内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:101

RNA干渉薬zilebesiran、年2or4回投与で有意な降圧効果/JAMA

 軽症~中等症の成人高血圧患者において、zilebesiranの3ヵ月または6ヵ月間隔での投与により、3ヵ月の時点での24時間自由行動下収縮期血圧(SBP)の平均値が有意に低下し、この効果は最長で6ヵ月間持続することが、米国・シカゴ大学医学大学院のGeorge L. Bakris氏らが実施した「KARDIA-1試験」で示された。zilebesiranは、アンジオテンシンペプチドの主要な前駆体であり、全身血圧の重要な調節因子であるアンジオテンシノーゲンの肝合成を標的とするRNA干渉治療薬。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年2月16日号で報告された。

日本人の睡眠時間やその変化が認知症リスクに及ぼす影響

 睡眠時間およびその変化が長期的な認知症リスクに及ぼす影響について、これまでの研究結果は一貫していない。長崎大学の宮田 潤氏らは、日本人の中年期における睡眠時間およびその変化と認知症リスクとの関連を調査するため、本研究を実施した。その結果、長時間睡眠および睡眠時間の増加が認知症リスクと関連することが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2024年2月2日号の報告。  研究チームは、40~71歳の日本人4万1,731人を募集し、ベースライン時(1990~94年)の習慣的な睡眠時間および5年間のフォローアップ調査について記録した。睡眠時間の変化はベースライン時と5年間の測定結果の差として算出し、認知症の発症は介護保険制度の利用(2007~16年)で特定した。認知症発症のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の算出には、エリア層別Coxモデルを用いた。

ブロッコリーが慢性炎症と死亡を低減?

 わが国において、2026年からブロッコリーが農林水産省の指定野菜(重要な野菜として位置付けているもの)に追加されることになった。そのブロッコリーが、全身の慢性炎症と死亡率の低下に関連していたことが、米国・サウスフロリダ大学のNicholas W. Carris氏らによって明らかになった。Journal of Medicinal Food誌オンライン版2024年2月14日号掲載の報告。  全身性の異常な炎症が続くことで、心血管系やがんなどのさまざまな疾患のリスクが上昇することが知られている。食事習慣の中には、炎症に関連するものもあれば、炎症を抑えて健康を改善するものもある。そこで研究グループは、慢性炎症と死亡率に関連する食品を特定するため、前向きコホート研究を実施した。

アルツハイマー病バイオマーカー、異常検出は診断の何年前から?/NEJM

 アルツハイマー病患者では、診断のかなり前から脳脊髄液(CSF)中のバイオマーカーに変化を認めることが知られている。中国・首都医科大学宣武医院のJianping Jia氏らは、孤発性アルツハイマー病の臨床診断を受けた集団の、診断に至る前の20年間におけるバイオマーカーの経時的変化を明らかにするとともに、認知機能が正常な集団と比較してどの時点でバイオマーカーに乖離が生じ、異常値となるかを検討した。研究の成果は、NEJM誌2024年2月22日号で報告された。

PCSK9阻害薬の処方継続率は?~国内レセプトデータ

 日本を含む諸外国で行われたさまざまな研究結果から、高コレステロール血症治療薬PCSK9阻害薬の使用は費用対効果が見合わないと結論付けられているが、果たしてそうなのだろうか―。今回、得津 慶氏(産業医科大学公衆衛生学 助教)らはPCSK9阻害薬の処方患者の背景や特徴を把握することを目的に、国内のレセプトデータを用いた後ろ向きコホート研究を行った。その結果、PCSK9阻害薬はエゼチミブと最大耐用量スタチンが併用処方された群と比較し、高リスク患者に使用されている一方で、PCSK9阻害薬を中断した患者割合は約45%と高いことが明らかになった。本研究結果は国立保健医療科学院が発行する保健医療科学誌2023年12月号に掲載された。

