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1701.

双極性うつ病に対するドパミン作動薬の効果は

 双極性うつ病のアウトカムに対するドパミン作動薬(モダフィニル、armodafinil、プラミペキソール、メチルフェニデート、アンフェタミン)の影響について、アルゼンチン・Favaloro UniversityのA G Szmulewicz氏らは、システマティックに検討を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2017年3月3日号の報告。 双極性うつ病に対するドパミン作動薬治療の有効性、安全性を評価するため、ランダム化比較試験のメタ解析を行った。2次解析として、無作為化比較試験と高品質の観察研究の両方から得られた知見を、ドパミン作動薬治療に関連する新規の躁症状を探るため、メタ解析手順によりプールした。 主な結果は以下のとおり。・無作為化比較試験のメタ解析には、9件の研究(1,716例)が含まれた。・ドパミン作動薬による双極性うつ病治療は、治療反応率(1,671例、RR:1.25、95%CI:1.05~1.50)および寛解率(1,671例、RR:1.40、95%CI:1.14~1.71)の増加と関連していた。・この治療による気分変動リスクの増加は認められなかった(1,646例、RR:0.96、95%CI:0.49~1.89)。・2次解析(1,231例)では、平均フォローアップ期間7.5ヵ月間の気分変動累積発生率は、3%(95%CI:1.0~5.0)であった。 著者らは「予備的知見では、ドパミン作動薬は、双極性うつ病治療のための有用な代替法でありうることを示唆しており、短期経過観察中の気分不安定化のリスク増加を来さない」としている。関連医療ニュース 双極性障害の再発リスク、1年目で4割超 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学

1702.

統合失調症の認知機能に関連する独立因子:産業医大

 アリピプラゾールは、統合失調症の認知機能にさまざまな影響を与えることが報告されている。産業医科大学の堀 輝氏らは、アリピプラゾールで治療中の統合失調症患者の認知機能に影響を及ぼす要因を特定し、生物学的マーカー、臨床データ、精神症状を評価した。International journal of molecular sciences誌2017年3月6日号の報告。 対象は、統合失調症患者51例。認知機能の評価には、統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS)を用い、患者背景、精神症状、カテコールアミン代謝物血漿ホモバニリン酸(HVA)、3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール(MHPG)、血清脳由来神経栄養因子(BDNF)との関連を評価した。認知機能と関連する独立した因子を同定するため、多変量解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・BDNFレベル、入院回数、MHPGレベルは、言語記憶および学習と関連していた。・総入院期間とMHPGレベルは、作業記憶と関連していた。・初回入院年齢、教育年齢は、運動速度と関連していた。・入院回数、PANSS陰性症状サブスケールスコア、MHPGレベル、BDNFレベル、DIEPSSスコアは、言語流暢性と関連していた。・HVAレベル、MHPGレベル、罹病期間、PANSS陰性症状サブスケールスコアは、注意および処理速度と関連していた。・BDNFレベル、MHPGレベルは、執行機能と関連していた。 著者らは「これらの結果より、アリピプラゾール治療中の患者において、これら寄与因子をコントロールすることにより、精神症状や認知機能障害の治療が改善されることが示唆された」としている。関連医療ニュース 第2世代抗精神病薬、認知機能に対する影響を検証 初発統合失調症、陰性症状の経過と予測因子 抗精神病薬の高用量投与は悪か

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統合失調症や双極性障害、心代謝合併率はなんと60%以上

 重篤な精神疾患は、心代謝合併症のリスク増加と関連している。米国・ジャッカー・ヒルサイド病院のChristoph U Correll氏らは、統合失調症または双極性障害を有する入院患者の心代謝合併症の有病率、入院アウトカムやコストとの関連を評価した。Annals of general psychiatry誌2017年2月10日号の報告。 本研究は、Premier Perspectiveデータベースより統合失調症または双極性障害の入院診断を有する患者をレビューした、レトロスペクティブデータベース分析である。患者は、ICD-9-CMの心代謝合併症数(0、1、2、3以上)に基づき、4つのコホートに分類された。アウトカムは、入院期間、入院中の死亡率、医療コスト、30日間の全原因による再入院とした。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者5万7,506例のうち、心代謝合併症を有していた患者は66.1%、2つ以上の併存疾患を有していた患者は39.3%であった。・双極性障害患者12万4,803例のうち、心代謝合併症を有していた患者は60.5%、2つ以上の併存疾患を有していた患者は33.4%であった。・平均入院期間は、統合失調症で8.5日、双極性障害で5.2日であった。・さらなる心代謝合併症は、双極性障害の入院期間延長と関連していたが(p<0.001)、統合失調症では関連が認められなかった。・入院中の死亡率は、統合失調症で1.2%、双極性障害で0.7%であった。・さらなる心代謝合併症は、双極性障害患者の死亡率を有意に増加させ(OR:1.218、p<0.001)、統合失調症患者の死亡数は数的に増加させた(OR:1.014、p=0.727)。・より多くの心代謝合併症を有する患者は、30日間の再入院がより多く(統合失調症:9~13%、双極性障害:7~12%)、コストも高かった(統合失調症:1万0,606~1万5,355ドル、双極性障害:7,126~1万3,523ドル、各々p<0.01)。 著者らは「統合失調症または双極性障害を有する入院患者の60%以上が心代謝合併症を有していた。統合失調症または双極性障害患者における心代謝合併症は、再入院の増加、コストの増加、ならびに双極性障害患者における入院期間延長、死亡率の増加と関連していた」としている。関連医療ニュース 双極性障害の再発リスク、1年目で4割超 オランザピンの心血管副作用、メラトニンの保護可能 うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

