外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:25

BRCA1/2変異保有者の避妊薬使用、乳がんリスクとの関連/JCO

 生殖細胞系列BRCA1/2変異保有者において、ホルモン避妊薬が乳がんリスクを増加させるかどうかは不明である。今回、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのKelly-Anne Phillips氏らの研究で、ホルモン避妊薬は、とくに長期使用で、BRCA1変異保有者の乳がんリスク上昇と関連することが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年10月2日号に掲載。  本研究では、4つの前向きコホート研究からプールされた観察データを用いて、避妊薬使用とBRCA1/2変異保有女性の乳がんリスクとの関連についてCox回帰を用いて評価した。

糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査、胃がん予防に有効か/JAMA

 国立台湾大学のYi-Chia Lee氏らは、糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査(HPSA)の勧奨が胃がんの罹患率および死亡率に与える影響を評価する目的でプラグマティックな無作為化臨床試験を行い、免疫学的便潜血検査(FIT)単独との比較において、HPSA+FITの勧奨は胃がんの罹患率や死亡率を低減しなかったことを報告した。ただし、検査への参加率と追跡期間の違いを考慮すると、HSPA+FIT群ではFIT単独群と比較し、胃がん死亡率に差はなかったが、罹患率低下との関連が示されたという。これまでHPSAが胃がんの罹患率と死亡率に及ぼす影響は不明であった。JAMA誌オンライン版2024年9月30日号掲載の報告。

切除可能な胃がんに対する術前化学放射線療法の有用性は?(解説:上村直実氏)

日本における胃がん治療は、遠隔臓器やリンパ節への転移がなく、がんの深達度が粘膜層までの場合は内視鏡治療が適応であり、がんが粘膜下層以深に達しているときは通常、外科治療が選択され、手術後の病理組織学的検査の結果で必要に応じて薬物療法が追加されるのが一般的である。なお、術前検査で遠隔臓器への転移がある場合などの切除不能がんには化学療法などの治療法が検討される(日本胃癌学会編『胃癌治療ガイドライン 2021年7月改訂 第6版』)。一方、欧米諸国における胃がん診療は、わが国と大きく異なっている。医療保険制度の違いから内視鏡検査の適応がまったく異なることから内視鏡的切除が可能な早期胃がんの発見は稀であり、胃がんといえば進行がんが大半を占めている。

転移を有する乳がん、ctDNA変化と生存率の関連~メタ解析

 転移を有する乳がん患者の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)における特定のゲノム変化の検出は、全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)、無病生存期間(DFS)の悪化と関連していたことを、カナダ・Research Institute of the McGill University Health CentreのKyle Dickinson氏らがシステマティックレビューおよびメタ解析によって明らかにした。JAMA Network Open誌2024年9月5日号掲載の報告。

大手術前のRAS阻害薬は中止すべき?/JAMA

 非心臓大手術を受ける患者では、レニン-アンジオテンシン系阻害薬(RASI:ACE阻害薬またはARB)の投与を手術の48時間前に中止する方法と比較して、手術当日まで投与を継続する方法は、全死因死亡と術後合併症の複合アウトカムの発生率が同程度で、術中の低血圧の発現を増加させ、低血圧持続時間も長いことが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMatthieu Legrand氏らStop-or-Not Trial Groupが実施した「Stop-or-Not試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2024年9月24日号に掲載された。

乳がん術後放射線療法、最適な分割照射法は?/BMJ

 乳がん術後放射線療法において、中等度寡分割照射(MHF)は通常分割照射(CF)と比較して腫瘍学的な治療アウトカムが同等でありながら安全性、美容およびQOLを改善し、超寡分割照射(UHF)はMHFやCFと比較した無作為化比較試験は少ないものの、短期間の追跡ではその安全性と腫瘍学的有効性は同程度であった。シンガポール国立大学のShing Fung Lee氏らが、システマティックレビューおよびメタ解析の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「治療期間の短縮、患者の利便性の向上ならびに費用対効果などを考慮すると、MHFおよびUHFは適切な臨床状況ではCFよりも好ましい選択肢とみなされなければならない。これらの知見を確かなものにするためにはさらなる研究が必要である」とまとめている。BMJ誌2024年9月11日号掲載の報告。

HR+/HER2-転移乳がんへのSG、アジア人での第III相試験(EVER-132-002)

 転移/再発のHR+/HER2-乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン(SG)の有用性を検討したTROPiCS-02試験において、SGが化学療法に比べ無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善したことが報告されているが、本試験にはアジア人患者が3%しか登録されていない。今回、アジア人患者を対象とした無作為化第III相試験(EVER-132-002)で、SGが化学療法と比べPFSおよびOSの有意かつ臨床的意義のある改善を示したことを、中国・Chinese Academy of Medical Sciences & Peking Union Medical CollegeのBinghe Xu氏らが報告した。Nature Medicine誌オンライン版2024年10月1日号に掲載。

出産数・初産年齢とマンモグラフィ濃度の関連~22ヵ国1万1千人のデータ

 年齢やBMIはマンモグラフィ濃度(MD)に強く影響すると同時に乳がん発症リスクとも関連することが確立されているが、出産数、初産年齢、授乳歴とMDとの関連は明らかになっていない。今回、アイルランド・RCSI University of Medicine and Health SciencesのJessica O’Driscoll氏らが、International Consortium of Mammographic Density(ICMD)で検討した結果、出産数とMDは逆相関、初産年齢とMDは正相関し、乳がんリスクとの関連性と一致することが示された。Breast Cancer Research誌2024年9月30日号に掲載。

切除可能胃・食道胃接合部がん、術前化学放射線療法の追加は有効か/NEJM

 切除可能な胃または食道胃接合部の腺がんの治療において、周術期化学療法単独と比較して、周術期化学療法に術前化学放射線療法を追加しても全生存期間および無増悪生存期間は改善せず、治療関連の毒性作用の発現は同程度であることが、オーストラリア・メルボルン大学のTrevor Leong氏らが実施したTOPGEAR試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2024年9月14日号で報告された。  TOPGEAR試験は、10ヵ国(オーストララシア、カナダ、欧州)の70施設で実施した無作為化第II/III相試験であり、2009年9月~2021年5月に参加者を登録した(オーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]などの助成を受けた)。第II相の結果はすでに公表されており、今回は第III相の最終結果が報告された。