コントロール不良の2型糖尿病、週1回皮下投与のretatrutideが有効/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/02

 

 食事療法および運動療法のみではコントロール不十分な2型糖尿病成人患者において、retatrutide単独療法はプラセボと比較し、血糖コントロールおよび体重減少に関して有意な改善を示し、有害事象のプロファイルは既知のGLP-1受容体作動薬と一致していた。カナダ・LMC Diabetes and EndocrinologyのHarpreet S. Bajaj氏らが、米国、メキシコおよびインドの48施設で実施した40週間の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「TRANSCEND-T2D-1試験」の結果を報告した。retatrutideは、GIP、GLP-1およびグルカゴンの3つのホルモンの受容体作動薬で、2型糖尿病、肥満、および関連する合併症を対象に臨床開発が進められている。Lancet誌2026年6月13日号掲載の報告。

retatrutideの3用量をプラセボと比較、週1回40週間皮下投与

 TRANSCEND-T2D-1試験の対象は、食事療法および運動療法のみでは血糖コントロール不良の18歳以上の2型糖尿病患者で、HbA1c値が7.0~9.5%、BMI値23以上、スクリーニング前90日間およびスクリーニング期間中に血糖降下薬を使用しておらず、インスリン療法歴がなく、スクリーニング前少なくとも90日間体重が安定していること(自己申告で変動が5kg以下)とした。

 研究グループは適格患者を、retatrutide 4mg群、9mg群、12mg群またはプラセボ群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、週1回40週間皮下投与した。retatrutide群は全例2mgより投与を開始し、計画に従い割り付けられた維持用量(4mg、9mg、または12mg)に達するまで4週ごとに増量した。

 主要エンドポイントは、ベースラインから40週時のHbA1cの変化量で、retatrutide各用量群のプラセボ群に対する優越性を両側有意水準0.0167として検証した(全体でα=0.05を各比較に分割)。重要な副次エンドポイントは、ベースラインから40週時の体重の変化率などであった。

 主要エンドポイントおよび重要な副次エンドポイントについては、両側有意水準0.05でファミリーワイズの第1種の過誤確率を厳密にコントロールするため、グラフィカルアプローチを用いて検定を行い、多重性を調整した。

HbA1c変化量の推定治療群間差は、-0.88~-1.12%

 2024年4月10日~2025年4月21日に、930例がスクリーニングを受け、537例が無作為化された(retatrutide 4mg群134例、9mg群133例、12mg群136例、プラセボ群134例)。

 ベースラインの患者背景は、女性296例(55%)、男性241例(45%)、平均年齢48.8歳(SD 12.1)、HbA1c7.9%(1.1)、2型糖尿病の罹病期間2.5年(4.4)、BMI値35.8(7.0)であった。490例(91%)が40週間の治療を完了し、504例(94%)が本試験を完了した。

 ベースラインから40週時のHbA1cの変化量の治療レジメン推定値は、retatrutide 4mg群-1.69%(SE 0.11)、9mg群-1.86%(0.10)、12mg群-1.94%(0.08)に対し、プラセボ群は-0.81%(0.12)であった。

 プラセボ群に対する推定治療群間差は、retatrutide 4mg群-0.88%(95%信頼区間[CI]:-1.18~-0.59)、9mg群-1.04%(95%CI:-1.32~-0.76)、12mg群-1.12%(95%CI:-1.39~-0.85)であり、retatrutide全用量群でプラセボ群と比較し、有意差が認められた(いずれもp<0.0001)。

 ベースラインから40週時の体重の平均変化率は、retatrutide 4mg群-11.5%(SE 0.7)、9mg群-13.9%(0.8)、12mg群-15.3%(0.8)に対し、プラセボ群は-2.6%(0.5)であり、retatrutide群のプラセボ群に対する推定治療群間差はそれぞれ-8.9%(95%CI:-10.5~-7.2)、-11.3%(95%CI:-13.1~-9.5)、-12.7%(95%CI:-14.4~-11.0)であった(いずれもp<0.0001)。

 retatrutide群で最も発現割合が高い有害事象は、軽度~中等度の消化器系イベント(下痢、悪心、嘔吐)であり、主に用量漸増期間中に発現した。

 有害事象による試験中止は、retatrutide 4mg群3例(2%)、9mg群6例(5%)、12mg群7例(5%)に認められたが、プラセボ群では認められなかった。重症低血糖は報告されなかった。

 試験期間中に死亡が2例報告されたが(いずれもretatrutide 4mg群)、試験薬とは関連がなかった。

(ケアネット)

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コメンテーター : 小川 大輔( おがわ だいすけ ) 氏

おかやま内科 糖尿病・健康長寿クリニック 院長

J-CLEAR会員