産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

単純性膀胱炎へのセフェム、第3世代vs.第1/2世代~日本の4万例を解析

セフェム系薬は単純性膀胱炎に対して用いられるが、第3世代は第1/2世代と比べて経口バイオアベイラビリティが低く、臨床効果に差が生じる可能性がある。そこで、谷口 順平氏(東京大学)らは、日本のレセプトデータベースを用いて、女性の急性単純性膀胱炎に対する経口の第3世代セフェム系薬と第1/2世代セフェム系薬(セファレキシンまたはセファクロル)の有効性を比較した。その結果、経口の第3世代セフェム系薬は、セファレキシンやセファクロルと比較して、腎盂腎炎診断または抗菌薬の追加使用の複合アウトカムが多かった。ただし、この差は主に抗菌薬の追加使用によるもので、腎盂腎炎診断には差がなかった。本研究結果は、European Journal of Clinical Microbiology & Infectious Diseases誌オンライン版2026年8月7日号に掲載された。

再発卵巣がんに対するmirvetuximab soravtansine(MIRV)の実臨床における有用性

 再発卵巣がんを対象に、抗体薬物複合体(ADC)であるMIRVの実臨床での有効性と安全性を評価した後方視的コホート研究を行った。その結果、MIRVは臨床的に意義のある生存期間の延長を示した一方で、その治療成績は患者の全身状態(PS)に影響を受けることが明らかになった。  本研究は米国・ワシントン大学のAnna V. Jones氏らによるもので、Gynecologic Oncology Reports誌オンライン版2026年9月1日号に掲載された。

ペムブロリズマブ、プラチナ抵抗性再発卵巣がんに承認取得/MSD

 MSDは2026年9月16日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、「プラチナ系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣がん」に対する国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。  今回の製造販売承認事項一部変更承認は、1または2レジメンの化学療法歴を有するプラチナ抵抗性の上皮性卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がん患者643例(日本人37例を含む)を対象とした、国際共同無作為化二重盲検第III相試験であるKEYNOTE-B96試験のデータに基づいたもの。  同試験は、ペムブロリズマブとパクリタキセル(±ベバシズマブ)との併用療法の有効性および安全性を検討するもので、主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)であった。

妊娠中のRSVワクチン接種は乳児の入院リスクを低減

 妊娠中のRSV融合前Fタンパク(RSVpreF)ワクチン接種は、生後90日以内の乳児におけるRSV関連入院の予防に有効であるという研究結果が、「JAMA Network Open」に6月5日掲載された。  米ピッツバーグ大学の Anne-Marie Rick 氏らは、RSVpreFワクチン承認後、最初の2シーズンにおいて、生後90日以内の乳児におけるRSV関連の急性呼吸器感染症(ARI)および下気道疾患(LRTD)による入院に対して、妊娠中のRSVpreFワクチン接種がどの程度有効であるかを推定した。解析対象は274人の乳児であった(RSV症例83人、対照191人)。

卵巣がん患者の17.1%が診断後3年で心血管イベントを発症/Gynecol Oncol

 卵巣がん患者は、非がん患者と比較して心血管イベントリスクが増加していることが明らかになった。また、その傾向は若年患者(55歳未満)においてより顕著であった。  婦人科がん患者の間では心血管疾患(CVD)の負担が大きいとされる。治療の進歩により生存率が向上するにつれ、CVDの脅威は増大している。  卵巣がんとCVDの関係は十分に解明されていないものの、卵巣がんの両側卵巣摘出術(外科的閉経)は、エストロゲンの心臓保護効果の喪失を介してCVDリスクの上昇に関与しているとされる。

骨盤リンパ節郭清のAI支援、医師の認識能を向上/国立がん研究センター、Jmees

 骨盤リンパ節郭清においてAIによる支援は外科医の重要な解剖学的構造の認識を向上させることがわかった。  骨盤リンパ節郭清は、大腸がんや子宮頸がん、前立腺がん、膀胱がんなどの手術において、がんのリンパ節転移の確認とともに、転移のあるリンパ節を切除し再発を防ぐ重要な手術手技である。しかし、骨盤内には血管、神経、尿管などの重要な臓器および組織が存在しており、これらを損傷すると重大な合併症につながる可能性がある。そのため、手術には高度な解剖学的知識と技術が求められる。

卵巣明細胞がん治療薬リソバリシブ使用時の高血糖に関する注意喚起/日本糖尿病学会

 卵巣明細胞がんの新たな治療薬としてPI3Kα阻害薬リソバリシブ(商品名:ハイツエキシン)が発売された。リソバリシブはその薬剤特性から高い有効性とともに、高血糖リスクが懸念される。日本糖尿病学会は、同薬の高血糖などで紹介を受ける糖尿病医への情報共有を目的に「PI3Kα阻害剤リソバリシブメシル酸塩水和物使用時の高血糖発現についての注意喚起」を発出した。  卵巣明細胞がんではPIK3CA遺伝子変異が高頻度に認められ、PIK3CAがコードするPI3Kαは有望な治療標的である。

若年婦人科がん40年にわたる死亡率・罹患率の変化(NORDCANレジストリ)

 北欧諸国における若年(0~49歳)の婦人科がん患者を対象とした国際コホート研究の結果、子宮体がん、卵巣がん、子宮頸がんそれぞれ独自の動向が示された。  本研究は、スウェーデン・カロリンスカ研究所のCharlotta Riese氏ら(PredictAYAコンソーシアム)によるものであり、Gynecologic Oncology誌オンライン版2026年8月19日号で発表されている。  子宮体がん、卵巣がん、子宮頸がんは中高年女性に多くみられるが、若年女性においては特有の危険因子(肥満、経口避妊薬の使用、HPV感染など)や臨床的特徴を持つため経時変化が異なる可能性がある。しかし、若年層に焦点を当てた長期的な疫学動向は十分に解明されていなかった。

在胎不当過小児、生後14日以内開始の多面的介入が発育を改善/JAMA

 在胎不当過小(SGA)児において、生後14日以内に開始した多面的介入が、12ヵ月齢時の体重および年齢別体重Zスコアの改善に結びついたことが、インド・Society for Applied StudiesのRanadip Chowdhury氏らSmall Babies Trial Study Groupによる無作為化試験の結果で示された。世界中で年間約2,300万児がSGA児として生誕しており、南アジアにおける有病率は40%だという。SGA児は低栄養や発達遅滞のリスクが高く、成長や神経発達を促す多面的介入が必要と示唆されており、研究グループは、正期産生誕SGA児の乳児期に実施する、母子への多面的介入の有効性を検証した。JAMA誌オンライン版2026年7月27日号掲載の報告。

胚移植の成功率を高めるための3つの手法、その効果は?

 体外受精(IVF)での胚移植は治療の最終段階であり、成功率を高めるためにさまざまな方法が試みられている。例えば、移植時の子宮の角度を改善する目的で膀胱を充満させる方法、移植前に子宮頸管粘液を除去する方法、カテーテル留置後に胚を装填する方法(アフターローディング法)などである。しかし、加藤レディスクリニックの産婦人科医である秋野亮介氏らが8月6日付で「Cochrane Database of Systematic Reviews」に発表した研究で、これらの3つの手法の有効性を裏付ける確実性の高いエビデンスは得られていないことが示された。秋野氏は、「ある意味では、エビデンスよりも慣習が診療を動かしている例と言える。