧いただけます。(※YouTube「ケアネット公式チャンネル」にリンクします)Dr.増井の心電図ハンティングDr.皿谷の肺音聴取道場Dr.白石のLet's エコー 運動器編Dr.長尾の胸部X線ルネッサンスDr.長尾の胸部X線クイズ 初級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 中級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコーナベちゃん先生のだれでも読める心エコーネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術Dr.徳田のすぐできるフィジカル超実技Dr.志賀のパーフェクト!基本手技一発診断Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)Dr.飯島の在宅整形岡田正人のアレルギーLIVE肩腰膝の痛みをとるDr.究のあなたもできるトリガーポイント注射骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈上巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈下巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2Dr.安部の皮膚科クイズ 初級編Dr.安部の皮膚科クイズ 中級編毎日使える 街場の血液学救急エコー最速RUSH!プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【循環器編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【呼吸器編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【消化器編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【整形外科編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】Dr.林の笑劇的救急問答15Dr.林の笑劇的救急問答15Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察Dr.たけしの本当にスゴい症候診断Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上巻)Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(下巻)Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡ドクター力丸の人工呼吸管理のオキテ出直し看護塾〈第1巻〉出直し看護塾〈第2巻〉Dr.野原のナルホド!接触・嚥下障害マネジメント~キュアからケアへ~すべての作品のサンプル動画はこちらからご覧いただけます。

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第20回 岡山医師不同意堕胎致傷事件で思い出した、ショーケン主演の昭和映画

女性をもうろう状態にさせて堕胎術こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。近年では珍しく、猛暑の夏がやって来ました。あまりの暑さに、昔から売っているカップのかき氷(森永乳業のみぞれ、赤城乳業の赤城しぐれ…)が食べたくなり、炎天下、わざわざコンビニに出かけました。ところが、おしゃれなアイスは大量にあるのですが、みぞれもしぐれもありません。売り切れなのか、入荷が少ないのか。複数の店舗を回っても見つけられず、結局ロッテのスイカバーを買って帰りました…。明治のカール生産中止の時も感じたのですが、昭和の時代からあるクラシカルなお菓子が段々とマイナーになり、徐々に消えていっているようで、中高年にはやや寂しく感じる今日この頃です。さて、今回気になったのは、岡山県で男性医師が不同意堕胎致傷の疑いで逮捕された事件です。8月12日付けの山陽新聞などの報道によれば、岡山済生会総合病院に勤務する男性の外科医(33)が、今年5月17日の日曜日、知人女性に「診察してあげる」と持ち掛けて病院に呼び出し、もうろう状態にさせて堕胎術を行い、全治約1週間のケガをさせたとみられています。婚約者との関係を守るために犯行を決意か事件があったとされる5月17日は日曜日で、非番だった男性医師が人目につきにくい診察室や、麻酔薬などの薬剤を無断で使用した可能性があるとのことです。5月19日、別の医療機関の女性の主治医が、胎児の心拍が聞こえないことを不審に思い調べたところ、胎児は胎内で死亡しており、警察に通報、事件が発覚しました。この女性は「堕ろすつもりはなかった」と話しているそうです。その他の報道等によれば、男性医師は2012年に香川大学医学部を卒業、2017年から同病院で外科医として勤務していたとのことです。男性医師は独身で別に婚約者がおり、妊娠させたとみられるこの女性に中絶を迫り、断られていたことも判明しています。岡山県警は婚約者との関係を守るために犯行を決意した可能性があるとみて、捜査を進めるそうです。男性医師は容疑を認めており、県警は10日、同医師を送検しています。なお、岡山済生会総合病院は同じく10日に記者会見を開き、塩出 純二院長が「管理者としての責任を痛感しており、職員の再教育を徹底して信頼回復に努める。被害に遭われた女性には深くおわび申し上げます」と謝罪しています。ショーケン主演の名作映画『青春の蹉跌』を思い出す社会的にエリートといえる医師が、婚約者がいながら他の女性を妊娠させ、堕胎を迫り、犯罪をおかす…。どこかで聞いたことがあるようなこの事件、私は、萩原 健一(ショーケン)と桃井 かおり主演の昭和の映画、『青春の蹉跌』を思い出しました。石川 達三の同名原作を映画化した1974年のこの作品、主人公(萩原 健一)は司法試験に合格した有名大学法学部の学生で、婚約者(檀 ふみ)もいます。その一方で家庭教師の教え子だった女性(桃井 かおり)とも付き合いを続けており、ある日、妊娠を告げられます。そして…。『青春の蹉跌』はロマンポルノの鬼才・神代 辰巳監督による初の一般映画作品で、『キネマ旬報』で日本映画第4位を獲得、物憂げなショーケンの演技は素晴らしく、最優秀主演男優賞を受賞、俳優としての地位を確立しました。岡山済生会の院長は「職員の再教育を徹底して」と話しましたが、一人前の大人に今さら何を再教育するのでしょうか。この古臭いけれどスタイリッシュな昭和の映画を、若い医師たちに観せるというのも一法かもしれません。「医師免許取り消し」は確実?ところで、医師が不同意堕胎罪(不同意堕胎致傷よりは刑が軽い)を犯した事件は平成にも起きています。「慈恵会医大病院医師不同意堕胎事件」です。2009年、慈恵会医大病院に努めていた東海大学医学部出身の男性医師(当時36歳)が、妊娠した交際相手の女性に子宮収縮剤や陣痛誘発剤などの薬剤を用いて流産させたのです。この事件で東京地方裁判所は2010年、男性医師に対し、懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡しています。さらに翌2011年、厚生労働省は医道審議会医道分科会の答申を受け、行政処分の中で一番重い「医師免許取り消し」を決定しています。今回の岡山済生会のケースは、不同意堕胎罪よりも罪が重い不同意堕胎致傷罪なので、刑も重くなるでしょうし、「医師免許取り消し」も確実とみられます。まさに令和の「青春の蹉跌」とも言えそうな事件です。

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双極性障害のうつ症状の適応も有する非定型抗精神病薬「ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg」【下平博士のDIノート】第56回

