日本語でわかる最新の海外医学論文|page:787

ホルモン受容体陽性早期乳がん対象のpalbociclib大規模国際共同第III相試験

 2015年8月26日-Alliance Foundation Trials, LLC(AFT)、オーストリア乳がん・結腸直腸がん研究グループ(ABCSG)、ファイザー社は、PALLAS(Palbociclib Collaborative Adjuvant Study:Palbociclibの術後補助療法に関する共同研究)試験を開始したことを発表した。この国際共同第III相臨床試験は、早期乳がん患者を対象としたもので、Breast International Group(BIG)、German Breast Group(GBG)、National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP)、およびPrECOG, LLC(PrECOG)と共同で実施される。

エンパグリフロジン、心血管死リスクを有意に低下/NEJM

 心血管ハイリスク2型糖尿病患者に対して、標準治療へのエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)の追加投与は、主要複合心血管系アウトカムおよび全死因死亡を低下したことが、カナダ・トロント大学のBernard Zinman氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。エンパグリフロジンは、新規クラスのナトリウム依存性グルコース共輸送担体2(SGLT2)阻害薬。これまで、心血管ハイリスク2型糖尿病患者への上乗せ治療効果については検討されていなかった。NEJM誌オンライン版2015年9月17日号掲載の報告。

統合失調症、心臓突然死と関連するプロファイルは

 統合失調症患者の心臓突然死(SCD)には、心血管プロファイルと服用する抗精神病薬の因子のほかに、身体的攻撃性が重大なリスク因子として関与していることが明らかにされた。台湾市立病院精神科医療センターのPing-Yi Hou氏らが、大規模患者コホート研究にて、SCDの発生率とリスク因子を調査し報告した。統合失調症患者は早期死亡リスクが高く、その潜在的要因としてSCDへの注目が増していた。Schizophr Research誌オンライン版2015年7月22日号の掲載報告。

「第14回 With You Tokyo ~あなたとブレストケアを考える会~」開催のご案内

 With You ~あなたとブレストケアを考える会~は、10月25日(日)に「第14回 With You Tokyo ~あなたとブレストケアを考える会~」を東京にて開催する。同会は、ブレストケアの質の向上を図るために、患者およびその家族と乳腺診療に携わる多職種の方々が同じ土俵に立って意見を交わすことのできる会で、患者や家族のケアに目を向け、地域に根ざした活動を行っている。これまで、全国7ヵ所(北海道・東北[仙台]・東京・名古屋・関西[大阪]・九州[福岡]・沖縄)で開催されており、東京での開催は14回目を迎える。

冬の高齢者の血圧上昇、暖房の指導が有効

 冬季の心血管疾患による死亡率増加の原因の1つに、寒冷曝露によって引き起こされる血圧上昇がある。寒冷曝露を減らすよう、医師が家庭での暖房使用を指導することは実現可能な選択肢であるが、有効性は不明である。奈良県立医科大学の佐伯 圭吾氏らは、その有効性を調査するため、冬季にオープンラベル単純無作為化比較試験を実施した。その結果、暖房使用の指導により室内温度が有意に上昇し、高齢者の自由行動下血圧が有意に低下した。このことから、家庭の暖房に関する指導が冬季の心血管系疾患発症予防に短期的に有効であることが示唆された。Journal of hypertension誌オンライン版2015年9月12日号に掲載。

脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず/Lancet

 脳卒中ユニットで治療中の嚥下障害がある脳卒中後患者について、予防的抗菌薬投与を行っても肺炎発症は抑制されず、同治療は推奨できないとする見解を、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLalit Kalra氏らがクラスター無作為化試験の結果、報告した。脳卒中後肺炎は、死亡の増大および機能的アウトカムの不良と関連している。研究グループは、予防的抗菌薬の有効性を調べるため今回の検討を行ったが、アルゴリズムに基づく発症率の補正後オッズ比は1.21であるなど、肺炎の発症に有意な差は認められなかったという。Lancet誌オンライン版2015年9月3日号掲載の報告。

米国直近の糖尿病有病率は12.4%、1988年から増加傾向続く/JAMA

 米国の2011~12年の糖尿病有病率は12.4%であり、1988~94年の9.8%、2001~02年の10.8%から増加傾向が続いていることが明らかになった。同様の傾向は、男女別にみても、また年齢別や人種別にみた場合も認められたという。米国疾病予防管理センター(CDC)のAndy Menke氏らが、米国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)のデータを基に調べ報告した。JAMA誌2015年9月8日号掲載の報告。

