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1501.

運転パフォーマンスに対する睡眠薬の残存効果の影響~ネットワークメタ解析

 睡眠薬には残存効果があり、運転中の安全性に悪影響を及ぼす可能性がある。イタリア・フェデリコ2世ナポリ大学のMichele Fornaro氏らは、不眠症患者における睡眠薬の残存効果と運転パフォーマンスへの影響を明らかにするためネットワークメタ解析を実施した。European Neuropsychopharmacology誌2024年4月号の報告。 2023年5月28日までに公表された、不眠症患者と健康対照者を比較した睡眠薬使用および運転に関するランダム化比較試験(RCT)を、PubMed、EMBASE、TRID、Clinicaltrials.gov、WHO-ICTRP、Web Of Scienceより検索した。エンドポイントとして、車両の横位置の標準偏差(SDLP)、朝の最初の運転時における障害率を考慮した。バイアスリスクおよび不均一性(グローバル/ローカル)を測定し、エビデンスの信頼性を評価するためCINeMAを用いた。 主な結果は以下のとおり。・特定された4,805件のうち、クロスオーバーRCTをシステマティックレビューに含め、22件をネットワークメタ解析に組み入れた(健康対照者のみに焦点を当てた)。・単回投与では、ほとんどの薬剤は運転パフォーマンスへの影響がプラセボと同様であり、SDLPについてはゾピクロンを上回っていた。・対照的に、ラメルテオン8mg、daridorexant 100mg、就寝時のゾルピデム10mg、深夜のゾルピデム10mgおよび20mg、ミルタザピン15~30mg、トリアゾラム0.5mgは、プラセボよりも有意にパフォーマンスが悪かった。・レンボレキサント2.5~5mg、スボレキサント15~20mg、深夜のゾルピデム3.5mgは、ゾピクロンよりも機能障害が少なかった。・フルラゼパムを除き、反復投与(最大フォローアップ期間:10日間)により、残存効果は少なくなっていた。・異質性および不均一性は、ほとんど認められなかった。・エビデンスの信頼性は、「低」または「非常に低」であった。・感度分析により、主要分析の結果が確認された。 著者らは「FDAが承認したほとんどの睡眠薬は、承認用量において運転パフォーマンスへの影響がプラセボと同程度であり、ゾピクロンを上回っていた。15日以内の反復投与が残存効果を減少させる点については、さらなる研究が求められる」としている。

1502.

前立腺がん放射線療法後6ヵ月のPSA最低値が予後と関連/JCO

 放射線療法(RT)±アンドロゲン除去療法(ADT)を受けた限局性前立腺がん患者において、RT終了後6ヵ月間の前立腺特異抗原(PSA)最低値が長期予後と関連することが示唆された。イタリア・Catholic UniversityのLucia Kwak氏らによるJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年3月12日号掲載の報告より。 著者らは、RT単独、RT+短期(3~6ヵ月)ADT、RT+長期(24~36ヵ月)ADTを受けた限局性前立腺がん患者における、RT終了後6ヵ月間のPSA値が予後に及ぼす影響を評価する目的で、1987~2011年に実施された16の無作為化比較試験から個々の患者データを入手。RT終了後6ヵ月以内に記録されたPSA最低値を同定し、<0.1ng/mLまたは≧0.1ng/mLに分類した。 主要評価項目は無作為化後12ヵ月時点からの無転移生存期間(MFS)、前立腺がん特異的死亡率(PCSM)、全生存期間(OS)であった。 主な結果は以下のとおり。・RT単独群の98%(2,339/2,376例)、RT+短期ADT群の84%(4,756/5,658例)、RT+長期ADT群の77%(1,258/1,626例)が、RT終了後6ヵ月以内にPSA≧0.1ng/mLを示した。・RT終了後6ヵ月以内のPSA≧0.1ng/mLは、短いMFSおよびOS、高いPCSMと関連していた。RT単独群におけるハザード比はMFS:2.24(95%信頼区間:1.21~4.16)、OS:1.72(0.97~3.05)、PCSMの部分分布ハザード比:1.82(0.51~6.49)であった。RT+短期ADT群ではそれぞれ1.27(1.12~1.44)、1.26(1.11~1.44)、2.10(1.52~2.92)、RT+長期ADT群ではそれぞれ1.58(1.27~1.96)、1.59(1.27~1.99)、1.97(1.11~3.49)であった。・5年MFS率を<0.1ng/mL vs.≧0.1ng/mLで比較すると、RT単独群で91% vs.79%、RT+短期ADT群で83% vs.76%、RT+長期ADT群で87% vs.74%であった。 著者らは今回の結果について、RT±ADTを受けている患者へのカウンセリングや、RT+ADTと併用する新規全身療法などを評価する臨床試験デザインに活用することができるとしている。

1503.

妊娠後期の抗てんかん薬、薬剤ごとの児への影響は?/NEJM

 出生前に抗てんかん薬に曝露された児は、曝露されていない児より自閉症スペクトラム障害の発生率が高いことが示された。ただし、適応症やその他の交絡因子で調整すると、トピラマートとラモトリギンへの曝露児では実質上その関連がみられなくなったのに対し、バルプロ酸への曝露児ではリスクが高いままであった。米国・ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院のSonia Hernandez-Diaz氏らが、米国の2つの医療利用データベースを用いた解析結果を報告した。母親の妊娠中のバルプロ酸使用は、児の神経発達障害のリスク上昇との関連が示されている。一方で母親のトピラマート使用に関連した児の自閉症スペクトラム障害のリスクに関しては、限定的だが相反するデータが示されていた。NEJM誌2024年3月21・28日号掲載の報告。曝露群vs.非曝露群で、自閉症スペクトラム障害のリスクを比較 研究グループは、米国のメディケイド受給者の医療利用に関するデータを含むMedicaid Analytic eXtract-Transformed Medicaid Statistical Information System Analytic Files(MAX-TAF)の2000~18年のデータ、および民間医療保険に関するデータを含むMerative MarketScan Commercial Claims and Encounters Database(MarketScan)の2003~20年のデータを用い、妊婦とその児を同定した。 解析対象は、推定最終月経日の3ヵ月以上前から出産1ヵ月後まで保険に加入していた12~55歳の女性(とその児)を全体集団とし、てんかんと診断されている女性に限定した集団についても解析を行った。 妊娠19週目から出産まで(妊娠後期)にトピラマートの投薬を1回以上受けた妊婦とその児を曝露群(トピラマート群)、最終月経の90日前から出産まで抗てんかん薬の投薬を受けていない妊婦とその児を非曝露群とした。また、トピラマート群の陽性対照としてバルプロ酸、陰性対照としてラモトリギンの投薬を1回以上受けた妊婦とその児を設定した。 主要アウトカムは、児の自閉症スペクトラム障害の臨床診断(自閉症スペクトラム障害のコードが2回以上の受診で記載されていること)で、曝露群の児と非曝露群の児について自閉症スペクトラム障害のリスクを比較した。トピラマート群6.2%、バルプロ酸群10.5%、ラモトリギン群4.1%、非曝露群4.2% 解析対象の全体集団は429万2,539例で、このうち2,469例がトピラマート群、1,392例がバルプロ酸群、8,464例がラモトリギン群、非曝露群が419万9,796例であった。また、てんかんの診断を有する女性の限定集団は2万8,952例で、トピラマート群1,030例、バルプロ酸群800例、ラモトリギン群4,205例、非曝露群8,815例であった。 全体集団において、非曝露群の児(419万9,796例)における8歳時の自閉症スペクトラム障害の推定累積発症率は1.9%(95%信頼区間[CI]:1.87~1.92)であった。 てんかんと診断されている母親の限定集団では、8歳時の自閉症スペクトラム障害の推定累積発症率は、非曝露群4.2%に対して、トピラマート群6.2%、バルプロ酸群10.5%、ラモトリギン群4.1%であった。ベースラインの交絡因子を補正した傾向スコア加重ハザード比は、トピラマート群0.96(95%CI:0.56~1.65)、バルプロ酸群2.67(1.69~4.20)、ラモトリギン群1.00(0.69~1.46)であった。

