腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:171

オシメルチニブによるEGFR変異陽性肺がん術後補助療法を申請/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)について、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)における術後補助療法」に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を実施した。  今回の申請は、米国、欧州、南米、アジア、中東の20ヵ国以上、200を超える施設で実施された第III相ADAURA試験の結果に基づき行われたもの。  ADAURA試験は、腫瘍完全切除後の術後補助療法としてStage IB、II、IIIAのEGFR遺伝子変異陽性(EGFRm)のNSCLC患者682例を対象に、オシメルチニブの術後補助療法に対する無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第III相試験である。患者はオシメルチニブ80mg1日1回経口投与で3年間または再発するまで治療を受けた

聖マリアンナ医大とMICINがDXに関する包括契約を締結

 聖マリアンナ医科大学と、株式会社MICINは、患者中心の医療実現を見据えた、ICT技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する両社の協業活動について、戦略的包括協定を締結した。  同協定は、聖マリアンナ医科大学とMICINが各々のリソースや強みを活かし、医薬品等の開発における治験・臨床研究領域、並びに専門医療の提供において、ICT技術の活用を通し、DXの実装および推進をすることで、患者を中心とした治験の実施や地域デジタル医療のモデル作成を目的としている。

腎細胞がん術後補助療法、ペムブロリズマブがDFS延長/NEJM

 再発リスクが高い腎がん患者の術後補助療法として、ペムブロリズマブはプラセボと比較し無病生存(DFS)期間を有意に延長することが認められた。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のToni K. Choueiri氏らが、第III相国際共同無作為化二重盲検比較試験「KEYNOTE-564試験」の中間解析結果を報告した。腎摘除術を受ける腎細胞がん患者では、再発リスクを低下させる術後補助療法として、エビデンスレベルが高い選択肢はこれまでなかった。NEJM誌2021年8月19日号掲載の報告。  研究グループは、18歳以上の淡明細胞型腎細胞がん患者で、再発リスクが高く(Grade4または肉腫様分化を伴うpT2、pT3以上、局所リンパ節転移、またはM1 NED[原発巣の切除と同時または術後1年以内に転移巣完全切除後、病変が認められない患者])、全身療法未実施、術後12週以内の患者を、ペムブロリズマブ(200mg)群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ3週ごと、最大17サイクル(約1年)投与した。

「遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)ガイドライン」刊行、ポイントは?

 遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)の診療に関しては、2017年に「遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療の手引き」が刊行されている。HBOC既発症者へのリスク低減手術の保険収載や、膵がん・前立腺がんへのPARP阻害薬の承認など、遺伝子検査に基づく治療・マネジメントがいっそう求められる中、Minds「診療ガイドライン作成マニュアル2017」を遵守する形で、今回新たにガイドラインがまとめられた。2021年8月7日、webセミナー「遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン 2021年版の解説(主催:厚生労働科学研究費補助金[がん対策推進総合研究事業]「ゲノム情報を活用した遺伝性腫瘍の先制的医療提供体制の整備に関する研究」班)が開催され、各領域のポイントが解説された。

ペムブロリズマブ、MSI-H大腸がんとTN乳がんに適応拡大/MSD

 MSDは2021年8月25日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん(大腸がん)およびPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんに関する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表した。  今回の承認は、化学療法歴のない治癒切除不能な進行・再発のミスマッチ修復(MMR)欠損またはMSI-Highを有する結腸・直腸がん患者307例(日本人22例を含む)を対象とする国際共同第III相試験KEYNOTE-177試験のデータ等に基づく。 同試験において、ペムブロリズマブ群は化学療法群と比較して、主要評価項目の一つである無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した(HR:0.60、95%CI:0.45~0.80)。安全性については、安全性解析対象例153例中、ペムブロリズマブ群で高頻度(10%以上)に認められた有害事象は、下痢(24.8%)、疲労(20.9%)、そう痒症(13.7%)、悪心(12.4%)、AST増加(11.1%)、発疹(11.1%)、関節痛(10.5%)および甲状腺機能低下症(10.5%)であった。

高リスク尿路上皮がんのニボルマブ術後補助療法をFDAが承認/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年8月20日、米国食品医薬品局(FDA)が、術前補助化学療法やリンパ節転移の有無、PD-L1の発現レベルにかかわらず、根治切除後の再発リスクが高い尿路上皮がん(UC)患者の術後補助療法として、ニボルマブを承認したと発表。  この承認は、ニボルマブとプラセボを比較した第III相CheckMate-274試験に基づいている。  同試験において、ニボルマブ群は、プラセボ群と比較して、無病生存期間(DFS)中央値を延長した(ニボルマブ群20.8ヵ月 vs.プラセボ群10.8ヵ月、ハザード比:0.70、95% CI:0.57~0.86、p=0.0008)。

teclistamabが再発/難治性多発性骨髄腫に有望/Lancet

 再発または難治性多発性骨髄腫の患者の治療において、B細胞成熟抗原(BCMA)×CD3二重特異性T細胞誘導抗体teclistamabは、持続的で深い奏効をもたらし、忍容性も良好であることが、米国・Levine Cancer Institute/Atrium HealthのSaad Z. Usmani氏らが実施した「MajesTEC-1試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年8月10日号に掲載された。  本研究は、再発/難治性多発性骨髄腫の患者におけるteclistamabの安全性、忍容性および暫定的な有効性の評価を目的とする非盲検単群第I相試験であり、2017年6月~2021年3月の期間に、5ヵ国(米国、スペイン、フランス、オランダ、スウェーデン)の12施設で患者のスクリーニングが行われた(Janssen Research & Developmentの助成による)。

HER2陽性早期乳がんへのトラスツズマブの上乗せ効果~メタ解析/Lancet Oncol

 HER2陽性早期乳がんに対する補助化学療法へのトラスツズマブ上乗せによる再発率と死亡率への長期的ベネフィットについて、Early Breast Cancer Trialists’ Collaborative group(EBCTCG)が7つの無作為化試験のメタ解析により検討した。その結果、トラスツズマブ上乗せにより、患者および腫瘍の特徴にかかわらず、乳がん再発率を34%、乳がん死亡率を33%減少させたことが示唆された。Lancet Oncology誌2021年8月号に掲載。

免疫不全者へのブースター接種、推奨事由と対象者/CDC

 米国・疾病対策センター(CDC)は免疫不全者を対象としたCOVID-19ワクチンの追加接種(ブースター接種)の承認を受け、8月16日付でサイトの情報を更新した。主な内容は以下のとおり。 ・中等度から重度の免疫不全状態にある人はCOVID-19に感染しやすく、重症化、長期化するリスクも高いとされる。これらの人にはワクチンの追加接種が有効であり、接種を推奨する。 ・mRNAワクチン(ファイザー製およびモデルナ製)の2回目の接種から少なくとも28日経ってから追加接種を行うことを推奨する。 ・現時点では、他の集団に対する追加接種は推奨しない。

悪性胸膜中皮腫に対するmiRNA製剤を開発/広島大学

 広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室の田原 栄俊氏、 同大学原爆放射線医科学研究所・腫瘍外科の岡田 守人氏らの研究グループは、スリーディマトリックスと共同で、悪性胸膜中皮腫に対して顕著な治療効果の可能性がある核酸医薬の抗がん剤の開発に成功した。  共同開発した抗がん剤「MIRX002」は、天然型マイクロRNAを薬効成分とするもので、 岡田氏による悪性胸膜中皮腫を対象とする医師主導治験(第I相試験)の治験届がPMDAに受理され、治験開始準備が整った。