消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:158

インスリン療法中の2型糖尿病患者は厳格な大腸がんスクリーニングが必要

 2型糖尿病患者では、内因性高インスリン血症に起因する大腸腺腫および大腸がんのリスクが高い。外因性のインスリン療法はより高い大腸がん発生率と関連している。今回、ペンシルバニア大学のPatricia Wong氏らは、大腸内視鏡検査を実施した50~80歳の2型糖尿病患者における横断研究を行い、2型糖尿病患者における慢性的なインスリン療法が大腸腺腫のリスクを増加させ、また投与期間が長いほどオッズ比が増加したことを報告した。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2012年8月9日号に掲載。

太り過ぎの乳がん患者の二次原発がんリスクは有意に高い!肥満による大腸がん発症の相対リスクは1.89

乳がん患者における二次原発がん発生率とBMI(Body Mass Index)との関連が、いくつかの観察研究で検討されている。この関連の強さを評価するために、フランスのDruesne-Pecollo N氏らがエビデンスの系統的レビューとメタアナリシスを行った。解析の結果、肥満により二次原発がんのリスクは有意に増加することが認められ、太り過ぎや肥満の患者を減少させるための予防対策が重要であることが示唆された。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2012年8月5日号における報告。

HIVとHCV重複感染者、肝線維化進むほど肝細胞がんや死亡リスク増大

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の重複感染者では、肝線維化が進んでいるほど末期肝疾患・肝細胞がん・死亡の複合リスクが増大することが明らかにされた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のBerkeley N. Limketkai氏らが、600人超の患者について行った、前向きコホート試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月25日号で発表した。

転移性大腸がんに対するIRIS+セツキシマブの安全性~第10回日本臨床腫瘍学会学術集会

転移性大腸がんに対するIRIS+セツキシマブの第II相試験の安全性解析結果から、本レジメンでは下痢の発現頻度が高く、投与にあたっては減量などのコントロールが重要であり、試験の事務局でデータを管理し対処方法を検討しながら試験を進めていく必要性が示された。第10回日本臨床腫瘍学会学術総会(2012年7月26~28日)のワークショップ6「大腸がん・新しい方向性」で、北海道大学病院腫瘍センターの小松嘉人氏が報告した。

C型肝炎へのシリマリン投与、ALT値の減少効果は認められず

C型肝炎に対するシリマリン(オオアザミ抽出物)の服用は、血中アラニンアミノ基転移酵素(ALT)値を低下する効果はないことが示された。米国・ノースカロライナ大学のMichael W. Fried氏らが、約150人のC型肝炎患者について行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、JAMA誌2012年7月18日号で発表した。シリマリンを服用する慢性肝炎患者は少なくないものの、その効果についてのエビデンスは明確ではなかったという。