精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:394

世界初!「WEB版」気分変動アンケート、その後の臨床に有益

WEBベースで行う気分変動調査(Mood Swings Questionnaire:MSQ)など自己診断双極性障害スクリーニングの尺度は、高い認容性を有し、良好なアウトカムに結びつくことが明らかにされた。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のParker氏らが、WEB自己スクリーニング尺度の臨床への有用性を検討する公式では初となる試験の結果、報告した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年10月5日号の掲載報告。

統合失調症患者の「自傷行為」に関連する予測因子

精神疾患患者の自殺予防は、日本のみならず世界各国で重要な課題となっている。英国 シェフィールド大学Pluck氏らは、統合失調症患者の自傷行為における臨床的および神経心理学的側面を人口統計学的に調査し、臨床的介入に最も関連する独立した予測因子の検証を行った。Eur Psychiatry誌オンライン版2012年10月9日号の報告。

認知症患者における「せん妄診断」有用な診断ツールは…

せん妄は、高齢者入院患者の50%に出現するといわれており、さまざまな悪影響を及ぼすため、対応方法の確立が急がれる。せん妄の診断ツールはいくつか開発されており、数々の報告がなされている。Morandi氏らは認知症患者にみられるせん妄の診断において、それぞれの診断ツールが有用であるかをシステマティックレビューにより解析した。J Am Geriatr Soc誌オンライン版2012年10月5日号の報告。

統合失調症の症状悪化に関連?「喫煙」「肥満」の影響

 これまで多くの研究者が、統合失調症などの精神疾患患者における不規則な生活がその後の症状や治療と関連しているかどうかを検討している。Cerimele氏らは統合失調症や双極性障害患者における健康リスク行動(health risk behaviors)が、その後の症状や機能レベルに関連づけられるかを検証するため、システマティックレビューを行った。Gen Hosp Psychiatry誌オンライン版2012年10月5日号の報告。

アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う?

アルツハイマー病患者にしばしばみられる精神症状や興奮、攻撃性に苦慮することは少なくない。このような症状に対し抗精神病薬が使用されることもあるが、使用中止による症状再発の危険性は確立されていない。Devanand氏らは、アルツハイマー病患者の精神障害や興奮に対する抗精神病薬の使用を中止した際の再発リスクを検証した。N Engl J Med誌2012年10月18日号の報告。

100年前と比べ統合失調症患者の死亡は4倍増、最大の死因は自殺、とくに若者で

英国・Hergest UnitのHealy D氏らは、統合失調症および関連する精神病の死亡動向について、20世紀初頭と直近とを比較するコホート研究(1875~1924年コホートvs.1994~2010年コホート)を行った。その結果、死亡率は4倍に増大しており、最大の死因は自殺であることなどが明らかとなった。筆者は、「死亡率は大幅に増大した。しかしながら特定領域については介入が可能であり、解析データは、早期介入が、統合失調症患者に標準的な寿命を与える可能性があることを示している」とまとめた。BMJ誌オンライン版2012年10月8日号の掲載報告。

バイポーラの躁症状に対するアリピプラゾールの位置付けは?

近年、わが国では双極性障害に適応を有する薬剤が次々と承認されている。従来、気分安定薬を中心とした薬剤が主流であったが、非定型抗精神病薬も使用可能となった。双極性障害患者の急性躁症状に対し、明確な薬理学的および副作用プロファイルを有するアリピプラゾールをどのように使用すべきだろうか。英国のDratcu氏らは、双極性障害患者の急性躁症状に対し、アリピプラゾールの豊富な使用経験を有する英国の医療専門家による委員会にて議論を行った。Int J Psychiatry Clin Pract誌2012年10月号の報告。

検証!向精神薬とワルファリンの相互作用

ワルファリンと向精神薬との薬物相互作用について、米国・ボストン大学医療センターのNadkarni A氏らが最新の文献レビューを行い、「特定の症例では、服用する向精神薬によって抗凝固療法を変更しなければならない可能性がある」ことを報告した。承認される向精神薬が増加し、ワルファリン療法を受けている患者が同時服用する可能性が増えている。しかし、ワルファリンと向精神薬との薬物相互作用に関する直近の文献レビューは10年以上前のものしかなかった。Pharmacotherapy誌2012年10月号の報告。

特定の抗うつ薬使用で脳内ヘモグロビン濃度が増加!:名古屋大学

 近年、日本の研究者たちは脳活動の変化に基づいて精神疾患を診断するために、近赤外分光法(NIRS)を用いた研究を行ってきた。NIRSとは、近赤外光を生体外から照射し、組織内を透過した光を分析することにより、組織血液中におけるヘモグロビンの状態を調べる方法である。しかし、NIRS測定における向精神薬の影響については明らかになっていない。名古屋大学 幸村氏らはNIRSを用いて健常者の前頭前野活性に対する抗うつ薬の鎮静効果を評価した。その結果、ミルタザピンの投与によりヘモグロビン濃度の増加が認められたことを報告した。Psychopharmacology (Berl)誌オンライン版2012年10月5日号の掲載。