双極性障害のうつ症状の適応も有する非定型抗精神病薬「ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg」今回は、抗精神病薬/双極性障害のうつ症状治療薬「ルラシドン塩酸塩(商品名:ラツーダ錠20mg/40mg/60mg/80mg、製造販売元:大日本住友製薬)」を紹介します。本剤は、長期間の治療が必要な統合失調症や双極性障害のうつ症状の患者に対し、忍容性を保ちながら適切な治療効果を維持することが期待されています。<効能・効果>本剤は、統合失調症および双極性障害におけるうつ症状の改善の適応で、2020年3月25日に承認され、2020年6月11日より発売されています。<用法・用量>《統合失調症》通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40mgを1日1回、食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日量は80mgを超えることはできません。《双極性障害におけるうつ症状の改善》通常、成人にはルラシドン塩酸塩として20mgから開始し、1日1回、食後に経口投与します。年齢、症状により適宜増減しますが、増量幅は20mgとして、1日量60mgを超えることはできません。<安全性>国内で実施された臨床試験において、安全性評価対象876例中338例(38.6%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、アカシジア75例(8.6%)、悪心40例(4.6%)、統合失調症29例(3.3%)、傾眠28例(3.2%)、頭痛、不眠症各25例(2.9%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として、遅発性ジスキネジア、高血糖、白血球減少(いずれも1%未満)、悪性症候群、痙攣、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、肺塞栓症、深部静脈血栓症、横紋筋融解症、無顆粒球症(いずれも頻度不明)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脳内のドパミン、セロトニンなどのバランスを整えることで、幻覚、幻聴、妄想、不安、緊張、意欲低下などの症状を和らげ、また、双極性障害におけるうつ症状を改善します。2.薬の飲み始めや増量した時期に低血圧が起こることがあります。眠気が出たり、注意力・集中力・反射運動能力が低下したりすることもあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないでください。3.薬を飲み始めてから、じっとしていられない、興奮が強くなる、ちょっとしたことで怒りっぽくなるなど、普段と異なる様子がみられた場合は、医師または薬剤師に相談してください。4.血糖値が上がることがあるので、本剤を服用後に激しい喉の渇きを感じたり、尿の回数や量が増えたりしたら連絡してください。5.動きが遅い、手足の震えやこわばり、呼吸回数の減少、低血圧などが現れたらご相談ください。6.アルコールは薬の効果を強めることがあるので、本剤を服用中は飲酒を控えてください。また、グレープフルーツを含む飲食物によっても、薬の作用が強く現れることがあるので、本剤を服用中は摂取しないよう気を付けてください。<Shimo's eyes>本剤は第2世代の抗精神病薬(非定型抗精神病薬)で、SDA(セロトニン・ドパミン拮抗薬)に分類されます。既存のSDA内服薬としては、リスペリドン(商品名:リスパダール)、ペロスピロン(同:ルーラン)、ブロナンセリン(同:ロナセン)、パリペリドン(同:インヴェガ)の4剤があり、本剤が5番目となります。本剤は、ドパミンD2受容体、セロトニン5-HT2A受容体および5-HT7受容体に対してはアンタゴニスト、5-HT1A受容体に対してはパーシャルアゴニストとして作用する一方で、抗ヒスタミン作用や抗コリン作用は少ないと考えられています。そのため、本剤は既存のSDAにはない、統合失調症における幻聴や妄想といった陽性症状、意欲減退や感情鈍麻といった陰性症状の改善のほか、不安や落ち込みといったうつ症状の改善も期待できます。統合失調症患者もしくは双極I型障害うつ患者を対象とした国際共同第III相試験において、本剤の忍容性に関して大きな問題は認められませんでした。また、長期投与試験において、統合失調症患者の精神症状に対する効果および双極性障害患者のうつ症状に対する効果は、それぞれ52週にわたり維持されたことが確認されています。2020年5月現在、統合失調症治療薬として、欧米を含む47の国と地域で承認されており、また、双極I型障害のうつ症状治療薬としては米国を含む7つの国と地域で承認されています。海外の最新治療ガイドラインでは、体重増加、糖代謝異常などの代謝系副作用が少ないなどの観点から統合失調症に対して推奨され、双極性障害におけるうつ症状では第一選択薬の1つとして推奨されています。処方時の注意点として、中等度以上の腎機能・肝機能障害のある患者では、投与量の制限があるため、投与量を適宜減量し、慎重に投与することとされています。また、本剤は、1日1回食後に服用することで最高血中濃度が引き上げられ、効果が継続するため、食後投与を厳守する必要があります。なお、本剤と同様に「双極性障害におけるうつ症状」の適応を有するクエチアピンフマル酸塩徐放錠(商品名:ビプレッソ)は就寝前投与なので、服用時点を混同しないように注意しましょう。相互作用としては、CYP3A4の基剤であるため、クラリスロマイシン、アゾール系抗真菌薬などのCYP3A4を強く阻害する薬剤や、リファンピシンなどのCYP3A4を強く誘導する薬剤は禁忌です。アルコールやグレープフルーツ含有食品も併用注意になっており、摂取には注意が必要であることを伝えましょう。参考1)PMDA 添付文書 ラツーダ錠20mg/ラツーダ錠40mg/ラツーダ錠60mg/ラツーダ錠80mg

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第21回 アフリカはCOVID-19流行をうまく切り盛りしている~集団免疫が可能か?

アフリカ大陸での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者数は8月6日に100万人を超えましたが勢いは衰えており、以降13日までの一週間の増加率はその前の週の11%より低い8%でした1)。アフリカの国々は最初のSARS-CoV-2感染が同大陸で確認されてから8月14日までの6ヵ月間に多くの手を打ちました2)。速やかにロックダウンを実行し、診断や治療体制を整え、いまやすべての国で人口1万人あたり100の検査を提供しています。重篤な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に必要となる酸素もより供給できるようになっており、最初は69棟だった酸素プラントは倍近い119棟に増えています。酸素濃縮器も2倍を超える6,000台超を備えます。世界保健機関(WHO)がアフリカのデータを解析したところ2)、最初の感染発見からおよそ2~3週間後の感染急増は生じておらず、ほとんどの国での増加はゆっくりであり、増加の山場ははっきりしていません。どうやらアフリカはCOVID-19流行をいまのところうまく切り盛りしているようです3)。先月7月末のmedRxiv報告4)によると、ケニアの15~64歳の実に20人に1人、数にして160万人がSARS-CoV-2感染指標の抗体を有していると約3,000人の献血検査結果から推定されました。しかしケニアの病院でCOVID-19発症患者は溢れかえってはいません。モザンビークの2都市・ナンプラやペンバでおよそ1万人を調べた調査では、職業によって3~10%がSARS-CoV-2への抗体を有していましたが、診断数はずっと少なく、およそ75万人が住むナンプラでその時点で感染が確定していたのはわずか数百人ほどでした3)。マラウィでの試験でも同様に驚く結果が得られています5)。同国の大都市ブランタイアの無症状の医療従事者500人を調べたところ10人に1人を超える12.3%がSARS-CoV-2への抗体を有していると判断され、その結果や他のデータに基づくと、その時点でのブランタイアでのCOVID-19による死亡数17人は予想の1/8程でしかありませんでした。そのように、アフリカの多くの国の医療は不自由であるにもかかわらずCOVID-19死亡率は他の地域を下回ります。最近の世界のCOVID-19感染者の死亡率は3.7%ですが6)、アフリカでは2.3%(8月16日時点で死亡数は2万5,356人、感染例数は111万53人)7)です。より高齢の人ほどCOVID-19による死亡リスクは高まりますが、アフリカの人々の6割以上は25歳未満と若く、そのことがCOVID-19による死亡が少ないことに寄与しているかもしれないとWHOは言っています1)。それに、COVID-19の重症化と関連する肥満や2型糖尿病等の富裕国に多い持病がアフリカではより稀です。また、風邪を引き起こす他のコロナウイルスにより接していることや、マラリアやその他の感染症に繰り返し曝されていることでSARS-CoV-2を含む新たな病原体と戦える免疫が備わっているのかもしれません3)。ケニア人が重病化し難いことに生来の遺伝的特徴が寄与していると想定している研究者もいます。これからアフリカではギニア、セネガル、ベニン、カメルーン、コンゴ共和国の数千人のSARS-CoV-2抗体を調べる試験が始まります。WHOの指揮の下での国際的な抗体検査にはアフリカの11ヵ国の13の検査拠点が参加しています。抗体は感染しても備わらない場合もありますし、備わっても徐々に失われるとの報告もあるので抗体保有率は真の感染率を恐らく下回るでしょうが、得られたデータはアフリカでの感染の実態の把握を助けるでしょう。もしアフリカで数千万人がすでにSARS-CoV-2に感染しているとするなら、ワクチンに頼らず感染に身を任せて集団免疫を獲得して流行を終わらせることに取り組んでみたらどうかという考えが浮かぶと国境なき医師団の研究/指導部門Epicentre Africaで働く微生物/疫学者Yap Boum氏は言っています3)。経済を停滞させ、長い目で見るとむしろ人々の健康をより害しかねない制約方針よりも集団免疫を目指すほうが良い場合もあるかもしれません。感染数に比して死亡数が明らかに少ないアフリカなら集団免疫の取り組みが許されるかもしれず、真剣に検討してみる必要があるとBoum氏は話しています。参考1)Coronavirus: How fast is it spreading in Africa? /BBC2)Africa marks six months of COVID-19/WHO3)The pandemic appears to have spared Africa so far. Scientists are struggling to explain why/Science 4)Seroprevalence of anti-SARS-CoV-2 IgG antibodies in Kenyan blood donors. medRxiv. July 29, 20205)High SARS-CoV-2 seroprevalence in Health Care Workers but relatively low numbers of deaths in urban Malawi. medRxiv. August 05, 20206)Situation reports, WHO African Region/12 August 20207)Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) / Africa Centres for Disease Control and Prevention

