呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:80

発熱に対する解熱薬と身体冷却、死亡リスクに影響するか/BMJ

 成人発熱患者に対する治療(解熱薬、身体冷却)は、死亡や重篤な有害事象のリスクに影響しないことが、スウェーデン・ルンド大学のJohan Holgersson氏らが実施したシステマティック・レビューとメタ解析で示された。これまでの試験は特定の患者群あるいは特定の発熱治療に焦点を当てたもので、統計学的な検出力に限界があり、発熱患者における発熱治療のリスクとベネフィットは不明であった。BMJ誌2022年7月12日号掲載の報告。

若年層での3回目接種、オミクロン株流行下も感染率低下/JAMA

 若年層での新型コロナウイルスワクチンのブースター接種の有効性を検討するため、米国の医療情報コンサルティング企業のIQVIAは、全米プロバスケットボール協会(NBA)の選手およびスタッフにおいて、ブースター接種者と未接種者の感染発生率を調査した結果、オミクロン株流行期でも、ブースター接種が感染率を有意に低下させることが示された。本結果は、JAMA誌2022年6月2日号オンライン版のリサーチレターに掲載された。

腎機能障害がCOVID-19重症化に独立して関連―国内多施設共同研究

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院時に腎機能障害を有することが、COVID-19重症化リスクと独立して有意に関連していることが国内の研究から明らかになった。横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター内科の佐藤亮佑氏、松澤泰志氏、同大学大学院医学研究科循環器・腎臓・高血圧内科学の田村功一氏らによる多施設共同研究の結果であり、詳細は「Clinical and Experimental Nephrology」に6月3日掲載された。  肺炎や尿路感染症などの感染症での入院時には、腎機能障害が予後に関連していることが既に知られている。ただしCOVID-19入院患者での腎機能と予後との関連は不明。松澤氏らはこの点について、国内8病院の入院患者のデータを遡及的に解析した。

mRNAワクチン後の心筋炎、予防に有効な接種間隔は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン接種後の心筋炎のリスクが最も高いのは、思春期および若年成人の男性であり、これらの集団ではモデルナ製よりファイザー製のワクチンを用い接種間隔は30日以上が望ましいこと、5~11歳の小児での心筋炎発症は非常に稀でエビデンスの確実性は低いことなどを、カナダ・アルバータ大学のJennifer Pillay氏らが、システマティック・レビューの結果、報告した。著者は、「mRNAワクチンに関連した心筋炎は良性と思われるが、長期追跡データは限られており、生検や組織形態学等の適切な検査を用いた前向き研究によりメカニズムの解明が進むだろう」とまとめている。BMJ誌2022年7月13日号掲載の報告。

ノババックス製ワクチン、12歳以上の接種を承認/添付文書改訂

 厚生労働省は7月21日、ノババックス製新型コロナウイルスワクチン「組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン」(商品名:ヌバキソビッド筋注)について添付文書を改訂し、初回免疫(1回目・2回目)の接種対象者の年齢を、18歳以上から12歳以上に引き下げたことを発表した。なお、本ワクチンの3回目の追加接種は、従来どおり18歳以上が対象となっている。また、初回免疫でほかのメーカーのワクチンを接種した者に対しては、ノババックス製ワクチンを3回目に使用した際の有効性と安全性は確立していないとしている。

異種ワクチンでのブースター接種、安全性は?/BMJ

 新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン接種について、「ChAdOx1-S」(アストラゼネカ製)によるプライマリ接種とmRNAワクチン(「BNT162b2」[ファイザー製]または「mRNA-1273」[モデルナ製])によるブースター接種(異種ワクチン接種)は、プライマリ+ブースターをすべてmRNAワクチンで接種した場合(mRNA同種ワクチン3回接種)と比べて、重篤な有害イベントリスクの増大は認められなかったことを、デンマーク・Statens Serum InstitutのNiklas Worm Andersson氏らが報告した。同国内でワクチン接種をした成人を対象に行ったコホート試験の結果で、これまで異種ワクチンの安全性に関する情報は不十分だった。BMJ誌2022年7月13日号掲載の報告。

オミクロン株流行時期における5~11歳児に対するBNT162b2ワクチンの有効性(解説:寺田教彦氏)

本研究はBNT162b2ワクチンのオミクロン株流行時期における5~11歳を対象にした研究である。オミクロン株の流行中に新規のワクチン接種を受けた小児におけるBNT162b2ワクチンの有効性を推定するため、イスラエル最大の医療組織であるクラリット・ヘルス・サービス(CHS)のデータを用いて2021年11月23日以降にワクチン接種を受けた5~11歳児と未接種の対照をマッチさせてSARS-CoV-2感染の予防、有症状のCOVID-19患者を比較しており、和文要約は「オミクロン株流行中の5~11歳のワクチン接種、実際の有効性は?/NEJM」に記載がある。

ロルラチニブのALK肺がん1次治療、3年追跡PFSのHR0.27、脳転移進行のHR0.02(CROWN)/Cancer Res

 未治療のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるロルラチニブの第III相CROWN試験の3年追跡の結果が、米国がん研究協会年次総会(AACR 2022)で発表され、良好な生存ベネフィットとともに、脳転移例に対して強力な有効性を示した。  ALK陽性肺がんに適応を有するALK阻害薬は、現在わが国で5種類承認されており、いずれも良好な成績を示す。近年は各薬剤の1次治療の成績が発表されている。その中で最もALK阻害作用が強いロルラチニブの1次治療を評価するCROWN試験の結果が注目される。

スマートウォッチでCOVID-19を早期発見できる?

 スマートウォッチにより、新型コロナウイルスに感染したかどうかが分かる日が来るかもしれない。皮膚温や心拍数、呼吸数の変化をモニタリングできるウェアラブルアクティビティトラッカー(活動量計)に人工知能(AI)を組み合わせることで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症前に感染を特定できる可能性が、新たな研究で示唆された。Dr Risch Medical Laboratory(リヒテンシュタイン)のLorenz Risch氏らが実施したこの研究の詳細は、「BMJ Open」に6月21日掲載された。

コロナPCR検査等の誤判定、日本での要因は?

 新型コロナウイルス感染症の診断において、PCRをはじめとする核酸検査には高い信頼性が求められており、厚生労働省では、その測定性能や施設の能力の違いの実態把握と改善を目的として、2年にわたり「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」委託事業を行っている。今回、令和3年度調査結果について報告書がまとめられ、日本臨床検査薬協会(臨薬協)と日本分析機器工業会(分析工)がメディア勉強会を開催。同調査を実施、報告をとりまとめた宮地 勇人氏(新渡戸文化短期大学 副学長)が講演した。