14年間追跡でもEVARの生存率に優位性なし(解説:中澤達氏)-1082
OVER試験の最長14年間追跡で腹部大動脈瘤に対する待機的血管内治療は、従来の開腹手術と比較して周術期死亡率を低下させるが、4年以降の生存には差がないことが示された。EVAR-1試験、DREAM試験の長期追跡でも同様の結果であり、新しい知見は得られなかった。破裂性腹部大動脈瘤に対する臨床的効果および費用対効果の無作為化試験「IMPROVE試験」でもほぼ同様で、3年では、EVAR群の死亡が開腹手術群よりも有意に少なかった。しかし、7年時点では、死亡率は両群とも約60%となった。3年時点ではEVARが開腹手術よりも生存期間を延長し、質調整生存年(QALY)の獲得が大きく、再手術率は同程度であり、コストは低く、費用対効果に優れていた。