放射線科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

小児高悪性度神経膠腫への遺伝子組み換えヘルペスウイルスG207、第I相試験結果/NEJM

 小児の再発/進行性高悪性度神経膠腫(HGG)患者において、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)G207の腫瘍内投与単独または放射線療法併用は、忍容性が良好であることが認められた。米国・アラバマ大学バーミングハム校のGregory K. Friedman氏らが、第I相試験の結果を報告した。再発/進行性HGGの小児/青年の予後は不良で、これまでの報告では全生存(OS)期間中央値はわずか5.6ヵ月とされている。G207は、HSV-1を用いた遺伝子組み換え腫瘍溶解性ウイルスで、成人HGG患者の第I相試験で腫瘍内投与と単回放射線照射併用の安全性が確認され、前臨床試験において小児脳腫瘍モデルはG207による腫瘍溶解に高い感受性があることが示されていた。小児HGGは、腫瘍浸潤リンパ球がほとんどない免疫学的に“silent”または“cold”tumorであるが、著者は「G207により、免疫学的に“cold”tumorが“hot”tumorに変わった」とまとめている。NEJM誌オンライン版2021年4月10日号掲載の報告。

定期的なマンモグラフィで乳がん死亡リスクが低下

 マンモグラフィによるスクリーニング検査を定期的に受けることで、乳がんによる死亡のリスクを大幅に低減できるとする大規模研究の結果を、英ロンドン大学クイーンメアリー校教授のStephen Duffy氏らが報告した。この研究の詳細は、「Radiology」に3月2日掲載された。  マンモグラフィによる乳がんのスクリーニング検査は、乳がんの早期発見を可能にし、乳がんによる死亡の減少に貢献してきた。このようなマンモグラフィの有益性に対する専門家らの見解は一致しているものの、受診の開始時期や頻度については、医療団体の間で議論が続いている。米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、平均的なリスクの女性は50歳からマンモグラフィ検査の受診を開始し、74歳まで2年ごとに受診することを推奨している。一方、米国がん協会(ACS)は、40~44歳は任意で毎年、45~54歳は毎年、55歳以降は任意で2年ごとのマンモグラフィ検査の受診を推奨している。

高度狭窄なくても脆弱なプラークを持つ脆弱な患者を近赤外分光法‐血管内超音波検査で同定できる(解説:佐田政隆氏)-1373

急性心筋梗塞の発症原因として、軽度な狭窄しか来さない動脈硬化病変の破裂やびらんに起因する急性血栓性閉塞が注目されている。破綻した病変では、脂質コアの増大、被膜の菲薄化、平滑筋細胞数の減少などが認められる。しかしプラーク不安定化の機序などに関しては不明な点が多く、急性冠症候群の発症を予知することは困難であった。バイオマーカーとして高感度CRP、ペントラキシン3などが急性冠症候群の発症を予測する因子となることが報告されているが特異度が十分とはいえない。一方、冠動脈CT、血管内超音波、MRI、OCT(光干渉断層撮影)など不安定プラークを検出するイメージング技術は開発されてきたが、いまだゴールデンスタンダードとなる方法が存在しないのが現状であった。

ハイリスク非責任病変の識別に、NIRS-IVUSが有望/Lancet

 近赤外分光法血管内超音波検査(NIRS-IVUS)で検出した高脂質性で大きなプラークを伴う非閉塞性病変は、将来的な有害心イベントリスク増大を検出することが示された。スウェーデン・ルンド大学のDavid Erlinge氏らが、直近の心筋梗塞患者898例を対象に行った多施設共同前向き自然経過試験「PROSPECT II」の結果を報告した。NIRS-IVUSは、冠動脈関連イベントを引き起こす可能性がある非閉塞性プラークの特定に有望とされる画像診断法である。研究グループは、その検出力が将来的な主要心血管イベント(MACE)のリスクを有する患者を特定しうるのか検討した。Lancet誌2021年3月13日号掲載の報告。

最新技術が解き明かす古代ファラオの死の謎

 最新技術を用いた研究により、古代エジプトのファラオ(王)の死に関する謎が解明された。1881年にデルエルバハリの隠し墓で発見されたセケンエンラー・タア2世(タア2世)のミイラをCTスキャンで調べることにより、タア2世の死の詳細が明らかになったという。カイロ大学(エジプト)教授のSahar Saleem氏と元エジプト考古学省大臣のZahi Hawass氏によるこの研究結果は、「Frontiers in Medicine」に2月17日掲載された。  タア2世は古代エジプト第17王朝のファラオで、異民族のヒクソスが約1世紀にわたり王国全土を占領していた時期(紀元前1650~1550年頃)に、下エジプトを短期間(紀元前1558〜1553年頃)支配した。タア2世はヒクソスを駆逐するための戦いに挑んだが、その最中に捕らえられ、死亡した。死因は、ヒクソス王自身の手によって処刑されたというものが有力であるが、側近の陰謀により就寝中に暗殺されたという説などもある。1960年代にX線などを用いて行われた調査では、タア2世は頭部に複数の深い傷を負っていたのに対し、身体には目立った外傷がなかったことが報告されている。

