内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:605

〔CLEAR! ジャーナル四天王(84)〕 「先生、禁煙すると太るからいやです!」 この患者さんにどう説明しますか?

 「たばこを止めたら太っちゃった!先生それでも大丈夫なんですか?」と尋ねられた経験が一度ならずある、という医師は多いであろう。メタボの怖さを患者に説得している医師にとって、この手の質問に「太っても心配ない」と自信を持って答えられるだけの資料を、医師側はこれまで無かった。

高齢者高血圧患者に適している利尿薬は?

 現在、わが国で降圧利尿薬を処方する場合、ヒドロクロロチアジドとARBの配合剤を用いることが多い一方、クロロチアジドを支持するエビデンスは多い。カナダのコホート研究より、高齢の高血圧患者においてはヒドロクロロチアジドがクロルタリドンより入院を必要とした低カリウム血症、低ナトリウム血症が少なく、心血管イベントの発生率は変わらなかったとの結果がAnn Intern Med誌に発表されたので簡単に紹介する。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(80)〕 カフェインドリンクの飲用は交通事故を減らす

 長距離ドライバーの居眠りによる交通事故が大惨事を引き起こしたことはわが国でも記憶に新しい。オーストラリアという広大な国では、長距離ドライバーの居眠り事故対策は大きな課題であろう。本研究は、オーストラリアで200km以上運行する12トン以上の商業用トラック(バスは除く)を運転するドライバーへの聞き取り調査から、カフェイン飲料の使用と交通事故との関連について調査したものである。

18~50歳成人の脳卒中後20年累積死亡率、一般成人の予測死亡率の2.6~3.9倍/JAMA

 18~50歳成人の脳卒中後20年間の累積死亡率は、一般成人の予測死亡率よりもかなり高いことが明らかになった。オランダ・ナイメーヘン・ラットバウト大学医療センターのLoes C. A. Rutten-Jacobs氏らが報告した。これまで同年代成人の初発脳卒中後の死亡率についての報告は不十分で、一般的には脳梗塞に限られたものであったという。脳卒中は主に高齢者で発生するが、約10%は50歳未満の若・中年者で発生している。JAMA誌2013年3月20日号掲載の報告より。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(75)〕 プライマリ・ケア医による閉塞性睡眠時無呼吸の管理は、睡眠専門施設に劣らない

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の診断と重症度評価は、睡眠センターにおける終夜睡眠ポリグラフ(PSG)によってなされてきた。近年、入院せずに在宅で行う簡易モニターの有用性が示され、代表的な治療法であるCPAPも自動的に圧調節が可能となり、適正圧の決定ができるようになってきた。しかし、OSA患者の管理が、睡眠センターの専門医ではなく、プライマリ・ケアを担当する医師と看護師でも可能であるかは明らかでない。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療、プライマリ・ケアでも提供可能/JAMA

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療について、プライマリ・ケアでの提供が、睡眠専門医療施設での提供に匹敵することが、オーストラリア・フリンダース大学のChing Li Chai-Coetzer氏らによる無作為化非劣性試験の結果、示された。睡眠障害への気づきと受診を促す啓発活動や肥満者の増大でOSA治療のために専門施設を受診する患者が増え、戦略的な外来治療への関心が高まってきている。プライマリ・ケア受診患者の約3分の1にOSAの疑いがあるとの報告もあり、Chai-Coetzer氏らは、適切な訓練と簡便なマネジメントツールで、プライマリ・ケアでのOSA治療が提供可能か本検討を行った。JAMA誌2013年3月13日号掲載の報告より。

「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義

 2012年3月18日(月)、マスコミセミナー「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義 が開催された。国立国際医療研究センター国府台病院 院長 上村直実氏と東海大学医学部総合内科 教授 高木敬司氏が、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎保険適用のメリット、プロバイオティクス併用除菌の可能性などについて最近の知見を紹介した。

地中海式食事療法、高リスク集団の心血管イベント1次予防に有用/NEJM

 地中海食(エネルギー制限はしない)とオリーブオイルまたはミックスナッツを組み合わせた食事療法が、心血管リスクの高い集団の心血管イベントの1次予防において相対リスクを約30%低減することが、スペイン・バルセロナ大学病院のRamon Estruch氏らの検討で明らかとなった。地中海食は、オリーブオイル、果物、ナッツ、野菜、シリアルの摂取量が多く、魚や鶏肉の摂取量は中等度、乳製品、赤身肉、加工肉、菓子類の摂取量は少ないことが特徴とされる。地中海式食事療法の遵守状況と心血管リスクは逆相関を示すことが、観察コホート試験や2次予防試験で確認されている。NEJM誌オンライン版2013年2月25日号掲載の報告。