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薬剤師会「患者フォローアップの手引き」が映し出す今後の薬剤師像【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第20回

先日、日本薬剤師会から「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き(第1.0版)」が示されました。ご存じのように、昨年の12月に改正薬機法が交付され、その一部が本年9月から施行されます。その中で注目されている内容の1つが、患者フォローアップです。具体的には、薬局開設者には、薬剤師に服用期間中の継続的な患者フォローアップを行わせる義務が課され、薬剤師法の改正によって、薬剤師にも継続的な患者フォローアップの義務が加わります。改正薬剤師法第二十五条の二第2項薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。この手引きは、この患者フォローアップについて、『第十四改訂 調剤指針』(日本薬剤師会)や『患者のための薬局ビジョン』(厚生労働省)でもすでに示されているように、決して新たな概念の業務ではないと言及しつつ、患者フォローアップが法令に規定された重要性に鑑み、基本的な考え方などをまとめたものという位置付けのようです。法令に明記されたことで、薬局開設者や薬剤師の法的な責任が増えるわけですから、その意識は強く持っておく必要があるでしょう。また、この手引きは、行政が示したものではありませんが、患者フォローアップをどのような場合に行うのか、どのような方法で行うのかなどの点について、公的性をもつ日本薬剤師会が基本的な考え方を示したものですから、法的義務の具体的な評価において参考にされることは多いと思われます。法令義務とはいえ、薬剤師は患者さんに説明し、理解を得なければならない本改正によるフォローアップの義務は、すべての患者さんに義務付けられるものではなく、「必要があると認める場合」です。この判断について、手引きでは、「薬学的知見に基づき分析・評価した上で総合的に判断する」としており、ハイリスク薬であるからなどと、一律に判断すべきではないとしています。同じ薬剤を服用しているとしても、患者さんの状況がまったく同じということはありませんので、個別に判断することは当然でしょう。また、フォローアップは「薬剤師が薬学的知見に基づいて判断するものであり、必ずしも患者等の同意を前提としない」とも言及されています。薬局開設者・薬剤師に法令で義務付けられるものですから、そのような解釈になるのでしょうが、患者さんに拒否されてしまえば事実上行うことは困難となります。そのため、手引きにおいても、「薬剤師は、患者等にあらかじめその意義・内容を丁寧に説明し、理解を得るよう努めること」とされています。なお、この説明について、「『法律で決まった』『実施するよう指導された』等の非本質的な説明は薬剤師としての責務を放棄し、信頼を失墜させる行為であるので厳に慎むこと」とされています。フォローアップの義務は、薬学的管理を適切に行うためなど、患者さんのために義務付けられた規定だということを肝に銘じておきましょう。SNSなども活用し、薬剤師自らが患者に応じたフォローアップの実施を服薬などの確認方法についても、対面や電話だけでなく、電子お薬手帳やSNSなどのICTにも言及しており、目的に合わせ、患者さんの希望も踏まえて選択するとしています。この選択の際には、セキュリティーなどプライバシーへの配慮も必要になるでしょう。なお、ICTを活用した確認については、「『機械的に一律実施』『送信するだけで回答がないのを放置』といったことのないよう、利用にあたっては特に留意すること」ともされています。当然ですが、フォローアップをするのは薬剤師であり、薬剤師の薬学的な判断を踏まえて対応する必要があることを忘れてはいけません。そのほかにも、結果と対応、記録、他職種との連携などにも言及があります。さらに今回の手引きには、処方箋医薬品以外の医療用医薬品、薬局製造販売医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品を販売する場合の販売後フォローアップの考え方も示されています。今後、あらゆる場面で参考にすべき基本的考え方が示された本手引きに、現段階でも一度は目を通しておくべきでしょう。参考資料1)「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き(第1.0版)」(公益社団法人 日本薬剤師会)

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ライフ・イズ・ビューティフル【こんな人生に意味はない」と嘆かれたら?(ナラティブセラピー)】Part 1