1704.

双極性障害の再発リスク、1年目で4割超

 双極性障害(BD)の再発、再燃率の報告は、研究間で著しく異なる。大部分のデータは、選択基準の狭いスポンサードランダム化比較試験に参加している高度に選択された患者を対象としている。リアルワールドでの再発、再燃の気分エピソード(subsequent mood episode:SME)の真のリスクを推定するため、スペイン・FIDMAG Germanes HospitalariesのJoaquim Radua氏らは、自然主義BD研究で報告されたSMEの割合についてメタ解析を行った。Psychotherapy and psychosomatics誌2017年号の報告。 PubMed、ScienceDirect、Scopus、Web of Knowledgeより2015年7月までの研究を検索した。個々のデータまたはKaplan-Meier plotよりSEM出現までの期間を報告した研究を含んだ。 主な結果は以下のとおり。・5,837例を含む12研究が、選択基準を満たした。・インデックスエピソード後の成人におけるSME出現までの平均期間は、1.44年であった。・SMEリスクは、最初の1年目で44%であった。この1年目のSME症例がいなくなったため、2年目は19%に低下した。・このリスクは、双極I型障害(BD-I)よりも双極II型障害(BD-II)において高かった(HR:1.5)。・BD-Iにおけるその後の躁病、混合性、うつ病エピソードリスクは、同じインデックスエピソード後に高かった(HR:1.89~5.14)。・SMEの全体的リスクは、亜症候群性症状が持続していた患者で高かった(HR:2.17)。 著者らは「本研究データより、リアルワールドでのBD患者のSMEリスクについて、より信頼性の高い推定値が算出できた。SMEのリスク要因を明らかにするためにも、BD-II患者を対象とした長期間のさらなる研究が必要とされる」としている。関連医療ニュース 双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は自殺リスク要因か 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント 双極性障害の再発エピソード、持効性注射剤の効果は

1705.

一般市民向けうつ病教育講演、その意義を検証:琉球大

 自殺予防のための効果的な戦略を確立することは急務である。うつ病に対するスティグマは、自殺の潜在的なアンチ防御因子となりうる。琉球大学の薬師 崇氏らは、オリジナルな18項目のアンケートを用いて、一般集団におけるうつ病に対する認識や考え方、うつ病治療についてベースラインレベルを調査し、検証を行った。また、2種類の教育介入を行い、これら講演の質の違いを明らかにするため検討を行った。BMC health services research誌2017年2月10日号の報告。 対象者は、アンチスティグマを目的とした講演を受けた467人とそうでない講演を受けた367人の合計834人(男性:245人、女性:589人)。講演の前後に、うつ病に対する認識や考え方、うつ病治療についてのレベルを評価する18項目のアンケートを実施した。対象者のバックグラウンドデータのカテゴリ変数を調べるために、カイ二乗検定を用いた。18項目のアンケートは、ベースラインスコアの因子分析を行った。性別の影響に関する分析にはStudent's t検定を用いた。5つの年齢群による比較および2つの講演の影響を比較するために二元配置分散分析(ANOVA)を用いた。介入後に改善された認識の決定要因は、重回帰分析を用いて調べた。 主な結果は以下のとおり。・うつ病に対する一般の認識は、以下の4つの要素から成り立っていた。 ●疾患モデルの認識 ●援助を求める行動 ●うつ病に対するネガティブな影響 ●非薬物療法のソリューション・高齢者では、疾患モデルの認識が悪く、うつ病に対するネガティブな影響が大きく、若年者は、援助を求める行動が劣っていた(p<0.05)。・アンチスティグマを目的とした講演は、そうでない講演よりも、疾患モデルの認識や非薬物療法のソリューションの改善において優れていた(p<0.05)。・重回帰分析では、講演後の各サブスケールスコアは、ベースラインのサブスケールスコアに強く依存し(p<0.01)、ベースラインの疾患モデルの認識も、うつ病に対するネガティブな影響および非薬物療法のソリューションの講演後のスコアに影響を及ぼした(p<0.01)。 著者らは「教育的介入は、医療モデルにおけるうつ病に対する正しい認識を得るために、有用であると考えられる。しかし、とくに若年層では、援助を求める行動への理解を強化するための他の戦略を考慮する必要がある」としている。関連医療ニュース たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 親の精神疾患を子供はどう思っているか 自殺企図後も生き続けるためのプロセス

1706.