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降圧薬治療による認知症リスク低下、超高齢やフレイルでも

 降圧薬治療で認知症リスクが低下するというエビデンスはあるが、これが一般集団の高齢者にも一般化できるかは不明である。今回、イタリア・University of Milano-BicoccaのFederico Rea氏らが、一般集団の高齢者において、新たに降圧薬の服用を開始した患者について検討したところ、降圧薬治療と認知症リスクの低下の関連が示唆された。また、この関連は超高齢(85歳以上)やフレイルの患者でも同様であったという。Journal of the American College of Cardiology誌2024年4月2日号に掲載。 本研究はネステッドケースコントロール研究で、2009~12年に降圧薬の服用を開始したイタリア・ロンバルディア州の65歳以上の21万5,547例のコホートで実施した。ケースは、追跡期間中(2019年まで)に認知症またはアルツハイマー病を発症した1万3,812例(年齢:77.5±6.6歳、男性:40%)で、各ケースに対して性、年齢、臨床状態をマッチさせたコントロールを5例ずつ選択した。降圧薬への曝露は、降圧薬服用が追跡期間に占める割合で評価した。また、条件付きロジスティック回帰を用いて降圧薬への曝露に関連する転帰リスクをモデル化した。 主な結果は以下のとおり。・降圧薬への曝露は認知症リスクと逆相関していた。・曝露が非常に少ない患者と比較して、曝露が少ない患者で2%(95%信頼区間:-4〜7%)、中間的な患者で12%(同:6〜17%)、多い患者で24%(同:19〜28%)のリスク低下がみられた。・これは、超高齢(85歳以上)やフレイル(「1年後の死亡リスクが高い」特徴を有する)の患者においても同様であった。

1505.

がん合併の低リスク肺塞栓症患者に対する在宅療養は適切か(ONCO PE)/日本循環器学会

 肺塞栓症含む血栓塞栓症はがん患者の主要な合併症の1つだ。通常の肺塞栓症の場合、低リスクであればDOACによる在宅療養を安全に行えるものの、がん患者の肺塞栓症に対してもそれが可能であるか議論されていた。倉敷中央病院心臓病センター循環器内科の茶谷 龍己氏らは、肺塞栓症重症度スコア(sPESI)が1点のがん合併の低リスク肺塞栓症患者に対して、リバーロキサバンによる在宅療養と入院療養の比較試験を、ONCO PE試験のコンパニオンレポートとして実施した。3月8~10日に開催された第88回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trials 2セッションにて茶谷氏が発表した。なお本結果は、Circulation Journal誌オンライン版2024年3月8日号に同時掲載された。 ONCO PE試験(NCT 04724460)は、sPESIスコアが1点の活動性がん合併の低リスク肺塞栓症患者を対象に、18ヵ月間のリバーロキサバン治療と6ヵ月間のリバーロキサバン治療を比較することを目的とした、国内32施設による多施設非盲検判定者盲検RCTだ。今回、ONCO PE試験のスキーム外で、プロトコルで事前に決定されていたコンパニオンレポートとして、在宅療養と入院療養の3ヵ月間の臨床転帰が評価された。なお、本試験はバイエル薬品より資金提供を受けたが、同社は本試験のデザイン、データの収集・解析、報告書の執筆には関与していない。 本試験では、造影CT検査によって新たに肺塞栓症(sPESIスコア:1点)が認められた活動性がん患者が対象とされた。診断時の抗凝固療法の実施、出血ハイリスクと医師に判断された患者、リバーロキサバン禁忌、生命予後が6ヵ月以下とされた患者は除外された。試験開始後、医師の判断でリバーロキサバンを最初の3週間は15mgを1日2回の初期強化療法を行い、その後15mgを1日1回投与した。医師の判断で初期強化療法を行わないことは許容された。主要評価項目は、肺塞栓症関連死、再発性静脈血栓塞栓症(VTE)、大出血の複合転帰とした。副次評価項目は、主要評価項目に関連する肺塞栓症関連死、再発性VTE、大出血、全死因死亡と肺塞栓症関連事象による入院(再発性VTE、出血による入院)とした。Kaplan-Meier曲線を用いて累積発生率を推定し、log-rank検定で差異を評価した。在宅療養と入院療養における評価項目をCox比例ハザードモデルで評価した。 主な結果は以下のとおり。・2021年2月~2023年3月に、国内32施設の178例が解析対象となった。平均年齢65.7歳、女性53%、平均体重60.1kg、平均BMI 23.0kg/m2。・在宅療養群は、66例(37%)、平均年齢66.2±9.5歳、女性34例(52%)、平均体重60.4±10.9kg、平均BMI 23.1±2.9kg/m2。・入院療養群は、112例(63%)、平均年齢65.5±11.0歳、女性61例(55%)、平均体重60.0±11.7kg、平均BMI 22.9±4.2kg/m2。・ベースライン時では、在宅療養群では右心負荷所見のある患者の頻度が低かった(1.5% vs.13%、p=0.01)。・3ヵ月間での肺塞栓症関連死、再発性VTE、大出血の複合転帰は、在宅療養群:66例中3例(4.6%、95%信頼区間[CI]:0.0~9.6)vs.入院療養群:112例中2例(1.8%、95%CI:0.0~4.3)で、主要評価項目の累積3ヵ月の発生率には両群間に有意差はなかった(log-rank p=0.28)。・肺塞栓症関連死は両群ともに発生しなかった。・在宅療養群では、3例に大出血が発生した(4.6%、95%CI:0.0~9.6)。・入院療養群では、再発性VTEが1例(0.9%、95%CI:0.0~2.7)、大出血が1例(0.9%、95%CI:0.0~2.7)発生した。・両群で、初期強化療法期間中に大出血は発生しなかった。・3ヵ月間での全死因死亡は在宅療養群4例(6.1%、95%CI:0.3~11.8)、院内療養群5例(4.5%、95%CI:0.6~8.3)であった。すべてがんによるものだった。・在宅療養群では、2例が肺塞栓症関連事象による入院を必要としたが、すべて出血事象による入院であった(3.0%、95%CI:0.0~7.2)。 本試験の結果、sPESIスコアが1点の活動性がん合併の低リスク肺塞栓症患者は、在宅療養での治療ができる可能性があることが示された。

1506.

