脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:42

食習慣と片頭痛リスクとの関係

 片頭痛発症に対する食事の影響は知られているものの、大規模サンプルにおける片頭痛リスクと食習慣との潜在的な因果関係については、よくわかっていない。中国・山東大学のXinhui Liu氏らは、食習慣と片頭痛発症リスクとの潜在的な因果関係および片頭痛リスク因子のメディエーターの役割を明らかにするため、本研究を行った。その結果、食習慣と片頭痛リスクとの関連が認められ、一部の食物は不眠症やうつ病にも影響している可能性が示唆された。Frontiers in Nutrition誌2023年6月7日号の報告。

乳頭型頭蓋咽頭腫、BRAF・MEK阻害薬併用で奏効率94%/NEJM

 乳頭状頭蓋咽頭腫患者を対象とした小規模な第II相単群試験において、ベムラフェニブ+cobimetinibのBRAF・MEK阻害薬併用療法により16例中15例で客観的奏効(部分奏効以上)が得られたことを、米国・ハーバード大学医学大学院のPriscilla K. Brastianos氏らが報告した。下垂体-視床下部軸の原発性脳腫瘍である頭蓋咽頭腫は、手術、放射線療法あるいはそれらの併用による治療によって、失明、神経内分泌機能障害、記憶喪失など臨床的に重大な後遺症が引き起こされることが多い。遺伝子型の解析では、乳頭状頭蓋咽頭腫の90%以上の患者が、BRAF V600E遺伝子変異を保有していることが示されているが、放射線療法歴のない乳頭状頭蓋咽頭腫の患者におけるBRAF・MEK阻害薬併用療法の安全性と有効性に関するデータは不足していた。NEJM誌2023年7月13日号掲載の報告。

認知症に対するゲーム療法の有効性~メタ解析

 アルツハイマー病は、重度の神経変性疾患であり、直接的および間接的に大きな経済的負担をもたらす。しかし、効果的な薬物療法の選択肢はいまだ限られている。近年、認知症患者に対するゲーム療法が注目を集め、さまざまな研究が行われている。中国・北京大学のJiashuai Li氏らは、既存の研究データを統合し、認知症患者に対するゲーム療法の効果を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、ゲーム療法は、認知症患者の認知機能および抑うつ症状の改善が期待できる介入であることが示唆された。Worldviews on Evidence-Based Nursing誌オンライン版2023年6月12日号の報告。  認知機能、QOL、抑うつ症状をアウトカム指標とし、認知症患者に対するゲーム療法の影響を評価したランダム化臨床試験および準実験的研究を分析対象に含めた。トレーニングを受けた2人の独立した研究者により、研究のスクリーニング、品質評価、データ抽出を実施した。統計分析には、Review Manager(Revman)5.3およびSTATA16.0ソフトウエアを用いた。

高齢者の片頭痛患者に対する抗CGRP抗体の安全性・有効性

 抗CGRPモノクローナル抗体は、片頭痛治療において顕著な有効性および忍容性が認められているが、高齢者に対する使用データについては、臨床試験では暗黙の年齢制限があり、リアルワールドのエビデンスも限られていることから、十分であるとは言えない。スペイン・バルセロナ大学のAlbert Munoz-Vendrell氏らは、65歳以上の片頭痛患者を対象に抗CGRPモノクローナル抗体であるエレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブの安全性および有効を評価するため、検討を行った。その結果、リアルワールドにおける65歳以上の片頭痛患者に対する抗CGRPモノクローナル抗体による治療は、安全かつ効果的な治療法であることを報告した。The Journal of Headache and Pain誌2023年6月2日号の報告。

認知症リスクが排便回数と便の硬さに関連~日本人4万人の研究

 中年期以降の排便習慣と認知症との関連について国立がん研究センター中央病院の清水 容子氏らが解析した結果、男女とも少ない排便回数および硬い便が高い認知症リスクと関連することが示された。Public Health氏オンライン版2023年6月29日号に掲載。  本研究は、介護保険の認定記録を用いたコホート研究で、JPHC研究における8地区で排便習慣を報告した50~79歳の参加者を対象に、2006~16年の認知症の発症について調査した。生活習慣因子や病歴を考慮したCox比例ハザードモデルを用いて、男女別にハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。

