産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

高血圧合併妊娠または妊娠高血圧症の妊婦、自己血圧測定は有用か?/JAMA

 高血圧合併妊娠または妊娠高血圧症の妊婦において、遠隔モニタリングによる自己血圧測定は通常ケアと比較して、臨床的高血圧の有意な改善をもたらすことはなかった。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLucy C. Chappell氏らが、無作為化非盲検臨床試験「Blood PressureMonitoring in High Risk Pregnancy to Improve the Detection and Monitoring of Hypertension 2 trial:BUMP 2試験」の結果を報告した。高血圧の不十分な管理は、妊産婦死亡の重要な要因であるが、妊婦および乳児の臨床転帰改善に対する妊娠中の自己血圧測定の役割は不明であった。JAMA誌2022年5月3日号掲載の報告。

妊娠高血圧腎症の高リスク妊婦、自己血圧測定は有用か?/JAMA

 妊娠高血圧腎症のリスクが高い妊婦において、遠隔モニタリングによる自己血圧測定は通常ケアと比較して、臨床的高血圧の早期発見にはつながらなかった。英国・オックスフォード大学のKatherine L. Tucker氏らが、無作為化非盲検試験「Blood Pressure Monitoring in High Risk Pregnancy to Improve the Detection and Monitoring of Hypertension trial:BUMP 1試験」の結果を報告した。血圧上昇の不十分な管理は、妊産婦死亡の重要な要因である。一般集団における自己血圧測定は高血圧の診断および管理を改善することが示されているが、妊娠中の血圧自己測定の使用についてはほとんど知られていなかった。JAMA誌2022年5月3日号掲載の報告。

産後うつ病と母乳育児との関連~メタ解析

 産後うつ病に対する母乳育児の影響については、あまり知られていない。また、産後うつ病のマネジメントにおいて、母乳育児の役割に関連するガイドラインは作成されていない。中国・Taizhou UniversityのMengjie Xia氏らは、産後うつ病と母乳育児との関連を明らかにするため、メタ解析を実施した。その結果、母乳育児が産後うつ病リスクの低下に寄与することが示唆された。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2022年4月20日号の報告。  産後うつ病と母乳育児との関連について報告した研究をPubMed、Cochrane Library、EMBASE(~2021年12月)より検索した。プールされたオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)の算出には、ランダム効果モデルを用いた。

妊婦の新型コロナ感染は早産リスク増、入院リスク2.65倍/JAMA

 カナダで行われた探索的サーベイランススタディで、妊娠中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染は、母体の有害アウトカムおよび早産のリスク増大と有意に関連していることが示された。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のElisabeth McClymont氏らが、妊娠中にSARS-CoV-2感染が認められた妊婦6,012人について、2つのコントロール群を対照に行った検討の結果を報告した。これまで妊婦へのSARS-CoV-2感染の影響について、対照比較コホートを用いた質の高い住民ベースの検証データは限定的であった。JAMA誌オンライン版2022年5月2日号掲載の報告。

妊娠中の新型コロナウイルス感染症へのワクチン接種は出産時合併症リスクに影響せず(解説:前田裕斗氏)

新型コロナウイルス感染症は妊婦で重症化しやすいことが知られており、罹患によって母体死亡や帝王切開となるリスクが上昇することがすでに報告されている。一方、新型コロナウイルスに対するワクチン接種が母体・胎児・出産にもたらす影響については大規模な研究報告がこれまでなかった。本研究はカナダ・オンタリオ州で行われた9万7,590人を対象とし、妊娠中にワクチン接種を行った群、産後にワクチン接種を行った群、ワクチン接種を行った記録のない群で出産時合併症の有無を比較した報告である。結果として、産後大出血、絨毛膜羊膜炎(子宮内感染と考えてよい)、帝王切開、緊急帝王切開、NICU入院、新生児仮死いずれもワクチン接種群とその他の群の間で差は認められなかった。また、ワクチンを受けた回数、1回目に受けたワクチンの種類、ワクチン接種を受けた時期で層別化したいずれの解析でもやはり各群で合併症に差は認められなかった。

