椎間板性腰痛、パルス高周波療法は有効 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/07 椎間板に起因する疼痛は腰痛の重大な原因であるが、近年開発された治療法として、椎間板に高周波電流を適用するパルス高周波療法(PRF)がある。滋賀医科大学医学部附属病院ペインクリニック科の福井 聖氏らは、慢性椎間板性腰痛患者を対象に前向き研究を行い、椎間板内PRFは疼痛緩和および障害軽減に有効であることを示した。比較的少数例で薬物療法や心理的影響などを評価しておらず研究に限界があるものの、本療法は安全で侵襲性の少ない治療法と考えられる、とまとめている。同院ペインクリニック科は、国公立大学病院では日本で初めてのペインクリニック単独での診療科として開設された。Pain Physician誌2013年7-8月号の掲載報告。 対象は、椎間板ブロックによって慢性椎間板性腰痛と診断され保存的治療の効果がない患者23例であった(平均年齢35.3±9.86歳)。 Diskit II針(長さ15cm、先端20mm露出の20G)を椎間板の中央に設置し、PRF(5×5ms/s、60V)を15分間適用した。 治療前および治療1、3、6および12ヵ月後に、疼痛の数値的評価スケール(NRS、0~10で数値化)およびローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアを測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・NRSスコア平均値は、治療前の7.47±0.85から治療12ヵ月後には3.13±2.58に有意に改善した(p<0.01)。 ・RMDQスコアも、治療前の11.4±1.57から治療12ヵ月後には2.90±2.97に有意に改善した(p<0.01)。 ・治療12ヵ月後において、23例中19例(82.6%)はNRSスコアが2以上改善し、15例(65.2%)は疼痛が50%以上減少した。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは? ・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 (ケアネット) 原著論文はこちら Fukui S et al. Pain Physician. 2013 Jul-Aug;16(4):E435-42. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児心臓弁膜症、部分心臓移植は実現可能か/JAMA(2025/09/10) 「かぜ」への抗菌薬処方、原則算定不可へ/社会保険診療報酬支払基金(2025/09/10) がん患者への早期緩和ケア、終末期の救急受診を減少(2025/09/10) 双極症に対する気分安定薬使用が認知機能に及ぼす影響〜メタ解析(2025/09/10) 日本女性、出産意欲の向上に関連する要素は?/神奈川県立保健福祉大学(2025/09/10) AIによる診療記録作成で医師のバーンアウトが減少(2025/09/10) 肺切除後の肺瘻リスク、低侵襲開胸手術で軽減の可能性(2025/09/10)