内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:532

スーグラほかSGLT2阻害薬は高齢者に安全か

 3月3日、アステラス製薬株式会社は、「本邦の高齢者におけるSGLT2阻害薬の安全性と有効性」と題し、演者に横手 幸太郎氏(千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学講座 教授)を招き、プレスセミナーを開催した。講演では、65歳以上の高齢者7,170人を対象としたSGLT2阻害薬イプラグリフロジン(商品名:スーグラ)錠の大規模調査「STELLA-ELDER」の中間報告も行われた。  はじめに、2型糖尿病をメインにその概要や機序が説明された。わが国の糖尿病患者は、疫学推計で2,050万人(2012年)と予想され、この5年間で予備群といわれている層が減少した半面、糖尿病と確定診断された層は増加しているという。血糖コントロールについては、さまざまな治療薬の発売もあり、2002年と2013年を比較すると、2型糖尿病患者のHbA1cは7.42%から6.96%へと低下している。しかしながら、患者の平均BMIは24.10から25.00と肥満化傾向がみられる。

離婚と脳卒中リスク~日本人5万人のデータ

 婚姻状態の変化と心血管疾患リスクの関連についての知見は一貫しているが、脳卒中リスク、とくに脳卒中のサブタイプ別にみた研究はほとんどない。大阪大学の本庄かおり氏らが婚姻状態の変化(離婚)と脳卒中リスクとの関連について検討した結果、これらには正の相関が認められ、その相関は生活環境や雇用状況により変化することが示された。Stroke誌オンライン版2016年3月1日号に掲載。

処方率上位を伝えるレター、不要な抗菌薬処方削減に効果/Lancet

 英国一般医(GP)の不要な抗菌薬処方を減らす方法として、処方率の高い上位20%のGPに対し、英国主席医務官(England's Chief Medical Officer)名で、上位に位置していることを知らせるレター送付が有効であることが示された。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのMichael Hallsworth氏らが、プラグマティックな試験を行い報告した。著者は、「低コストで全国規模の抗菌薬処方の削減が可能であり、抗菌薬管理プログラムに追加する価値があるものだ」と結論している。Lancet誌オンライン版2016年2月18日号掲載の報告。

血清尿酸値と心血管疾患死亡率の関係はJ字型

 アジア人における血清尿酸値と心血管疾患との関係を調査するために、大阪大学のWen Zhang氏らはEvidence for Cardiovascular Prevention from Observational Cohorts in Japan(EPOCH-JAPAN研究)のデータを用いて、日本における大規模なプール解析を実施した。その結果、血清尿酸値と心血管疾患死亡率との間にJあるいはU字型の関係が示唆された。また、日本人男女とも、血清尿酸値の最高五分位で心血管疾患の死亡率増加と関連していた。Journal of atherosclerosis and thrombosis誌オンライン版2016年2月18日号に掲載。

長時間労働とがんリスク

 長時間労働は心血管疾患リスクの増加と関連しているが、がんとの関連は不明である。英国London School of Hygiene & Tropical MedicineのKatriina Heikkila氏らのマルチコホート研究により、長時間労働は、がん全体、肺がん、大腸がん、前立腺がんのリスクに関連がないことが示唆された。一方、乳がんリスクとの関連については「さらなる研究が必要とされる」と記している。British Journal of Cancer誌オンライン版2016年2月18日号に掲載。

脳卒中後の降圧目標、130mmHg vs.140mmHg/BMJ

 脳卒中または一過性脳虚血発作歴のある患者に対し降圧治療を行う際、目標収縮期血圧値を140mmHgに設定しても、130mmHgに設定した場合と比べて、12ヵ月後の両群間の降圧差は3mmHgとわずかで、臨床的重要性は同等であることが示された。英国・ケンブリッジ大学のJonathan Mant氏らが、529例を対象に行った非盲検無作為化試験「PAST-BP」の結果、明らかにした。プライマリケアにおいて、脳卒中/一過性脳虚血発作後患者の異なる目標血圧値に関する試験は、これが初めてという。BMJ誌オンライン版2016年2月24日号掲載の報告。

糖尿病患者への降圧治療、ベネフィットあるのは140mmHg以上の人/BMJ

 糖尿病患者に対する降圧治療は、ベースライン収縮期血圧値が140mmHg以上であれば、全死因死亡リスクや心血管疾患リスクの低減効果が認められるものの、140mmHg未満では、逆に心血管死リスクが増大することが示された。スウェーデン・ウメオ大学のMattias Brunstrom氏らが、システマティック・レビューとメタ解析の結果、明らかにした。糖尿病患者への降圧治療は、同患者で増大がみられる心血管疾患リスクを低減するが、至適血圧値については議論が分かれている。BMJ誌オンライン版2016年2月24日号掲載の報告。