普段から活発な高齢者、新型コロナ発症や入院リスク低い

 健康のための身体活動(PA)は、心血管疾患(CVD)、がん、2型糖尿病やその他の慢性疾患の予防や軽減に有効とされているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症や入院のリスク低下と関連することが、米国・ハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のDennis Munoz-Vergara氏らの研究により明らかになった。JAMA Network Open誌2024年2月13日に掲載の報告。  本研究では、COVID-19パンデミック以前から実施されている米国成人を対象とした次の3件のRCTのコホートが利用された。

減量で糖尿病が寛解すると心臓病と腎臓病のリスクが下がる

 減量によって2型糖尿病が寛解すると、心臓と腎臓の状態にもメリットがもたらされる可能性のあることが明らかになった。寛解期間が限られたものであっても心臓病のリスクは40%、腎臓病のリスクは33%低下し、寛解期間がより長ければ、より大きなリスク低下につながる可能性があるという。アイルランド王立外科医学院(RCSI)のEdward Gregg氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetologia」に1月18日掲載された。同氏は、「本研究は、糖尿病の寛解と糖尿病関連合併症のリスクとの関連を検討した初の介入研究の結果であり、糖尿病の寛解を達成可能な状態にある人たちにとって心強いニュースだ」と話している。

5歳から17歳の小児および青年に対する2価新型コロナワクチンの有効性(解説:寺田教彦氏)

本研究は、米国で行われた3つの前向きコホート研究のうち、2022年9月4日から2023年1月31日までの期間のデータを統合して、オミクロン株BA.4/5亜系統が主に流行していた時期の小児および青年期におけるCOVID-19に対する2価mRNAワクチンの有効性を推定している。本研究結果の要約は「小児・思春期の2価コロナワクチン、有効性は?/JAMA」にもまとめられているように、SARS-CoV-2感染症(COVID-19 RT-PCR陽性)に対するワクチンの有効性は54.0%(95%信頼区間[CI]:36.6~69.1)で、症候性COVID-19に対する同有効性は49.4%(95%CI:22.2~70.7)だった。本論文の著者らは、2価新型コロナワクチンは小児および青年に対して有効性を示し、対象となるすべての小児と青年は推奨されるCOVID-19ワクチン接種を最新の状況とする必要があると結論づけている。

高齢になると糖尿病有病率が高くなる理由/順天堂大学

 加齢に伴うインスリン感受性と分泌の低下により、高齢者では糖尿病の有病率が高いことが知られている。一方で、インスリン感受性と分泌の両方が65歳以降も低下し続けるかどうかは、まだ解明されていなかった。この疑問について、順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学の内藤 仁嗣氏らの研究グループは、65歳以降の糖代謝に対する加齢の影響を調査し、その決定因子を明らかにする研究を行った。その結果、高齢者では加齢に伴い、インスリン抵抗性が増加、膵β細胞機能が低下していることが明らかになった。Journal of the Endocrine Society誌オンライン版2023年12月20日号に掲載。  本研究では、文京区在住高齢者のコホート研究“Bunkyo Health Study”に参加した65~84歳の糖尿病既往がなく、糖尿病の診断に用いられる検査である75g経口糖負荷検査(OGTT)のデータが揃っている1,438例を対象とした。

週3個以上の卵が脂肪性肝疾患と高血圧を予防?

 卵の摂取が脂肪性肝疾患(steatotic liver disease)と高血圧症に対する保護的な効果を示し、週3個以上の摂取でそれらの発症リスクがより低くなることを、イタリア・Saverio de BellisのRossella Tatoli氏らが明らかにした。Nutrients誌2024年1月31日号掲載の報告。  卵にはミネラルやビタミンなどの豊富な栄養素が含まれているが、コレステロール含有量も1個当たり180~225mgと多いため、しばしば生活習慣病の“悪者”扱いされることがある。しかし、これまで卵の摂取と疾患、とくに脂肪性肝疾患のリスクとの関連を分析した研究は乏しく、さらにその結果には一貫性がない。そこで、研究グループは、脂肪性肝疾患や高血圧症の発症リスクに対する卵摂取の影響を調査した。