アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

バリシチニブ、中等~重症アトピー性皮膚炎への単剤有効性・安全性を確認

 経口JAK1/2阻害薬は、COVID-19重症患者のサイトカインストーム治療に有用と報告されている。その1つ、経口JAK1/2阻害薬バリシチニブは、わが国を含め70ヵ国で関節リウマチの治療薬として承認されているが、外用コルチコステロイド薬で効果不十分な中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)への同薬剤の有効性と安全性を検討した、米国・オレゴン健康科学大学のE. L. Simpson氏らによる、2件の第III相試験の結果が報告された。投与16週以内で臨床徴候と症状の改善が認められ、かゆみが速やかに軽減、安全性プロファイルは既知の所見と一致しており、新たな懸念は認められなかったという。これまで第II相試験において、バリシチニブと外用コルチコステロイド薬の併用が、ADの重症度を軽減することが示されていた。British Journal of Dermatology誌2020年8月号掲載の報告。

高リスク喘息児、ビタミンD3補充は有益か/JAMA

 喘息を有するビタミンD値が低い小児において、ビタミンD3補充はプラセボと比較して重度の喘息増悪発生までの期間を有意に改善しないことが、米国・ピッツバーグ小児病院のErick Forno氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験「VDKA試験」の結果、示された。重度の喘息増悪は、重大な病的状態を引き起こし大幅なコスト増を招く。これまで、ビタミンD3補充が小児の重度の喘息増悪を低減するかは明らかになっていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「所見は、今回の試験対象患児集団については、重度の喘息増悪の予防療法としてのビタミンD3補充を支持しないものだった」とまとめている。JAMA誌2020年8月25日号掲載の報告。

入院中の成人アトピー性皮膚炎患者、全身性感染症リスク増大

 成人アトピー性皮膚炎(AD)と全身性感染症との関連について、デンマーク・コペンハーゲン大学のCatherine Droitcourt氏らが全国規模のコホート研究を行った結果、入院治療中のAD患者において全身性感染症のリスクが増大していることが明らかになった。ADと全身性感染症との関連は指摘されていたが、これまでに行われた大規模研究はわずかで、関連性は明確にはなっていなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年8月1日号掲載の報告。

喘息治療の「ステップダウン」は安全か

 喘息があると、喘鳴などの症状をコントロールするために、複数の薬剤を必要とする場合が少なくない。しかし、一部の患者では、喘息を増悪させることなく薬剤を減らせる可能性があるとする研究結果を、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のChloe Bloom氏らが「PLOS Medicine」7月21日オンライン版に報告した。  喘息の治療では、喘鳴などの症状が現れたときにレスキュー使用するアルブテロールなどの「発作治療薬(リリーバー)」と、吸入ステロイド薬などの「長期管理薬(コントローラー)」が使用される。長期管理薬として使用される吸入薬は、症状がなくても喘息の再燃を促す炎症を抑えるために、毎日使用する必要がある。そのほか、長時間作用性気管支拡張薬とステロイド薬が配合された吸入薬や、さまざまな経口薬、生物学的製剤が使われることもある。

中等~重症アトピー性皮膚炎へのabrocitinib、第III相試験結果/Lancet

 中等症~重症アトピー性皮膚炎の青年および成人患者の治療において、経口選択的JAK1阻害薬abrocitinibの1日1回投与は、プラセボに比べ有効性が優れ、忍容性も良好であることが、米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが行った「JADE MONO-1試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年7月25日号に掲載された。中等症~重症アトピー性皮膚炎の全身療法では、高い有効性と良好なベネフィット・リスクプロファイルを有する経口薬が求められているという。abrocitinibは、第IIb相試験で、中等症~重症アトピー性皮膚炎の成人患者における有効性と良好な忍容性が報告されている。