抗精神病薬の性機能障害、プロラクチンへの影響を比較

 抗精神病薬に共通してみられる性機能障害は、ドパミンアンタゴニスト作用やプロラクチン上昇によって引き起こされる可能性がある。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSteven G Potkin氏らは、18~60歳の統合失調症患者を対象とし、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストであるアリピプラゾールの月1回400mg製剤(AOM400)が、ドパミンD2受容体アンタゴニストであるパリペリドンパルミチン酸エステル(PP)と比較し、Heinrichs-Carpenter QOLスコア(QLS)において非劣性と優位性を示したとするランダム化研究、QUALIFYの結果を解析した。International clinical psychopharmacology誌2017年5月号の報告。 性機能障害(アリゾナ性的体験尺度)、血清プロラクチンレベルを評価した。 主な結果は以下のとおり。・AOM400の性機能障害の割合は、PPと比較して低く(28週目の調整オッズ比:0.29、95%CI:0.14~0.61、p=0.0012)、男性では0.33(95%CI:0.13~0.86、p=0.023)、女性では0.14(95%CI:0.03~0.62、p=0.0099)、18~35歳では0.04(95%CI:0.01未満~0.34、p=0.003)であった。・ベースライン時の性機能障害が28週目に変化しなかった患者では、QLS総スコアの改善が大きくなる傾向にあった。・男女ともに平均プロラクチン濃度は、AOM400で減少し(-150.6mlU/L、SD:274.4)、PPで増加した(464.7mlU/L、SD:867.5)。・PP使用患者の6例は、プロラクチン関連有害事象を経験した。 著者らは「QUALIFY試験において、AOM400はPPと比較し、QLSの大幅な改善に加え、性機能障害およびプロラクチン上昇リスクが低かった」としている。関連医療ニュース 2つの抗精神病薬持効性注射剤、その違いを分析 統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン 抗精神病薬のプロラクチンへの影響、ARPとQTPどちらが低い

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SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大

 うつ病では、しばしば通常治療により耐性が生じることがある。また、うつ病患者は、言語流暢性テスト(verbal fluency test:VFT)に関連する近赤外線分光法(NIRS)において、前頭側頭皮質の機能低下を示している。大分大学の増田 幸司氏らは、未治療のうつ病患者に対する薬物治療反応が、初期調査のNIRSアウトカムにより予測可能かを検討した。Journal of affective disorders誌2017年5月号の報告。 すべての対象者に心理テストを行い、不安と抑うつレベルを評価した。VFTを用いて前頭側頭葉の機能を調べた。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を12週間投与した。対象者は、SSRIレスポンスうつ病患者(レスポンス群)28例、非レスポンスうつ病患者(非レスポンス群)19例および、年齢、性別、教育年数にマッチした健常対照者(対照群)63例とした。 主な結果は以下のとおり。・前頭側頭部において、血行動態レスポンスは、治療前の対照群と比較して、レスポンス群と非レスポンス群で有意に小さいことが示された。・内側前頭部において、血行動態レスポンスは、治療前の非レスポンス群と比較して、レスポンス群で有意に大きいことが示された。・うつ病患者は、いくつかの尺度で健常群と比較して、不安および抑うつ状態が有意に高かった。・レスポンス群と非レスポンス群は、DACS(Depression and Anxiety Cognition Scale:抑うつや不安を引き起こす自動思考測定)の将来否定、脅威予測、自己否定、過去否定、対人関係脅威度のスコアが有意に高かった。・ステップワイズ回帰分析では、Post-POMSの混乱の項目が、レスポンスの独立した予測因子であった。 著者らは「対象者数が少ないため、今後の研究では人数を増やす予定である。NIRSは空間分解能を低下させ、NIRS単独使用時の測定位置の識別をわかりにくくさせる」としながら、「認知機能の脆弱性は、SSRI治療レスポンスの予測因子と関連している。前頭側頭皮質における異なる血行動態活動は、うつ病におけるSSRIに対するレスポンスを予測する」としている。関連医療ニュース SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較 うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか

