タウPET検査、トレーサー選択がアルツハイマー病診断の精度に影響/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/18

 

 アルツハイマー病の診断、進行ステージおよび治療の選択において重要なバイオマーカーとして注目されるタウPET画像について、検査で使用する放射性医薬品(トレーサー)の選択により、年齢やアルツハイマー病の進行段階を問わず、タウ病理の検出頻度に違いが生じることが、米国・ピッツバーグ大学のGuilherme Povala氏らによる「HEAD試験」の結果で示された。トレーサーとして、[18F]MK6240はフロルタウシピル(18F)(商品名:タウヴィッド)と比較して、認知機能正常例および認知障害例のいずれにおいても、タウ病理を有する人をより多く特定した。著者らは、「この結果は、臨床試験における患者層別化やより精度の高い治療方針決定に、直接的な影響を与えるものである」とまとめている。Lancet誌2026年5月30日号掲載の報告。

フロルタウシピル(18F)と[18F]MK6240の認知障害判別精度とMTL・大脳新皮質のタウ陽性頻度を評価

 研究グループは、米国および欧州の臨床現場で現在使用されているフロルタウシピル(18F)と、開発段階のPETトレーサーである[18F]MK6240について、多施設共同前向き非無作為化被験者内比較試験を行った。

 被験者は、北米の8施設で募集され、タウPET検査、アミロイドβ(Aβ)PET検査、および詳細な認知機能評価を受けた。両薬剤を用いたタウPET検査は、45日以内に実施された。

 主要アウトカムは2つで、アルツハイマー病関連認知障害の判別精度と、内側側頭葉部(MTL)および大脳新皮質領域におけるタウ陽性の頻度であった。

 2022年3月2日~2025年8月27日に775例が登録され、682例がすべての試験手順を完了した。

 被験者は、女性373例(55%)、男性309例(45%)で、19~27歳38例(6%)、50~65歳214例(31%)、65~89歳430例(63%)であった。また、32例(5%)がヒスパニック/ラテン系、637例(93%)が白人、24例(4%)が黒人/アフリカ系米国人、16例(2%)がアジア人、5例(1%)がその他として、さらに49例(7%)が農村地域出身として特定された。

[18F]MK6240のほうがアルツハイマー病と非アルツハイマー病の障害を区別する精度が高い

  [18F]MK6240はフロルタウシピル(18F)よりも、アルツハイマー病と非アルツハイマー病の障害を区別する精度が有意に高かった(曲線下面積[AUC]:0.93[95%信頼区間[CI]:0.89~0.95]vs.AUC:0.86[95%CI:0.75~0.91]、p<0.0001)。

 高齢の被験者において、両トレーサーでタウ陽性/陰性判定が一致したのは、MTLでは560例(87%)、大脳新皮質領域では603例(94%)であった。また、認知障害のない被験者において、[18F]MK6240はフロルタウシピル(18F)よりも、MTLにおけるタウ陽性例を2倍以上多く特定した(54例[15%]vs.23例[6%])。Aβ陽性の有病率比(PR)は2.43(95%CI:1.50~3.94、p=0.0003)であり、100例につき23例の追加症例が同定された。

 不一致症例において、[18F]MK6240のみ陽性であったのは75例(89%)であり、両トレーサーで陰性であった症例よりもAβ負荷(p<0.0001)、APOEε4保有(p<0.0001)、認知障害(p=0.0043)の割合が有意に高かった。

 認知障害のある被験者では、大脳新皮質領域のタウ陽性の頻度は、[18F]MK6240がフロルタウシピル(18F)よりも高かった(80例[28%]vs.46例[16%])。Aβ陽性のPRは1.74(95%CI:1.32~2.29、p<0.0001)であり、100例につき15例の軽度認知障害例、21例の認知症例が新たに同定された。

(ケアネット)