統合失調症診断の指標となりえる唾液中ガレクチン3レベル

 精神疾患を特定する生物学的マーカーはほとんどなく、精神疾患患者に対する侵襲的なサンプリング手法は困難なケースも少なくないため、非侵襲的な手法である唾液サンプルの活用は、有用であると考えられる。パキスタン・Islamic International Medical CollegeのSaba Shoukat氏らは、統合失調症患者と健康対照者における血清および唾液中のガレクチン3レベルの比較を行った。Journal of the College of Physicians and Surgeons Pakistan誌2024年2月号の報告。 2022年9月~2023年5月に、Islamic International Medical CollegeとBenazir Bhutto Hospitalの精神医学研究所と共同で横断的研究を実施した。対象は、統合失調症患者30例および年齢性別がマッチした健康対照者30例。統合失調症の診断は、DSM-Vの診断基準に従った。対象者から無刺激で口腔内全体から唾液を摂取するため、唾液を吐きだす方法により収集した。EDTAチューブを用いて血液サンプルを収集し、統合失調症患者の唾液および血清中のガレクチン3レベルを測定した。ガレクチン3の検出にはELISA法を用いた。独立サンプルのt検定およびピアソン相関分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者の唾液中の平均ガレクチン3レベルは、健康対照者と比較し、有意に高かった(1,324±74ng/mL vs. 68.4±336ng/mL、p<0.001)。・統合失調症患者の唾液および血清中のガレクチン3レベルには正の相関が認められた(p=0.03)。 著者らは「統合失調症患者の唾液中ガレクチン3レベルは上昇しており、血清中レベルとの正の相関が確認されたことから、統合失調症の診断確定に、唾液中ガレクチン3レベル測定が有用な指標となりえる可能性が示唆された」としている。

1507.

早期乳がん術前・術後化療にペルツズマブ上乗せ、長期有効性は?(PEONY試験)

 HER2陽性の早期または局所進行を有するアジア人乳がん患者に対して、術前および術後化学療法にペルツズマブを上乗せした第III相PEONY試験の最終解析の結果、5年間の長期有効性が認められたことを、中国・Fudan University Shanghai Cancer CenterのLiang Huang氏らが明らかにした。Nature Communications誌2024年3月9日号掲載の報告。・対象:早期または局所進行乳がんのアジア人女性329例・試験群:ドセタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブ(4サイクル)→手術→FEC療法(3サイクル)→トラスツズマブ+ペルツズマブ(13サイクル)【ペルツズマブ群:219例】・対照群:ドセタキセル+トラスツズマブ+プラセボ(4サイクル)→手術→FEC療法(3サイクル)→トラスツズマブ+プラセボ(13サイクル)【プラセボ群:110例】 これまでの本試験の解析では、主要評価項目である盲検下独立中央判定(BICR)による病理学的完全奏効(pCR)は、ペルツズマブ群39.3%、プラセボ群21.8%であり、群間差は17.5%(95%信頼区間[CI]:6.9~28.0%、p=0.001)で、統計学的に有意な差を示したことが報告されている。今回は、副次評価項目である最終的な長期有効性(無イベント生存期間[EFS]、無病生存期間[DFS]、全生存期間[OS])および安全性が報告された。 主な結果は以下のとおり。・5年EFS率は、ペルツズマブ群84.8%、プラセボ群73.7%で有意差を認めた(群間差:11.1%、95%CI:1.2~21.0、p=0.027)。・5年DFS率はそれぞれ86.0%と75.0%、群間差は11.0%(95%CI:1.2~20.7、p=0.028)で有意差を認めた。・5年OS率では有意差が認められなかった(ペルツズマブ群93.9%、プラセボ群90.0%、群間差3.9%[95%CI:2.9~10.7、p=0.262])。・術後の抗HER2療法中に発現したGrade3以上の有害事象(AE)の割合は、ペルツズマブ群11.3%、プラセボ群13.1%であった。AEによる死亡はそれぞれ0.9%、1.8%であった。

1508.

EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法の第2回OS中間解析(FLAURA2)/ELCC2024

 EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のオシメルチニブと化学療法の併用療法とオシメルチニブ単剤を比較する国際共同第III相無作為化比較試験(FLAURA2試験)が実施されており、主解析の結果、併用群で無増悪生存期間(PFS)が改善したことが報告されている(治験担当医師評価に基づくPFS中央値は併用群25.5ヵ月、単独群16.7ヵ月、ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.49~0.79)1)。欧州肺がん学会(ELCC2024)において、本試験の全生存期間(OS)に関する第2回中間解析の結果と、主解析時点をデータカットオフとした病勢進行後の治療成績が、ペルー・Instituto Nacional de Enfermedades NeoplasicasのNatalia Valdiviezo氏により報告された。試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験対象:EGFR遺伝子変異陽性(exon19欠失/L858R)でStageIIIB、IIIC、IVの未治療の非扁平上皮NSCLC成人患者557例試験群:オシメルチニブ(80mg/日)+化学療法(ペメトレキセド[500mg/m2]+シスプラチン[75mg/m2]またはカルボプラチン[AUC 5]を3週ごと4サイクル)→オシメルチニブ(80mg/日)+ペメトレキセド(500mg/m2)を3週ごと(併用群、279例)対照群:オシメルチニブ(80mg/日)(単独群、278例)評価項目:[主要評価項目]RECIST 1.1を用いた治験担当医師評価に基づくPFS[副次評価項目]OS、PFS2(2次治療開始後のPFS)、最初の後治療または死亡までの期間(TFST)、2つ目の後治療または死亡までの期間(TSST)など 主な結果は以下のとおり。・OSは第2回中間解析でも未成熟(成熟度:41%)であった。データカットオフ時点(2024年1月8日)のOS中央値は、併用群が未到達、単独群が36.7ヵ月であった(HR:0.75、95%CI:0.57〜0.97、p=0.0280)。なお、第2回中間解析での有意水準はp≦0.000001に設定されており、有意差は示されなかった。・1年、2年、3年時のOS率は、併用群がそれぞれ89%、80%、64%であり、単独群がそれぞれ92%、72%、50%であった。・OSに関するサブグループ解析では、ほとんどのサブグループで併用群のHRが0.8を下回り、併用群が良好な傾向にあったが、中国人を除くアジア人のサブグループのHRは1.04(95%CI:0.70~1.54)であった。・PFS2中央値は、併用群が30.6ヵ月、単独群が27.8ヵ月であった(HR:0.70、95%CI:0.52~0.93、成熟度:34%)。・TFST中央値は、併用群が30.7ヵ月、単独群が25.4ヵ月であった(HR:0.73、95%CI:0.56~0.94、成熟度:42%)。・TSST中央値は、併用群が未到達、単独群が33.2ヵ月であった(HR:0.69、95%CI:0.51~0.93、成熟度:32%)。・併用群では1次治療が中止となった患者の46%(57例)が後治療を受け、その内訳として多かったのはプラチナ製剤を含まない化学療法(37%)、プラチナ製剤を含む化学療法(32%)であった。同様に、単独群では60%(91例)が後治療を受け、そのうち81%がプラチナ製剤を含む化学療法であった。 本試験結果について、Valdiviezo氏は「EGFR遺伝子変異陽性の進行NSCLCに対するオシメルチニブ+化学療法の併用療法は、初回増悪後も臨床的に意義のあるベネフィットを示した。OSに関する第2回中間解析において、OSの有望な傾向が認められた」とまとめた。