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日本の外来患者、抗精神病薬の処方傾向を分析:京都大

 京都大学の河内 健治氏らは、精神科医療のコミュニティベースのアプローチに重点を置き、日本の外来患者に対する抗精神病薬処方の傾向を評価した。Pharmacoepidemiology and drug safety誌オンライン版2017年3月7日号の報告。 本研究は、全国の調剤薬局1,038施設からの処方箋データを用いた記述的疫学論文。2006~12年に、初めて抗精神病薬を処方された18歳以上の外来患者を評価した。単剤処方、多剤併用処方、抗精神病薬の用量、向精神薬の併用処方について年間の傾向を分析した。 主な結果は以下のとおり。・外来患者は、15万2,592例であった。そのうち、18~64歳は10万1,133例(成人群:66%)、65歳以上は5万1,459例(高齢者群:34%)であった。・成人群における2006年と2012年の処方傾向は以下のとおりであった。 ●第2世代抗精神病薬単剤処方:49%から71%へ増加 ●第1世代抗精神病薬単剤処方:29%から14%へ減少 ●抗精神病薬多剤併用処方:23%から15%へ減少・高齢者群における2006年と2012年の処方傾向は以下のとおりであった。 ●第2世代抗精神病薬単剤処方:64%から82%へ増加 ●第1世代抗精神病薬単剤処方:29%から12%へ減少 ●抗精神病薬多剤併用処方:7%から6%へ減少・研究期間中の抗精神病薬の用量は、成人群の80%超、高齢者群の90%超において、リスペリドン等価換算量6mg/日未満であった。・各種向精神薬の併用処方率は以下のとおりであった。 ●抗不安/鎮静薬:成人群70%、高齢者群43% ●抗うつ薬:成人群33%、高齢者群16% ●抗パーキンソン薬:成人群20%、高齢者群19% ●気分安定薬:成人群20%、高齢者群8% ●抗認知症薬:成人群0.3%、高齢者群16% 著者らは「大規模処方箋データより、日本の外来患者における抗精神病薬の高用量処方と多剤併用処方は、これまで考えられていたよりも広く行われていない」としている。関連医療ニュース 日本のデータベースから各種抗精神病薬のEPS発現を分析 抗精神病薬のスイッチング、一括置換 vs.漸減漸増:慶應義塾大 各抗精神病薬、賦活系と鎮静系を評価

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適切なMg摂取でうつ病リスクが低下

 いくつかの疫学研究では、食事によるマグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)摂取と、うつ病リスクとの関連が評価されている。しかし、これらの研究結果は、依然として議論の余地が残っている。中国・Qingdao UniversityのBingrong Li氏らは、これらの関連性および食事によるMg摂取とうつ病リスクとの用量反応関係を調査するため、メタ解析を行った。The Australian and New Zealand journal of psychiatry誌2017年3月号の報告。 複数のデータベースより、2016年9月までに公表された文献を検索した。95%信頼区間(CI)のプールされた相対リスクは、ランダム効果モデルを用いて算出した。出版バイアスは、Egger検定とfunnel plotを用いて推定した。用量反応関係は、制限3次スプライン関数により評価した。 主な結果は以下のとおり。・現在のメタアナリシスには、12文献より17件の疫学研究が含まれた。・これらの研究のうち、Mg摂取とうつ病リスクとの関連を評価した研究は11件、Ca摂取との関連を評価した研究は6件であった。・最も高い摂取量と最も低い摂取量を比較すると、プールされた相対的うつ病リスクは、Mgで0.81(95%CI:0.70~0.92)、Caで0.66(95%CI:0.42~1.02)であった。・食事によるMg摂取量は、アジアで実施された研究(相対リスク:0.57、95%CI:0.44~0.74)、エネルギー摂取量の調整研究(相対リスク:0.73、95%CI:0.58~0.92)において、うつ病リスク低下と有意に関連していた。・用量反応分析では、食事によるMg摂取とうつ病リスクとの間に非線形関係のエビデンスが認められ、最大リスク低下は320mg/日で認められた。 著者らは「中等度のMg摂取がうつ病リスク低下と関連することが示された。この結果は、より大きなプロスペクティブコホート研究で確認する必要がある」としている。関連医療ニュース 魚を食べると認知症は予防できるのか たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

1710.

親の精神疾患を子供はどう思っているか

 重度の精神疾患リスクを有する無症候性の人(臨床ステージ0)に対する潜在的な介入研究は、遺伝子カウンセリングや確立された疾患を有する成人患者に焦点が当てられてきた。英国・NTW NHS TrustのJo Davison氏らは、双極性障害(BD)リスクを有する青年を対象にインタビューを行った。Early intervention in psychiatry誌オンライン版2017年2月11日号の報告。 両親がBDを有する無症候性の子孫(OSBD:7例)およびBDとは無関係な両親(PBD:6例)を対象に、対話による顕在的および潜在的な課題を調査するため、インタビューを定性的に分析した。 主な結果は以下のとおり。・両群の中核課題は、自身のBD発症リスクの大きさに関して無知であり、自分よりも家族の健康に対する心配が大きかった。・両親は、子供にBDが遺伝するかどうかについての不確実性に対処するうえでの不安を示し、このリスクを減らそうとする願望は、部分的な罪悪感と両親の責任感によりもたらされた。PBDは、専門的な臨床OSBDサービスの導入を支持した。・対照的に、OSBDの優先事項は、BDを持つ両親の対処に関するアドバイスであった。OSBDは、一般的な非臨床的ピアサポートを好み、専門家によるケアよりも不名誉に感じないと考えていた。 著者らは「BDリスクを有する若者が求める介入は、日常的に相談を行う人と異なる可能性があり、そのことを表現できるようにすべきであることが強調された。注目すべきは、OSBDは両親のBDに関する臨床対話が、ストレスレベルを増加させるよりも、むしろ減少させると考えていることであった」としている。関連医療ニュース 双極性障害に対する抗けいれん薬の使用は自殺リスク要因か 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント うつ病から双極性障害へ移行しやすい患者の特徴