今回のキーワード逆境外在化相対化主流秩序アナザーストーリー化ナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)実存的苦痛フランクル心理学皆さんは「こんな人生に意味はない」と嘆く相手がいたら、どうしますか? または自分がそう思ってしまったら、どうしましょうか? そもそもなぜ人生に意味が「ある」のでしょうか?これらの答えを探るために、今回は不朽の名作映画「ライフ・イズ・ビューティフル」を取り上げます。この映画を通して、逆境への心のあり方を探るナラティブセラピーを紹介します。そして、「人生の意味」を進化心理学的に掘り下げます。人生に意味はないと思うのは?―逆境舞台は、第二次世界大戦さなかのイタリア。主人公のグイドは、妻のドーラと幼い息子のジョズエと幸せな家庭を築いていました。ところが、ある日、彼らはユダヤ人であったため、ナチスの強制収容所に連行されてしまいます。グイドは、ドーラと離れ離れになってしまい、ジョズエを守りながら、収容所で強制労働をすることになります。しかし、食事は不十分で、部屋は不衛生で大人数がひしめき合っています。しかも、高齢者、子ども、弱って働けなくなった人は、次々とガス室に送られるという極限状況です。収容されている人のほとんどが絶望し、魂の抜け殻になったように、無口、無表情、無感情となっていきます。まさに、「こんな人生に意味はない」と思う瞬間です。私たちも、失業、離婚、死別、がん告知などによって、人生の意味を見失いそうになる逆境があるでしょう。人生に意味はないと思った時、どうする?―ナラティブセラピー逆境を嘆く相手にどうしたら良いでしょうか? または、逆境に立ってしまったら、私たちはどうしたら良いでしょうか? ここから、ジョズエへのグイドのセリフをヒントにして、ナラティブセラピーの3つのステップを紹介しましょう。(1)問題と自分を切り離す-外在化グイドは、強制収容所に到着した時、不安がるジョズエに、持ち前の明るさで、「これはゲームなんだ」「みんなと競争するのさ。ルールはこうだ。兵隊さんに従わなければならない。これが難しい。ミスをしたらすぐに家に送り返される。1,000点たまったら優勝」「優勝すればご褒美が出るからね」「優勝賞品は、本物の戦車さ」ととっさに言います。息子を安心させるため、収容所生活をあたかもゲームのであるかのように装うことを思い付いたのです。1つ目は、外在化です。これは、問題とその人自身(アイデンティティ)を切り離すことです。ナラティブセラピーでは、「人が問題なのではなく、問題が問題なのだ」と言われています。逆境を背負う自分が問題なのではなく、逆境そのものが問題だと客観視して、その逆境を「ゲーム」と名付けたり、問題を「○○虫」「○○さん」と擬人化(擬「虫」化?)します。たとえば、「独りぼっちの人生に意味はない」と嘆く相手がいたら、その相手への一般的な質問は、「なんでそう思うの?」でしょう。これを、「何があなたをそう思わせるの?」という言い方に変えることです。すると、「独りぼっち」がその人のせいでなく、独立した問題として、客観視することを促します。相手が「寂しさ」と答えたら、「寂しさに虫の名前を付けるとしたら?」と考えてもらい、たとえば「寂しがり虫」と名付けます。そして、「この寂しがり虫を飼い馴らすのを一緒に考えましょう」「その虫はどうあなたを困らせるの?」「その虫が弱ってる時はどういう時?」「何が駆除の助けになりそう?」と話を進めていくのです。ちなみに、怒りっぽいなら「怒り虫」、イライラしやすいなら「イライラ虫」、うっかりミスをしやすいなら「うっかり虫」、怠け癖があるなら「怠け虫」、疑り深いなら「疑り虫」、さらに幻聴の症状があるなら「幻聴さん」と名付けることができます。(2)問題の影響を考える-相対化日が経つにつれて、ジョズエは「もう家に帰りたい」と弱音を吐きます。すると、グイドは「いいよ、お前が帰りたいなら帰ろう」と帰り支度を始めるふりをします。そして、「残念だな。687点で1番だったのに。これで失格だよ」「戦車はほかの子がもらうことになるなあ」とぶつぶつ独り言を言い続けます。そして、ジョズエは、「ゲーム」を続けることを決心します。戦車が手に入るなら、苦労する価値があると子どもながらに思ったのです。2つ目は、相対化です。「もう自分はだめだ」と絶対的に考えずに、問題の影響の度合いや価値を相対的に考えることです。たとえば、先ほどの「寂しがり虫」の続きの質問として、「寂しがり虫はあなたの人生にどう影響を与えているの?」「その虫がいなかったら、どうなってる?」「その虫は、人生の意味をなくすほどの(価値ある)虫?」と話を進めていくのです。これらは、問題の深刻さがフェアか、つり合っているか、見合っているかを自覚させる質問です。これらを、忖度なく純粋な好奇心として質問していくのです(無知の姿勢)。実は、「人生に意味はない」との嘆きの多くは、世間が好ましいとする価値観(主流秩序)から外れていることが原因となっています。たとえば、「親がいない」「友達がいない」「正社員じゃない」「結婚していない」「子どもがいない」などです。それは、主流秩序を絶対視したら、嘆かわしいことでしょう。しかし、自分がどうしたいかという自分の価値観と照らし合わせて相対的に見たら、そこまで苦悩することではないことに気付くことがよくあります。(3)問題を語り直す-アナザーストーリー化グイドは、ジョズエを含む収容者たちみんなの前で、いきなりドイツ語の通訳を買って出ます。ドイツ兵が「偉大なるドイツ帝国のために働けることを誇りに思え」と言うと、グイドは「私は怒鳴る兵隊の役だ。怖がると減点だ」と言い換えます。さらにドイツ兵が「3つの規則を守れ。脱走を試みるな。どんな命令にも背くな。暴動を起こした者は絞首刑。以上だ」と言うと、グイドは「3つの行為が減点の対象だ。泣きべそをかくこと。ママに会いたがること。お腹が空いたとぐずること。以上だ」と言い換えます。こうして、疑うジョズエを信じ込ませたのでした。エンディングでは、大人になったジョズエのナレーションで「これがぼくの物語だ。父が私にしてくれたこと。それこそが贈り物だった」と締めくくります。ジョズエにとって、収容所生活は過酷な逆境によるトラウマ体験ではなく、自分の幸せを一番に願う父親が必死になって作り上げたゲームによる成長体験になっていたのでした。3つ目は、アナザーストーリー化です。これは、主流秩序の価値観に支配された物語(ドミナント・ストーリー)ではなく、自分が納得する自分ならではストーリー(オルタナティブ・ストーリー)に語り直すことです。たとえば、先ほどの「寂しがり虫」の落としどころの1つは、「虫は、退治しなくても良い」「そのまま飼い慣らしても良い」と思えることです。そして、「よくよく考えると、独りは嫌いじゃなかった」「独りでも、今まで自分なりに生きてきた」「ガーデニングやペットのお世話が癒しになっている」「困ったときは、医療や福祉などのソーシャルサポートがある」と語り直すことです。自分の人生は、意味がないと決め付けて絶望するのではなく、意味を見いだすことで受け入れられることに気付きます(自己受容)。いったん、この自己受容ができれば、その他の落としどころとして、本人がやってみたいと思える範囲で「まずは身近な人に挨拶をしっかりしよう」「自分の趣味の仲間とネットでつながろう」との考えが広がるでしょう。ちなみに、主流秩序のアナザーストーリーをそれぞれ考えてみると、たとえば「親のいない子どもはかわいそうな人生」は、「助けてくれる人に囲まれている人生」です。「結婚できないのは負け犬の人生」は、「自由気ままな生活ができる人生」です。「結婚して子どもができないのは気の毒な人生」は、「夫婦の時間を大切にしている人生」です。次のページへ >>

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卵巣腫瘍の悪性度診断に最適な予測モデルは?/BMJ

 卵巣腫瘍で手術または保存療法を受けた患者における診断予測モデルを検証した結果、ADNEXモデルとSRRiskが、腫瘍が良性か悪性かを識別する最適なモデルであることが、ベルギー・ルーヴェン・カトリック大学のBen Van Calster氏らによる検討で明らかにされた。卵巣腫瘍では最適な治療を選択するため、悪性度を予測するモデルが必要になる。既存の予測モデルは手術を受けた患者のデータのみに基づいており、モデルの検証も大半が手術を受けた患者のデータを使用したもので、キャリブレーションや臨床的有用性の評価はほとんど行われていないという。BMJ誌2020年7月30日号掲載の報告。手術または保存療法を受けた患者を対象に6つのモデルについて検証 研究グループは、卵巣腫瘍で手術または保存療法を受けた全患者において、悪性度に関する診断予測モデルのパフォーマンス評価を目的とする多施設コホート試験を行った。 検証したモデルは、1990年に開発され最もよく使用されている「RMI(risk of malignancy index)」と、その後に開発された「IOTA(International Ovarian Tumour Analysis)モデル」のLR2(logistic regression model 2)、simple rules、SRRisk(simple rules risk model)、ADNEX(assessment of different neoplasias in the adnexa)モデルで、ADNEXモデルについては腫瘍マーカーのCA125の測定有無を加味して評価した。ADNEXモデルでは、悪性腫瘍のリスクの細分化(StageIの原発性、StageII~IVの原発性、2次性の転移がん)が可能であった。 Calster氏らの検討は、IOTAモデルについて検証した試験「IOTAフェーズ5試験(IOTA5)」の中間解析データを用いて行われた。試験は、14ヵ国36ヵ所のがん紹介治療センター(特定の婦人科腫瘍ユニットがある3次医療センター)またはその他のタイプの医療センターにおいて、2012年1月~2015年3月に卵巣腫瘍で受診し、手術またはフォローアップを受けた連続成人患者を対象とした。 主要アウトカムは、上記6つのモデルについて、全体および施設別の識別度、キャリブレーションおよび臨床的有用性。アウトカムは、患者が手術を受けた場合は組織学的評価に基づくものとし、保存療法の場合は12ヵ月時点での臨床的および超音波評価のフォローアップの結果に基づくものとした。フォローアップに基づくアウトカムが不確かな場合は複数の評価が用いられた。ADNEXモデル、SRRiskが最も優れる 主要解析には、手術およびフォローアップデータについて厳格な質的基準を満たした17ヵ所の被験者データ(全患者8,519例のうち5,717例)が包含された。そのうち812例(14%)が、試験登録時にすでにフォローアップを受けており、解析には4,905例が包含された。 アウトカムが良性であった患者は3,441例(70%)、悪性は978例(20%)。残りはアウトカムが不確かで(486例、10%)、大半はフォローアップの情報が限定的だったことによる。 全体でROC曲線下面積が最も高値だったのはADNEX(CA125あり)モデル(0.94、95%信頼区間[CI]:0.92~0.96)、ADNEX(CA125なし)モデル(0.94、0.91~0.95)、SRRisk(0.94、0.91~0.95)で、最も低値だったのはRMIだった(0.89、0.85~0.92)。 キャリブレーションはすべてのモデルについて施設間のばらつきが大きかったが、その中でADNEXモデルとSRRiskのキャリブレーションは最も優れていた。腫瘍サブタイプの推定リスクのキャリブレーションは、CA125が予測因子として含まれていたか否かにかかわらずADNEXは優れていた。また、臨床的有用性(ネットベネフィット)もADNEXモデルとSRRiskが最も高く、RMIが最も低かった。 1回以上フォローアップの超音波評価を受けた患者(1,958例)において、全体のROC曲線下面積は、RMIの0.76(95%CI:0.66~0.84)からADNEX(CA125あり)の0.89(0.81~0.94)に、ばらつきの範囲がわたっていた。

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第19回 炎上したLINE健康相談の件、広報からのモヤモヤ回答を一挙公開!

