「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」新薬5剤を含む治療アルゴリズムの考え方は
近年新規薬剤の発売が相次ぐアトピー性皮膚炎について、2024年10月に3年ぶりの改訂版となる「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」が発表された。外用薬のホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬ジファミラスト、注射薬の抗IL-31受容体A抗体ネモリズマブおよび抗IL-13受容体抗体トラロキヌマブ、経口JAK阻害薬ウパダシチニブおよびアブロシチニブの5剤が、今版で新たに掲載されている。ガイドライン策定委員会メンバーである常深 祐一郎氏(埼玉医科大学皮膚科)に、新薬5剤を含めた治療アルゴリズムの考え方について話を聞いた。
前版である2021年版のガイドラインで、治療アルゴリズムの骨格が大きく変更された。全身療法(注射薬と経口薬)の位置付けについて、寛解維持療法の選択肢に一部が加えられたほか、使用対象がその前の2018年版アルゴリズムの「重症・最重症・難治性状態」から「中等症以上の難治状態」に変更されている。そして各段階で「寛解導入できたか」という問いが加えられ、そのyes/noに応じて治療のPDCAサイクルを回していく構成となっている。この背景には、使用できる薬剤が増えたことが何よりも大きいと常深氏は話し、寛解導入に持っていくためにPDCAサイクルを回し、これらの薬剤を活用し、必ず寛解導入すること(Treat to Target)が重要とした。