修復不能な腱板断裂、肩峰下バルーンスペーサーは無効/Lancet

修復不能な肩腱板断裂に対し、関節鏡視下デブリドマンと比較しInSpaceバルーン(米国Stryker製)の有効性は認められなかったことが、英国・ウォーリック大学のAndrew Metcalfe氏らが英国の24施設で実施したアダプティブ群逐次デザインの無作為化二重盲検比較試験「START:REACTS試験」の結果、示された。InSpaceデバイスは、2010年にCEマークを取得し、2021年7月に米国食品医薬品局(FDA)で承認されるまで、米国以外では約2万9,000件の手術で用いられていた。しかし、InSpaceデバイスの有効性については、初期の小規模なケースシリーズで有望な結果が報告されていたものの、いくつかの研究では好ましくない結果や炎症・疼痛がみられる症例について報告され、無作為化試験のデータが必要とされていた。著者は今回の結果を受けて、「われわれは修復不能な腱板断裂の治療としてInSpaceバルーンを推奨しない」と結論づけている。Lancet誌オンライン版2022年4月21日号掲載の報告。