新型コロナウイルス感染症パンデミックの結果、日本国内の医療の中でやや前進を見せていることがあるとするならば、オンライン診療の拡大傾向である。4月7日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」では、感染拡大防止の観点から、「非常時対応」と断りながらも電話やオンラインによる診療・服薬指導の活用を促した。これに対応し、厚生労働省(以下、厚労省)の医政局医事課と医薬・生活衛生局総務課は連名で4月10日付の事務連絡を発出し、初診を含むオンライン診療・服薬指導を時限的・特例的に容認している。同事務連絡は感染拡大動向を踏まえて3ヵ月に1度の見直しを行っているが、今のところは継続されている。あくまで時限的・特例的措置だが、今後これをきっかけに診療報酬上のオンライン診療の条件緩和などが進められる可能性は否定できない。このオンライン診療は厚労省が作成した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づいて行われる。そして同指針ではオンライン診療と似て非なる「遠隔(オンライン)健康医療相談」を定義している。これは、医師がパソコンやスマホなどの通信機器を利用して医学的な助言を行うもの、医師以外が一般的な医学情報の提供や受診勧奨を行い、いずれも相談者個人の状況に応じた具体的な判断を行わないものを指す。ちなみに厚労省指針では「遠隔健康医療相談」について詳細な規定はしていない。ただ、今回のコロナ禍を反映し経済産業省の主導下で「遠隔健康相談事業」が開始され、メドピアの連結子会社Mediplat社、コミュニケーションアプリLINEで有名なLINE株式会社の連結子会社LINEヘルスケアが受託し、8月末まで無料の健康相談を提供している。ところが今月2日、LINEヘルスケアの遠隔健康相談を利用した人が相談対応医師から罵倒されたというチャット内容がTwitter上に投稿され炎上。この結果、同社はこの事例が規約違反の不適切事例に当たるとしてホームページ(HP)に謝罪文を公表した。この件、端的に言うならば、ごく1人のアウトサイダー医師がやったことで終わりになるはずだが、このLINEヘルスケアのHPでの規約、医師募集の要綱などを見ると、いくつかの疑問が浮かんできた。まず、このオンライン健康相談は、対応診療科が内科、小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科の6診療科である。ところがこの募集要項では「これらの科目における専門医資格等は必要ございません」「相談対応可能な診療科は自己申告いただきます」とのこと。たぶん多くの利用者は、対応診療科の専門家から回答が得られると期待しているはずだ。また、利用規約では相談でのやり取りを「コンテンツ」と規定し、再利用の可能性があることを表記している。今回の不適切事例でモニタリングを強化すると同社は謝罪文に記載しているが、それがどのような形で行われるのかが想像しにくい。ということで、4点の質問を送ったところ広報部門であるPR室からは次のような回答が返ってきた。▽今回の遠隔健康相談に関して、医師募集要項では対応診療科の専門医資格などは要らない旨を明記しておりますが、これはどういう理由からそのような規定としたのでしょうか?回答LINEヘルスケア社では、医師免許および本人確認を徹底し、当社所定の基準を満たした医師に参加いただいております。さらに、参加する医師には当社ガイドライン、各種法規制の遵守する事に同意いただいております。LINEヘルスケアの健康相談サービスには医行為は含まれませんが、対応科目については、医師自身が対応可能と判断したものを標榜いただいております。▽相談内容と回答内容を「コンテンツ」として、再頒布を可能としたのはなぜでしょうか?回答利用規約7.4及び7.5については、知的財産その他のプライバシー以外の観点から、弊社が、医師と相談者の間で交わされた健康相談の内容について、本人を識別しうる情報を削除した上で二次利用を行う上で必要な許諾等を得るためのものです。同規定に基づく許諾にかかわらず、医師と相談者間の健康相談の内容については、通信の秘密であり、かつ個人情報にあたることから、個別かつ明示的な同意を相談者から取得した上で利用させていただいており、無制限に弊社が相談内容を利用しうることを予定したものではありません。▽お詫びのページに追記した、「モニタリング」とは具体的にどのように行うのでしょうか?回答厚労省のオンライン診療ガイドラインを基にLINEヘルスケア社独自の医師向けガイドラインを作成しており、24時間365日モニタリングを実施しております。しかしながら、医師と相談者の間のコミュニケーションは、電気通信事業法上の通信の秘密に当たり、また医師法上も医師の守秘義務の対象として、弊社を含む第三者がみだりに内容を閲覧することは制限されております。そのため、弊社では、双方の事前同意の範囲内で、リアルタイムでの監視については自動モニタリングを実施しております。今後は、キーワードの見直しを含むモニタリング体制等の見直しを図り、再発防止策を検討、対応してまいります。▽(健康相談で)「おすすめ医師」として推奨表示される医師は、科目×回答数の多さのようですが、回答が多い医師は専門性が高いとはいえますか?回答おすすめ医師のレコメンドのロジックについては、公表していないため、お応え出来かねます。個人的な感想を言うと、どの回答もすっきりと腹落ちはしない。ちょうどこの件については私も発起メンバーの一人でもある「医薬品産業イノベーション研究会」で8月5日に緊急オンライン講演会を開催した。演者はこれまで複数の医療者向けあるいは患者向けの医療情報サイトに携わった編集者の田中 智貴氏(元QLife編集長)だ。今回の問題の根底について田中氏は「LINEヘルスケアではB to Cのサービスとして考えているのに対し、相談者側はD(Doctor) to P(Patient)と考え、双方の期待値に差異があった」と指摘する。いわゆる診断のような医学的判断を伴うオンライン診療、オンライン受診勧奨をメディカル領域、今回のLINEヘルスケアによる健康相談をヘルスケア領域と分類した場合、田中氏は「へルスケア領域はメディカルと同等の権威付けをしたがる」との見解示す。具体的に言うと、たとえば健康食品の宣伝で「○○学会で効果に関して発表」のようなもの。今回の件で言うと、オンラインの健康相談は医師でなくとも可能だが、それを医師がやることを強調する点だ。実際、LINEヘルスケアのHPでは今回のサービスについて「さまざまな不安に医師が直接お答えします」と銘打っている。ただ、そのHPをスクロールして最後になるとようやく注意事項として「本サービスは医師による健康相談のサービスです。症状の診断や治療といった判断を医師に求めることはできません」と表記してある。結果として、この辺はサービス利用者自身の不注意・誤解も含め、期待値の齟齬を起こしてしまう可能性があるということだ。また、田中氏は前述のような回答診療科医師をあくまで自己申告制で募集している背景には、昨年12月のサービススタート以降、LINEヘルスケア公式アカウントの友だち数や相談件数の急増により、回答医師を急募して今回のような利用者に暴言を吐くような医師まで参加する質の低下を招いているのではないかと分析。さらに今回の健康相談サービス全般を見た印象としてIT系のB to C企業によくみられる、ベーシックな機能を備えた段階でとりあえずサービスをスタートさせ、その後、要所要所でユーザーの反応などを見ながら改修していくアジャイル的手法が見受けられると指摘。「医療に関しては軽微でもトラブルがあってはならない」と述べて、そもそもIT系企業お得意の手法がこの領域では馴染まないとの認識を示した。こうした田中氏の指摘、LINEヘルスケアのアカウントを友だち追加後に中を見て発見した疑問点、第一弾の問い合わせの回答に対する疑問点などを含め、再度LINEのPR室に質問を送付し、回答を受け取った。▽前回の回答で登場する厚労省のオンライン診療ガイドラインを参考にした医師向けの自社のガイドラインは、厚労省ガイドラインとどのような違いがあるのでしょうか?回答医師向けのガイドラインは一般向けに公表しておりませんので、お応えしかねます。▽健康相談の回答医師の「資格」の欄には学会しか明記されておらず、単に学会員としての登録なのか、専門医・指導医なのか、会員資格などが更新されているかどうかのチェックは御社では行われているのでしょうか?回答一部ユーザーの方に誤解を招く可能性も勘案し、ご指摘の箇所についての対応の見直しを検討いたします。▽相談可能な診療科が自己申告であり、かつ一般的な医師の専門診療科数が1~2科である中で、御社サービスのおすすめ医師として表示された32人中20人が6診療科対応となっており、御社がコンテンツと定義する医師側の相談対応内容のクオリティコントロールが適正とは言えないかと思います。回答本サービスにて健康相談を実施するのは医師であり、医師自らの責任で相談がなされるサービスです。他方、クオリティコントロールをプラットフォーム提供事業者としてどのようにしていくのかという点については検討のうえ、対応していければと思います。▽サービス利用者は各診療科の専門医に相談ができるとの期待値を持って相談しているケースは少なくないと思われます。結果として「錯覚商法」のようになっていますが、この点について御社ではどのようにお考えでしょうか?回答遠隔健康相談は、個別具体的な症状に対する診断を下すものでなく、医学的知見を用いて医師が一般的な助言をするにとどまるものであり、LINEヘルスケアとしては特段専門医とつながるサービスを標榜してはおりません。専門分野の標榜の箇所もあるので、診療科の標榜が必ずしもユーザーの誤解を招くものではないと認識しております。▽登録医師の中には医療法上広告が認められていない診療科を標榜したり、自由診療を行っている旨の記載など自院誘導ともとられかねないプロフィール表記も認められます。また、登録を禁止している海外勤務医も存在します。法令や規約に基づくチェック体制が不十分と思われますが、この点についてのご見解をお聞かせください。また、現状このチェック体制がどのようになっているかも合わせてご回答お願い致します。回答LINEヘルスケアにおける医師の表記については、医療広告ガイドラインの適用は受けないと判断しております。しかしながら、ご指摘の「自院誘導ととらえられかねないプロフィール表記」については、場合によっては同ガイドラインの適用を受けることはあるものと存じます。もっとも、このような表記は、利用規約において禁止される行為となっています。現在のプロフィールチェック体制につきましては、回答を控えさせていただきます。ただし、今後は、ユーザーの皆さまに誤解を招く可能性があることを勘案し、ご指摘いただいている内容の見直しは検討してまいります。▽今回の不適切事例は相談内容が対応診療科ではない精神科のものでしたが、これまでのモニタリングではこのようなものの検出は不可能だったのでしょうか? また、キーワードによるモニタリングを行っているようですが、モニタリングキーワードは何件くらい設定しているのでしょうか? 今後の強化でこの件数はどのくらい増加する見込みでしょうか?回答モニタリング体制については、先日ご回答をさせていただきました内容以上の開示をしておりません。今後の見直しにつきましても、詳細が確定しましたらご案内とさせていただきます。▽他の医療相談サービスでは規約に含まれていない「コンテンツ」を定義した目的を教えてください。また、コンテンツの再頒布はどのような事例を念頭に置いてのことかを具体例をお教えください。回答おそらく指摘いただいているものと思われる規定は、いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の取扱いに係るものであり、一般的な規定と考えます。現に、他社の同種サービスの規約にもUGCの取扱に係る規定があることはご指摘を受けて確認しておりますので、貴社にて改めてご確認ください。なお、繰り返しになりますが、コンテンツの利用に係る規定は、ご指摘の規定以外にもプライバシーポリシー等に従う必要があり、弊社がコンテンツを自由に扱うことを目的としたものとはならないため、ご留意ください。*注:LINEのPR室によるとUGCのユーザーに医師は該当していないとのこと▽「令和2年度補正遠隔健康相談体制強化事業」として税金補助を受けており、「オンライン遠隔健康相談サービス」において、主導的な役割を果たす立場でありながら、「回答は一般的なアドバイスであること」や「診断・治療行為ではないこと」を発見性が低い、ページ下部に表記することなど、消費者の有利誤認を誘うようなサービスデザインを行っていることについて、企業姿勢としてどのようにお考えでしょうか?回答本件につきましては、利用いただく際に誤認が生じないよう、利用開始時冒頭に注意事項の情報が必ず表示されるようになっております。残念ながら個人的なもやもや感はこの2回目の回答を受けても解消されてはいない。結局、最終的には遠隔(オンライン)健康相談そのものについても厚労省による指針作成が必要になるということだろうか?

