消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:145

潰瘍性大腸炎へのozanimod、第II相試験で有望/NEJM

 第II相プラセボ対照二重盲検無作為化試験の結果、潰瘍性大腸炎へのozanimodの1mg/日投与がプラセボと比較して、8週および32週時点の臨床的寛解率がわずかだが上昇したことが確認された。ozanimodはスフィンゴシン-1-リン酸受容体のサブタイプ1と5の経口作動薬で、末梢リンパ球隔離を促すことで消化管内に循環する活性化リンパ球数を減少させる可能性があると考えられている。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のWilliam J. Sandborn氏らが、NEJM誌2016年5月5日号で発表した。

良性胆管狭窄へのステント治療、金属 vs.プラスチック/JAMA

 胆管径6mm以上の良性胆管狭窄で留置する金属ステントが胆嚢管に重なる可能性がない患者に対し、フルカバー自己拡張型金属ステント(fully covered self-expandable metallic stents:cSEMS)留置のプラスチックステント留置に対する、治療12ヵ月時点の開存達成の非劣性が示された。米国・サウスカロライナ医科大学のGregory A. Cote氏らが、非盲検多施設共同無作為化試験の結果、報告した。良性胆管狭窄に対しては内視鏡的治療が第1選択で、これまではプラスチックステント留置による治療が行われてきたが、複数本留置を要する症例がほとんどで、複数回の内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)を必要とする。近年、cSEMSが用いられるようになり、ERCPの必要数が減少する可能性が示唆されていた。JAMA誌2016年3月22・29日号掲載の報告より。

長期アスピリン使用によるがん予防効果~13万6千人の前向き研究

 米国での医療従事者の2つの大規模前向きコホート研究における検討で、長期のアスピリン使用が、がん全体とくに消化管腫瘍のリスク低下に、わずかではあるが有意に関連することが認められた。また、定期的なアスピリン使用が大腸がんのかなり高い割合で予防し、スクリーニング検査によるがん予防を補う可能性が示唆された。JAMA oncology誌オンライン版2016年3月3日号に掲載。