1711.

オランザピンの心血管副作用、メラトニンの保護可能

 第2世代抗精神病薬(SGA)は、患者の早期死亡の起因となる有害な心血管代謝系副作用と関連している。これら心血管代謝系副作用を引き起こすメカニズムは十分にわかっていないが、最近、3つの独立した研究において、メラトニンがSGA治療患者の心血管代謝リスクを防御していることが示された。循環するメラトニンの主要標的領域の1つである視交叉上核(SCN)が、SGA誘発性の早期心血管系効果に関連しているかを、メキシコ国立自治大学のFrancisco Romo-Nava氏らは、Wistarラットを用いて検討を行った。Journal of pineal research誌オンライン版2017年2月22日号の報告。 体内時計、室傍核および自律神経系におけるオランザピンとメラトニンの急性効果について、免疫組織化学、侵襲的心血管測定、ウエスタンブロットを用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・オランザピンは、SCNにおいてc-Fos免疫反応性を誘導し、続いて室傍核および迷走神経の背側運動核を誘導し、副交感神経緊張の強力な誘導を示した。・オランザピン投与後のSCN-副交感神経ニューロン経路の関与は、コレラトキシンB逆行性追跡および血管作動性腸管ペプチド免疫組織化学を用いてさらに記録された。・オランザピン誘発性の血圧低下と心拍数低下が裏付けられた。・メラトニンは、副交感神経経路および心血管作用を含むオランザピン誘発性SCN c-Fos免疫反応性を是正し、その一方、線条体、腹側被蓋野および側坐核を含むオランザピンの有益作用に関連する脳領域の活性化は維持された。・SCNにおいて、オランザピンはメラトニンが関与した体内時計の調整因子であるGSK-3βをリン酸化した。・SCNの両側病変は、オランザピンの副交感神経活性への影響を防御した。 著者らは「SCNは、心血管機能に対するオランザピンの初期効果を媒介する重要な領域である。さらなる調査が必要ではあるが、メラトニンは、その作用を是正し、潜在的な保護効果を有する可能性がある」としている。関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 オランザピンの代謝異常、アリピプラゾール切替で改善されるのか 統合失調症の病態にメラトニンが関与

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患者の性格と認知症タイプでBPSDを予測可能:旭川医大

 レビー小体型認知症(DLB)とアルツハイマー型認知症(AD)における患者の発症前の性格特性とBPSD(behavioral and psychological symptoms in dementia:認知症の行動・心理症状)との関連について、旭川医科大学の田端 一基氏らが検討を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年2月8日号の報告。 対象は、DLB患者41例、AD患者98例。対象患者のBPSD評価には、NPI(Neuropsychiatric Inventory)を用いた。各患者の中年期の性格特性は、NEO-FFI(NEO Five-Factor Inventory)を用いて、患者家族より評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・DLB患者の重回帰分析において、NPI総スコアおよび不安と病前の開放性、妄想と病前の協調性、興奮と病前の勤勉性が有意に関連していた。・AD患者のうつ症状と病前の情緒不安定性、興奮、無関心、過敏性と病前の協調性が有意に関連していた。 著者らは「病前性格は、DLBおよびADにおいて、BPSDに異なった影響を及ぼしていることが示された。BPSDに対する病前性格の影響差を考慮すると、これら症状を軽減するための介入を開発するには、さらなる研究が必要である」としている。関連医療ニュース 認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 統合失調症患者の性格で予後を予測

