消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:168

セックスが苦痛に…分娩による肛門括約筋損傷

 分娩時の肛門括約筋損傷(OASI)により持続的な便失禁を認める女性は、大半が性機能障害を抱えていることがオランダ・VU 大学医療センターのA.P.Visscher氏らによる研究で明らかになった。また、内部・外部両方の肛門括約筋裂傷をもつ症例は、外部のみの例よりも便失禁の重症度が高く、肛門の圧力値も低かった。女性たちの今後の人生を考えると、これらの症状の緩和を念頭に置いて治療を行う必要がある。 International Urogynecology Journal誌2013年11月7日号の報告。

大腸がんリスク、体重変化と関連なし

 BMIと大腸がんには中等度の関連があるといわれているが、体重変化と大腸がんの関連についてはあまり知られていなかった。今回、オランダ・ユトレヒト大学のCharlotte N Steins Bisschop氏らの研究で、体重変化は男女ともに結腸・直腸がんリスクと関連を認めないことが明らかになった。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2013年11月13日号の報告。

新規ソホスブビル+レジパスビル合剤、遺伝子1型HCV治療に有望/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型の大半の患者は、治療歴や代償性肝硬変の有無にかかわらず、新規合剤[ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル+HCV NS5A阻害薬レジパスビル(ledipasvir)]単独または+リバビリン併用による治療が有効である可能性が報告された。米国・テキサス大学のEric Lawitz氏らによる、非盲検無作為化第2相試験LONESTARの結果、示された。インターフェロンベースの治療は、精神疾患などの禁忌があったり有害イベントの負荷が高いため、HCV患者の多くについて適していない。研究グループは、インターフェロンを使わない新規開発の合剤の有効性と安全性について評価を行った。Lancet誌オンライン版2013年11月5日号掲載の報告より。

深夜~早朝に執刀後、同日に腹腔鏡下胆摘術を施行したときの合併症リスク/JAMA

 日中の待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術について、施術外科医が前の晩の深夜から早朝にかけて執刀を行っていた場合と、深夜以降に執刀していなかった場合とを比べた結果、開腹胆嚢摘除への転換や医原性損傷といった合併症リスクは増大しなかったことが報告された。カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のChristopher Vinden氏らが、待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った2,000例超の患者と、そのマッチング群について行った住民ベースの後ろ向きコホート試験の結果、明らかにした。患者アウトカムへの執刀医の睡眠不足の影響については明確にはなっていないという。JAMA誌2013年11月6日号掲載の報告より。

クローン病と歯周炎のカンケイ

 炎症性腸疾患(IBD)、とくにクローン病における肛門部病変は、歯周炎と関連があることがスイス・チューリッヒ大学病院のStephan R Vavricka氏らによる症例対照研究で明らかになった。IBDの治療においては、口腔の炎症にも焦点を当てた治療戦略を立てるべきであると考えられる。Inflammatory bowel diseases誌オンライン版2013年11月7日号の報告。

StageIV大腸がんにおける原発巣切除は生存期間を延長-大規模コホート研究より

 StageIV大腸がん患者における原発巣切除のベネフィットに関して、現在報告されているエビデンスはきわめて質が低いものである。非ランダム化研究で原発巣切除のベネフィットが報告された場合、若年者で全身状態(PS)良好な患者を選択している可能性もある。カナダのShahid Ahmed氏らは、大規模な人口ベースのコホート研究において、進行大腸がんの原発巣切除による延命効果について、これまで報告されているバイアスを排除したうえで検討した。その結果、年齢、PS、合併症、化学療法などの予後変数に関係なく、原発巣切除がStageIV大腸がん患者の生存期間を延長することが示された。Cancer誌オンライン版2013年11月12日号に掲載。

大腸内視鏡検診の是非と日本のがん検診(コメンテーター:勝俣 範之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(143)より-

 大腸がん検診として、便潜血によるスクリーニング法は、確立されている。一方、内視鏡による検診として、S状結腸内視鏡検診は、5つのRCT(ランダム化比較試験)のメタアナリシスにより、大腸がんの罹患率、死亡率を減少させることの有効性が示されている1)。しかし、全大腸内視鏡の検診の有効性に関してはまだ証明されていないところである。

洗口剤や歯周病治療の併用で胃内H.pylori除菌率UP

 アモキシシリン/エソメプラゾール/レボフロキサシン3剤併用療法による胃内ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori、以下HP)除菌療法は、洗口剤や歯周病治療を併用し、口腔内HP感染率を減少させることで、胃内HP除菌率が有意に高まることが、中国医科大学附属盛京医院のHan-Yi Song氏らによる研究で明らかになった。World journal of gastroenterology誌2013年10月21日号の報告。

進行膵がんのnab-PTX+GEM療法、新たな標準治療のエビデンス/NEJM

 局所進行・転移性膵腺がんの1次治療において、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ナブパクリタキセル、nab-PTX)+ゲムシタビン(GEM)併用療法は、GEM単独療法に比べ高い有効性をもたらすことが、米国・Translational Genomics Research InstituteのDaniel D. Von Hoff氏らの検討で示された。GEMは、1997年以降、切除不能な局所進行・転移性膵がんの1次治療の標準治療とされている。この間に、多くの薬剤が第2相試験で有望な結果を示したが、第3相試験で生存期間の有意な改善効果を達成したのはGEM+エルロチニブと、オキサリプラチン+イリノテカン+フルオロウラシル+ロイコボリン(FOLFIRINOX)だけであった。nab-PTX+GEM併用療法は、第1/2相試験で転移性膵がんに対する実質的な臨床効果が確認されていた。NEJM誌オンライン版2013年10月16日号掲載の報告。