PRIMIT試験:インターネットによる手洗いの奨励がもたらす効果(解説:小金丸 博 氏)-418

インフルエンザなどの気道感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染が主であると考えられている。接触による感染の伝播防止には手洗いが有効であり、新型インフルエンザA(H1N1)のパンデミック期には、世界保健機関(WHO)は手洗いを推奨した。手洗いの教育がもたらす感染予防効果について、小児を対象とした質の高い研究があるものの、非貧困地域における成人を対象とした質の高い研究は、今まで存在しなかった。

うつ病へのボルダリング介入、8週間プログラムの成果は

 うつ病は、先進国における最も一般的な疾患の1つである。そして、うつ病患者の身体活動は、重要な治療介入であると考えられる。ロッククライミングやボルダリングは、うつ病治療に有用であると考えられる多くの側面を有しているが、うつ病患者に対するボルダリングのグループ介入の研究はほとんど行われていなかった。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクのKatharina Luttenberger氏らは、ボルダリングによる心理療法的介入の8週間プログラムを開発し、その介入効果を評価した。BMC psychiatry誌2015年8月25日号の報告。

浴槽内アルコール関連死の疫学

 浴槽内での死亡は、50歳以上の習慣的に飲酒をする人、とくにアルコール関連の胃腸疾患を持つ人で多いことが、東京都監察医務院の鈴木 秀人氏らによる研究で明らかになった。浴槽内での死亡を減少させるためには、これらの人々をターゲットに予防戦略を立てるべきであると考えられる。日本アルコール・薬物医学会雑誌2015年4月号の報告。

PNH妊婦へのエクリズマブ、有効性と安全性を確認/NEJM

 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対するエクリズマブ投与は、胎児生存率が高く、母親の合併症発生率も低いことが明らかにされた。英国のセント・ジェームス大学病院のRichard J. Kelly氏らが、PNH妊婦の妊娠75件について調べて明らかにした。エクリズマブ使用に関してPNHの妊娠中女性を対象とした試験は初めてという。NEJM誌2015年9月10日号掲載の報告より。

ベムラフェ二ブが有毛細胞白血病に高い効果/NEJM

 プリンアナログ療法後に再燃または難治性の有毛細胞白血病(HCL)に対して、BRAF阻害薬ベムラフェニブ(HCLに対しては未承認)の16~18週投与が高い治療効果を示したことが報告された。イタリア・ペルージャ大学のEnrico Tiacci氏らがイタリアと米国の2施設で行った第II相臨床試験の結果、報告した。HCLでは遺伝子病変としてBRAF V600Eが認められることから、本検討が行われた。NEJM誌オンライン版2015年9月9日号掲載の報告より。

TEAAM試験:テストステロン低値の高齢者へのテストステロンの補充は、動脈硬化を抑制しない(解説:佐田 政隆 氏)-417

男性ホルモンであるテストステロンの血中濃度は、10代後半から20代にかけてピークとなり、それ以降、加齢とともに低下する。しかし、個人差もあり、低テストステロン値は、糖尿病、メタボリックシンドローム、脂質異常症、心血管病罹患率、死亡率と関連することが報告されている。

2つのADHD治療薬、安全性の違いは

 英国・サウサンプトン大学のSamuele Cortese氏らは、注意欠如・多動症(ADHD)児におけるメチルフェニデートとアトモキセチンの有害事象(AE)発現状況を比較検討した。その結果、アトモキセチンはメチルフェニデートに比べ、軽度AEおよび重度AEとも有意に高頻度であることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2015年8月21日号の掲載報告。

好評!肺音(呼吸音)研究会、肺聴診セミナー今年も開催

 2015年10月17日、第40回肺音(呼吸音)研究会および第5回肺聴診セミナーが東京のJA共済ビルで開催される。フィジカル・アセスメントの重要性が再認識されている今、若手医師をはじめとした医療従事者に人気のこのイベントについて、同研究会当番幹事およびセミナー講習会長を努める福島県立医科大学 呼吸器内科 教授 棟方充氏に聞いた。