小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:45

12~18歳の新型コロナワクチン有害事象、女子に高リスク傾向/日本化学療法学会

 現在、12~18歳の約75%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えているという。この年齢層での新型コロナウイルスワクチンの有害事象の調査結果について、大阪医科薬科大学の小川 拓氏が、2022年6月3日~5日に開催された第70回日本化学療法学会総会にて発表した。  ワクチン接種による有害事象は12~18歳も成人データと大きく変わらない 本研究では、中学校・高等学校の生徒のうち、新型コロナウイルスワクチンの接種を、希望者469人に対して、2021年9月25日~10月28日に職域接種として行った。1回目はすべてモデルナ製ワクチン(0.1mg)であったが、若年男性に心筋炎・心膜炎のリスクがあることが厚生労働省から発表されたことを受け、2回目は男子に限りモデルナ製に加え、ファイザー製ワクチン(0.225mg)も選択可能とした。男子108人(うち2回目ファイザー製72人)、女子44人の計152人が研究に参加した。被験者に、新型コロナウイルスワクチンの有害事象でよく見られる症状を記載したアンケート形式の健康観察票に、2週間分を記録してもらった。

10~18歳2型DMにデュラグルチド週1回投与は有効か/NEJM

 10~18歳の2型糖尿病において、GLP-1受容体作動薬デュラグルチドの週1回投与(0.75mgまたは1.5mg)は、メトホルミン服用や基礎インスリンの使用を問わず、26週にわたる血糖コントロールの改善においてプラセボよりも優れることが、米国・ピッツバーグ大学のSilva A. Arslanian氏らによる検討で示された。BMIへの影響は認められなかった。NEJM誌オンライン版2022年6月4日号掲載の報告。  研究グループは、10歳以上18歳未満の2型糖尿病で、BMIが85パーセンタイル超、生活習慣の改善のみ、もしくはメトホルミン治療(基礎インスリン併用または非併用)を受ける154例を対象に、26週にわたる二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った。

I型SMAに対するエブリスディ:3年間の新たな成績

 第63回日本神経学会学術大会にて、症候性I型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)の乳児を対象にエブリスディの有効性および安全性を検討した、FIREFIS試験の3年間の新たな成績が発表された。  SMAは、脊髄の運動神経細胞が選択的に障害されることによって、体幹や手足の近位部優位の筋力低下や筋萎縮などの症状が現れる。新生児~乳児期(生後0~6ヵ月)に発症するI型は重症型で、一人で坐位を保つことができず、無治療の場合は、1歳までに呼吸筋の筋力低下による呼吸不全の症状をきたす。また、治療をせず、人工呼吸器の管理を行わない状態では、90%以上が2歳までに死亡する。

小児の中等症~重症尋常性乾癬、イキセキズマブは長期で有効・安全

 世界中の小児・青少年の約1%が尋常性乾癬にさらされているというが、また1つ朗報がもたらされた。中等症~重症の尋常性乾癬を有する小児に対し、生物学的製剤イキセキズマブの投与について、108週の長期的な有効性と安全性が確認されたことを、米国・ノースウェスタン大学フェインバーグ校のAmy S Paller氏らが報告した。  患者報告に基づくアウトカム改善と客観的測定による完全な皮膚クリアランスが示され、得られた奏効率は試験期間中維持されていた。また安全性は、同一集団において以前に報告された所見と一致しており、イキセキズマブ治療の既知の安全性プロファイルと一致していたという。JAMA Dermatology誌2022年5月号掲載の報告。

RSウイルスによる死亡率、生後6ヵ月未満で高い/Lancet

 2019年に、5歳未満(生後0~60ヵ月)の小児における呼吸器合胞体(RS)ウイルス(RSV)への罹患とこれによる死亡の負担は、とくに生後6ヵ月未満の乳幼児および低~中所得国の小児において世界的に大きく、生後0~60ヵ月の小児では50件の死亡のうち1件が、28日~6ヵ月の乳幼児では28件の死亡のうち1件がRSVに起因しており、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では約3件のRSV関連死が発生していると推定されることが、英国・エディンバラ大学のYou Li氏らが実施したRESCEU研究で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年5月28日号に掲載された。