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うつ病スクリーニングがたった2つの質問で可能

 高齢者に対するうつ病のスクリーニングは推奨されている。中国・香港中文大学のKelvin K F Tsoi氏らは、高齢者における2項目スクリーン(Two-Question Screen)の診断精度を評価し、ほかのうつ病スクリーニング法と比較した。2項目スクリーンの質問項目は、「過去1ヵ月間で、気持ちが落ち込んだり、憂鬱な気分、絶望的な気分になりましたか」および「過去1ヵ月間で、しばしば小さなことに悩まされたり、何をしても楽しくないと感じますか」である。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年2月16日号の報告。うつ病スクリーニングにおいて、2項目スクリーンが診断精度良好 高齢者における、うつ病スクリーニング法の診断精度を評価した研究の、文献検索を行った。主要アウトカムは、感受性と特異性を含む総合的な診断精度とした。潜在的なバイアスリスクと研究の質についても評価した。 うつ病スクリーニング法の診断精度評価の主な結果は以下のとおり。・133件の研究において、4万6,651例が16種類のスクリーニング法により評価されていた。・大部分の研究(64/133件)において、さまざまなバージョンの老年期うつ病評価尺度(Geriatric Depression Scale:GDS)が使用されており、2項目スクリーンは6件で使用されていた。・2項目スクリーンの総合感受性と特異性は、91.8%(95%CI:85.2~95.6)と67.7%(95%CI:58.1~76.0)であった。また、診断精度のAUCは90%であった。・2項目スクリーンは、臨床医評価尺度を含むほかの尺度と同等の精度を示した。・1項目スクリーンは、AUCが78%であり、診断精度が最も低かった。・サブグループ解析においても、うつ病のスクリーニングにおいて、2項目スクリーンの良好な診断精度が示された。 著者らは「2項目スクリーンは、うつ病スクリーニングのためのシンプルかつ簡便な診断法である。その診断精度は、ほかの診断法と同等であり、高齢者のスクリーニングプログラムに使用することが好ましい」としている。

1714.

重度な精神疾患+物質使用障害、自殺リスクへの影響

 重度の精神疾患患者における物質使用障害(SUD:substance use disorder)と自殺や自殺企図との関連性について、デンマーク・コペンハーゲン大学のMarie L D Ostergaard氏らが評価を行った。Addiction誌オンライン版2017年2月13日号の報告。 時間変動を共変量して、SUDの調整されたCox回帰を用いた、デンマークにおけるレジストリベースのコホート研究として実施した。対象者は、1955年からデンマークで生まれた統合失調症患者3万5,625例、双極性障害患者9,279例、うつ病患者7万2,530例、パーソナリティ障害患者6万3,958例。アルコールおよび非合法物質のSUD治療、自殺企図は、治療レジストリより確認した。自殺は、死亡原因レジストリより確認した。共変量は、診断時の性別および年齢とした。 主な結果は以下のとおり。・いずれかのSUDを有する患者は、非SUDと比較して、自殺リスクが3倍以上であった。・アルコールの乱用は、ハザード比(HR)1.99(95%CI:1.44~2.74)~2.70(95%CI:2.40~3.04)のすべての集団において、自殺リスク増加と関連していた。・他の非合法物質は、双極性障害を除く集団において、自殺リスクの2~3倍の増加と関連していた。大麻は、双極性障害患者における自殺企図リスクの増加とのみ関連していた(HR:1.86、95%CI:1.15~2.99)。・アルコール(HR:3.11[95%CI:2.95~3.27]~3.38[95%CI:3.24~3.53])および非合法物質(HR:2.13[95%CI:2.03~2.24]~2.27[95%CI:2.12~2.43])は、それぞれ自殺企図と強い関連性を示した。・大麻は、統合失調症患者の自殺企図とのみ関連していた(HR:1.11、95%CI:1.03~1.19)。関連医療ニュース 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント 日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か

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テロ襲撃後のPTSDやうつ病、2年前のバルド国立博物館襲撃事件より

 2015年3月18日、2人の武装勢力がチュニジア・チュニスのバルド国立博物館を襲撃し、23人の外国人観光客が犠牲となった。チュニジア・University of Tunis El ManarのFeten Fekih-Romdhane氏らは、人口統計学的要因および社会的支援に関連した、襲撃4~6週間後の博物館勤務者のPTSD(心的外傷後ストレス障害)とうつ症状を評価し、PTSDとうつ症状の決定要因および予測因子を分析した。Community mental health journal誌オンライン版2017年2月7日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・回答者の68.6%は心的外傷後ストレス症状のカットオフ値(IER-Sスコア33超)を上回っており、40.6%は重度のうつ症状(DASS-うつ病スコア20超)を報告した。・男女間で、症状の重症度に有意な差はなかった。・PTSDおよびうつ症状の最も良い予測因子は、社会的支援の低さであった。・テロ襲撃後の被害者にとって、ソーシャルネットワーク内の結びつきを強化する介入は、とくに有用であることが示唆された。関連医療ニュース 東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大 震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善 震災による被害で認知症リスク増加