PSMA標的治療のルテチウム-177、転移のある去勢抵抗性前立腺がんに有効/Lancet

 ドセタキセル治療が無効となった転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)男性の治療において、ルテチウム-177[177Lu]Lu-PSMA-617はカバジタキセルと比較して、前立腺特異抗原(PSA)反応(PSA値のベースラインから50%以上の低下)の達成率が高く、Grade3/4の有害事象の頻度は低いことが、オーストラリア・Peter MacCallumがんセンターのMichael S. Hofman氏らが行った「TheraP(ANZUP 1603)試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年2月11日号で報告された。[177Lu]Lu-PSMA-617は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)を発現する細胞にβ線を照射する放射線標識低分子化合物であり、mCRPC患者において抗腫瘍活性と安全性が確認されている。

肺がん放射線、左前下行枝照射量と心臓有害事象の関係/JAMA Oncol

 放射線療法が冠動脈疾患(CHD)のリスクを高めることは知られているが、胸部への照射が避けられない肺がんではどうすべきか。米国・ダナ・ファーバーがん研究所およびブリガム&ウィメンズ病院のKatelyn M. Atkins氏らは、最適な心臓線量の制限がCHDの既往の有無で異なる可能性があることを明らかにした。著者は、「心臓リスクの層別化と積極的なリスク軽減戦略を改善するために、今回示された制限についてさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Oncology誌オンライン版2020年12月17日号掲載の報告。

金属入りのマスクがMRI検査時にやけどの原因に

 米食品医薬品局(FDA)は12月7日、金属製の部品が使われているか、金属のコーティングが施された素材で作られたマスクを着用したままMRI検査を受けると、顔面をやけどする恐れがあるとして、患者や医療従事者に注意喚起した。マスクに使われている、ノーズピースと呼ばれる鼻部分のワイヤーやナノ粒子(超微粒子)、銀や銅などの金属を含有する抗菌コーティングなどが、MRIから発生する電磁波の影響で発熱することがあるためだという。  FDAは最近、金属を含むマスクを着用したまま頸部のMRI検査を受けた患者が、顔にマスクの形のやけどを負った事例の報告を受けた。これを受けてFDAは、患者や医療従事者に対して、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによりマスクの使用が増えている。患者および医療従事者は、金属入りのマスクを着用したままMRI検査を行うと、やけどを負うリスクがあることを認識しておいてほしい」と呼び掛けている。

MRI非対応心臓デバイス装着患者でもMRI検査は安全

 ペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)などの植込み型心臓デバイス(CIED)を利用している人は、装着しているデバイスがMRI対応のものでない限り、MRIスキャンを受けることができないとされてきた。しかし、米セントルークス病院ミッドアメリカ心臓研究所のSanjaya Gupta氏らが実施した研究で、一定の対策を講じれば、このような患者に対してもMRI検査を安全に実施できることが明らかにされた。この研究の詳細は、「Radiology: Cardiothoracic Imaging」10月22日オンライン版で報告された。

マンモ検診開始、40歳への引き下げは乳がん死を減少/Lancet Oncol

 40代から始めるマンモグラフィ検診の乳がん死への効果について、英国で行われた無作為化試験「UK Age試験」の最終結果が、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のStephen W. Duffy氏らにより公表された。40歳または41歳という、より若い年齢から始める毎年のマンモグラフィ検診は、乳がん死の相対的な減少と関連していることが示されたという。フォローアップ10年以降は有意差がみられなくなっていたが、絶対的減少は変わらなかった。結果を踏まえて著者は、「スクリーニング開始年齢を50歳から40歳に引き下げることは、乳がん死を減少すると思われる」とまとめている。Lancet Oncology誌2020年9月号掲載の報告。  研究グループは、40~48歳時のマンモグラフィ検診の乳がん死への影響を推定する無作為化試験を行った。英国全土にわたる23ヵ所の乳がん検診施設で被験者を募り、39~41歳の女性を、一般医(GP)で層別化して1対2の割合で無作為に介入群と対照群に割り付けた。