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第38回 緑内障治療薬はどのくらい眼圧を下げ、視野を保つか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 眼圧上昇は緑内障を進行させる代表的な要因です。眼球内の房水が充満して圧力が上がれば視神経を圧迫し、視神経が弱れば視野狭窄や視力の低下を招きます。眼圧を下げる点眼薬が緑内障治療の中心となりますが、しばしばノンアドヒアランスが問題になります。ノンアドヒアランスの原因については横断研究でいくつか指摘されています。緑内障が視力低下を引き起こすことを十分認識できていなかったり、点眼薬で視力低下を緩和できることに懐疑的であったりするなどさまざまです。ほかにも緑内障についての知識不足、点眼やスケジュール理解の難しさ、コスト、副作用、生活上のストレスなど患者さんによって事情は異なりますが1)、根治療法がないため、視力や視野を維持するためにはどうしても長期間にわたる治療が必要です。緑内障・高眼圧症治療の点眼薬を続ければ、視野狭窄の進行が緩和されることはオープンラベルの研究で示されています。今回は緑内障治療の第1選択薬の1つであるプロスタグランジン関連薬のラタノプロスト点眼液のプラセボ対照比較試験を紹介します2)。これは緑内障の視野欠損に対する点眼薬の効果を調査した初のプラセボ対照のランダム化比較試験です。対象は開放隅角緑内障の患者516例(平均65.5歳、男性53%、糖尿病10.5%)で、介入群(ベースライン眼圧19.6mmHg、258例)はラタノプロスト0.005%点眼液を1日1回両目に投与、対照群(ベースライン眼圧20.1mmHg、258例)はプラセボ点眼薬を1日1回両目に投与し、24ヵ月以内の視野悪化までの時間を主要アウトカムとして調査しています。患者、介入者、評価者のトリプルマスキングで、介入者は患者に眼圧の測定結果を伝えないようにして、プラセボ点眼薬はラタノプロストの容器に入れて用いられています。割り付けられた516例のうち461例が解析に含まれました。両群のベースラインの特徴は似通っており、コルチコステロイド(吸入含む)の使用はプラセボ群17例(7%)、ラタノプロスト28例(11%)とやや後者が多くなっていますが、おおむね対等な比較となっています。94例に24ヵ月以内の緑内障の進行を伴う視野の悪化が認められ、その内訳は次のとおりでした。・ラタノプロスト:35/231例(15.2%)、眼圧変化-3.8mmHg・プラセボ:59/230例(25.6%)、眼圧変化-0.9mmHg・視野悪化の調整ハザード比:0.44(95%信頼区間[CI]:0.28~0.69、p=0.0003)ラタノプロスト群で視野の保持期間が有意に長いという結果でした。ラタノプロストを継続すると、眼圧がこのくらい下がるというのを目安として知っておくと効果判定に有用そうです。有害事象については目立ったものは報告されず、結膜炎がややラタノプロストで多い程度でした。結膜炎、充血に加え、プロスタグランジン系点眼薬ではまつげが異常に伸びたり、まぶたや虹彩に色素沈着が生じたりするといった美容に関わる副作用があります。対策として、点眼後の拭き取りをお伝えしましょう。逆手にとって美容目的でまつげに綿棒で付ける方もいますが。正常眼圧緑内障でも眼圧を下げることで進行を抑制日本人には正常眼圧緑内障が多いですが、その場合でも点眼薬が有用です。眼圧が正常範囲でも、無治療時の眼圧から30%以上の眼圧低下を目標として治療した群と無治療群では、視野障害の進行に有意な差があることが米国における多施設共同研究で示されています3)。合計140眼のうち、治療群の7眼(12%)と対照群の28眼(35%)が緑内障性視神経乳頭の進行または視野欠損のエンドポイントに達し、治療群の平均生存期間が2,688±123日であったのに対して、対照群では1,695±143日と長期的に大きな差が出ることがわかっています。なお、ランダム化割り付け時点の眼圧のベースラインは、対照群16.1±2.3mmHg、治療群16.9±2.1mmHgなので、眼圧が15mmHg以下だった場合の有効性は不明です。根拠をもって治療の効果を説明することで、ノンアドヒアランスの原因となる認識不足を解消できることもあると思いますので、服薬指導の参考にしていただければ幸いです。1)Newman-Casey PA, et al. Ophthalmology. 2015;122:1308-1316.2)Garway-Heath DF, et al. Lancet. 2015;385:1295-1304.3)Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study Group. Am J Ophthalmol. 1998;126:487-497.

