アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

テゼペルマブで重症喘息患者のステロイド減量が可能に

 最近承認された喘息治療薬テゼペルマブ(商品名テゼスパイア)により、喘息コントロールを維持しながら経口ステロイドの使用量を減らせる可能性が、臨床試験で示された。テゼペルマブ群では、喘息コントロールを維持しつつ日常的なステロイド使用量をより大きく減らせるオッズがプラセボ群の約3倍であったという。米National Jewish HealthにあるCohen Family Asthma Institute所長であるMichael Wechsler氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Respiratory Medicine」6月号に掲載された。Wechsler氏は、「長期的な経口コルチコステロイドの使用は、糖尿病、骨粗鬆症、心血管疾患などの健康被害をもたらす可能性があり、生活の質(QOL)にも重大な影響を与え得る」と述べている。

病名や薬物治療手順を一部変更、「蕁麻疹診療ガイドライン」改訂/日本皮膚科学会

 国際ガイドラインの改訂や病態解明の進展、新たな生物学的製剤の登場などを背景に、8年ぶりの改訂版となる「蕁麻疹診療ガイドライン2026(第4版)」が2026年4月に公開された。病型分類および病名の一部変更や治療アルゴリズムのアップデートが行われた今回の改訂について、ガイドライン策定委員会の委員長を務めた福永 淳氏(大阪医科薬科大学)が第125回日本皮膚科学会総会で講演した。  蕁麻疹の病型について、特発性の蕁麻疹、刺激誘発型の蕁麻疹、血管性浮腫、蕁麻疹関連疾患という4つの大分類に変更はないが、その下の分類や病名がいくつか変更された。

夜間の熱波で喘息リスクが上昇

 猛暑は喘息増悪の引き金となる可能性があり、特に夜間の熱波は喘息増悪リスクの上昇と関連することが、新たな研究で示唆された。米ボルティモアの病院データを解析したところ、熱波の発生後には喘息関連で救急外来(ED)を受診する患者が増加することが明らかになったという。米ジョンズ・ホプキンス大学地球惑星科学教授のBenjamin Zaitchik氏らによるこの研究の詳細は、「GeoHealth」に5月6日掲載された。  研究では、猛暑が夜間まで続いた場合に喘息増悪リスクが特に高まることが明らかになったという。Zaitchik氏は、「夜間に屋外が暑いと、エアコンのないタウンハウス(長屋)の2階の寝室は息が詰まるほど蒸し暑くなる。これは生死に関わる問題だといえる。

未就学児の急性喘鳴へのアジスロマイシン、症状改善せず/NEJM

 救急外来を受診した中等度~重度の急性喘鳴を呈する未就学児において、アジスロマイシンはプラセボと比較して喘鳴関連症状を改善しなかった。米国・アリゾナ大学のKurt R. Denninghoff氏らPECARN AZ-SWED Trial Study Groupが、米国のPediatric Emergency Care Applied Research Network(PECARN)に加盟している小児救急外来8施設で実施した無作為化プラセボ対照試験「Azithromycin Therapy in Preschoolers with a Severe Wheezing Episode Diagnosed at the Emergency Department trial:AZ-SWED試験」の結果を報告した。喘鳴を伴う疾患は未就学児の入院の主な原因であり、また、抗菌薬による治療がしばしば行われている。

ベンラリズマブ、好酸球増多症候群に対し承認取得/AZ

 アストラゼネカは2026年5月18日、ベンラリズマブ(遺伝子組換え)(商品名:ファセンラ皮下注30mgシリンジ/30mgペン)が、「好酸球増多症候群(HES)」に対し、日本で承認を取得したことを発表した。ベンラリズマブは現在、日本、米国、EU、中国を含む80ヵ国以上で重症好酸球性喘息の追加維持治療として承認されており、日本および米国では、6歳以上の小児および青年に対しても承認されている。また、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の成人患者に対する治療薬としても、日本を含む70ヵ国以上で承認されている。

小児のアトピー性皮膚炎、確実な予防方法はないが治療の選択肢は豊富

 小児のアトピー性皮膚炎の発症を予防するために親ができることは極めて少ないことが、新たなガイドラインで示された。特別な食事療法、入浴を控えること、母乳育児、プロバイオティクスのサプリメントといった広く知られている対策が小児のアトピー性皮膚炎の予防に有効であることを示すエビデンスは見つからなかったという。一方、既にアトピー性皮膚炎を発症している小児には、皮膚のかゆみを和らげるための効果的な治療法が多くあるとしている。米国皮膚科学会(AAD)が作成したこのガイドラインは、「Journal of the American Academy of Dermatology」に4月7日掲載された。

半年に1回投与のデペモキマブ、気管支喘息・鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の適応で発売/GSK

 グラクソ・スミスクラインは2026年4月15日に、デペモキマブ(商品名:エキシデンサー皮下注100mgペン、エキシデンサー皮下注100mgシリンジ)を発売した。適応は「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)」および「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」である。  本剤は、既存のヒト化抗IL-5モノクローナル抗体製剤メポリズマブの可変領域と定常領域にアミノ酸変異を導入して開発された製剤である。IL-5に対する親和性の向上および半減期の延長を通じて、26週に1回の投与が可能となった。

貧血を伴わない鉄欠乏は、中等度~重度のアトピー性皮膚炎で高頻度に認められる

 中等度~重度のアトピー性皮膚炎(AD)では、貧血を伴わない鉄欠乏が高頻度に認められるとする研究結果が、「Nutrients」に11月28日掲載された。  ヴロツワフ医科大学(ポーランド)のMalgorzata Ponikowska氏らは、AD患者における鉄代謝の状態を評価し、疾患重症度および生活の質(QOL)との関連を検討した。解析対象は、中等症~重症のAD成人患者86人であった。  解析の結果、ヘモグロビン値は概ね正常であるにもかかわらず、鉄欠乏を示す鉄バイオマーカーの異常が、AD患者に多く認められた。具体的には、患者の45%はトランスフェリン飽和度が低く(Tsat 20%未満)、37%はフェリチン値が低く、26%は血清鉄が低値であった。

呼吸器感染症やアレルギーに対する点鼻ワクチン、動物実験で有望な結果

 注射を何本も打たれるのが嫌でワクチン接種を避けてきた人にとって、希望の持てるニュースがある。米国の主要5大学の科学者たちが、将来的にはインフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、細菌性肺炎、さらには一般的なアレルギーにまで効果を発揮し得る点鼻スプレー型ワクチンの開発に大きな一歩を踏み出したのだ。このワクチンのマウスでの実験に携わった米スタンフォード大学医学部の微生物学・免疫学教授であるBali Pulendran氏は、「これは医療のあり方を一変させる可能性がある」と語っている。この研究の詳細は、「Science」に2月19日掲載された。

子どもの食物アレルギー、原因は遺伝だけではない

 子どもが食物アレルギーを発症するかどうかを決める要因は、遺伝子だけではないようだ。新たな研究で、抗菌薬の使用や他の免疫疾患の存在、アレルゲンとなる食品の導入が遅れることも、子どもの食物アレルギーの発症に関与している可能性のあることが示された。マクマスター大学(カナダ)のDerek Chu氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Pediatrics」に2月9日掲載された。Chu氏は、「われわれの研究結果は、食物アレルギーの傾向を遺伝だけで完全に説明することはできず、遺伝子、皮膚の健康、マイクロバイオーム、環境要因が重なり合って食物アレルギーの発症に関与していることを示している」とニュースリリースで述べている。