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ナイアシンの取り過ぎは心臓に悪影響

 ナイアシンは必須ビタミンB群の一つだが、取り過ぎは心臓に良くないようだ。何百万人もの米国人が口にする多くの食品に含まれるナイアシンの過剰摂取が炎症を引き起こし、血管にダメージを与える可能性のあることが、米クリーブランド・クリニック、ラーナー研究所の心血管・代謝科学主任研究員であるStanley Hazen氏らの研究で示唆された。この研究結果は、「Nature Medicine」2月19日号に掲載された。 Hazen氏は、「ナイアシンの過剰摂取により心血管疾患の発症リスクが高まる可能性が示された以上、平均的な人はナイアシンのサプリメントの摂取を控えるべきだ」とNBCニュースに対して語った。 米メイヨークリニックによれば、ナイアシンの推奨摂取量は男性で1日16mg、妊娠していない女性では1日14mgである。米国では、穀物やシリアルにナイアシンが強化され始めた1940年代以来、その摂取量が増加している。Hazen氏によると、食品にナイアシンを強化する動きは、ナイアシンが不足するとペラグラと呼ばれる致命的な疾患を引き起こす可能性があることを示唆した研究を受けて助長されたと説明する。皮肉なことに、ナイアシンのサプリメントは、かつてはコレステロール値を改善するために医師によって処方されていた。 本研究には関与していない、米ヴァンダービルト大学医療センター循環器内科のAmanda Doran氏は、ナイアシンが心血管疾患リスクを高める可能性があることを知って驚いたと話す。同氏はNBCニュースに対し、「ナイアシンに炎症促進作用があると予想していた人はいないのではないかと思う」と語り、「この研究結果は、臨床データ、遺伝子データ、マウス実験を組み合わせて多角的に検討して導き出されたものであり、説得力がある」と述べている。 Hazen氏らはまず、心血管疾患の評価のために心臓病センターを訪れた患者1,162人(女性422人)の空腹時血漿のメタボロミクス解析を行った。その結果、ナイアシンの代謝産物である2PY(N1-メチル-2-ピリドン-5-カルボキサミド)と4PY(N1-メチル-4-ピリドン-3-カルボキサミド)の血中濃度が主要心血管イベント(MACE)の発生と関連していることが明らかになった。この結果は、米国人2,331人とヨーロッパ人832人から成る2つの検証コホートでも確認された。また、遺伝子変異体rs10496731は2PYおよび4PYレベルと有意に関連しており、さらに、この変異と血漿中の血管細胞接着分子(VCAM-1)である可溶性VCAM-1(sVCAM-1)レベルが関連することも示された。 マウスを用いた実験からは、生理学的レベルの4PYの投与によりVCAM-1の発現が促進されるとともに、血管内皮における白血球の付着が増加し、炎症が亢進していることが示唆された。このような変化は、2PYの投与では確認されなかった。 米マウントサイナイ・ヘルスシステム代謝・脂質部門でディレクターを務めるRobert Rosenson氏は、この結果は「魅力的」で「重要だ」とし、「食品業界がパンのような製品にナイアシンを大量に添加するのをやめることを期待している。これは、体に良いとされるものの取り過ぎが、かえって悪影響を及ぼすことの一例だ」とNBCニュースに語った。 Rosenson氏は、「この結果は、ナイアシンの食事からの摂取推奨量にも影響を与える可能性がある」との見方を示す。一方、前述のDoran氏は、「この結果は、血管の炎症を抑える新たな方法の開発につながる可能性もある」との見方を示し、「大きな可能性を秘めた、ワクワクするような結果だ」と話している。

1510.

「血糖値も測れる」とうたうスマートウォッチなどの使用に米FDAが注意喚起

 米国の糖尿病患者の中には現在、「血糖変動も把握できる」とうたって販売されているスマートウォッチやスマートリングを使用している人がいる。この状況に対して2月21日、米食品医薬品局(FDA)は、皮膚への針の穿刺や留置を伴わずに血糖を測定可能とする表現は虚偽であって、その使用は潜在的に危険であるとする安全性情報(safety communications)を発出して注意を喚起した。なお、日本国内で承認され保険診療下で糖尿病治療に使われている連続血糖測定(CGM)や間歇スキャン式持続血糖測定(isCGM)用の機器は、今回のFDA安全性情報が対象としている製品とは異なる。 FDAの発表は、「これらのスマートウォッチやスマートリングの販売者は、非侵襲的な技術を使用することによって、自社の製品を用いれば指などの皮膚に針を穿刺・留置することなく血糖値を測定可能だと主張している。しかし、当局はそのようなデバイスを承認したことはなく、それらの宣伝文句を信頼することは危険な可能性がある」というもの。そして、「糖尿病患者にとって、不正確な血糖測定は、糖尿病管理の失敗(errors in diabetes management)につながることがある」と警告している。 「糖尿病管理の失敗」とは、例えば血糖値を危険な低水準まで急降下させることのある量の薬剤を使用してしまうといったことも含まれる。FDAは、「血糖降下薬を過剰に使用した場合、危険な低血糖状態に陥り、数時間以内に精神的混乱、昏睡、または死に至ることもある」と警告している。 FDAによると、現在このような未承認の機器を手軽にオンラインで購入できる状態にあり、「これらのスマートウォッチやスマートリングは数十の企業によって製造され、複数のブランド名で販売されている」とした上で、「正確な血糖測定に基づいた医療を行う際には、自分のニーズに合った、FDA承認済みの適切な機器を使用するよう、医療提供者と相談するように」とアナウンスしている。同時に米国内の医療提供者に対しては、このような危険性のある製品が流通していることについて、患者に情報を伝達するよう求めている。 FDAのこの安全性情報は、「当該製品のメーカーやブランドにかかわらず、皮膚に針を穿刺・留置せずに血糖値を測定可能と主張する全てのスマートウォッチやスマートリングに適用される」という。また、このような機器の違法販売行為を防止するための取り組みを、米国全土で行っているとのことだ。 なお、CGMやisCGMは皮下間質液中の糖濃度を測定し血糖値に換算するものであり、非侵襲ではないという点で今回のFDA安全性情報の対象製品と異なる。CGMやisCGMは既に、安全性や有用性のエビデンスが確立している。

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成人心臓移植待機患者の移植到達前死亡を予測するリスクスコアの開発と検証(解説:小野稔氏)

