耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:34

急性咽頭炎に対する抗菌薬の適応はどのように判断するか?(コメンテーター:小金丸 博 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(160)より-

 プライマリケアの現場では、いまだに多くの急性咽頭炎の患者に抗菌薬が投与されている。急性咽頭炎の原因の多くはウイルス性であり、抗菌薬が不要なことが多い。しかしながら、A群溶連菌による咽頭炎に対しては、主に扁桃周囲膿瘍などの化膿性合併症の予防と急性リウマチ熱の予防のために、抗菌薬の投与が必要となる。抗菌薬投与の適応を決定するために、臨床症状を用いたスコア(Centor criteria)や迅速抗原検査が使用されているが、これらの有用性を支持する強いエビデンスはほとんど存在しなかった。

コーヒー・緑茶と上部気道消化管がんリスクとの関連~コーヒーと緑茶では逆

 上部気道消化管がんリスクにおけるコーヒーや緑茶の影響ははっきりしていない。これらは通常摂取するときに高温であるため、その潜在的なリスク増加により、含まれる成分の抗発がん作用の評価に交絡が生じている。愛知県がんセンター研究所疫学・予防部の尾瀬 功氏らは、コーヒーや緑茶の摂取と上部気道消化管がんのリスクとの関連を評価するために、ケースコントロール研究を実施した。その結果、コーヒーの摂取は上部気道消化管がんのリスク低下と関連する一方、緑茶はリスク増加と関連する可能性があることを示唆した。International Journal of Cancer誌オンライン版2013年12月6日号に掲載。

臨床スコアに基づく抗菌薬処方、症状と抗菌薬使用を抑制/BMJ

 プライマリ・ケアにおいて、レンサ球菌感染を予測する臨床スコアに基づく抗菌薬処方は、症状のコントロールを改善し抗菌薬の使用を減少させることが、英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏らが実施したPRISM試験で示された。プライマリ・ケアでは、急性咽頭炎患者のほとんどに抗菌薬が処方されている。抗菌薬使用の可否や薬剤の選定には、迅速抗原検査や臨床スコアが使用されることが多いが、これを支持する強固なエビデンスはこれまでなかったという。BMJ誌オンライン版2013年10月10日号掲載の報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(75)〕 プライマリ・ケア医による閉塞性睡眠時無呼吸の管理は、睡眠専門施設に劣らない

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の診断と重症度評価は、睡眠センターにおける終夜睡眠ポリグラフ(PSG)によってなされてきた。近年、入院せずに在宅で行う簡易モニターの有用性が示され、代表的な治療法であるCPAPも自動的に圧調節が可能となり、適正圧の決定ができるようになってきた。しかし、OSA患者の管理が、睡眠センターの専門医ではなく、プライマリ・ケアを担当する医師と看護師でも可能であるかは明らかでない。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療、プライマリ・ケアでも提供可能/JAMA

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療について、プライマリ・ケアでの提供が、睡眠専門医療施設での提供に匹敵することが、オーストラリア・フリンダース大学のChing Li Chai-Coetzer氏らによる無作為化非劣性試験の結果、示された。睡眠障害への気づきと受診を促す啓発活動や肥満者の増大でOSA治療のために専門施設を受診する患者が増え、戦略的な外来治療への関心が高まってきている。プライマリ・ケア受診患者の約3分の1にOSAの疑いがあるとの報告もあり、Chai-Coetzer氏らは、適切な訓練と簡便なマネジメントツールで、プライマリ・ケアでのOSA治療が提供可能か本検討を行った。JAMA誌2013年3月13日号掲載の報告より。

術後のAcute Pain Serviceを利用できない患者には経口オピオイド療法を

 術後痛など急性痛に対応するAcute Pain Service(APS)を受けない、すなわち局所麻酔法や患者自己管理鎮痛法を受けることができない患者は、激しい術後疼痛に苦しむ。こうした患者に対しては経口オピオイド療法が有効であり、治療アルゴリズムは外科病棟で実行可能であることがドイツ・ミュンスター大学病院のE.M. Pogatzki-Zahn氏らによる前向き観察研究で示された。