適切な認知症薬物療法を行うために 最終更新:2014/12/26 医療一般 英国・クィーンズ大学ベルファストのCarole Parsons氏らは、進行した認知症患者に対する適切な薬物治療を行うための薬物カテゴリーを作成すること、また、それらの患者で用いられている薬物を調べるための、長期前向きコホート試験の実現可能性を評価し、開発したカテゴリーを使用することで進行した認知症患者が入所するナーシングホームで処方が適切になるかを確認する検討を行った。これまで同様の評価や検討は行われていなかった。Drugs & Aging誌オンライン版2014年12月6日号の掲載報告。
骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、PVP術後の疼痛要因は? 最終更新:2014/12/26 医療一般 骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折は、経皮的椎体形成術(PVP)により首尾よく治療の成功に至る。しかし患者の中には、術後も背部痛を訴える患者がいる。中国・寧波市第二病院のYan Y氏らは、前向き研究により、こうした残存疼痛が胸腰椎筋膜損傷と関連している可能性があることを明らかにした。
再発・難治性ホジキンリンパ腫に対するニボルマブの効果/NEJM 最終更新:2014/12/25 ジャーナル四天王 再発・難治性ホジキンリンパ腫に対し、ヒト型抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ、本疾患には国内未承認)を投与することで、その87%に客観的奏効が認められたことが報告された。完全奏効は17%だった。米国・メイヨークリニックのStephen M. Ansell氏らが、23例の患者を対象に行った第I相臨床試験の結果、報告した。NEJM誌オンライン版2014年12月6日号掲載の報告より。
重度外傷性脳損傷後のプロゲステロン、第III相では無効/NEJM 最終更新:2014/12/25 ジャーナル四天王 重度外傷性脳損傷後のプロゲステロン投与は、アウトカム改善効果は認められないことが示された。米国・ホフストラ大学医学部のBrett E. Skolnick氏らが、約1,200例の患者について行った無作為化第III相試験の結果、報告した。これまで、外傷性脳損傷に対するプロゲステロン投与については、動物実験や2つの無作為化第II相試験で、一貫した良好な結果が得られていた。NEJM誌オンライン版2014年12月10日号掲載の報告より。
SYNAPSE試験:重症の外傷性脳損傷(TBI)に対してプロゲステロンは無効(解説:中川原 譲二 氏)-296 最終更新:2014/12/25 CLEAR!ジャーナル四天王 プロゲステロンについては、これまでに外傷性脳損傷(Traumatic brain injury: TBI)の動物モデルにおける確かな効果と、2件の第II相無作為化比較試験(SYNAPSE TrialとPROTECT III Trial)における臨床的有効性が見いだされていた。SYNAPSE Trial の研究者たちは、大規模で前向きの第III相無作為化比較試験 を実施し、プロゲステロンの有効性と安全性を検討したが、残念ながらプロゲステロンが無効であったことをNEJM誌の12月10日号に報告した。
統合失調症の心血管リスク、その出現時期は 最終更新:2014/12/25 医療一般 統合失調症患者は、心血管疾患の罹患率および死亡率が高いことが確認されている。しかしながら、これまでに、疾患早期におけるリスクの状態やその調整・媒介変数などについては明らかではなかった。米国・ジャッカー・ヒルサイド病院のChristoph U. Correll氏らが、Recovery After an Initial Schizophrenia Episode(RAISE)試験参加者のデータを分析し、初回エピソード統合失調症スペクトラム障害(FES)患者では、心代謝のリスク因子および異常が疾患早期に出現しており、基礎疾患、不健康なライフスタイル、および抗精神病薬治療などが相互に関連していると思われることが明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「疾患早期の介入による予防と、低リスクの薬物療法とルーチンの副作用モニタリング、および禁煙指導といった介入が疾患早期から必要である」とまとめている。JAMA Psychiatry誌2014年12月1日号の掲載報告。
皮膚科医が知っておくべき抗凝固薬と抗血小板薬の特性 最終更新:2014/12/25 医療一般 米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学のDeanna G. Brown氏らは、皮膚科臨床で新規の抗凝固薬や抗血小板薬を服用する患者と遭遇する機会が増えているとして、皮膚科医および皮膚科形成外科医が知っておくべき、従来および新規の抗凝固療法および抗血小板療法についてレビューを行った。
安全性情報(2014年12月22日改訂指示分) 最終更新:2014/12/25 医薬品安全性情報 2014年12月22日改訂指示分 ジェブタナ点滴静注60mg(サノフィ) (成分名:カバジタキセル アセトン付加物 )
再発多発性骨髄腫へのカルフィルゾミブ上乗せ~第III相試験/NEJM 最終更新:2014/12/24 ジャーナル四天王 多発性骨髄腫の再発例の治療において、カルフィルゾミブ(carfilzomib)を標準治療のレナリドミド+デキサメタゾン療法に加えると、無増悪生存期間(PFS)が9ヵ月近く延長することが、米国・メイヨー・クリニックのA Keith Stewart氏らが行ったASPIRE試験で示された。多発性骨髄腫患者の生存率は改善しているが、再発率は依然として高く、新たな治療アプローチが求められている。カルフィルゾミブは、構成型プロテアソームと免疫型プロテアソームに選択的かつ不可逆的に結合するエポキシケトン型プロテアソーム阻害薬であり、これら3剤の併用療法は第I/II相試験でその有効性が確認されている。NEJM誌オンライン版2014年12月6日号掲載の報告。