 2018年10月に、米国において6段階に分けた新しい心臓移植待機患者への臓器配分モデルが適用された。これは登録時に受けている治療の濃厚さに応じて階層化されたもので、待機中死亡を減少させ、かつ移植後の予後を最適化するという目的を有している。この臓器配分モデルが適用されて5年が経過したが、すでに適切性に疑問が呈され始めていて、より公正な新しい配分モデルの策定が議論されている。本論文は新たな配分モデルに適用されうる可能性を念頭に置いて、フランスで運用されているFrench Candidate Risk Score (French-CRS)にヒントを得て、心不全重症度を反映した血液検査データと機械的循環補助(MCS)状態を因子として用いて開発されたUS-CRSの優れた移植登録患者の待機死亡予測精度を報告している。 2019年1月~2022年12月までに米国で心臓移植登録された1万9,680例のうち、18歳以上の成人1万6,905例を解析対象とした。70%に相当する1万2,362例(97病院)を分析対象、30%に相当する4,543例(分析コホートと地理的分布等を一致させた41病院)を検証対象として、移植登録後6週以内の移植未到達死亡の予測モデルを構築した。US-CRSに組み込むパラメータは感度分析に基づいて最終的に、血清アルブミン、ビリルビン、eGFR、血清ナトリウム、LVADの有無、短期MCSの既往、BNP(またはNT-ProBNP)となった。移植登録後6週以内の移植未到達死亡の予測精度のROC解析を行ったところ、US-CRSのAUC 0.79、French-CRSでは0.72、現行の6段階モデルでは0.68であった。C-indexについては、US-CRS 0.76、French-CRS 0.69、6段階モデル0.67であり、US-CRSが最も優れた移植待機中6週以内死亡の予測精度を示した。なお、短期MCSにIABPやカテーテル型VADを含めると予測効果量が54%低下する結果となった。 現在、米国OPTN(臓器摘出・移植ネットワーク)では臓器配分を新しい配分システムに移行しつつある。このシステムでは、個々のドナーと移植候補者の組み合わせに医学的緊急度や移植後生存期待値などから導かれた複合連続数スコアを当てはめることを目指している。本論文で提案されたUS-CRSは現行の6段階配分モデルより医学的重症度(つまり移植の必要性)の識別力が優れており、今後開発される新たなドナー配分モデルのための医学的緊急度評価指標として検討されるべきであると結論されている。

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第207回 コーヒーの成分トリゴネリンが老化に伴う筋肉消耗を防ぐ

コーヒーに豊富な成分トリゴネリンが老化に伴う筋肉の減少や筋力の低下(サルコペニア)の治療効果を担いうることが示されました1-3)。サルコペニアは筋肉、筋力、歩く速度の病的な減少/低下を特徴とし、分子や細胞の老化病変の組み合わせと筋線維消耗が筋収縮を障害することで生じます。それら数ある病変の中でもミトコンドリア機能不全は顕著であり、ミトコンドリアの新生が減ることやミトコンドリア内での呼吸反応やATP生成が減ることなどが筋肉老化の特徴に寄与することが明らかになっています。サルコペニア患者の筋肉はそのようなミトコンドリア機能不全に加えて、補酵素の1つニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の減少を示すことがシンガポール、英国、ジャマイカの高齢者119人を調べた先立つ試験で示されています4)。NAD+は代謝に不可欠で、ビタミンB3の類いから作られます。新たな研究では筋肉のミトコンドリア機能不全やNAD+代謝異常と全身の変化の関連を目指してサルコペニア患者と健康な人の血清代謝物が比較されました。その結果、コーヒーなどの植物に存在し、ヒトの体内でもNAD+と同様にビタミンB3からいくらか作られるアルカロイドであるトリゴネリンがサルコペニア高齢者の血中には少ないことが判明しました。また、トリゴネリンの血清濃度がより高い人ほど筋肉がより多く、握力がより強く、より早く歩けました。サルコペニア患者とそうでない健康な人から採取した筋肉組織(筋管)にトリゴネリンを加えたところ、サルコペニアかどうかを問わずNAD+が増加しました。続いて個体レベルでの効果が検討され、線虫やマウスにトリゴネリンが与えられました。するとミトコンドリア活性が向上し、筋力が維持され、老化に伴う筋肉消耗を防ぐことができました。また、トリゴネリンで線虫はより長生きになり、老化マウスの筋肉は強度の収縮時の疲労が少なくて済むようになりました。今回の研究によるとトリゴネリンはサルコペニアやその他の老化病態に有効かもしれず、サルコペニアの予防や治療の効果を臨床試験で検討する価値があるようです3)。コーヒーでトリゴネリンは増やせる?コーヒーを飲んでトリゴネリンが増えるならコーヒー好きには朗報ですが、話はそう簡単ではないようです。今回の試験の一環で調べられた高齢者186人の血清トリゴネリン濃度はカフェインやビタミンB3摂取レベルと無関係でした。また、トリゴネリン血清濃度と握力の関連はカフェインやビタミンB3摂取の補正の影響を受けませんでした。試験の被験者がコーヒーをあまり飲まない中東地域(イラン)であったことがトリゴネリン血清濃度とカフェイン摂取の関連が認められなかったことの原因かもしれないと著者は言っています。トリゴネリンとコーヒーの関連はまだ検討の余地があるようですが、お隣の韓国での試験でコーヒーをよく飲む人にサルコペニアが少ないことが示されています5)。トリゴネリンの寄与のほどは定かではありませんが、コーヒーを1日3杯以上飲む人は1日1杯未満の人に比べてサルコペニアの有病率が60%ほど低いという結果が得られています。参考1)Membrez M, et al. Nat Metab. 2024 Mar 19. [Epub ahead of print] 2)Natural molecule found in coffee and human body increases NAD+ levels, improves muscle function during ageing / Eurekalert3)Substance in coffee may improve muscle health in older age / Universities of Southampton4)Migliavacca E, et al. Nat Metab. 2019;10:5808.5)Chung H, et al. Korean J Fam Med. 2017;38:141-147.

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日本人の口腔/咽頭がんの10年全死亡率、飲酒量による違いは?

 飲酒と口腔/咽頭がんの予後との関連については先行研究が少なく、そのほとんどが欧州の研究で5年までの全生存を調査しているもので、結果が一致していない。今回、日本における口腔/咽頭がん患者における飲酒と10年全死亡率の関連を大阪国際がんセンターがん対策センターの小山 史穂子氏らが評価した。その結果、多量飲酒者(エタノール46g/日以上摂取)では非飲酒者と比較して死亡リスクが1.36倍、女性では2.52倍になることが示唆された。Cancer Epidemiology誌2024年4月号に掲載。 本研究は、1975~2010年に診断され、院内がん登録で特定された2,626例の口腔がんおよび咽頭がん患者を対象に、最長10年間追跡調査した。対象者をアルコール摂取量により、非飲酒者、元飲酒者、軽度飲酒者(エタノール23g※/日以下)、中程度飲酒者(23~46g/日)、多量飲酒者(46g/日超)の5群に分け評価した。飲酒と10年全死亡率との関連は、性別、年齢、原発部位、病期、多発がんの数、手術、放射線療法、化学療法、喫煙状況、診断年について調整後、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて評価した。※エタノール23g:日本酒1合(180mL)、ビール大瓶1本(633mL) 主な結果は以下のとおり。・非飲酒者に比べ、元飲酒者(ハザード比[HR]:1.59、95%信頼区間[CI]:1.28~1.96)および多量飲酒者(HR:1.36、95%CI:1.14~1.62)の死亡リスクは有意に高かった。・多量飲酒者は男性(HR:1.35、95%CI:1.10~1.65)、女性(HR:2.52、95%CI:1.41~4.49)とも非飲酒者より死亡リスクが有意に高かった。

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がん罹患数が著増、がん死は減少~英国の25年/BMJ

 英国の年齢35~69歳の集団では、1993~2018年の25年間にがん罹患数が大きく増加したのに対し、がんによる死亡率は減少しており、この減少にはがんの予防(喫煙防止策、禁煙プログラムなど)と早期発見(検診プログラムなど)の成功とともに、診断検査の改善やより有効性の高い治療法の開発が寄与している可能性があることが、英国・Cancer Research UKのJon Shelton氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2024年3月13日号に掲載された。23部位のがんの後ろ向き調査 研究グループは、1993~2018年の英国の年齢35~69歳の集団における、23の部位のがんの診断数および死亡数を後ろ向きに調査した(特定の研究助成は受けていない)。 解析には、国家統計局、ウェールズ公衆衛生局、スコットランド公衆衛生局、Northern Ireland Cancer Registry、イングランド国民保健サービスなどのデータを用いた。 主要アウトカムは、がんの年齢調整罹患率と年齢調整死亡率の経時的変化とした。前立腺がんと乳がんが増加、ほかは安定的に推移 35~69歳の年齢層におけるがん罹患数は、男性では1993年の5万5,014例から2018年には8万6,297例へと57%増加し、女性では6万187例から8万8,970例へと48%増加しており、年齢調整罹患率は男女とも年平均で0.8%上昇していた。 この罹患数の増加は、主に前立腺がん(男性)と乳がん(女性)の増加によるものだった。これら2つの部位を除けば、他のすべてのがんを合わせた年齢調整罹患率は比較的安定的に推移していた。 肺や喉頭など多くの部位のがんの罹患率が低下しており、これは英国全体の喫煙率の低下に牽引されている可能性が高いと推察された。一方、子宮や腎臓などのがんの罹患率の増加を認めたが、これは過体重/肥満などのリスク因子の保有率が上昇した結果と考えられた。 また、罹患数の少ない一般的でないがんの傾向については、たとえば悪性黒色腫(年齢調整年間変化率:男性4.15%、女性3.48%)、肝がん(4.68%、3.87%)、口腔がん(3.37%、3.29%)、腎がん(2.65%、2.87%)などの罹患率の増加が顕著であった。男女とも胃がん死が著明に減少 25年間のがんによる死亡数は、男性では1993年の3万2,878例から2018年には2万6,322例へと20%減少し、女性では2万8,516例から2万3,719例へと17%減少しており、年齢調整死亡率はすべてのがんを合わせて、男性で37%(年平均で-2.0%)低下し、女性で33%(-1.6%)低下していた。 死亡率が最も低下したのは、男性では胃がん(年齢調整年間変化率:-5.13%)、中皮腫(-4.17%)、膀胱がん(-3.24%)であり、女性では胃がん(-4.23%)、子宮頸がん(-3.58%)、非ホジキンリンパ腫(-3.24%)だった。罹患率と死亡率の変化の多くは、変化の大きさが比較的小さい場合でも統計学的に有意であった。 著者は、「喫煙以外のリスク因子の増加が、罹患数の少ない特定のがんの罹患率増加の原因と考えられる」「組織的な集団検診プログラムは、がん罹患率の増加をもたらしたが、英国全体のがん死亡率の減少にも寄与した可能性がある」「この解析の結果は、新型コロナウイルス感染症の影響を含めて、がんの罹患率およびアウトカムの今後10年間の評価基準となるだろう」としている。

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心臓18F-ドパミンPET検査でレビー小体病を予測できる可能性

 心臓の18F-ドパミンPET(陽電子放射断層撮影)により、後に中枢性レビー小体病と診断されるリスクのある人を同定できる可能性を示した研究が、「Journal of Clinical Investigation」に10月26日掲載された。 米国立衛生研究所(NIH)のDavid S. Goldstein氏らは、3つ以上のパーキンソン病のリスク因子を有する34人を対象に、最長7.5年間あるいはパーキンソン病と診断されるまでの期間中、心臓18F-ドパミンPET検査を1.5年間隔で実施した。 その結果、研究開始時に心臓PETでの18F-ドパミン由来の放射線濃度が低い対象者は9人、正常者は25人だった。7年間追跡し、放射線濃度が低かった9人のうち8人、正常だった11人のうち1人が、中枢性レビー小体病と診断された。レビー小体病と診断された9人全員が、診断前または診断時に18F-ドパミン由来の放射線濃度が低かったが、レビー小体病と診断されなかった25人のうち放射線濃度が一貫して低かったのは1人のみだった。 Goldstein氏は、「パーキンソン病やレビー小体型認知症の多くの症例で、病気のプロセスは実際には脳では始まっていないと考えられる。自律神経の異常により、病気の進行は最終的に脳に到達する。心臓でのノルエピネフリン消失は、レビー小体病での脳のドパミン消失を予測するもので、それに先立って生じる」と述べている。

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医師の働き方改革に必須なのは財源の確保、米国の医療保険制度から考える(2)――米国の医療費削減方法、プライマリケアがゲートキーパーに【臨床留学通信 from NY】第58回

第58回:医師の働き方改革に必須なのは財源の確保、米国の医療保険制度から考える(2)前回に引き続き、医師の働き方改革と財源確保について、米国の医療保険制度から考えます。医療費削減のために米国で行われていること米国の医療費は、高い人件費や薬物などの物品を賄うため、救急外来を経由して1泊なんてするものなら、ざっと100万円ほどかかってしまうことも珍しくありません。そのため、政府保険であるMedicaid(メディケイド)、Medicare(メディケア)は、医療費削減のために不必要な薬や手技を減らすことに目を光らせ、プライベート保険もプランによってカバーする薬の範囲が変わるという仕組みです。高くて良い薬にはCo-pay(自己負担)が多くかかってしまい、自然と安い薬を使うように仕向けられます。たとえばアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)は心不全に有効な薬で、日本ではそれを高額であるにもかかわらず高血圧にも処方できるように国が承認していますが、米国では心不全の病名なしには処方できません。また循環器疾患の狭心症。心筋梗塞とは違い、致命的ではないことがほとんどですが、まれに不安定狭心症かな、とこちらが思うものであっても、負荷心筋シンチグラフィなどの事前検査をなくして外来から直接カテーテル検査・入院はできないことがあります。その際はやむを得ず、救急外来を経由して入院した体裁にすることもあります。なお医療費削減のため、カテーテル治療も簡単なものはThe Same Day Discharge(同日退院)となり、それをすることで病院にメリットがあるように金額が決まっています。そのため、カテーテル室専用のリカバリールームがあり、朝6~7時に患者さんが来て、7時過ぎにはPCI開始、その後数時間観察して、午後には退院することや、12時くらいにPCI開始であっても、夜11時までスタッフを配置してモニターして退院、なんてことがあります。予約を取るのも一苦労、プライマリケアがゲートキーパーに外来では、簡単な薬の処方のみの人は(たとえば高血圧のみ)、プロブレムが少ないためあまりお金にならず、半年後にしか予約が取れないようになっていて、3ヵ月の処方を電子的に薬局に送信し、リフィルを3回出して1年分の処方を出すことがあります。予約を取るのも一苦労です。患者によって保険がさまざまなため、医師から直接予約を取れず、大半はいちいち事務に電話などをして、うまくいって10~20分かけてなんとか予約を取る形です。医師がカルテ上3ヵ月後と言えば、どんなに受診したくても、病状が落ち着いていれば予約が取れないようになっています。プライマリケアがゲートキーパーとなり、好き勝手に循環器内科、腎臓内科、内分泌内科など専門医に受診できないようになっており、いわゆる紹介状(きちんとした手紙でなくとも1文程度でも)が必要にもなります。また、専門医を受診するには、保険にもよりますがCo-payを支払わなければなりません。私の保険の場合は50ドルほど払わなければならず、不用意に何となく気になるからという理由で患者が受診することを制限しています。インフルエンザなどで受診するUrgent Careは私の保険は75ドル。ちょっとした風邪で病院にかかることはありません。なお、いわゆる一般外来は発熱患者はお断り。その分薬局で購入できる薬は日本より充実しています。Emergency Department(救急外来)は150ドルで、簡単に受診しようとする意思を抑制しています。以前私が針刺事故未遂のようなほぼかすっていない程度で救急外来を受診した時、採血と問診で3,000ドル(約45万円)の請求書が来てたまげました。幸い職員なので医療費はかからず、問題ありませんでしたが…。1泊入院すると1万ドル前後かかってしまうとはいえ、基本的に保険から下りると思いますが、どのくらいカバーされるかはまちまちです。裏を返せば、この莫大な医療費によって医療従事者の給料が保証されていることにもなります。これらの折衷案として、日本では何ができるか、次回は私なりの提案をしたいと思います。

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令和6年能登半島地震災害義援金のお礼とご報告

このたびの能登半島地震で被災された皆さま、ならびにご家族の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。CareNet.comでは、ポイントのご利用による「令和6年能登半島地震災害義援金」を募集いたしました。多くの方々にご協力いただき、2月29日までに2,268,612円分のポイントが集まりましたことをご報告いたします。また、ケアネットからも同額を加え、総額4,537,224円を日本赤十字社を通じて被災地にお届けいたします。皆さまより多大なるご賛同、ご協力を賜り、誠にありがとうございました。被災地の一刻も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。令和6年能登半島地震災害義援金の詳細は以下をご確認ください。(※日本赤十字社のサイトへ遷移します)https://www.jrc.or.jp/contribute/help/20240104/

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冠動脈ステント内再狭窄、DCB vs.非コーティングバルーン/JAMA

 ステント内再狭窄に対して経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた患者において、パクリタキセルコーティングバルーンは非コーティングバルーンと比較し、1年時の標的病変不全の発生が有意に少なく、優越性が示された。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターのRobert W. Yeh氏らが、米国の40施設で実施した無作為化比較試験「A Clinical Trial to Assess the Agent Paclitaxel Coated PTCA Balloon Catheter for the Treatment of Subjects With In-Stent Restenosis:AGENT IDE試験」の結果を報告した。著者は、「パクリタキセルコーティングバルーンは、冠動脈ステント内再狭窄患者に対する有効な治療選択肢である」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年3月9日号掲載の報告。パクリタキセルコーティングバルーン vs非コーティングバルーン、標的病変不全を1年追跡 研究グループは、2021年5月~2022年8月にステント内再狭窄(参照血管径2.0mm以上4.0mm以下、病変長26mm未満、標的病変狭窄が症候性では50%以上100%未満、無症候性では70%以上)を有する患者600例を登録し、標的病変の前拡張成功後にパクリタキセルコートバルーン群(406例)または非コートバルーン群(194例)に2対1の割合で無作為に割り付け、施術後1年間追跡した。 両群とも、術後少なくとも1ヵ月間はアスピリンとP2Y12阻害薬による抗血小板薬2剤併用療法を行った後、抗血小板薬単剤療法を試験期間中継続した。最終追跡日は2023年10月2日であった。 主要エンドポイントは、1年時の標的病変不全(TLF)(虚血による標的病変血行再建術、標的血管関連心筋梗塞、心臓死の複合と定義)とし、ITT解析を行った。標的病変不全発生率は17.9% vs.28.6% 無作為化された600例の患者背景は、平均年齢68歳、女性26.2%、黒人7%、糖尿病併存50.7%、多枝冠動脈疾患の既往78.9%で、このうち1年間の追跡調査を完了したのは574例(95.7%)であった。 主要エンドポイントの1年時イベント発生率は、パクリタキセルコーティングバルーン群17.9%、非コーティングバルーン群28.6%であり、優越性の基準を満たした(ハザード比[HR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.42~0.84、両側のp=0.003)。 標的病変血行再建術の発生率は13.0% vs.24.7%(HR:0.50、95%CI:0.34~0.74、p=0.001)、標的血管関連心筋梗塞の発生率は5.8% vs.11.1%(0.51、0.28~0.92、p=0.02)で、いずれもパクリタキセルコーティングバルーン群で低かった。 心臓死の発生率は、それぞれ2.9% vs.1.6%(HR:1.75、95%CI:0.49~6.28、p=0.38)であった。