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抗うつ薬の適応外処方、普及率はどの程度

 プライマリ・ケアにおける抗うつ薬の適応外処方を調査し、適応外処方の科学的サポートレベルについて、カナダ・マギル大学のJenna Wong氏らが、検討を行った。BMJ誌2017年2月21日号の報告。 効能・効果ベースの電子処方箋システムを用いた、プライマリ・ケア医による抗うつ薬の処方に関する記述的研究。対象施設は、カナダ・ケベック州の2つの主要都市センター周辺のプライマリ・ケア施設。対象は、2003年1月~2015年9月に対象医師を受診し、電子処方箋システムにより抗うつ薬を処方された18歳以上の患者。主要アウトカムは、クラスおよび個々の抗うつ薬の適応外処方の普及率とした。抗うつ薬の適応外処方は、以下の各カテゴリにおける処方割合として測定した。(1)各適応症に対する処方薬使用をサポートする強力なエビデンス、(2)処方薬の強力なエビデンスはないが、同クラスの他剤使用をサポートする強いエビデンス、(3)処方薬および同クラスの他剤使用をサポートする強力なエビデンスがない。不眠症に対するトラゾドンの使用が抗うつ薬の適応外処方で最も多い 抗うつ薬の適応外処方を研究した主な結果は以下のとおり。・抗うつ薬の処方箋は、医師174人より2万920例の患者に対する10万6,850件であった。・クラス別では、三環系抗うつ薬の適応外処方が最も高かった(81.4%、95%CI:77.3~85.5%)。とくにアミトリプチリンが高かった(93%、95%CI:89.6~95.7%)。・不眠症に対するトラゾドンの使用は、抗うつ薬の最も一般的な適応外処方であり、すべての適応外処方の26.2%(21.9~30.4%)を占めていた。・すべての適応外処方のうち、わずか15.9%(13.0~19.3%)が、それぞれの適応症に対する強い科学的エビデンスを有していた。・処方薬の強力なエビデンスはないが、同クラスの他剤使用をサポートする強いエビデンスを有する適応外処方は、39.6%(35.7~43.2%)であった。・処方薬および同クラスの他剤使用をサポートする強力なエビデンスがない適応外処方は、44.6%(40.2~49.0%)であった。 著者らは「プライマリ・ケア医による抗うつ薬の適応外処方は、同薬剤の科学的エビデンスは少ないまでも、同クラスの強いエビデンスを有することが多かった。処方の決定を最適化するために、抗うつ薬の適応外使用に関するエビデンスを生成し、プライマリ・ケア医に提供することが重要である」としている。関連医療ニュース うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割

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自殺企図後も生き続けるためのプロセス

 うつ病は、自殺や自殺企図の強力な危険因子である。これまでの研究では、自殺企図へのパスウェイについて検討されてきたが、自殺克服のために重要な点について検討した研究はほとんどない。スウェーデン・ルンド大学のLisa Crona氏らは、自殺企図後、生き続けるための個人の戦略について検討を行った。BMC psychiatry誌2017年2月13日号の報告。 理論に基づく定性的なアプローチを用いた。1956~69年に重度のうつ病と診断された元入院患者13例を対象に、最後の自殺企図(21~45歳時に経験)から42~56年フォローアップを行った。2013年6月~2014年1月までに1度、半構造化インタビューを用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。・自殺企図へのパスウェイは「抵抗できないほどの状況に追い込まれた」と定義した。・回復プロセスは「プロフェッショナルケア」「個人の状況での緩和」「生き続ける決断」の3つのカテゴリで構成されていた。・これらのカテゴリから「コントロールを取り戻すことによって自分自身をケアする」とラベルされたコアカテゴリが浮かび上がってきた。・うつ病からの回復とは無関係に自殺の克服が起こっていた。 著者らは「自殺企図後のケアは、非常に長期的であり、回復プロセスは多面的かつ変動的である。適切な治療、他者とのつながり、意思決定問題の克服が必要となる」としている。関連医療ニュース 日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント 自殺予防に求められる、プライマリケア医の役割

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抗精神病薬のプロラクチンへの影響、ARPとQTPどちらが低い

