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統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査

 統合失調症は、重大な併存疾患と死亡を伴う主要な精神病性障害で、2型糖尿病および糖尿病合併症に罹患しやすいとされる。しかし、併存疾患が統合失調症患者の超過死亡につながるという一貫したエビデンスはほとんどない。そこで、ドイツ・ボン大学のDieter Schoepf氏らは、一般病院の入院患者を対象とし、統合失調症の有無により併存疾患による負担や院内死亡率に差異があるかどうかを調べる12年間の追跡研究を行った。European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience誌オンライン版2013年8月13日号の掲載報告。統合失調症の併存疾患の大半は糖尿病合併症またはその他の環境因子に関与 対象は、2000年1月1日から2012年6月末までにマンチェスターにある3つのNHS一般病院に入院した成人統合失調症患者1,418例であった。1%以上の発現がみられたすべての併存疾患について、年齢、性別を適合させたコントロール1万4,180例と比較検討した。多変量ロジスティック回帰解析により、リスク因子(例:院内死亡の予測因子としての併存疾患など)を特定した。 統合失調症の併存疾患を比較検討した主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者はコントロールに比べ緊急入院の割合が高く(69.8 vs. 43.0%)、平均入院期間が長く(8.1 vs. 3.4日)、入院回数が多く(11.5 vs. 6.3回)、生存期間が短く(1,895 vs. 2,161日)、死亡率は約2倍であった(18.0 vs. 9.7%)。 ・統合失調症患者では、うつ病、2型糖尿病、アルコール依存症、喘息、COPDに罹患していることが多く、併存疾患としては23種類も多かった。また、これらの大半は糖尿病合併症またはその他の環境因子に関与していた。・これに対し、高血圧、白内障、狭心症、脂質異常症は統合失調症患者のほうが少なかった。・統合失調症患者の死亡例において、併存疾患として最も多かったのは2型糖尿病で、入院中の死亡の31.4%を占めていた(試験期間中、2型糖尿病を併発している統合失調症患者の生存率はわずか14.4%であった)。・統合失調症患者においては、アルコール性肝疾患(OR:10.3)、パーキンソン病(OR:5.0)、1型糖尿病 (OR:3.8)、非特異的な腎不全(OR:3.5)、虚血性脳卒中(OR:3.3)、肺炎(OR:3.0)、鉄欠乏性貧血(OR:2.8)、COPD(OR:2.8)、気管支炎(OR:2.6)などが院内死亡の予測因子であることが示された。・コントロールとの比較において、統合失調症患者の高い死亡率に関連していた併存疾患はパーキンソン病のみであった。パーキンソン病以外の併存疾患に関しては、統合失調症の有無による死亡への影響に有意差は認められなかった。・統合失調症患者の死亡例255例におけるパーキンソン病の頻度は5.5%、試験期間中に生存していた1,163例におけるパーキンソン病の頻度は0.8%と、統合失調症患者の死亡例で有意に多かった(OR:5.0)。・また、統合失調症死亡例はコントロール死亡例に比べ、錐体外路症状の頻度が有意に高かった(5.5 vs. 1.5%)。・12年間の追跡調査により、統合失調症患者はコントロールに比べて多大な身体的負担を有しており、このことが不良な予後と関連していることが判明した。・以上のことから、統合失調症において、2型糖尿病および呼吸器感染症を伴うCOPDの最適なモニタリングと管理は、鉄欠乏性貧血、糖尿病細小血管障害、糖尿病大血管障害、アルコール性肝疾患、錐体外路症状の的確な発見ならびに管理と同様に細心の注意を払う必要がある。関連医療ニュース 検証!抗精神病薬使用に関連する急性高血糖症のリスク 抗精神病薬によるプロラクチン濃度上昇と関連する鉄欠乏状態 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響

