内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:14

運転パフォーマンスに対する睡眠薬の残存効果の影響~ネットワークメタ解析

 睡眠薬には残存効果があり、運転中の安全性に悪影響を及ぼす可能性がある。イタリア・フェデリコ2世ナポリ大学のMichele Fornaro氏らは、不眠症患者における睡眠薬の残存効果と運転パフォーマンスへの影響を明らかにするためネットワークメタ解析を実施した。European Neuropsychopharmacology誌2024年4月号の報告。  2023年5月28日までに公表された、不眠症患者と健康対照者を比較した睡眠薬使用および運転に関するランダム化比較試験(RCT)を、PubMed、EMBASE、TRID、Clinicaltrials.gov、WHO-ICTRP、Web Of Scienceより検索した。エンドポイントとして、車両の横位置の標準偏差(SDLP)、朝の最初の運転時における障害率を考慮した。バイアスリスクおよび不均一性(グローバル/ローカル)を測定し、エビデンスの信頼性を評価するためCINeMAを用いた。

アレルギー性鼻炎か副鼻腔炎か?誤診の実態が明らかに

 実際には慢性副鼻腔炎(chronic rhinosinusitis;CRS)に罹患しているにもかかわらず、アレルギー性鼻炎と誤診され、CRSにはほとんど効果のない抗アレルギー薬を使用し続けている米国人が相当数いることが、新たな研究で示された。米シンシナティ大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科のAhmad Sedaghat氏らによるこの研究の詳細は、「Otolaryngology Head & Neck Surgery」に1月31日掲載された。  研究論文の上席著者であるSedaghat氏は、「われわれは、アレルギーとCRSが混同されたことで長い間苦しまざるを得なかった患者を数多く見てきた」と振り返る。同氏は続けて、「これまで、10年や20年、人によってはそれ以上にわたってアレルギーの治療を受けてきたにもかかわらず症状が改善しなかったと訴える患者を私は見てきた。しかし、それがCRSであることが判明し、われわれが適切な治療を開始したところ、症状は数カ月以内に改善した」と話す。

ナイアシンの取り過ぎは心臓に悪影響

 ナイアシンは必須ビタミンB群の一つだが、取り過ぎは心臓に良くないようだ。何百万人もの米国人が口にする多くの食品に含まれるナイアシンの過剰摂取が炎症を引き起こし、血管にダメージを与える可能性のあることが、米クリーブランド・クリニック、ラーナー研究所の心血管・代謝科学主任研究員であるStanley Hazen氏らの研究で示唆された。この研究結果は、「Nature Medicine」2月19日号に掲載された。  Hazen氏は、「ナイアシンの過剰摂取により心血管疾患の発症リスクが高まる可能性が示された以上、平均的な人はナイアシンのサプリメントの摂取を控えるべきだ」とNBCニュースに対して語った。  米メイヨークリニックによれば、ナイアシンの推奨摂取量は男性で1日16mg、妊娠していない女性では1日14mgである。米国では、穀物やシリアルにナイアシンが強化され始めた1940年代以来、その摂取量が増加している。Hazen氏によると、食品にナイアシンを強化する動きは、ナイアシンが不足するとペラグラと呼ばれる致命的な疾患を引き起こす可能性があることを示唆した研究を受けて助長されたと説明する。皮肉なことに、ナイアシンのサプリメントは、かつてはコレステロール値を改善するために医師によって処方されていた。

日本における認知症教育による潜在的態度の変化

 東京大学の松本 博成氏らは、成人および高齢者における認知症に対する偏見などの潜在的な態度の測定に関して、その実現可能性と妥当性を評価し、仮想現実(VR)を用いた認知症フレンドリー教育が潜在的な態度に及ぼす影響を評価した。Australasian Journal on Ageing誌オンライン版2024年2月15日号の報告。  ランダム化比較試験のデータを2次分析した。東京在住の20~90歳が、VRの有無にかかわらず、認知症フレンドリー教育に参加した。認知症フレンドリー教育プログラム終了後、Implicit Relational Assessment Procedure(IRAP)を用いて、認知症に対するimplicitを測定した。

日本人の降圧薬アドヒアランス、低い患者とは?

 日本では、血圧が140/90mmHg未満にコントロールされている患者はわずか30%程度で、降圧薬の服薬アドヒアランスが低いことがコントロール不良の原因であると考えられている。今回、九州大学の相良 空美氏らが日本人の大規模データベースを用いて降圧薬のアドヒアランスを調べたところ、降圧薬のアドヒアランス不良率は26.2%であり、若年、男性、単剤治療、利尿薬使用、がんの併存、病院での処方、中規模/地方都市居住が、アドヒアランス不良と関連することが示された。Journal of Hypertension誌2024年4月号に掲載。

肉を避ければいびきをかきにくくなる?

