隠された代替アウトカムが、誤った結論を誘導する?

無作為化臨床試験のうち主要アウトカムとして代替アウトカム(surrogate outcome)を用いたものは17%に及ぶが、その使用を明記し、妥当性につき考察を加えた試験は約3分の1にすぎないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のJeppe Lerche la Cour氏が行ったコホート研究で示された。代替アウトカムは、無作為化試験において主要アウトカムの代わりに使用可能な場合があるが、不用意に用いると誤解を招いたり、有害な介入が実施されてしまう可能性があるという。欧米では、代替アウトカムに基づいて新薬の市販承認が行われる場合があり、その危険性を指摘する声もある。BMJ誌2010年8月21日号(オンライン版2010年8月18日号)掲載の報告。