内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:441

高齢者のフレイル予防には口腔ケアと食環境整備を

 外来栄養指導は医師の指示があった患者だけ…という状況が変わり始めている。2018年11月10、11日の2日間において、第5回日本サルコペニア・フレイル学会大会が開催された。2日目に行われた「栄養の視点からみたサルコペニア・フレイル対策」のシンポジウムでは、本川 佳子氏(東京都健康長寿医療センター研究所口腔保健と栄養)が「地域在住高齢者の食品摂取多様性とフレイル重症度との関わり」について講演した。

心血管健康の変化と、その後のCVD発生の関連/JAMA

 心血管の健康状態が理想的であることと心血管疾患(CVD)発生の低さの関連には、首尾一貫したエビデンスがある。しかし大部分の試験は、心血管健康の単回評価指標を用いたものであったことから、フランス・パリ第5大学のThomas T. van Sloten氏らは、心血管健康が時間とともにどれくらい変化したかを調べ、それらの変化とCVD発生の関連を複合的に調べた。その結果、整合性がとれた関連は認められなかったという。JAMA誌2018年11月6日号掲載の報告。

かかりつけ医でうつ病の治療をする時代に気を付けたいこと(解説:岡村毅氏)-957

今後のわが国の医療がどのように変化するかわからないが、「まずはプライマリケアあるいは総合診療医にかかり、重篤や難治なケースが専門医に紹介される」という方向におおむね進むと理解している。精神医療はどうだろうか? 多くの国ではうつ病の治療もプライマリケアでまず行うとされる。わが国でも今後そうなるかもしれず、この論文の知見は興味深い。うつ病が疑われる患者さんが来て、薬物治療が必要な場合まず何を使うか? これについては多くのガイドラインが明確には語れない状況にある。とはいえ、ここでもったいをつけていても仕方ないのでえいやっとまとめてみたい。つまり、ここから下は個人的見解である。

エンパグリフロジンとリナグリプチンの配合剤、トラディアンス発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社と日本イーライリリー株式会社は、DPP-4阻害薬リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)と、SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)との配合剤である2型糖尿病治療薬「トラディアンス配合錠 AP/BP」を、2018年11月20日発売した。  トラディアンス配合錠APは、トラゼンタ5mgとジャディアンス10mgとの配合、トラディアンス配合錠BPは、トラゼンタ5 mgとジャディアンス25mgとの配合剤。

スポーツの違いで平均余命に差

 余暇の身体活動やスポーツの種類による平均余命の延長について調査したCopenhagen City Heart Study(CCHS)の結果から、スポーツの種類によって平均余命の延長年数に大きな差があることがわかった。なかでも、社会的相互作用の大きいスポーツのほうが、より平均余命が延長することが示唆された。Mayo Clinic Proceedings誌オンライン版2018年9月4日号に掲載。  CCHSは、余暇の身体活動やスポーツへの参加について詳細なアンケートを実施した前向き集団研究。被験者8,577人の全死因死亡を、1991年10月10日~1994年9月16日の調査から2017年3月22日まで最長25年追跡し、交絡変数を調整したCox比例ハザードモデルを用いて相対リスクを計算した。

HFpEF患者への亜硝酸薬吸入、運動能への効果は?/JAMA

 左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)患者において、4週間にわたる無機亜硝酸塩の吸入投与はプラセボと比較して、運動能の有意な改善に結びつかなかった。米国・メイヨークリニックのBarry A. Borlaug氏らによる無作為化試験の結果で、JAMA誌2018年11月6日号で発表された。HFpEF患者に対する効果的な治療法はほとんどない。無機亜硝酸塩や硝酸塩製剤は、一酸化窒素シグナリングを強化することが示されており、HFpEF患者の運動能を改善する可能性が示唆されていた。

n-3多価不飽和脂肪酸(PUFAs)摂取量増加は高齢者を無病息災に導く期待大!(解説:島田俊夫氏)-956

n-3多価不飽和脂肪酸 (PUFAs)に関しては、ちまたでは生活習慣病に対して健康改善に有効だとの認識がほぼ定着している。その一方でアカデミアにおいては、それを裏付けるエビデンスが必ずしも十分に得られているわけではないが賛同する方向にある1)。しかし、n-3 PUFAsは一般社会ではエビデンスに先行して医薬品、サプリメントとして確固たる地位を獲得しているように見える。米国・タフツ大学のHeidi TM Lai氏らは長期前向きコホート研究(Cardiovascular Health Study)の成果をBMJ誌の2018年10月17日号に発表した。

ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性が示唆された

 ベンゾジアゼピンの使用は、メンタルに関連する混乱や遅延を潜在的に引き起こす可能性がある。これらのよく知られているベンゾジアゼピンの副作用は、認知症と診断されるリスクの増加と関連しているといわれている。韓国・成均館大学校のKyung-Rock Park氏らは、ベンゾジアゼピンと認知症との関連について評価を行った。International Journal of Clinical Pharmacy誌オンライン版2018年10月26日号の報告。  2002~13年の韓国医療データベースよりデータを抽出した。ベンゾジアゼピン使用が認知症リスク増加と関連しているかを調査するため、Sequence symmetry analysis(SSA)を行った。新規のベンゾジアゼピン使用者と新規に認知症と診断された患者(ICD-10:F00~03、G30、G318)を定義した。ベンゾジアゼピンは、作用時間に基づき長時間作用型と短時間作用型の2群に分類した。結果の非因果的解釈の可能性を除外するため、抗うつ薬、オピオイド鎮痛薬、スタチンの使用者を活性比較者とした。関連性を同定するため、時間傾向調整順序比(ASR)と95%信頼区間(CI)を用いた。主要アウトカム指標は、ASRとした。

高血圧・喫煙・糖尿病は、男性以上に女性の心筋梗塞リスクを増加/BMJ

 心筋梗塞の発生率は、男性が女性の約3倍だが、心筋梗塞とそのリスク因子である高血圧、喫煙、糖尿病との関連は女性のほうが強いことが、英国・オックスフォード大学のElizabeth R C Millett氏らの調査で明らかとなった。さらに、心筋梗塞とリスク因子の関連の強さは、男女とも加齢とともに減弱するものの、女性における過剰なリスクは相対的に低下しないことも示された。研究の成果は、BMJ誌2018年11月7日号に掲載された。心筋梗塞の発生率は、若年時には女性が男性よりも低いが、加齢に伴いその差は小さくなる。以前のメタ解析において、心筋梗塞といくつかのリスク因子の関連に性差があることが示されているが、解析に含まれた試験には交絡因子調整の水準にばらつきがあり、年齢層別の性差の検討を行っていない試験も含まれたという。

若年時の血圧高値、中年以降CVイベントを招く?/JAMA

 40歳未満の若年成人で、米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)ガイドライン2017の「正常高値」「ステージ1高血圧」「ステージ2高血圧」の該当者は、正常血圧者と比較し、その後の心血管疾患(CVD)イベントのリスクが有意に高いことが示された。米国・デューク大学の矢野 裕一朗氏らが、前向きコホート研究「Coronary Artery Risk Development in Young Adults(CARDIA)研究」の解析結果を報告した。これまで、若年成人の血圧と中年期のCVDイベントとの関連についてはほとんど知られていない。著者は、「ACC/AHA血圧分類は、CVDイベントリスクが高い若年成人を特定するのに役立つと考えられる」とまとめている。JAMA誌2018年11月6日号掲載の報告。