呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:72

看護施設スタッフの検査強化で、入所者のコロナ関連死減少/NEJM

 米国の高度看護施設(skilled nursing facilities)において、職員に対する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)サーベイランス検査の強化は、とくにワクチン承認前において、入所者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症および関連死の、臨床的に意味のある減少と関連していた。米国・ロチェスター大学のBrian E. McGarry氏らが、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のデータベースを用いた後ろ向きコホート研究の結果を報告した。高度看護施設の職員へのCOVID-19サーベイランス検査は広く行われているが、施設入所者のアウトカムとの関連性についてのエビデンスは限定的であった。NEJM誌2023年3月23日号掲載の報告。

日本化薬のペメトレキセドGE、非小細胞肺がんの術前補助療法の適応取得

 日本化薬は、2023年3月27日、厚生労働省よりペメトレキセド点滴静注液100mg「NK」・同500mg「NK」・同800mg「NK」、ペメトレキセド点滴静注用100mg「NK」・同500mg「NK」・同800mg「NK」について、「扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌における術前補助療法」に対する効能・効果、ならびに用法・用量に係る医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。

コロナ疾患後症状患者、1年以内の死亡/重篤心血管リスク増

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染から1年間のコロナ罹患後症状(Post-COVID-19 Condition:PCC[いわゆるコロナ後遺症、long COVID])について、米国の商業保険データベースを用いて未感染者と比較した大規模調査が、保険会社Elevance HealthのAndrea DeVries氏らによって実施された。その結果、PCC患者は心血管疾患や呼吸器疾患のリスクが約2倍上昇し、1年間の追跡期間中の死亡率も約2倍上昇、1,000人あたり16.4人超過したことが明らかとなった。JAMA Health Forum誌2023年3月3日号に掲載の報告。  米国50州の18歳以上の健康保険会員において、2020年4月1日~7月31日の期間にCOVID-19に罹患し、その後PCCと診断された1万3,435例と、未感染者2万6,870例をマッチングし、2021年7月31日まで12ヵ月追跡してケースコントロール研究を実施した。

経鼻投与の百日咳ワクチン、単回でも感染抑制の可能性/Lancet

 経鼻投与型の弱毒生百日咳ワクチンであるBPZE1は、鼻腔の粘膜免疫を誘導して機能的な血清反応を引き起こし、百日咳菌(Bordetella pertussis)感染を回避し、最終的に感染者数の減少や流行の周期性の減弱につながる可能性があることが、米国・ILiAD BiotechnologiesのCheryl Keech氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2023年3月11日号で報告された。  研究グループは、BPZE1の免疫原性と安全性を破傷風・ジフテリア・沈降精製百日咳ワクチン(Tdap)と比較する目的で、米国の3施設で二重盲検無作為化第IIb相試験を行った(ILiAD Biotechnologiesの助成を受けた)。

ニボルマブのNSCLCネオアジュバント、国内承認/小野薬品・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2023年3月27日、ニボルマブについて、化学療法との併用療法で非小細胞肺癌における術前補助療法に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認の取得を発表した。  今回の承認は、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の術前補助療法として、ニボルマブと化学療法の併用療法を化学療法単独と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相試験であるCheckMate 816試験の結果に基づいている。

切除可能非小細胞肺がんに対する 術前・後ペムブロリズマブ、無イベント生存期間を改善(KEYNOTE-671)/MSD

 Merck社は2023年3月1日、Stage II、IIIA、IIIB(T3-4N2)の切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する周術期療法としてのペムブロリズマブを評価する第III相KEYNOTE-671試験において、2つの主要評価項目のうち無イベント生存期間(EFS)を達成したことを発表した。周術期療法レジメンには術前補助療法(ネオアジュバント療法)とそれに続く術後補助療法(アジュバント療法)が含まれる。

3回接種後の効果、ファイザー製/モデルナ製各160万人で比較/BMJ

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のデルタ変異株~オミクロン変異株の流行期において、BNT162b2(ファイザー製)ワクチンまたはmRNA-1273(モデルナ製)ワクチンによるブースター接種はいずれも、接種後20週以内のSARS-CoV-2感染および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院に関して適度な有益性があることが、英国・オックスフォード大学のWilliam J. Hulme氏らのマッチドコホート研究で明らかとなった。BMJ誌2023年3月15日号掲載の報告。  研究グループは、OpenSAFELY-TPPデータベースを用いてコホート研究を行った。本データベースは英国の一般診療所の40%をカバーし、国民保健サービス(NHS)番号を介して救急外来受診記録、入院記録、SARS-CoV-2検査記録および死亡登録と関連付けられている。

免疫チェックポイント阻害薬などを横断的に概説、『がん免疫療法ガイドライン』改訂/日本臨床腫瘍学会

 がんに対する免疫を介在した治療方法(がん免疫療法)は、新しい薬剤の開発および臨床試験の蓄積により近年急速に発展している。CTLA-4やPD-1/PD-L1といった免疫チェックポイントを標的とした免疫チェックポイント阻害薬(ICI)ががん種横断的に承認されているほか、エフェクターT細胞療法や、複数のICIを組み合わせて使う併用療法、ICIと従来の抗がん剤、分子標的薬、血管新生阻害薬、放射線治療等とを組み合わせた治療法も続々と登場している。

EGFR-TKI抵抗性NSCLC、HER3-DXd最新データ(U31402-A-U102)/日本臨床腫瘍学会

 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)抵抗性のEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、抗HER3抗体薬物複合体patritumab deruxtecan(HER3-DXd)を投与したU31402-A-U102試験について、最新の結果が報告された。2023年3月16日~18日に開催された第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)で近畿大学病院の林 秀敏氏が発表した。  HER3はHERファミリーに属する受容体型チロシンキナーゼ(RTK)であり、ホモダイマーを形成することはできず、ヘテロダイマーを形成することにより、対となるRTKを活性化するとされている。主にHER2とヘテロダイマーを形成する。

手術前後デュルバルマブ、非小細胞肺がんの無イベント生存を有意に延長(AEGEAN)/AZ

 アストラゼネカ社は2023年3月9日、第III相AEGEAN試験の中間解析の結果を発表した。切除可能な早期(IIA~IIIB期)非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした同試験の中間解析において、術前での化学療法とデュルバルマブの併用および術後デュルバルマブ単剤治療は、術前化学療法単独と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無イベント生存期間(EFS)延長を示している。