中年のコーヒーや紅茶の摂取と将来の認知症リスク~HUNT研究

 認知症予防に対するコーヒーおよび紅茶の摂取の可能性について調査した研究結果は、現状では一貫性が得られていない。ノルウェー科学技術大学のDenise Abbel氏らは、中年成人を対象に紅茶または各種コーヒーの摂取とその後の認知症リスクとの関連およびこの関連に性別、ApoE4が及ぼす影響を調査するため、本研究を実施した。その結果、コーヒー摂取の習慣とその後の認知症リスクとの関連に対し、摂取するコーヒーの種類が影響を及ぼしている可能性が示唆された。Nutrients誌2023年5月25日号の報告。

患者からの「心付け」、角が立たない断り方は?/医師1,000人アンケート

 患者さんがお世話になった医師に診療対価のほかに金銭や物品などを渡すという慣習に対して、受け取りたくない/受け取ることができない医師が断り方に苦慮するという話を聞く。そこで、CareNet.comでは、患者さんやそのご家族からの感謝の気持ちとして、診療対価のほかに「お礼(心付け)」を受け取った経験や、申し出を断る言葉や方法に関するアンケートを実施した。その結果、内科系・外科系診療科を問わず80%超の医師がお礼を受け取った経験があるが、もはや過去の慣習と考えている医師が多く、さらに、何とかして渡したい患者vs.受け取りたくない医師のやり取りも明らかになった(2023年6月2日22日実施)。

軽症脳梗塞、4.5時間以内DAPT vs.アルテプラーゼ/JAMA

 日常生活や仕事上の障害につながらない(非障害性)軽症脳梗塞患者において、発症後4.5時間以内の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)は90日後の機能的アウトカムに関して、アルテプラーゼ静注に対して非劣性であることが示された。中国・General Hospital of Northern Theatre CommandのHui-Sheng Chen氏らが、多施設共同無作為化非盲検評価者盲検非劣性試験「Antiplatelet vs R-tPA for Acute Mild Ischemic Stroke study:ARAMIS試験」の結果を報告した。軽症脳梗塞患者において、静脈内血栓溶解療法の使用が増加しているが、軽症非障害性脳梗塞患者における有用性は不明であった。JAMA誌2023年6月27日号掲載の報告。

片頭痛治療薬抗CGRP抗体の比較~メタ解析

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体は、新しい片頭痛予防薬である。また、米国においてCGRP受容体拮抗薬であるatogepantが片頭痛予防薬として承認された。中国・首都医科大学のWenfang Sun氏らは、将来の臨床試験の参考となるよう、さまざまな用量の抗CGRPモノクローナル抗体およびatogepantを含む片頭痛治療に対する有効性および安全性を評価するため、ネットワークメタ解析を実施した。その結果、すべての抗CGRP薬は片頭痛予防に効果的であり、とくにフレマネズマブ225mg/月、エレヌマブ140mg/月、atogepant 60mg/日は、副作用リスクが低く、効果的な介入であることが示唆された。The Clinical Journal of Pain誌オンライン版2023年6月2日号の報告。

暑くても脳卒中が増加?~メタ解析

 暑さと寒さの両方が脳卒中の罹患率および死亡率を増大させ、発展途上国よりも先進国のほうが暑さによるリスクが高いことが、中国・Tongji Medical CollegeのJing Wen氏らによって明らかになった。Brain and Behavior誌オンライン版2023年6月2日号掲載の報告。  これまでの研究で、気温は脳卒中の罹患率および死亡率と関連することが示唆されているが、そのエビデンスは十分ではない。そこで研究グループは、気温と脳卒中の罹患率および死亡率との関連を評価するためにメタ解析を行った。