総合診療科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:7

アムロジピンとニフェジピンが妊婦にも処方可能に/使用上の注意改訂

 厚生労働省は12月5日、血管拡張薬のアムロジピンベシル酸塩とニフェジピンの添付文書について、使用上の注意改訂指示を発出した。  これまで上記2剤は「妊婦(ニフェジピンは妊娠20週未満)又は妊娠している可能性のある婦人」が禁忌とされてきたが、今回の改訂によりこの内容が削除され、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合には投与可能とされた。

新型コロナ抗体保有率が高い/低い都道府県は?/COVID-19対策アドバイザリーボード

 第108回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードが、11月30日に開催された。その中で鈴木 基氏(国立感染症研究所感染症疫学センター長)らのチームが、「献血時の検査用検体の残余血液を用いた新型コロナウイルスの抗体保有率実態調査」について結果を報告した。 本調査は、わが国における今夏の感染拡大を踏まえた市中での感染状況の把握を目的に、2022年11月6日~13日にかけて行われた。対象は、全国の日本赤十字社の献血ルームなどを訪れた献血者8,260人で、献血時の検査用検体の残余血液を用いて抗N抗体の有無が調べられた。日本全体および都道府県・男女・年齢群別の抗体保有率が解析されている。

非専門医が使える「糖尿病治療のエッセンス」2022年版/日本糖尿病対策推進会議

 わが国の糖尿病患者数は、糖尿病が強く疑われる予備群を含め約2,000万人いるとされているが、糖尿病の未治療者や治療中断者が少なくない。  そこで、糖尿病診療のさらなる普及を目指し、日本糖尿病学会をはじめとする日本糖尿病対策推進会議は、糖尿病治療のポイントをとりまとめて作成した『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』を制作し、日本医師会のホ-ムページより公開した。今回の改訂で5回目となる。

コロナ治療薬モルヌピラビル、早期投与で回復までの期間短縮に期待/MSD

 MSDは10月19日、一般流通を9月16日に開始した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口治療薬モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)について、承認後の最新情報として特定使用成績調査の中間報告などをメディアセミナーにて発表した。調査の結果、添付文書の改訂が必要になるような大きな安全性事象は認められなかったことや、外来患者に使用した際の転帰として死亡はなく、人工呼吸器の使用も低く抑えることができたとして、本剤の有効性が提示された。  同社代表取締役社長のKyle Tattle氏によると、本剤は国内にて2021年12月24日に特例承認を取得し、これまでに60万人以上に使用されたという。本剤は、承認当初は供給量が限られていたため、厚生労働省が所有したうえで、重症化リスクのある患者に、決められた流通網を通して医療機関や薬局に配分が行われていたが、供給量が増加したことで、2022年8月18日に薬価基準収載となり、9月16日には一般流通を開始した。

サル痘患者に遭遇する前に…押さえておきたい鑑別方法とワクチン接種の注意点

 国内でも症例がじわじわと増えているサル痘。皮膚病変だけではなく、扁桃炎や口腔病変が報告され、ペットからの感染リスクも出てきているというから、医療者はいつ自分が感染者対応に追われるかわからない。そんな時のためにもサル痘やそのワクチンの知識を蓄えておく必要がありそうだ。8月2日にはKMバイオロジク社の天然痘(痘そう)ワクチンLC16「KMB」にサル痘の効能追加が承認され、順次、感染リスクの高い医療者への接種が見込まれる。しかしこのワクチン、添付文書の用法・用量を見てみると“二叉針を用いた多刺法により皮膚に接種”となかなか特徴的である。

地域一般住民におけるフレイルな高齢者に対する多因子介入が運動機能障害を予防する(解説:石川讓治氏)

日本老年医学会から提唱されたステートメントでは、Frailtyとは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念であるとされている。わが国においてはフレイルと表現され、要介護状態や寝たきりになる前段階であるだけでなく、健康な状態に戻る可逆性を含んだ状態であると考えられている。フレイルの原因は多面的であり、運動、栄養改善、社会的なサポート、患者教育、ポリファーマシー対策といった多因子介入が必要であるとされているが、加齢という最大のフレイルのリスク要因が進行性であるため、フレイルの要介護状態への進行の抑制は困難を要する場合も多い。

肥満者への行動的体重管理介入で体重とウエスト減/BMJ

 プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入は、減量に有効で、ウエスト周囲長にも有意な減少効果が認められ、一般人への導入の可能性もあることが、英国・ラフバラー大学のClaire D. Madigan氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月30日号で報告された。  研究グループは、プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入(減量を目的とする行動的介入)の有効性の評価を目的に、無作為化対照比較試験の系統的レビューとメタ解析を行った(英国国立健康研究所[NIHR]レスター生物医学研究センターの助成を受けた)。

mRNAコロナワクチンにギラン・バレー症候群の注意喚起/使用上の注意改訂指示

 厚生労働省は6月10日、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注、コミナティ筋注5~11歳用、スパイクバックス筋注)について、使用上の注意の「重要な基本的注意」の項にギラン・バレー症候群に関して追記するよう改訂指示を発出した。  今回の改訂指示は、第80回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(2022年6月10日開催)における審議結果などを踏まえたもので、「重要な基本的注意」に以下を追加するよう指示がなされた。

急性膵炎の抗菌薬処方はもう古い!?最新治療とは―診療ガイドライン2021発刊

 専門医でも抗菌薬や蛋白分解酵素阻害薬の投与が慣例となっている急性膵炎の治療。ところが、昨年12月に発刊された『急性膵炎診療ガイドライン2021年版(第5版)』で、遂に治療法へのメスが入ったのである。診断よりも治療法に重きを置いて今回の改訂がなされた理由について、急性膵炎診療ガイドライン改訂出版責任者の高田 忠敬氏(帝京大学附属病院)にインタビューした。  今回6年ぶりに発刊された急性膵炎診療ガイドライン第5版では、「予防的抗菌薬の投与がほぼ全例で行われている」「発症48時間以内の早期の経腸栄養が開始されていない」点を専門医に向けて問題提起している。急性膵炎の治療において栄養摂取は時間勝負であり予後改善の分岐点ともなることから、いかに早期に食事を開始するか、その方法や意義などが盛り込まれた。

モデルナアームが発現しやすい人は?/自衛隊中央病院

 モデルナ社の新型コロナワクチン(mRNA-1273ワクチン、商品名:スパイクバックス筋注)接種により一時期話題となった「モデルナアーム」。このモデルナアームの原因が遅発性大型局所反応(DLLR:delayed large local reaction)と言われるも詳細は不明であった。しかし、今回、自衛隊中央病院皮膚科の東野 俊英氏らはDLLRがIV型アレルギーを原因として生じるアレルギー性接触皮膚炎に類似している可能性があること、女性は男性より5.3倍も発症しやすいことなどを突き止めた。このようにモデルナアームの原因や発症しやすい対象者が特定できれば、今後、この副反応を回避する対応ができそうだ。本研究はJAMA Dermatology誌オンライン版2022年6月1日号に掲載されたほか、自衛隊中央病院のホームページでも報告している。