3枝冠動脈疾患、FFRガイド下PCI vs.CABG/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2021/11/19

 

 3枝冠動脈疾患患者において、冠血流予備量比(FFR)ガイド下での経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、1年時点の死亡・心筋梗塞・脳卒中・再血行再建術の複合イベントの発生について、冠動脈バイパス術(CABG)に対する非劣性は示されなかった。米国・Stanford Cardiovascular InstituteのWilliam F. Fearon氏らが、欧米などの48施設で実施した多施設共同非劣性試験「Fractional Flow Reserve versus Angiography for Multivessel Evaluation(FAME)3試験」の結果を報告した。3枝冠動脈疾患患者では、PCIと比較しCABGの転帰が良好であることが知られていたが、FFRガイド下PCIに関する研究はなかった。NEJM誌オンライン版2021年11月4日号掲載の報告。

1年以内のMACCE発生で検証

 研究グループは、左主冠動脈を含まない3枝冠動脈疾患患者1,500例を、CABG群またはFFRガイド下PCI群(FFRが≦0.80でゾタロリムス溶出ステントを留置)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、1年以内の主要心脳血管有害事象(MACCE:全死亡、心筋梗塞、脳卒中、再血行再建術)の発生で、CABGに対するFFRガイド下PCIの非劣性マージンはハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)の上限が1.65未満とした。副次評価項目は死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合および各イベントなどで、安全性についても評価した。

FFRガイド下PCIの非劣性示されず

 FFRガイド下PCI群(757例)におけるステント留置本数(平均±SD)は3.7±1.9、CABG群における遠位側吻合数は3.4±1.0であった。

 MACCEの1年発生率は、FFRガイド下PCI群10.6%、CABG群6.9%、HRは1.5(95%CI:1.1~2.2)であり、FFRガイド下PCIは非劣性基準を満たさなかった(非劣性のp=0.35)。

 死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合イベント発生率は、FFRガイド下PCI群7.3%、CABG群5.2%であった(HR:1.4、95%CI:0.9~2.1)。

 安全性については、FFRガイド下PCI群よりCABG群で、大出血(BARC出血基準3~5)(1.6% vs.3.8%、p<0.01)、心房細動/不整脈(2.4% vs.14.1%、p<0.001)、および急性腎障害(0.1% vs.0.9%、p<0.04)の発生率が有意に高かった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 中川 義久( なかがわ よしひさ ) 氏

滋賀医科大学 循環器内科 教授

J-CLEAR評議員