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小児への多剤併用、4剤以上は要注意―岐阜薬大

提供元:HealthDay News

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公開日:2021/01/19

 

 小児患者に4種類以上の薬を併用すると、1種類のみに比べて副作用発生のリスクが有意に高まるとのデータが報告された。岐阜薬科大学病院薬学研究室の舘知也氏、寺町ひとみ氏らの研究によるもので、詳細は「Scientific Reports」に12月7日掲載された。

 近年、高齢患者に対する多剤併用(ポリファーマシー)による副作用発生のリスクが注目されるようになり、処方薬を減らす取り組みも始まっている。一方、小児患者への多剤併用による副作用発生の実態は不明な点が多く、研究報告はほとんどない。今回、著者らは岐阜市民病院の医療記録を基に、小児患者における多剤併用が副作用発生のリスク因子となるかについて検討した。

 解析対象は、2015年半年間の同院の外来・入院患者のうち、薬剤が1剤以上処方されていた1~14歳の小児1,330人。年齢中央値3歳(四分位範囲2~7歳)、男児57.1%で、外来患者が73.5%であり、処方された薬剤数の中央値は2剤(同1~4剤)であった。罹患疾患は呼吸器系が78.9%で最多であった。

 この対象のうち、46人(3.5%)が副作用と考えられる症状が原因で受診していた。うち16人は入院管理となり、これは小児の緊急入院全体の4.5%に相当した。

 薬剤と副作用の因果関係は、「確実」が11.1%、「多分」が22.2%で、「可能性あり」が66.7%であった。副作用の症状は胃腸障害(42.6%)や皮膚および皮下組織障害(16.7%)が多く、重症度のグレードは1(軽症)が57.4%、2(中等症)が24.1%、3(重症)が18.5%であり、4(生命の危険があり緊急処置が必要)や5(死亡)の該当事例はなかった。被疑薬は、全身用抗感染薬が55.6%と過半を占めていた。

 使用薬剤が1剤の場合の副作用発生率は1.56%、2~3剤では3.60%、4~5剤では4.48%、6剤以上では7.50%であった。単剤処方に比較し、4~5剤(P=0.021)や6剤以上(P=0.002)で、副作用発生率の有意な上昇が認められた。ROC解析でも、副作用発生の有無に対する多剤併用のカットオフ値は4剤と算出された。

 次に、単変量解析にて副作用の発生とP値0.25未満で関連が認められた因子を説明変数、副作用の発生の有無を目的変数とする多変量解析を施行した。解析にあたり使用薬剤数については、前記の検討で最適なカットオフ値として示された「4剤以上」と、小児の多剤併用の定義に用いられることの多い「2剤以上」の2通りの条件で行った。

 その結果、使用薬剤数(2剤以上、4剤以上のいずれも)が、独立して副作用発生のリスクを有意に高めることが分かった。

 著者らは本研究の限界点として、単一施設での後方視的デザインであることなどを挙げた上で、「小児患者においても多剤併用が副作用発生リスクの上昇につながることが明らかになった。高齢患者と同様に、薬剤処方に際しての慎重なリスク/ベネフィットの検討が求められる」と述べている。また、「副作用発生のリスクの点から、小児に対する多剤併用を4剤以上と定義するのが現実的である」と付け加えている。

[2021年1月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2021 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら