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納豆は心血管系疾患の死亡リスクを減少? FREEIMAGESより使用 うちの4歳の子供は納豆が結構好きで、ご飯にかけてモリモリ食べています。私も嫌いではないのですが、ご飯にかけてまで食べたいとは思いません。納豆に含まれる血栓溶解酵素であるナットウキナーゼは、世界で唯一の食品由来の血栓予防剤だ、と主張されている研究者もいますよね。今回紹介するのは、有名な高山スタディからの報告。 Nagata C, et al.Dietary soy and natto intake and cardiovascular disease mortality in Japanese adults: the Takayama study.Am J Clin Nutr. 2016 Dec 7. [Epub ahead of print]この研究は、大豆の摂取が心血管系疾患(CVD)のリスクを低下させるかどうか調べたものです。大豆製品として、日本古来の食材である納豆を選びました。研究の目的は、納豆、大豆タンパク、大豆イソフラボンの摂取が、日本の集団ベースコホート研究でCVDの死亡率減少と関連しているかどうかを調べることです。この高山スタディでは、1万3,355人の男性と1万5,724人の女性が選ばれました(いずれも35歳以上と規定)。1992年に登録した時点で、食物摂取に関するアンケートを実施しました。CVDによる死亡は、16年次を超えて発症がみられました。追跡期間中、1,678人の死亡がみられました。その内訳は、677人が脳卒中、308人が虚血性心疾患でした。最も納豆をたくさん食べた四分位の人は、最も低い四分位と比較して、CVDによる死亡リスクを減少させました(ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.64~0.88、傾向のp=0.0004)。ただし、大豆タンパクや大豆イソフラボンのみを摂取しても、CVDに対する影響は観察されませんでした。脳卒中に対しては、納豆だけでなく大豆タンパクの摂取でも、有意に死亡リスクが減少しました(納豆のHR:0.68、95%CI:0.52~0.88、傾向のp=0.0004、大豆タンパクのHR:0.75、95%CI:0.57~0.99、傾向のp=0.03)。最も納豆を多く食べる四分位の群では、虚血性脳卒中の死亡リスクが有意に減少しました(HR:0.67、95%CI:0.47~0.95、傾向のp=0.03)。最近はいろいろな直接経口抗凝固薬(DOAC)を内服している患者さんが増えている一方、ワルファリンの内服患者さんが減りましたから、またそのうち納豆ブームでも来るのではないかと思っています。インデックスページへ戻る