外科手術無作為化試験の2割が早期中断/BMJ 最終更新:2014/12/24 ジャーナル四天王 英国・リーズ大学のStephen J Chapman氏らは、外科手術無作為化試験について早期に中断した試験、および未公表の試験がどれくらい存在するのかを調べた。その結果、早期中断率は21%であり、完了後に結果を公表した試験は66%であったことなどを明らかにした。著者は、外科手術試験は実行に困難が伴い資金もかかるが、今回の調査で資源の浪費の証拠が見つかったとして、リスクを覚悟で協力してくれる患者への倫理的観点からも、試験の効率や透明性を高めるために、研究ガバナンスのフレームワークを変えていく必要があると指摘している。BMJ誌オンライン版2014年12月9日号掲載の報告。
誇大な新聞報道にはご注意を!(解説:折笠 秀樹 氏)-295 最終更新:2014/12/24 CLEAR!ジャーナル四天王 本論文では、科学論文に関する新聞報道(Press Release)462件を対象にして、その報道の影響について調査した。論文が出版されると同時に新聞報道のなされることがある。この新聞報道が誇張過ぎると、それが波及し、他のメディアでも誇大報道がなされる傾向のあることがわかった。この意味で、最初の新聞報道では正確に報道することが大切である。
冬季うつ病、注意が必要な地域は 最終更新:2014/12/24 医療一般 ロシア科学アカデミーウラル支部のMikhail F Borisenkov氏らは、冬の季節性感情障害(SADW、冬季うつ病)と地理座標との関連を検討し、SADWの有無により若者の睡眠特性やクロノタイプ(日周指向性;いわゆる朝型・夜型)について比較を行った。Journal of sleep research誌オンライン版2014年11月28日号の報告。
椎間板変性のみで腰痛にはならない!? 最終更新:2014/12/24 医療一般 椎間板変性により腰痛が生じるといわれているが、MRI上、椎間板変性はしばしば終板変化やシュモール結節を伴う。和歌山県立医科大学 整形外科の寺口 真年氏、同主任教授の吉田 宗人氏らは、こうした画像所見と腰痛との関連について一般地域住民を対象に調査を行った。
本当の「新規の抗凝固療法」?従来のワルファリン、ヘパリンでは影響を受けない血液凝固第XI因子機能低下による「出血しない抗凝固療法」への期待(解説:後藤 信哉 氏)-294 最終更新:2014/12/23 CLEAR!ジャーナル四天王 新薬が開発されると「主作用」が「副作用」より効率的に発現することが期待される。抗凝固薬では「主作用」は心筋梗塞、脳梗塞、心血管死亡などの血栓イベントの低減であり、「副作用」は「重篤な出血イベントの増加」である。
聴覚障害と精神疾患リスク、ドパミンとの関連は 最終更新:2014/12/23 医療一般 聴覚障害を有する人では精神疾患リスクの増大が観察されている。社会的挫折論(social defeat hypothesis)によれば、長期的に排除されるという経験が、脳内のドパミンシステムの活性や感受性の強化に結び付き、精神疾患リスクを増大するとされている。オランダ・アムステルダム大学のMartin Gevonden氏らは、その関連性を実証するため、重度聴覚障害の若年成人におけるドパミン放出と、前述の社会的挫折論との関連を調べた。JAMA Psychiatry誌2014年12月号の掲載報告。
COPDの大うつ病併存 8つの質問で予測可能 最終更新:2014/12/23 医療一般 軽度低酸素血症を有するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者では、COPD Assessment Test(CAT)スコアが大うつ病の予測変数になりうることを、ブラジル・ゴイアス国立大学医学部のJose Laerte Junior氏らが明らかにした。BMC Pulm Med誌オンライン版2014年11月28日号の掲載報告。
アジア系両親の子でピーナッツアレルギーが増加 最終更新:2014/12/23 医療一般 オーストラリア生まれの両親から生まれた子供と比べて、アジア生まれの両親から生まれた子供のほうが、ピーナッツアレルギー疾患のリスクが高いという研究報告を、オーストラリア・メルボルン大学のJennifer Koplin氏らが発表した。
乳がん温存術後の寡分割全乳房照射施行が増加/JAMA 最終更新:2014/12/22 ジャーナル四天王 乳房温存手術後の放射線照射について、分割照射回数を少なくし1回照射線量を大きくする寡分割全乳房照射(WBI)の施行が増えていることが、米国・ペンシルベニア大学のJustin E. Bekelman氏らによる調査の結果、明らかにされた。2008~2013年の14の民間ヘルスケアプランに加入する女性患者の動向を調べた結果、診療ガイドラインに適合しタスクフォースが同照射を支持する患者群では10.6%から34.5%に施行が増え、適合基準に達していなかったが同照射を認可された患者群でも8.1%から21.2%に増えていた。またコストも従来照射法に比べて有意に低く抑えられていたという。JAMA誌2014年12月17日号掲載の報告より。
新規第XI因子阻害薬、TKA後のVTEを予防/NEJM 最終更新:2014/12/22 ジャーナル四天王 第XI因子阻害薬FXI-ASO(ISIS 416858)は、人工膝関節置換術(TKA)後の静脈血栓塞栓症(VTE)の予防に有効で、出血リスクに関しても良好な安全性を有することが、オランダ・アムステルダム大学のHarry R Buller氏らが行ったFXI-ASO TKA試験で示された。TKA後のVTEの予防には従来、外因系凝固因子である第Xa因子を阻害するエノキサパリン(ENO)などが使用されているが、これらの薬剤は有効ではあるものの出血のリスクを伴う。一方、内因系凝固因子である第XI因子を減少させると、出血を起こさずに血栓を抑制することが知られていた。FXI-ASOは、第2世代のアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、肝臓において第XI因子mRNAの発現を特異的に低下させる可能性がある。NEJM誌オンライン版2014年12月7日号掲載の報告。