搬送中の上腕虚血プレコンディショニング、primary PCI後の心筋救済を改善

急性心筋梗塞が疑われる患者に対する搬送中の上肢の虚血プレコンディショニングは、primary PCI施行後の心筋救済(myocardial salvage)を改善し安全性も良好なことが、デンマークAarhus大学Skejby病院のHans Erik Botker氏らが実施した無作為化試験で明らかとなった。虚血プレコンディショニングは、心筋を事前に短時間の虚血状態に曝露するとその後に起きる心筋障害が軽減される現象で、内因性の心保護作用として重視されている。上肢や下肢の遠位虚血プレコンディショニングは待機的手術や血管形成術施行時の心筋障害を抑制することが示されている。Lancet誌2010年2月27日号掲載の報告。