内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:527

中国プライマリケア施設、主要4種の降圧薬常備は3割

 中国における降圧薬の利活用(入手性、費用、処方)は著しく不十分で、とくにガイドラインで推奨される廉価で価値の高い薬剤が、率先して使用されてはいない実態が明らかとなった。中国医学科学院・北京協和医学院のMeng Su氏らが、中国のプライマリケア施設における降圧薬に関する全国調査の結果を報告した。中国の高血圧患者は約2億人と推定されているが、プライマリケアでの治療の実態は、ほとんど知られていなかった。著者は、「今後、高血圧の疾病負荷を減らすために、とくにプライマリケア従事者の活動を介して、価値の高い降圧薬の利用状況を改善する必要がある」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年10月25日号掲載の報告。

中国成人の約半数が高血圧、うち7割は服薬なし/Lancet

 35~75歳の中国成人において、ほぼ半数が高血圧症を有し、治療を受けているのは3分の1未満で、血圧コントロールが良好なのは12分の1未満であることが明らかになった。中国医学科学院・北京協和医学院のJiapeng Lu氏らが、約170万例の代表サンプル成人を対象に行った、住民ベースのスクリーニング試験の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2017年10月25日号掲載の報告。

治療の幅が拡大した再生不良性貧血

 2017年10月16日、ノバルティス ファーマ株式会社は、同社のエルトロンボパグ オラミン(商品名:レボレード)およびシクロスポリン(同:ネオーラル)が、2017年8月25日に再生不良性貧血へ適応が拡大されたことから、「再生不良性貧血のメディカルニーズに対応する“輸血フリー”実現に向けた最新治療戦略 ~9年ぶりの治療選択肢の登場で変わる新たな薬物療法~」をテーマに、都内においてメディアセミナーを開催した。

認知症予防、緑茶 vs.紅茶 vs.ルイボス茶

 チャノキ(茶の木[Camellia sinensis])の緑茶(green tea)成分は、アルツハイマー病における、記憶障害などのさまざまな神経変性状態に対し神経保護的に作用する。しかし、チャノキのほかの茶成分が、類似の神経保護的な効果を示すかは不明である。ブラジル・Universidade Federal do PampaのHelen L. Schimidt氏らは、アルツハイマー様疾患のラットモデルにおいて、緑茶、ルイボス茶(red tea)、紅茶(black tea)の補充が記憶および海馬の酸化状態に及ぼす影響を調査した。Food research international誌2017年10月号の報告。

One dose fit all!の限界(解説:後藤信哉氏)-757

いわゆるNOACs、DOACsの臨床開発に当たって、選択的抗トロンビン薬では有効性、安全性は薬剤の用量依存性と予測していた。開発試験の結果が出るまで、Xa阻害薬では出血合併症には用量依存性が少ないとの期待があった。急性冠症候群を対象とした第II相試験の結果を見て、抗Xa薬でも用量依存性に重篤な出血合併症が増加することを知って失望した。

呼吸器感染症の抗菌薬投与、プロカルシトニンガイドで生存率は?

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年2月、急性呼吸器感染症患者への抗菌薬投与を判断するための血中マーカーとしてプロカルシトニンを承認した。今回、スイス・アーラウ州立病院/バーゼル大学のPhilipp Schuetz氏らの研究グループによるメタアナリシスの結果、急性呼吸器感染症の抗菌薬治療のマーカーとしてのプロカルシトニンの使用が、抗菌薬の曝露や副作用を減少させ、生存率を改善することが示された。著者らは、「急性呼吸器感染症におけるプロカルシトニン・プロトコールの普及は、抗菌薬マネジメントを改善し、臨床転帰および多剤耐性菌増加の脅威に対してプラスの効果をもたらす可能性がある」としている。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2017年10月13日号に掲載。

クローン病と潰瘍性大腸炎の罹患率と有病率、世界的な傾向は?/Lancet

 炎症性腸疾患(IBD)は、21世紀において世界的な疾病となっている。中国・香港中文大学のSiew C. Ng氏らが各国のIBDの罹患率と有病率の変化を調べた結果、IBDは今世紀に入り、社会の西洋化が進む新興工業国で罹患者が急増し世界的な疾病になったこと、西洋諸国では罹患率は安定しているが有病率は0.3%を上回っており、疾病負荷は高いままであることを明らかにした。著者は、「示されたデータは、この複雑でコストのかかる疾病をマネジメントするために、IBDの予防およびヘルスケアシステムの革新に関する研究が必要であることを強調するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年10月13日号掲載の報告。  検討は、2016年12月31日時点でMEDLINEとEmbaseを検索し、クローン病または潰瘍性大腸炎の罹患率もしくは有病率を報告していた1990年以降の試験論文を特定し、観察的な住民ベース試験を対象としてシステマティックレビューにより行われた。住民ベース試験は、特定地域の居住者全員を対象としており、患者がその地域を代表している場合とみなした。また、レビューには、潰瘍性大腸炎とクローン病の報告が分かれていた試験を包含した。オリジナルデータを報告していない試験、小児のIBD(診断時の年齢が16歳未満)の罹患率または有病率のみを報告している試験は除外した。

脳卒中予防の重要性とアスピリンのインパクト!(解説:後藤信哉氏)-755

冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患は全身の動脈硬化と血栓性が局所臓器にて症状を発現した疾病である。世界から外来通院中の安定した各種動脈硬化、血栓性疾患6万8千例を登録、観察したREACH registry研究では、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患ともに年間の脳卒中の発症が最大の問題であることを示した。脳卒中の発症率が最も低い冠動脈疾患でも脳卒中発症率は年間1.6%であり、実臨床における新規に診断された心房細動症例の脳卒中発症率と同程度であった。価格の高い新薬を特許期間内に売り切ろうとするのか、年間3%程度に重篤な出血イベントを惹起することが第III相試験にて確認されている経口抗トロンビン薬、抗Xa薬がNOACs、DOACsなど非科学的なネーミングにより非弁膜症性心房細動に広く使用されているのは筆者の驚くところである。非弁膜症性であっても心房細動を合併すれば近未来の脳卒中リスクは増える。しかし、すでに脳卒中を発症した症例の再発率ほど発症リスクが高くなるわけではない。年間3%という重篤な出血合併症というコストに見合う効果を、非弁膜症性心房細動の脳卒中1次予防にて示した臨床研究は過去に施行されていない。同じく年間3%以上の重篤な出血性合併症を惹起する、INR 2~3を標的とした、現実の医療とは乖離した過去の「仮の標準治療」より出血が少ないといっても、年間3%以上の重篤な出血合併症は1次予防にて受け入れられる水準ではない。

国内初の慢性便秘症診療ガイドライン発刊―便秘の定義や治療推奨明確に

 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会は、今月『慢性便秘症診療ガイドライン』を発刊した。高齢者を中心に有症状者は増え続け、その数は1,000万人超といわれる慢性便秘だが、これまで本邦においては診断や治療に関する明瞭な指針がなかった。本ガイドラインでは、診療に当たる医師らのコンセンサスを図るべく、「便秘」を定義。治療についてはClinical Question(CQ)を設定し、ステートメントとともにエビデンスレベルと推奨度を示した。以下でその概略を紹介する。

新規インフルエンザ薬S-033188、先駆け審査指定制度下で国内承認申請

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、自社創製の新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬S-033188について、成人および小児におけるA型又はB型インフルエンザウイルス感染症を適応症として、2017年10月25日付で日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表。