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コロナショック後は、「タダ株」戦略で丸儲け!?【医師のためのお金の話】第35回

2020年2月から株式市場で始まったコロナショックは、3月23日に大底を迎えました。この1ヵ月間の恐ろしいほどの暴落に対して、果敢に買い向かった方も多かったことでしょう。私も神経をすり減らしながら、1ヵ月にわたる長丁場を戦い抜きました。参考:第31回 新型コロナショックで株暴落!投資家はどう立ち向かうべき?ここで勝負できた人は大きな果実を得たわけですが、今後の投資方針については少し考えたほうがよいと思います。つまり、そのまま保有し続けるのか、売却して利益を確定するのか、はたまた一部だけ売却するのか、などの出口戦略を立てる必要があります。株式投資の成果は出口戦略次第で大きく変わります。株式市場が比較的安定している今だからこそ、一度立ち返って、自分の投資方針について考えてみましょう。成長株vs.割安株、ここ10年は成長株が優勢株式銘柄の分類方法はいくつもあります。代表的なものは、「成長株」と「割安株」に分ける考え方でしょう。成長株はグロース株とも呼ばれており、成長産業の銘柄や、高い成長性のために長期間にわたって株価が上昇している銘柄を指します。株式市場における花形的銘柄が多く、その代表は米国株のGAFA*です。これらの銘柄を所有していると、企業の成長に伴って株価が上昇するので、面白いほど利益を得ることができます。多くの投資家は成長株を選好するため、割高に評価されることが特徴です。一方、割安株はバリュー株とも呼ばれており、本来の企業価値と比べて過小に評価されている銘柄です。株価が割安に放置されている理由はさまざまですが、業界の成長性が低い場合や、業績面・財務面の問題を抱えているケースが多いです。投資家に人気がないために割安に甘んじているわけですが、経営戦略の変更などで注目されると本来の価値が再評価されることもあります。もともと低評価なので、株価の下値が限定的であることが魅力です。成長株と割安株で分類した場合、最近の10年は成長株への投資が優勢でした。世界的に有名な米国の投資家、ウォーレン・バフェット氏の成績が低迷している理由は、割安株のパフォーマンスが悪かったことに起因しているといわれています。*IT業界において支配的な力を持つGoogle、Amazon、Facebook、Appleの総称堅実な「ストック型」の収益構造を持つ銘柄を厳選このように紹介してきましたが、実は私自身は、成長株や割安株という分類で投資方針を決定していません。私が投資対象としているのは、割安株の中でもストック型の収益構造を持つ銘柄群です。ストック型の収益構造とは、電気やガス、携帯電話、新聞などのように、一旦契約すると安定的で長期的な収入に結び付くビジネスモデルです。大きな成長は見込みにくいものの、急激に売り上げが減少する可能性が低いため、破綻の危険性がきわめて低いことが特徴です。株式投資において、銘柄の破綻リスクを考慮しなくてよいことは非常に大きなアドバンテージです。今回のコロナショックでは、オンライン診療のメドレー(4480)や米国のZoom(ZM)が高騰しました。これらの銘柄は成長株ですが、ビジネスモデルはストック型の収益構造です*。しかし、私はこれらの銘柄を投資対象としていません。その理由は、これらの企業は「無形資産」をベースにしているからです。無形資産とは、特許、商標、技術などの「物的な実態」が存在しない資産のことです。無形資産の特徴は「サンクコスト(埋没コスト)」が高いことにあります。サンクコストが高い理由は、商標や技術などの無形資産は時価で売却することが難しいからです。不動産や鉱山などの有形資産は時価で売却できるため、投資資金の回収が容易であることと対照的です。*メドレーの収益の大部分は人材仲介事業ですが、ここでは株価上昇の理由であるオンライン診療事業にスポットを当てています。無形資産株は「タダ株」戦略を!無形資産にはサンクコストが高いこと以外にも、「スピルオーバー」といって自社技術が簡単に外部へ漏出してしまう特徴があります。ビジネスモデルとして成功していても、技術的に模倣できないことはほとんどありません。このため、無形資産がベースの企業は常に競争にさらされており、長期間生存することが難しくなります。今現在、隆盛を誇るZoomといえども、10年後に存在している可能性は高くないと考えています。無形資産をベースにした銘柄は不安定なので、確実に収益を確保するには投資資金を回収しておく必要があります。そのための手段の1つが「タダ株戦略」です。タダ株戦略とは、「株価が2倍になったときに手持ち株式の半分を売却する」という投資戦略で、成功すれば投資資金をすべて回収できる手法です。手元に残った半分の株は、文字通りタダで手に入れたことになります。このようにして投資資金を回収することで、確実に収益を積み上げていきます。今回のコロナショックで株式市場に開いたチャンスをつかんだ人は多いことでしょう。しかし、出口戦略で失敗すると、せっかくつかんだチャンスもふいになります。出口戦略で思い悩んでいる人は、自分が勝負した銘柄が有形資産・無形資産のどちらをベースにしているのかを確認し、成功率の高い出口戦略を検討しましょう。

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COVID-19に有効な薬剤は?RCT23報のメタ解析/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者への薬物治療の有効性について比較検討したところ、グルココルチコイド投与は標準治療と比べて、死亡率および人工呼吸器リスクを減少する可能性が示されたという。カナダ・マックマスター大学のReed A. C. Siemieniuk氏らが、米国疾病予防管理センター(CDC)のCOVID-19試験結果データベースを基に、システマティック・レビューとネットワークメタ解析を行い明らかにした。なお、有症状期間を短縮する可能性がある薬物治療として、ヒドロキシクロロキン、レムデシビル、ロピナビル・リトナビルが挙げられたが、著者は、「ほとんどの試験が小規模でエビデンスの質は低く、治療薬の有効性については確定できないままだ」と述べている。BMJ誌2020年7月30日号掲載の報告。7月20日時点でのシステマティック・レビュー 研究グループは2020年7月20日時点で、電子データベース25件と中国のデータベース6件を含む、CDCのCOVID-19試験結果データベースを基に、システマティック・レビューとネットワークメタ解析を行った。COVID-19の疑いや可能性が高い患者、また確定診断を受けた患者を対象に、薬物治療と標準治療、またはプラセボ投与を比べた無作為化比較試験を抽出した。 2人組のレビュアーによってデータが抽出。重複データを削除後、ベイズ変量効果ネットワークメタ解析を行った。各試験のバイアスリスクは改訂版コクラン・バイアスリスク2.0ツールを用い、エビデンスの質(確実性)は、GRADEシステムでそれぞれ評価した。グルココルチコイドは標準治療と比べて死亡を37/1,000人減 2020年6月26日までに行われた23件の無作為化比較試験を包含しメタ解析が行われた。試験が盲検化されていないというバイアスリスクのために、ほとんどの治療薬の比較に関するエビデンスの確実性は非常に低かった。 その中で唯一、グルココルチコイドによる治療は標準治療に比べ、死亡および人工呼吸器リスクを減少することに関してエビデンスが得られた。死亡リスクの群間差は37/1,000人(95%信頼区間[CI]:63~11/1,000人)、人工呼吸器リスクは同31/1,000人(47~9/1,000人)だった(いずれも中等度の確実性)。これらの予測値は、直接的エビデンスに基づくもので、ネットワーク・エビデンスでは異質性により同予測値の正確性は低下した。 また、有症状期間を短縮する可能性があった治療薬(標準治療との比較において)は、ヒドロキシクロロキン(平均群間差:-4.5日、低度の確実性)、レムデシビル(-2.6日、中等度の確実性)、ロピナビル・リトナビル(-1.2日、低度の確実性)だった。 ヒドロキシクロロキンはその他の薬物治療と比べ、有害事象のリスクを増大する可能性が示された。レムデシビルは、おそらく投与を中断するに至る有害事象リスクは、実質的に増大しないと考えられることが示された。その他については、投与の中断に結びつく有害事象について解釈するだけの十分な患者が試験に組み込まれていなかった。