 高プロラクチン血症は、抗精神病薬により問題となる副作用の1つである。これまで、高プロラクチン血症に関する第2世代抗精神病薬間での直接比較を行った臨床事例はほとんどない。スペイン・カンタブリア大学のBenedicto Crespo-Facorro氏らは、プロラクチンへの影響が少ないといわれている第2世代抗精神病薬の種類によりプロラクチンレベルに違いがあるか、それは性別により影響を受ける可能性があるかを検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2017年2月17日号の報告。 初回エピソードの非感情性精神病(non-affective psychosis)患者のプロラクチン血漿レベルに対し、プロラクチンへの影響が少ないといわれている3種類の抗精神病薬(アリピプラゾール、クエチアピン、ziprasidone)の1年間の治療効果の違いを調査した。2005年10月~2011年1月まで、無作為化プロスペクティブオープンラベル研究を行った。対象患者141例は、アリピプラゾール群(56例)、クエチアピン群(36例)、ziprasidone群(49例)に無作為に割り付けられた。主要アウトカムは、3種類の抗精神病薬の1年間の追跡調査におけるプロラクチン血漿レベルの差とした。プロラクチンレベルは、分布に偏りがあったため、統計解析前にログ変換を行った。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール群の男性は、プロラクチン血漿レベルの増加リスクが低かった(n=71、F=12.645、p<0.001)。・男性では、プロラクチンの平均変化量が小さく、性差の影響が認められた。・アリピプラゾール群の高プロラクチン血症リスクは19.6%で、クエチアピン群(44.4%)、ziprasidone群(32.7%)と比較し、減少していた(p=0.038)。男性において非常に類似した所見が認められた(p=0.040)。・女性では、有意な差が認められなかった。・軽度のプロラクチン過剰率は、アリピプラゾール群14.3%、クエチアピン群36.1%、ziprasidone群18.4%であった(χ2=6.611、p=0.037)。関連医療ニュース 統合失調症に対する増強療法、評価が定まっている薬剤はこれだけ 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か リスペリドン誘発性高プロラクチン血症、減量で軽減するのか

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日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大

 自殺予防にスクリーニング介入が有効であることが示唆されている。しかし、中年期の自殺による死亡など、アウトカム対策への影響について報告された研究はほとんどない。青森県立保健大学の大山 博史氏らは、日本のコニュニティベースにおける介入群と対照群の自殺率の比較を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年2月14日号の報告。 日本のコニュニティベースの介入を行った自治体(介入群)と対照群をマッチさせた準実験的な並列クラスタ設計を用いた(総適格人口:9万人)。介入群の住民には、一般的なうつ病スクリーニングとその後のケアサポートを行った。40~64歳成人を対象に、実施前後4年間の自殺率の変化を、介入群、対照群、全国と比較した。アウトカム発生率比(IRR)の算出には、年齢、性別、相互作用で調整し、混合効果陰性2項回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・スクリーニングの手続きは52%で行われ、そのうち61%が実施期間中にレスポンスがあった。・介入群は、対照群と比較し、自殺率が低下した(IRR:0.57、95%CI:0.41~0.78、F 1,36=12.52、p=0.001)。また、全国と比較し、自殺率が低下した(IRR比:1.64、95%CI:1.16~2.34、F 1,42=8.21、p=0.006)。・1次分析結果は、感受性分析により確認された。・実施期間中の対照群と比較し、スクリーニングに対するレスポンダー、非レスポンダー共に自殺率が低かった。 著者らは「自殺予防のためのうつ病のスクリーニング介入は、自殺率を低下させるであろう」としている。関連医療ニュース 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割 うつ病や自殺と脂質レベルとの関連

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双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント

 双極性障害(BD)のとくに疾患フェーズに関連する自殺企図の発生率やリスク因子を調査した長期的な研究は少ない。フィンランド・National Institute of Health and WelfareのSanna Pallaskorpi氏らは、双極I型障害(BD-I)および双極II型障害(BD-II)患者の長期プロスペクティブコホート研究において、BDのさまざまなフェーズにおける自殺企図の発生率とうつ病エピソード期における自殺企図のリスク因子について調査した。Bipolar disorders誌オンライン版2017年2月8日号の報告。 Jorvi Bipolar Study(JoBS)では、BD-IおよびBD-II患者191例を対象に、ライフチャート法を用いて追跡した。異なる疾患フェーズの患者177例(92.7%)の自殺企図に関するプロスペクティブな情報は、最大5年が利用可能であった。自殺企図の発生率およびその予測因子は、ロジスティック回帰、ポアゾン回帰モデルを用いて調べた。うつ病エピソード期に発生する自殺企図のリスク因子には、2項ランダム切片ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・5年間のフォローアップ期間中に、718患者年当たり90件の自殺企図が発生した。・発生率は、混合状態で最も高く、正常状態より120倍以上であった(765/1,000人年、95%CI:461~1,269人年)。また、うつ病エピソード期でもとても高く、正常状態より約60倍高かった(354/1,000人年、95%CI:277~451人年)。・うつ病エピソード期の自殺企図リスクの重要な予測因子は、うつ病エピソードの持続期間、うつ病の重症度、クラスターCのパーソナリティ障害であった。 著者らは「この長期にわたる研究により、自殺企図は、混合状態およびうつ病フェーズで起こることが確認された。自殺企図の発生率の変動は、正常状態と病期の間で顕著に大きく、BD患者の自殺リスクは、“だれ”よりも“いつ”に関連する可能性が高いことが示唆された。しかし、うつ病エピソードのリスクは、パーソナリティ要因の影響を受ける可能性が高い」としている。関連医療ニュース 自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割 うつ病から双極性障害へ移行しやすい患者の特徴 双極性障害の再発エピソード、持効性注射剤の効果は

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