前向きな気持ちがアレルギーを改善するメカニズム

 アレルギー疾患の症状は、気持ちが前向きなときは軽快することが、その詳しいメカニズムとともに明らかになった。脳内の「ドパミン報酬系」が活性化すると、アレルギー反応が抑制されるのだという。山梨大学医学部免疫学講座の中尾篤人氏らの研究によるもので、詳細は「Allergy」6月13日オンライン版に掲載された。  花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は、精神的なストレスにより症状が悪化することが知られている。その一方で、アレルギー疾患に対する新薬の臨床試験では、プラセボ効果(有効成分のない薬剤であってもそうと知らずに飲んだ際に、暗示などで生じる効果)が強く現れて、新薬の評価が困難になることも少なくない。

アトピーのそう痒、nemolizumab+外用薬で改善/NEJM

 アトピー性皮膚炎の治療において、nemolizumabと外用薬の併用は、プラセボと外用薬の併用に比べそう痒が大幅に減少し、湿疹面積・重症度指数(EASI)スコアや皮膚科学的生活の質指数(DLQI)も良好であるが、注射部位反応の発現率はnemolizumabで高いことが、京都大学の椛島 健治氏らが実施した「Nemolizumab-JP01試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年7月9日号に掲載された。nemolizumabは、アトピー性皮膚炎のそう痒と炎症に関与するインターロイキン(IL)-31受容体Aのヒト化モノクローナル抗体であり、投与は皮下注射で行われる。本薬は、第II相試験でアトピー性皮膚炎の重症度を軽減すると報告されている。  本研究は、アトピー性皮膚炎と中等度~重度のそう痒がみられ、外用薬に対する反応が不十分な日本人患者を対象とする16週間の二重盲検無作為化第III相試験で、2017年10月に開始され、2019年2月にデータ解析が行われた(マルホの助成による)。

アトピーの「痒み」に対するnemolizumabの有効性、第III相試験で確認/マルホ

 マルホ株式会社(大阪市、代表取締役社長:高木 幸一)は7月9日、中等度~重度のアトピー性皮膚炎に伴うそう痒を対象に、国内で実施したnemolizumabの第III相臨床試験の結果、主要評価項目である投与開始16週後のそう痒VAS変化率が、プラセボ群と比べ有意に低下させたことを発表した。本結果はThe New England Journal of Medicine誌オンライン版2020年7月9日号に掲載された。  nemolizumabは、中外製薬が創薬した抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体。IL-31は、そう痒誘発性サイトカインで、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹および透析患者におけるそう痒発生に関与していることが報告されているほか、アトピー性皮膚炎の炎症惹起および皮膚バリア機能の破綻についても関与が示唆されている。

喘息治療薬2剤の製造販売承認を取得/ノバルティス ファーマ

 ノバルティス ファーマ株式会社は、6月29日、LABA/LAMA/ICS配合喘息治療剤インダカテロール酢酸塩/グリコピロニウム臭化物/モメタゾンフランカルボン酸エステル(商品名:エナジア)とLABA/ICS配合喘息治療剤インダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステル(同:アテキュラ)の製造販売承認を取得したと発表した。  喘息は世界中で3億5,800万人(うちわが国では約800万人が罹患)の患者が推定され、症状がコントロール不十分な場合、個人的、健康的、経済的負担の点から重大な問題が生じるリスクが高くなる。また、症状コントロールが不十分な喘息患者は、疾患の重症度を軽視または過小評価する傾向があり、増悪、入院または死亡のリスクが高くなるという報告もある。

経口JAK1阻害薬、中等症~重症ADに有用

 試験は青年および成人について、同一試験デザインを用いて、二重盲検・並行群間比較にて行われた。被験者は12歳以上で、少なくとも1年以上の中等症~重症ADと臨床診断され、直近6ヵ月以内に4週間以上の外用薬治療を受けたが十分な奏効が得られなかった患者とした。オーストラリア、ブルガリア、カナダ、中国、チェコ、ドイツ、ハンガリー、日本、韓国、ラトビア、ポーランド、英国、米国の計115施設で2018年6月29日~2019年8月13日に被験者の登録が、2019年9月13日~10月25日にデータ解析が行われた。  適格患者は、2対2対1の割合で(1)経口abrocitinib(1日1回)200mg群、(2)同100mg群、(3)プラセボ群に無作為に割り付けられ、12週間投与を受けた。