PCIで運動時間が改善するか?プラセボとのDBT:ORBITA試験/Lancet

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PCIで運動時間が改善するか?プラセボとのDBT/Lancetのイメージ

 至適薬物治療を行った重度一枝狭窄の安定狭心症患者に対し、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施しても、運動時間の改善は認められないことが、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で初めて明らかになった。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRasha Al-Lamee氏らが、患者200例を対象に行った「ORBITA」試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年11月2日号で発表した。

重度一枝狭窄の患者に6週間の至適薬物治療
 研究グループは、70%以上の重度一枝狭窄が認められる安定狭心症で、虚血症状のある患者を対象に試験を行った。まず全登録被験者(230例)に対し、6週間の至適薬物治療を行った(2014年1月6日~2017年8月11日)。その後、心肺運動負荷試験、症状に関する質問票による評価、ドブタミン負荷心エコー法を実施し、無作為に被験者200例を2群に分け、一方にはPCIを(105例)、もう一方にはプラセボ手術を行った(95例)。

 術後6週間後に、無作為化前に行った方法で再度評価を行った。主要エンドポイントは、運動時間増加量の群間差で、無作為化を受けた全被験者について解析を行った。

PCI群で運動時間に改善みられず
 被験者200例の、狭窄部位の平均狭窄率は84.4%(SD 10.2)、平均冠血流予備量比(FFR)は0.69(同0.16)、平均瞬時血流予備量比は0.76(同0.22)だった。
 術後6週間の運動時間増加量について、両群で有意差は認められなかった(PCI群-プラセボ手術群:16.6秒、95%信頼区間:-8.9~42.0、p=0.200)。

 試験期間中に死亡した被験者はいなかった。また、重篤な有害イベントとして、PCIを要したプレッシャワイヤ関連合併症(プラセボ手術群で4件)、大量出血5件(PCI群2件、プラセボ手術群3件)の発生が報告された。

 なお今回の試験について著者は、「薬物療法でスタンダードになっているように、侵襲手技の有効性についてもプラセボ対照の評価は可能である」と述べている。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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ORBITA試験:冷静な判断を求む(解説:野間重孝氏、下地顕一郎氏)-800

コメンテーター : 野間 重孝( のま しげたか ) 氏

栃木県済生会宇都宮病院 副院長

J-CLEAR評議員

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