 植物性食品中心の健康的な食事スタイルの人は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のリスクが低いことを示唆するデータが報告された。フリンダース大学(オーストラリア)のYohannes Melaku氏らの研究によるもので、詳細は「ERJ Open Research」に2月20日掲載された。  OSAは睡眠中に気道がふさがれて呼吸が止まることを繰り返す病気。睡眠が浅くなりやすく、また呼吸が止まる前後に大きないびきをかくことが多い。さらに、高血圧や2型糖尿病、脳卒中、心臓病のリスクとも関連することが知られている。このOSAは肥満に伴いやすい病気のため、摂取エネルギー量との関連がこれまでに研究されてきている。それに対してMelaku氏らは、食事の質とOSAリスクとの関連に焦点を当て、米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた横断研究を行った。

口臭は特定の細菌の共生が原因?

 口臭は誰にとっても嫌なものだが、それがどこから発生しているのかは不明だった。こうした中、日本の研究グループが、特定の口腔細菌が共生することで、メチルメルカプタン(CH3SH)と呼ばれる化学物質の産生量が増加することが口臭の一因であることを突き止めた。研究グループは、今後の口臭や体臭を予防するケア製品の開発につながる研究成果だとの見方を示している。大阪大学大学院薬学研究科先端化粧品科学(マンダム)共同研究講座の原武史氏らによるこの研究の詳細は、「mSystems」に1月30日掲載された。

大腸がん、血中遊離DNA測定でスクリーニング可/NEJM

 血液中の遊離DNA(cell-free DNA:cfDNA)測定をベースとした大腸がん検査は、平均的な大腸がんリスクを有するスクリーニング集団において、大腸がんの検出感度83%、進行新生物に対する特異度90%、進行前がん病変の検出感度13%であったことが、米国・マサチューセッツ総合病院・ハーバード大学医学部のDaniel C. Chung氏らによる「Evaluation of the ctDNA LUNAR Test in an Average Patient Screening Episode:ECLIPSE試験」の結果で示された。大腸がんは米国の成人において3番目に多いがんで、早期発見により関連死の90%以上を予防でき、複数の検査が利用可能であるにもかかわらず、検診対象者の3分の1以上は検診を受けていない。血液を用いた大腸がん検査は、検診の受診率を向上させ、大腸がんの早期発見と関連死亡率の低下に寄与する可能性があった。今回の結果を踏まえて著者は、「45歳未満の大腸がん発生率が増加していることから、スクリーニング年齢を広げるために、血液ベースの検査戦略の潜在的な臨床的および医療経済的効果を明らかにすることが待たれる」と述べている。NEJM誌2024年3月14日号掲載の報告。

血糖値が改善する身近な香辛料は?~メタ解析

 地中海食に含まれるハーブ/スパイスが2型糖尿病患者の血糖プロファイルに及ぼす影響を調査したシステマティックレビューおよびメタ解析の結果、いくつかのハーブ/スパイス摂取が空腹時血糖、HbA1cおよびインスリン値の低下と関連していて、とくにショウガの摂取でそれらすべてが有意に改善したことを、スペイン・University of ZaragozaのMaria C. Garza氏らが明らかにした。Nutrients誌2024年3月7日号掲載の報告。  地中海食には豊富なハ-ブ/スパイスが含まれていて、それらが血糖値やコレステロ-ル低下作用、抗酸化作用、抗炎症作用などを示す可能性が示唆されている。そこで研究グループは、地中海食に一般的に含まれるハーブ/スパイスが2型糖尿病患者の血糖プロファイルに及ぼす影響を調査した。

タバコを吸いたくなくなる食べ物は、果物や乳製品

 喫煙の欲求は、特定の食べ物や飲み物と関連する。新たな研究により、紙巻きタバコ・加熱式タバコ喫煙者において、摂取するとタバコを吸いたくなる飲食品は、ビールなどのアルコール飲料、コーヒー、脂肪の多い食品などであることが判明した。反対に、タバコを吸いたくなくなる飲食品は果物や乳製品であり、喫煙者では非喫煙者と比べて、果物や乳製品の摂取量が有意に少なかったという。京都女子大学家政学部食物栄養学科の三好希帆氏、宮脇尚志氏らによるこの研究は、「Tobacco Induced Diseases」に1月5日に掲載された。