早期パーキンソン病へのGLP-1受容体作動薬、進行抑制効果を確認/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2024/04/18

 

 診断後3年未満のパーキンソン病患者を対象とした糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬リキシセナチド療法について、第II相のプラセボ対照無作為化二重盲検試験で、プラセボと比較して12ヵ月時点での運動障害の進行を抑制したことが示された。ただし、消化器系の副作用を伴った。フランス・トゥールーズ大学病院のWassilios G. Meissner氏らLIXIPARK Study Groupによる検討結果で、NEJM誌2024年4月4日号で発表された。リキシセナチドは、パーキンソン病のマウスモデルで神経保護特性を示すことが報告されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「より長期かつ大規模な試験により、パーキンソン病患者に対するリキシセナチドの有効性および安全性を確認することが必要である」とまとめている。

リキシセナチドを1日1回皮下投与、1年後のMDS-UPDRSパートIIIスコア変化を評価

 試験は、パーキンソン病患者の運動障害進行に対するリキシセナチドの有効性を評価するため、パーキンソン病診断後3年未満で、対症薬の服用量が安定しており、運動合併症のない患者を無作為に2群に割り付け、一方にはリキシセナチドを1日1回皮下投与(当初14日間は10μg/日、その後は20μg/日)、もう一方にはプラセボを、それぞれ12ヵ月投与し、2ヵ月休薬した。

 主要エンドポイントは、運動障害疾患学会・改訂版パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)のパートIIIスコア(範囲:0~132点、スコアが高いほど運動障害が大きい)のベースラインからの変化量で、12ヵ月時点で試験薬服薬中の患者を対象に評価した。

 副次エンドポイントは、6ヵ月、12ヵ月、14ヵ月時点のMDS-UPDRSのその他のサブスコアや、レボドパ換算投与量などだった。

スコア変化の群間差は3.08ポイントで有意な差

 試験登録のスクリーニングは2018年2月~2020年3月に行われ、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、計156例(各群78例)が登録された時点で組み入れ中止となった。ベースラインの両群の人口統計学的および臨床的特性は類似しており、典型的な早期パーキンソン病の被験者像であった。平均年齢はリキシセナチド群59.5±8.1歳、プラセボ群59.9±8.4歳、男性被験者は同56%、62%、平均診断後期間は1.4±0.8年、1.4±0.7年で、MDS-UPDRSパートIIIスコアは両群とも約15点(14.8±7.3点、15.5±7.8点)だった。

 12ヵ月時点で、MDS-UPDRSパートIIIスコアの変化量は、リキシセナチド群では-0.04ポイント(障害の改善を示す)、プラセボ群では3.04ポイント(障害の悪化を示す)だった(群間差:3.08、95%信頼区間[CI]:0.86~5.30、p=0.007)。

 2ヵ月の休薬期間後14ヵ月時点で、非服薬状態でのMDS-UPDRSパートIIIスコアの平均値は、リキシセナチド群17.7点(95%CI:15.7~19.7)、プラセボ群20.6(18.5~22.8)だった。

 副次エンドポイントに関するその他の結果は、両群で大きな差は認められなかった。

 リキシセナチド群の46%で悪心が、13%で嘔吐が報告された。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)