内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:279

うつ病の早期寛解の予測因子

 抗うつ薬による治療反応は、患者ごとに大きく異なり、治療前に予測することは困難である。NTT西日本九州健康管理センタの阿竹 聖和氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)およびミルタザピンの治療反応と相関するサイトカイン、これらサイトカインが各抗うつ薬治療による寛解の予測因子となりうるかについて、調査を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2022年3月9日号の報告。  抗うつ薬治療前の患者95例を対象に、酵素結合免疫吸着測定法を用いて、腫瘍壊死因子(TNF-α)、インターロイキン(IL)-1β、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)の分析を行った。うつ症状の評価は、ハミルトンうつ病評価尺度を用いて4週間調査した。

ファイザー製ワクチン3回目、第III相試験で有効率95%/NEJM

 BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の2回目接種から中央値で10.8ヵ月後に行われた3回目接種は、プラセボ接種(BNT162b2ワクチン2回接種)と比べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する有効率が95.3%であった。ブラジル・オズワルドクルス財団のEdson D. Moreira氏らが、米国、南アフリカ共和国、ブラジルの123施設で実施した無作為化プラセボ対照第III相試験「C4591031試験」の結果を報告した。積極的なBNT162b2ワクチンの接種は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によるCOVID-19パンデミック下での重要な予防手段となりうる。ワクチンの2回目接種から6ヵ月後には液性免疫が低下するという報告を踏まえ、16歳以上への3回目(ブースター)接種の安全性と有効性に関するデータが必要とされていた。Lancet誌オンライン版2022年3月23日号掲載の報告。

米国でのオミクロン、デルタ、アルファ株におけるCOVID-19の臨床的重症度とmRNAワクチンの有効性の違い(解説:寺田教彦氏)

2019年末より新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症は世界的に拡大し、2022年3月現在でも、流行は続いている。この間に、新型コロナウイルスの特徴も判明し、ワクチン開発、治療方法の整備も進んだが、新型コロナウイルスも変異を繰り返し、流行の終息はまだ見えていない。本研究は、2021年3月11日から2022年1月14日までに米国21病院が参加した前向き研究で、mRNA COVID-19ワクチンのアルファ変異株、デルタ変異株、オミクロン変異株に対するCOVID-19関連入院の予防効果、COVID-19関連入院患者における変異株ごとの重症化率、死亡率について検討され、BMJ誌2022年3月9日号で報告された。

紹介状に不満がある医師は約7割!その紹介の実態は?/1,000人アンケート

 医療連携の一環として活用される紹介状。正式名称は「診療情報提供書」である。かかりつけ医が高度医療の必要があると判断して患者を紹介したり、その逆で患者の病状が安定したからとかかりつけ医などに戻ってもらう際に使用したりする。だが、この紹介状が名ばかりで実際の情報提供になっていないことがあるらしい。そこで今回、ケアネットでは会員医師1,000人を対象に『紹介状で困ったこと・良かったこと』に関するアンケートを実施した。

ダイエットの成功率、方法、成功のコツは?/アイスタット

 現在のように飽食の時代では「ダイエット」は老若男女に共通する課題であり、コロナ禍の今は「外出ができない」「運動が難しい」などの制約から、その意識はさらに高まっている。こうした環境下で人々のダイエットの意識はどのようなものがあるであろう。  株式会社アイスタットは、3月21日にアンケートを実施した。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員30~59歳の300人が対象。

COVID-19関連の超過死亡、報告されている死亡の3倍/Lancet

 2020~21年の2年間における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行による全体的な死亡への影響は、COVID-19のみに起因する死亡よりもはるかに大きく、全年齢層における世界的な超過死亡の割合は10万人当たり平均120人であり、300人を超えた国は21ヵ国に及ぶことが、米国・ワシントン大学のHaidong Wang氏らCOVID-19 Excess Mortality Collaboratorsの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2022年3月10日号に掲載された。  研究グループは、2020年1月1日~2021年12月31日の期間の、191の国と領土、および252の地域におけるCOVID-19の世界的流行による超過死亡の推定を目的に、COVID-19関連死亡の報告書を系統的に解析した(ビル&メリンダ・ゲイツ財団などの助成を受けた)。  この調査では、上記期間とその最大11年前までの期間における週ごとまたは月ごとのあらゆる原因による死亡(総死亡)の報告書が、世界74の国と領土、および266の地域(低・中所得国の31の地域を含む)から収集された。また、インドの12州から超過死亡データが得られた。

抗TNFα抗体製剤治療中のIBD患者、2回目の新型コロナワクチン接種後の免疫応答が低下

 抗TNFα抗体製剤は、炎症性腸疾患(IBD)などの免疫介在性炎症性疾患の治療に頻繁に用いられる生物学的製剤の1つだ。これまで抗TNFα抗体製剤は、肺炎球菌やインフルエンザワクチン接種後の免疫応答を減弱させ、重篤な呼吸器感染症リスクを増加させることが知られていた。しかし、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチンに対するデータは不足していた。英国・Royal Devon and Exeter NHS Foundation TrustのSimeng Lin氏らは、インフリキシマブ(抗TNFα抗体製剤)またはベドリズマブ(腸管選択的抗α4β7インテグリン抗体製剤)で治療中のIBD患者において、2回目の新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体濃度やブレークスルー感染の頻度を比較した。Nature Communications誌2022年3月16日号の報告。

COVID-19患者の脱毛症、特徴が明らかに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との関連が報告されている脱毛症患者について、米国・マイアミ大学のBetty Nguyen氏らが系統的レビューとメタ解析を実施。男性型脱毛症は、重症新型コロナウイルス感染症のリスク因子である可能性が認められ、一方で休止期脱毛症は新型コロナウイルス感染症の後遺症としての出現が認められること、また円形脱毛症は概して、円形脱毛症既往患者に再発として認められることを報告した。新型コロナウイルス感染症は男性型脱毛症、休止期脱毛症、円形脱毛症と関連することが示されているが、これまで包括的なデータ分析は行われていなかった。JAAD International誌オンライン版2022年2月22日号掲載の報告。

COVID-19ワクチンの免疫性神経疾患リスクを検証/BMJ

 4種の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの接種後には、免疫性神経疾患(Bell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎)の安全性シグナルは認められないが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染したワクチン未接種者ではBell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群のリスクが増大していることが、英国・オックスフォード大学のXintong Li氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年3月16日号で報告された。

人口の何%が感染?コロナの“いま”に関する11の知識(2022年3月版)/厚労省

 厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2022年3月版)」を3月11日に公開した。これは、日本の新型コロナウイルス感染症の感染者数・重症化率・病原性、感染性、検査・治療、変異株について、現在の状況とこれまでに得られた科学的知見を11の知識としてとりまとめたもの。主な更新内容は以下のとおり。 Q 日本では、どれくらいの人が新型コロナウイルス感染症と診断されていますか。 2022年3月1日0時時点で499万4,387人が診断され、全人口の約4.0%に相当する。 Q 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や死亡する人はどれくらいですか。 2021年7~10月に診断された人における重症化率は0.98%(50代以下0.56%、60代以上5.0%)、死亡率は0.31%(50代以下0.08%、60代以上2.5%)だった。