外陰部高度扁平上皮内病変でイミキモド外用は手術との比較で非劣性/Lancet

 外陰部の高度扁平上皮内病変(vHSIL)の治療において、外用免疫調節薬イミキモドによる局所療法は、有効性に関して外科手術に対し非劣性で、安全性も良好であり、本症の1次治療となる可能性があることが、オーストリア・グラーツ医科大学のGerda Trutnovsky氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2022年4月25日号で報告された。  本研究は、外陰部上皮内新生物(VIN)の治療における、イミキモドの手術に対する非劣性の検証を目的とする無作為化第III相試験であり、2013年6月~2020年1月の期間に、オーストリアの6つの病院で参加者の登録が行われた(オーストリア科学基金とオーストリア婦人科腫瘍グループの助成を受けた)。  対象は、年齢18~90歳の女性で、組織学的にvHSILと確定され、肉眼的に単巣性または多巣性病変を有する患者であった。主な除外基準は、(1)臨床的に浸潤性病変が疑われる、(2)外陰がんまたは外陰部の重度の炎症性皮膚症の既往がある、(3)過去3ヵ月以内にvHSILに対する積極的な治療を受けている場合であり、免疫不全状態、妊娠中、授乳中の女性も除外された。  被験者は、イミキモド(5%クリーム)の投与または手術(切除術またはアブレーション)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。イミキモドは、緩やかな増量計画に基づき、4~6ヵ月間にわたり最大で週3回、患者自身により塗布された。ベースライン、6ヵ月、12ヵ月の時点で、外陰部鏡検査、外陰部生検、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査、患者報告アウトカムの評価が行われた。  主要エンドポイントは、局所イミキモド治療または1回の外科的介入から6ヵ月の時点での臨床的完全奏効(CCR)であった。CCRは、外陰部病変の臨床的証拠がないこと(原発病変の完全消失)と定義された。解析はper protocol集団で行われ、非劣性マージンは20%とされた。

妊娠中の新型コロナウイルス感染症へのワクチン接種は妊娠中合併症リスクに影響せず(解説:前田裕斗氏)

新型コロナウイルス感染症に妊娠中感染することで早産や妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症のリスクが上昇することが報告されている。一方、妊娠中のワクチン接種には根強い抵抗があり、臨床現場でもその安全性について質問される機会も多い。これまでも妊娠中ワクチン接種と妊娠合併症の関係を調査した論文は多かったが、病院ベースや高リスク群を対象としたものが多かった。そこで本研究ではノルウェー、スウェーデンのある期間中における全妊娠を対象としている。早産(37週未満、32週未満)、死産、SGA(週数に比して低体重)、新生児仮死、NICU入院のリスクについて解析が行われ、いずれの項目についてもワクチン接種群、非接種群で発生率に差は認めなかった。むしろ、ノルウェーにおけるNICU入院はワクチン接種群でわずかに減少した。

シフト勤務で更年期が遅れる可能性

 シフト勤務を経験したことのある女性は、更年期の始まりが遅れる可能性があるようだ。ヨーク大学(カナダ)のDurdana Khan氏らは、シフト勤務と更年期の開始の遅れとの間に関連が認められたとする解析結果を、「Menopause」に3月25日報告した。Khan氏らは、シフト勤務が概日リズム(体内時計)に影響を及ぼし、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を変化させている可能性があるとの見方を示している。  女性が閉経を迎える平均年齢は52歳とされている。早期閉経は骨粗鬆症や心疾患といったさまざまな健康上のリスクを高める可能性があるのに対して、遅い閉経はいくつかの種類のがんリスクの上昇に関連付けられている。また、夜間に人工の光に当たる時間が長過ぎるなどして女性の体内時計が乱れると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、排卵や生殖機能に影響する可能性が複数の研究で示唆されている。さらにKhan氏は、労働者が肥満または過体重であるか、喫煙者であるかなどの社会人口学的要因も、更年期の始まりに影響を与え得ると説明している。

女性が性的満足度を得る鍵はオーガズム?

 男女にかかわらず、オーガズムは得る頻度が高いほどそれを望むようになるものだが、その逆も然り。期待というものは経験を基に形成されるため、オーガズムを得ることの少ない女性は、ますますそれに対する欲望や期待が薄くなることが、新たな研究で明らかにされた。米ラトガース大学社会心理学分野のGrace Wetzel氏らが報告したこの研究結果は、「Sex Roles」に3月30日掲載された。  セックスから得るオーガズムの頻度は、女性に比べて男性の方がはるかに高い。このよく知られた現象は、オーガズムギャップと呼ばれる。今回の研究は、この「オーガズム格差」とも呼ぶべき現象が、男女のカップルのオーガズムに対する欲望や期待などに与える影響を、調査データの二次解析により検討したもの。対象となった104組の性的に活発な男女のカップル(平均年齢43.9歳)は、オンライン調査を通じて、性的満足度やオーガズムの頻度、自分が望むオーガズムの頻度、人々が得るべきオーガズムの頻度、パートナーが得ているオーガズムの頻度の予測について回答していた。

月経周期が不規則または長い女性はNAFLDハイリスク

 月経周期が不規則または長い女性は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のリスクが高いことが報告された。成均館大学校カンブクサムスン病院(韓国)のSeungho Ryu氏らの研究によるもので、詳細は「The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism」に3月3日掲載された。年齢や肥満の影響を調整しても、この関連は有意だという。  NAFLDは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積する慢性疾患の一つであり、メタボリックシンドロームの影響が肝臓に現れた状態と考えられている。多量飲酒をしていないにもかかわらず、発病・進行する点で、アルコール性肝疾患と区別される。  米国では成人の約24%にNAFLDが見られ、その一部は肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する。現時点で承認された薬剤はないため、食事・運動療法が治療の中心となる。Ryu氏によると、これまでの研究から、月経周期が長い、または不規則な女性は2型糖尿病や心血管疾患の有病率が高いことが示されていたが、NAFLDとの関連を明らかにしたのは今回の研究が初めてという。