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「サヴィオゾール」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第12回

第12回 「サヴィオゾール®」の名称の由来は?販売名サヴィオゾール®輸液一般名(和名[命名法])該当しない効能又は効果1)血漿増量剤として各科領域における多量出血の場合2)出血性・外傷性その他各種外科的ショックの治療3)手術時における輸血の節減4)外傷・手術・産婦人科出血等における循環血液量の維持5)血栓症の予防及び治療6)外傷、熱傷、骨折等の末梢血行改善7)体外循環灌流液として用い、灌流を容易にして、手術中の併発症の危険を減少する。用法及び用量(1)用法及び用量通常成人は1回500~1000mLを静脈内に注入する(6~10mL/kg体重/時間)。必要に応じ急速注入することができる。(2)用法及び用量に関連する使用上の注意長期連用を避けること(できるだけ短期投与にとどめ、5日以内とする)警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由【禁忌(次の患者には投与しないこと)】(1)うっ血性心不全のある患者[循環血液量を増すことから、心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。](2)高乳酸血症の患者[症状が悪化するおそれがある。]※本内容は2020年7月22日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2012年1月改訂(改訂第8版)医薬品インタビューフォーム「サヴィオゾール®輸液」2)大塚製薬工場:医療用医薬品情報

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第26回 青年会議所は多種多様さが刺激的【噂の狭研ラヂオ】

動画解説30歳で薬局を継いだ神谷政幸社長は薬剤師会や青年会議所でもご活躍されています。青年会議所は多種多様な業種の人間が集まり、話す言語からして違う感じだそうです。農家さんの書いた“おおらかな”資料に、処方監査で養った薬剤師の目が光る!

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COVID-19、小児は軽症でもウイルス量が成人の10~100倍

 子供がCOVID-19に罹患した場合、一般的には成人に比べて比較的軽度の症状を示す。米国・イリノイ州シカゴAnn & Robert H. Lurie Children's HospitalのTaylor Heald-Sargent氏らが、軽~中等症のCOVID-19患者におけるウイルス量を年齢との相関で調べたところ、5歳未満の小児では症状が軽くてもウイルス保有量が多く、とくに上気道から検出されたSARS-CoV-2は成人の10~100倍にも相当することがわかった。JAMA Pediatrics誌オンライン版2020年7月30日号のリサーチレターに掲載。 本研究では、2020年3月23日~4月27日の期間、シカゴの3次医療機関においてCOVID-19の症状発症から1週間以内の入院および外来、救急部門、ドライブスルーで収集された145例の鼻咽頭スワブから検体を採取し、PCR検査を実施。cycle threshold(Ct)値を記録し、SARS-CoV-2 RNAウイルス量を評価した。 主な結果は以下のとおり。・患者はいずれも軽~中等症で、5歳未満が46例、5~17歳が51例、18~65歳が48例。いずれも発症から1週間以内に検体を採取した。・5~17歳のグループのCt値は、18~65歳のグループとほぼ同等であった(中央値[四分位範囲]:11.1[6.3~15.7] vs. 11.1[6.9~17.5])。・一方、5歳未満のグループのCt値は有意に低かった(同:6.5[4.8~12.0])。・5歳未満の小児とその他2つのグループのCt値の差異により、小児においては、とくに上気道のSARS-CoV-2が約10~100倍多いことが示唆される。 著者らは、本研究で明らかになったのはあくまで小児における高いウイルス核酸の検出量であると断っているが、これまでのSARS-CoV-2の研究では、より高い核酸レベルと感染力のあるウイルスの培養能力との相関が報告されている。このため著者らは、公衆衛生対策を進めるうえで小児の感染および拡散リスクを理解することが重要であると述べている。

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合併症のない小児虫垂炎、抗菌薬療法vs.手術/JAMA

 合併症のない小児虫垂炎において、抗菌薬療法のみの非外科的治療戦略の初回治療成功率は67.1%であり、外科的治療戦略と比較して、1年後の障害日数は統計学的に有意に少なかったことが、米国・オハイオ州立大学医学校のPeter C. Minneci氏らによる検討の結果、示された。ただし、フォローアップの完遂率が75%と低く、許容可能な非外科的手術成功率は、事前規定の閾値との比較では統計学的に有意ではなく、仮定した障害日数の群間差には未到達であったという。現在、小児および青少年の虫垂炎の大半は外科的治療で行われているが、研究グループは、抗菌薬療法のみの非外科的治療は、患児および家族への悪影響を少なく治療できる可能性があり、患児と家族に好まれるのではないかとして本検討を行った。JAMA誌オンライン版2020年7月27日号掲載の報告。1年時点で、障害日数と抗菌薬療法群の成功率を評価 合併症のない小児虫垂炎における、非外科的治療の成功率を明らかにし、非外科的治療群と外科的治療群間の治療関連の障害、満足度、健康関連QOLおよび合併症の差を比較する検討は、多施設非無作為化対照介入試験にて行われた。 被験者は2015年5月~2018年10月に、合併症のない虫垂炎を呈し米国7州の3次小児病院10施設で治療を受け、1年間の追跡(最終2019年10月)を受けた7~17歳の小児であった。 対象患児と家族による選択で、抗菌薬療法のみの非外科的治療(抗菌薬療法群)、または入院12時間以内の腹腔鏡下虫垂切除術(手術群)のいずれかを受けてもらい追跡評価した。 主要アウトカムは2つで、1年時点で評価した障害日数(虫垂炎関連の二次的ケアのためにすべての通常の活動に参加できなかった全日数で定義[予想した差異は5日間])と、抗菌薬療法群の成功率(初回抗菌薬療法のみで1年時点まで虫垂切除術を受けなかった患者の割合と定義[最低許容成功率70%以上])であった。逆確率治療重み付け(IPTW)法を用いて、すべてのアウトカム評価の治療群間差を補正した。抗菌薬療法群の障害日数の平均群間差は-4.3日、成功率は67.1% 1,209例が試験適格のスクリーニングを受け、1,068例(年齢中央値12.4歳、女児38%)が試験に登録され、370例(35%)が抗菌薬療法を選択、698例(65%)が手術を選択した。 フォローアップ完遂は全体で806例(75%)、抗菌薬療法群は284例(77%)、手術群は522例(75%)であった。抗菌薬療法群のほうが患児の年齢が低く(年齢中央値12.3歳vs.12.5歳)、黒人(9.6% vs.4.9%)やその他の人種(14.6% vs.8.7%)が多く、学士号を有する保護者の割合が高く(29.8% vs.23.5%)、超音波診断を受けた割合が高かった(79.7% vs.74.5%)。 IPTW後、1年時点の抗菌薬療法群の成功率は67.1%(96%信頼区間[CI]:61.5~72.3、p=0.86)であり、手術群と比較して1年時点の障害日数は統計学的に有意に短縮した(補正後平均日数:6.6日vs.10.9日、平均群間差:-4.3日[99%CI:-6.17~-2.43、p<0.001])。 事前規定のその他16項目の副次エンドポイントのうち、10項目について有意差は示されなかった。

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