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ストレスや託児所不足を理由に多くの医師が離職

 長時間で変動も多い勤務時間に対応可能な託児所を見つけることの困難さや育児にかかる費用が、子どもを持つ医師の大きなストレスのもととなっていることが、英国で実施された新たな調査から明らかになった。フリーランスのヘルスケアジャーナリストであるErin Dean氏がまとめたこの調査結果は、「The BMJ」に2月14日掲載された。調査結果からは、すでに医師を辞めたか辞めることを考えている人、より柔軟な働き方ができるように専門分野を変えた人、子どもを持つ計画を変更した人のいることが浮き彫りになったという。 この調査結果は、bmj.com上で2023年11月16日から30日の間に実施されたThe BMJ Childcare Survey(BMJチャイルドケア調査)に参加した596人(女性548人;指導医204人、研修医/若手医師231人、一般医95人、医学部生3人、看護師14人、研究者10人、その他39人)の回答に基づいている。 回答を分析した結果、回答者の93%は、自分の仕事のスケジュールに適した託児所を見つけるのに大変な思いをしたと回答していた。91%の回答者が挙げた最も大きな問題は、始業から終業までの間、子どもを預かってくれる場所を見つけることであり、多くの回答者が、朝、遅刻せずに出勤することや仕事の後に子どもを迎えに行くことにストレスと罪悪感を感じていると訴えていた。2人の子どもを持つ回答者の1人は、「利用している学校のラップラウンドケア(授業以外の時間帯に提供される子どものためのサポートサービス)は朝の8時から夕方の6時までだけだ。私の住んでいる地域には他に選択肢がない。そのため、私は常に仕事に遅刻し、子どもを迎えに行くためにできる限り効率的に働いて仕事をこなすか、他の人を頼らなければならない。1日の中で最もストレスを感じるのは子どもを迎えにいくときだ。仕事を早めに切り上げなければならないことを後ろめたく思うし、いつも最後まで残っている子どもに対しても申し訳なく感じている」と話す。 次に多く挙げられた問題は費用に関する問題であり(75%の回答者)、不規則なスケジュール(65%の回答者)がそれに続いた。育児にかかる費用は住宅ローンよりも高く、しばしば自分が稼ぐ以上の額になることを報告する医師も少なくなかった。例えば、4人の子どもを持つ若手医師は、自身の収入より1,255ドル(1ドル150円換算で18万8,250円)高い、月額5,021ドル(75万3,150円)を託児所に支払っていることを報告した。また、育児費用のために医師を辞めることを考えている人や、専門を変えた人がいることも明らかになった。元外科医は、「博士号を取得したが、子どもが2人いるため夜間のオンコールに対応するためのトレーニングを受けることができず、医師を辞めた」と話したという。 研修医/若手医師では、71%がさまざまな専門分野を学ぶためのローテーション(一定期間、特定の診療所や病院に勤務すること)が、さらなる問題を引き起こしていると回答した。また、82%は不規則な勤務時間も障壁となっていることを挙げた。多くの回答者が、家族を増やしたいと考えているが、どうすれば託児所を見つけられるのか、それにかかる費用をどうやって捻出するかを想像することができないと答え、10人に7人近くが、育児に関する懸念が家族計画に影響を及ぼしていると答えた。 英国の労働者団体であるBMAのLatifa Patel氏は、「この数字にはがっかりした。育児に関する選択肢の少なさと驚くほど高額な費用が、医師とその家族に与えている深刻な影響を反映した数字だ」と述べている。 Patel氏は英国政府に対し、社会を支えているキーワーカーのための育児環境を早急に改善し、英国の国民保健サービス(NHS)の託児所を支援するよう求め、さらに、医師が働き続けられるよう財政的な支援も検討するべきだと主張している。同氏は、「社会から必要とされている医師が、育児の選択肢がないためにストレスに苦しみ、病気休暇を余儀なくされたり、完全に離職したりするのを政府が黙って見ているのは、経済的に見て全く理にかなっていない」と話している。

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タバコを吸いたくなくなる食べ物は、果物や乳製品

 喫煙の欲求は、特定の食べ物や飲み物と関連する。新たな研究により、紙巻きタバコ・加熱式タバコ喫煙者において、摂取するとタバコを吸いたくなる飲食品は、ビールなどのアルコール飲料、コーヒー、脂肪の多い食品などであることが判明した。反対に、タバコを吸いたくなくなる飲食品は果物や乳製品であり、喫煙者では非喫煙者と比べて、果物や乳製品の摂取量が有意に少なかったという。京都女子大学家政学部食物栄養学科の三好希帆氏、宮脇尚志氏らによるこの研究は、「Tobacco Induced Diseases」に1月5日に掲載された。 タバコの健康リスクや依存性は広く指摘されている。喫煙の欲求は摂取する食品と密接に関連しているが、欲求を効果的にコントロールする栄養学的な方法は確立されていない。また、日本で最近広まった加熱式タバコについては、まだ研究が少ない状況である。そこで著者らは、紙巻きタバコや加熱式タバコの喫煙者に対し、喫煙の欲求に関連する食品や味、調理方法などを横断的に調査した。 この研究は、非喫煙者178人、紙巻きタバコ喫煙者242人、加熱式タバコ喫煙者237人の計657人(40〜69歳)を対象に行われた。対象者のうち男性は322人(年齢中央値53歳)、女性は335人(同52歳)だった。習慣的な食事の調査として、「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」を用い、一般的な58種類の食品の摂取量を推定。喫煙者には、「摂取するとタバコを吸いたくなるか否か、どちらでもないか」を、各食品・味(甘い、苦い、辛いなど9種)・調味料(砂糖、塩、酢など7種)・調理方法(揚げる、炒める、煮るなど7種)・料理のカテゴリー(和食、中華、西洋、韓国料理)のそれぞれについて尋ねた。 その結果、摂取すると最もタバコを吸いたくなる飲食品はビール(78%)であり、アルコール飲料の多くが上位に位置した。また、ブラックコーヒー(65.6%)、焼き肉(44%)、ラーメン(33.3%)なども上位だった。最もタバコを吸いたくなる味、調味料、調理方法、料理のカテゴリーは、それぞれ油脂味(33.3%)、ソース(13%)、揚げ物(30.9%)、中華料理(42.9%)だった。反対に、摂取するとタバコを吸いたくなくなる飲食品は、果物や乳製品が上位に位置した。 非喫煙者と比較すると、喫煙者の方がアルコール飲料の摂取量(中央値)は有意に多かった(非喫煙者10.3、紙巻きタバコ喫煙者76.6、加熱式タバコ喫煙者39.4mL/1,000kcal/日)。一方、喫煙者の摂取量(中央値)が有意に少なかったのは、乳製品(同順に76.3、48.2、57.6g/日)および果物(同順に46.4、22.2、31.4g/1,000kcal/日)であり、喫煙欲求と関連する飲食品とその摂取量には関連があることが明らかになった。 さらに著者らは、加熱式タバコと紙巻きタバコ喫煙者では、喫煙欲求と関連する飲食品は異なるのかを検討している。「摂取するとタバコが吸いたくなる」と答えた人の割合を比較した結果、ラーメン(加熱式タバコ喫煙者38.4%対紙巻きタバコ喫煙者28.5%)、焼き肉(48.9対39.3%)、辛味(35.6%対23.3%)、油脂味(38.4%対28.5%)などの刺激の強い食品、油脂の多い食品は、紙巻きタバコ喫煙者よりも加熱式タバコ喫煙者の方が強く喫煙欲求と関連していた。調味料や味、調理方法、料理のカテゴリーの中にも有意差が見られるものがあったが、紙巻きタバコ喫煙者の方が割合が高いものはなかった。 以上から著者らは、「特定の食品やアルコールなどの飲み物、果物、乳製品は喫煙の欲求と関連している」と結論。果物や乳製品などについては、これらの食品に含まれる有機酸が唾液のpHに影響し、ニコチンの吸収を低下させる可能性があるため、喫煙者で摂取量が少ない可能性があると説明している。加熱式タバコと紙巻タバコで喫煙の欲求に違いが見られたことに関しては、ニコチンのレベルや味覚への影響の違いを可能性として挙げた上で、「さらなる研究が必要だ」としている。

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