母親の育児ストレスと子供のADHDとの関連~日本の出生コホート研究

 注意欠如多動症(ADHD)は幼児期に発症し、その後、生涯にわたり影響を及ぼす疾患であるが、早期診断や介入により、臨床アウトカムの最適化を図ることができる。長期的または過度な育児ストレスは、ADHDなどの発達障害に先行してみられる乳児の行動の差異に影響している可能性があることから、幼少期の定期的評価には潜在的な価値があると考えられる。東京都医学総合研究所の遠藤 香織氏らは、母親の育児ストレスが子供のADHDリスクのマーカーとして利用可能かを明らかにするため、出産後1~36ヵ月間の母親の育児ストレスとその子供の青年期初期におけるADHDとの関連について、定期的に収集した自己報告を用いて調査を行った。その結果、出産後9~10ヵ月、18ヵ月、36ヵ月での育児ストレスと12歳時点での子供のADHD症状との関連が認められ、自己報告による育児ストレスのデータはADHDリスクの初期指標として有用である可能性が示唆された。このことから著者らは、ADHDの早期発見と介入を促進するためにも、幼少期の健康診断、育児ストレスの評価、家族のニーズに合わせた支援を行う必要があることを報告している。Frontiers in Psychiatry誌2022年4月28日号の報告。

ADHD児の不注意重症度と野菜や果物など食事の質との関係

 注意欠如多動症(ADHD)は、米国の小児においては有病率が8~10%といわれる神経発達障害である。ADHDの症状には不注意や多動性/衝動性が認められるが、反抗挑戦性障害および重篤気分調節症などの情動調節不全(ED)症状も頻発する。ADHDの病因は多因子的と考えられ、その症状の重症度は食事療法と関連しているといわれている。米国・オハイオ州立大学のLisa M. Robinette氏らは、小児コホート研究において、食事の質とADHDおよびED症状との関連を調査した。その結果、ADHDやEDを有する子供では、果物や野菜の摂取が少ないと、より深刻な不注意症状が出現する可能性が示唆された。Nutritional Neuroscience誌オンライン版2022年5月10日号の報告。

オミクロン株優勢下、小児~青少年でも追加接種が必要か/JAMA

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株が優勢な時期に、年齢5~15歳の小児・青少年では、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の2回接種後の推定有効率は高くなく(約60%)、その後2ヵ月後までに急速な低下が認められたが、12~15歳では3回目の追加接種により上昇に転じたことが、米国・疾病予防管理センター(CDC)のKatherine E. Fleming-Dutra氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2022年5月13日号で報告された。  研究グループは、オミクロン変異株優勢期の小児および青少年における症候性SARS-CoV-2感染症とBNT162b2ワクチン接種との関連を評価し、当ワクチンの有効率を推定する目的で、検査陰性者を対照とする症例対照研究を行った(米国・CDCの助成を受けた)。

小児期の心血管リスク因子、中年期の心血管イベントと関連/NEJM

 心血管リスク因子であるBMI、収縮期血圧、総コレステロール値、トリグリセライド値および若年期喫煙は、とくに幼少期からの組み合わせで、成人期の心血管イベントおよび60歳前の心血管死と関連することが、米国・ミネソタ大学のDavid R. Jacobs Jr氏らによるInternational Childhood Cardiovascular Cohort(i3C)コンソーシアムの前向きコホート研究の結果、示された。小児期の心血管リスク因子は潜在的な成人期の心血管疾患を予測するが、臨床イベントとの関連は明らかになっていなかった。NEJM誌2022年5月19日号掲載の報告。

公園の運動ではマスクは不要、電車内は必要/厚生労働省アドバイザリーボード

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月19日に第84回の会議を開催し、その中で和田 耕治氏(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学 教授)より「日常生活における屋外と、小児のマスク着用について」の資料が説明された。  不織布製マスクの着用は呼吸器感染症対策として、咳・くしゃみなどの症状のある人や会話の際に飛沫やエアロゾルの発散を低減させることを目的に推奨され、ある程度の飛沫やエアロゾルを吸い込むことを予防する効果もある。