内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:565

慢性心不全に適度なワイン

 日常的に適度なワインを飲むことは、心血管イベントリスクの低下と関連するが、慢性心不全患者におけるデータは不足している。GISSI-HF試験の研究グループは、イタリア人慢性心不全患者の大規模コホートを対象とした多施設臨床研究により、ワイン摂取と健康状態、バイオマーカー、臨床アウトカムとの関連性を評価した。著者らは「本研究は、慢性心不全患者の大規模コホートにおいて、適度なワインがより良い主観的/客観的健康状態、低い抑うつ傾向、血管炎症の少なさと関連することを示した、初の研究である。ただし、より良好な4年後臨床アウトカムとの関連性は認められなかった」とした。Circulation: Heart failure誌オンライン版2015年4月29日号の掲載報告。

コーヒー摂取量と死亡リスク~日本人9万人の前向き研究

これまで、コーヒー摂取と死亡・主要死因別死亡との関連を検討した前向きコホート研究はほとんどなかったが、今回、わが国における前向き大規模コホート研究(JPHC Study※)により、習慣的なコーヒーの摂取が全死亡および心疾患、脳血管疾患および呼吸器疾患による死亡リスクを減らす可能性が示唆された。The American journal of clinical nutrition誌2015年5月号(オンライン版2015年3月11日号)に掲載。

生活習慣指導でGERD症状が改善

 胃食道逆流症(GERD)は生活習慣病と考えられているが、生活習慣の影響と生活習慣への介入の効果については議論されている。川崎医科大学 春間 賢氏らは、GERDと関連する生活習慣因子とプライマリケアによる生活習慣への介入の有効性について、LEGEND studyの事後解析により検討した。その結果、プロトンポンプ阻害薬(PPI)投与中のGERD患者における生活習慣への介入は、逆流症状およびディスペプシア症状とも有意に改善することが認められた。Internal medicine誌2015年4月1日号に掲載。

梅雨の季節。原因不明の咳は真菌のせい!?

 4月21日、東京都内において「梅雨から要注意!カビが引き起こす感染症・アレルギー  -最新の研究成果から導く“梅雨カビ”の対策ポイント-」(主催:株式会社衛生微生物研究センター、協力:ライオン株式会社)と題し、メディアセミナーが開催された。  これから梅雨の季節を迎え、家中のさまざまなところで発生するカビについて、その性質と健康に及ぼす影響を概説し、具体的にどのような疾患を生じさせるかをテーマに講演が行われた。

高齢者の喫煙リスク~50万例でのエビデンス/BMJ

 高齢者においては、喫煙は心血管イベントや心血管死の独立した強力なリスク因子であるとの従来のエビデンスを、あらためて裏付ける知見が、ドイツがん研究センター(DKFZ)のUte Mons氏らCHANCESコンソーシアム(http://www.chancesfp7.eu/)が実施したメタ解析で得られた。一般に、喫煙は疾患や死亡の修正可能な主要リスク因子であり、禁煙は喫煙関連リスクの抑制に有効とされる。一方、心血管イベントのほとんどが高齢者で発現しており、この年齢層のデータを代用して一般化されているが、高齢者に焦点を当てた検討は少ないという。BMJ誌オンライン版2015年4月20日号掲載の報告より。

βラクタム薬アレルギー申告は不確実?

 先行研究の2次医療における研究で、「βラクタム薬に対してアレルギーがある」との申告の85%超が、アレルギー検査で確認されたものではなかったことが示されている。日常診療で、もし患者がβラクタム薬アレルギーありと申告したら、第2選択の抗菌薬を処方せざるを得ないだろう。βラクタム薬アレルギーの過大評価は、狭域抗菌薬の適切な使用を妨げるとともに、医療費の増加や耐性菌の出現を招くことになる。