うつ病は一般的に認められる精神疾患だが、致死的な状態を引き起こす可能性がある。COVID-19パンデミックによるうつ病問題の深刻化が、いくつかのデータで示されている。米国・ニューヨーク市立大学のRenee D. Goodwin氏らは、米国におけるCOVID-19パンデミックがメンタルヘルスへ及ぼす影響に対し包括的に対処するため、パンデミック前のうつ病有病率の定量化を試みた。その結果、2015~19年にかけて、うつ病治療件数が相応に増加していないにもかかわらず、うつ病患者の増加が認められており、2020年には過去1年間のうつ病患者数が米国人の10人に1人、青年および若年成人では5人に1人にまで増加していることが明らかとなった。結果を踏まえ著者らは、このメンタルヘルスに関する危機的状況に対処するため、エビデンスに基づく予防や介入、多面的な公衆衛生キャンペーンなどの対策が早急に必要であろうと述べている。American Journal of Preventive Medicine誌2022年11月号の報告。