皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:67

ニボルマブ、BRAF遺伝子変異の有無にかかわらず有用

 ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は進行期メラノーマの患者において、その有効性と安全性はBRAF遺伝子変異の有無にかかわらず認められ、また、BRAF阻害薬およびイピリムマブの前治療歴による影響もみられなかったことが、英国王立マースデン病院のJames Larkin氏らにより報告された。JAMA Oncology誌2015年7月1日号掲載の報告。

アトピーに伴う網膜剥離、近年は減少傾向に

 アトピー性皮膚炎(AD)の眼合併症には眼瞼炎、角結膜炎、円錐角膜、虹彩炎、白内障、網膜剥離などがあるが、なかでも網膜剥離は若年者に及ぼす影響が大きい。三重大学の佐宗 幹夫氏らは過去20年におけるAD合併網膜剥離について調査した。その結果、最近10年間でAD合併網膜剥離の患者数は顕著に減少していることを明らかにした。著者は「ADに伴う網膜剥離を予防するためには皮膚炎の管理が重要であることが示唆される」とまとめている。Clinical Ophthalmology誌オンライン版2015年6月23日号の掲載報告。

アトピー乳児、喘息発症リスクが高いのは?

 アトピー性皮膚炎(AD)は喘息や他のアトピー性疾患に先行して発症することが知られる。“アレルギーマーチ”と呼ばれるこれらの発症順序は必ずしも決まっておらず、乳幼児が喘息を発症するリスクについて取り組んだ研究は少ない。フランス・パリ公立アルマン・トゥルソー小児病院のFlore Amat氏らは、生後12ヵ月未満のAD患者を6歳まで追跡したObservatory of Respiratory risks linked with Cutaneous Atopy(ORCA)研究データを解析し、早期発症AD乳児において複数感作あるいは喘息家族歴を認める場合は、幼児期に喘息の発症リスクが高いことを明らかにした。PLoS One誌オンライン版2015年6月24日号の掲載報告。

セクキヌマブ、乾癬性関節炎の症状改善/Lancet

 乾癬性関節炎に対し、ヒト抗インターロイキン17Aモノクローナル抗体セクキヌマブの皮下投与が有効であることが明らかになった。英国・グラスゴー大学のIain B. McInnes氏らが397例を対象に行った第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。300mg、150mg投与ともに半数以上の人が目標とした改善率(米国リウマチ学会20%改善率:ACR20)を達成したという。Lancet誌オンライン版2015年6月26日号掲載の報告より。

ワインアレルギー、原因はタンパク質への感作か

 ドイツで行われた先行調査において、無作為抽出された4,000例のうち、回答があった948例中68例(7.2%)がワイン不耐症あるいは飲酒後のアレルギー様症状発現を報告したことが判明している。この報告を踏まえてドイツ・マインツ大学のNadine Jaeckels氏らは、ワインの製造過程で含まれる他の成分や清澄剤ではなく、ワイン不耐症の間接原因としてブドウ由来のタンパク質に対するIgEに焦点を当て、ワインタンパク質への感作をアレルギー検査などで確認できるかを検討した。その結果、ブドウおよびワインタンパク質に対する感作が観察され、交差反応性炭水化物抗原決定基(CCD)の関与も示唆された。著者は「今後、さらに大きなコホートで検討する必要がある」とまとめている。

骨髄性プロトポルフィリン症、afamelanotideの第III相試験/NEJM

 骨髄性プロトポルフィリン症はまれな遺伝性疾患で、急性の光毒性を伴う重度の光線過敏症を呈し、きわめて強い疼痛がみられQOLが著明に低下する。オランダ・エラスムス医療センターのJanneke G Langendonk氏らは、afamelanotideが本症の症状を軽減し、忍容性も良好であることを確認し報告した。本症の光線過敏症は、プロトポルフィリンをヘムへ変換する合成酵素であるフェロケラターゼの活性低下に起因する。afamelanotideはヒトαメラノサイト刺激ホルモンのアナログで、メラノサイトなどの皮膚細胞のメラノコルチン1受容体に結合するトリデカペプチドであり、紫外線放射によってメラニン産生が刺激された際に生じる紫外線による細胞障害を起こすことなく、表皮のユーメラニン産生を増加させるという。NEJM誌2015年7月2日号掲載の報告より。

単純ヘルペスへのイノシンプラノベクスの有効性

 中国・西南病院のYi You氏らは、単純ヘルペスに対するイノシンプラノベクスの有効性および安全性を、アシクロビルと比較する3ヵ月間の多施設共同無作為化二重盲検ダブルダミー並行群間比較試験を行った。その結果、イノシンプラノベクスの有効性はアシクロビルと同等で、性器ヘルペスの短期再発率は低いことを示した。ただし著者は、「6ヵ月間の再発率はまだ明らかになっておらず、イノシンプラノベクスは高尿酸血症の副作用についてモニタリングが必要」とまとめている。Journal of Dermatology誌2015年6月号(オンライン版2015年3月26日号)の掲載報告。