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職業性腰痛の直接医療費は年間800億円超

 作業関連性(職業性)腰痛は労働人口において重大な健康問題であるが、有効な対策を講じるには職業性腰痛の総医療費とその内訳を明らかにする必要がある。しかし、米国を除き、職業性腰痛の経済的負担に関する報告はほとんどない。順天堂大学の伊藤弘明氏らは、わが国における職業性腰痛の直接医療費を算出し、2011年度は821億円にものぼることを明らかにした。著者は「職業性腰痛はわが国に相当な経済的負担をもたらしている」とまとめている。Industrial Health誌オンライン版2013年8月13日の掲載報告。職業性腰痛に関する年間総医療費は2002年から2011年まで単調に増加 社会医療診療行為別調査、患者調査、労働力調査、全国健康保険協会、国民健康保険、長寿医療制度等のデータを用い、1日当たりの治療費、すべての原因による腰痛の治療日数、雇用率、職業性腰痛の推定患者数に基づき、2011年、2008年、2005年および2002年における職業性腰痛に要する年間医療費を算出した。 職業性腰痛の直接医療費を算出した主な結果は以下のとおり。・2011年における職業性腰痛に関する年間総医療費は821.4億円であった。入院外来別では入院264.8億円、外来556.6億円、疾患別では脊椎疾患364.3億円、椎間板障害359.1億円、腰痛および坐骨神経痛98.0億円であった。・職業性腰痛に関する年間総医療費は、2002年から2011年まで単調に増加した。・2002年、2005年、2008年および2011年の4年間の平均年間総医療費は749億円(標準偏差60.9億円)であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?

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“喫煙者の採用拒否”もアリな時代、タバコの適正価格はいくら?

大手リゾート、製薬、IT、広告代理店など“喫煙者は採用いたしません”と明言する企業が増えていること、ご存知ですか?映画やドラマの喫煙シーンも減らすべきだという声すら上がり、嫌煙モードは高まる一方の今のご時世。2010年10月以降大きく下がった喫煙率、喫煙への抑止力として働いたタバコ価格を医師はどう見ているのか?そもそも医師の喫煙率はどうなのか?「医師なのにタバコを吸うなんてもってのほか」「脳梗塞でも喫煙する患者に辟易」「もっと値上げしたら自分もやめられるかも」などなど、“タバコと喫煙者の負担”について言いたいことを吐き出していただきました!コメントはこちら結果概要60代以上の医師の約半数が禁煙に成功、30代以下の約8割は喫煙経験なし現在喫煙している人の割合は回答者全体で8.7%(国民全体では21.1%:JT実施「2012年全国たばこ喫煙者率調査」より)。世代別に見ると最も高い40代で10.2%、最も低い30代以下では6.6%であり、大幅な差は見られなかった。しかし喫煙経験の有無では大きく異なり、30代以下の約8割は喫煙経験自体がないのに対し、60代以上の約半数が『禁煙成功を経ての非喫煙者』という結果となった。「自分が吸っていては患者に対して説得力がないから」といった声が多く見られた。“喫煙者の負担増”6割が賛成、「明らかに悪影響を及ぼす疾患は医療費の負担率上げるべき」“喫煙は医療費増につながるため、喫煙者の保険料や医療費などの負担額を上げるべき”との考え方に対する賛否を尋ねたところ、全体の61.1%が賛成と回答。「理屈はわかるが実際の運用は困難では」との声がある一方で、「脳梗塞、COPD、心疾患ほか喫煙が悪影響を及ぼすとのエビデンスがある疾患は自己負担率増に」といった意見も複数寄せられた。医師の8割以上がいっそうの値上げ支持、過半数は“1,000円以上が適正”適正だと感じる一箱あたりの価格について尋ねたところ、最も多かった回答は『1,000~1,400円程度』で33.6%。次いで『1,500円以上』『800円程度(100%値上げ)』がそれぞれ19.5%となり「若年層が手を出しにくい価格にすることが大切」との意見が見られた。喫煙者でも3人に1人は値上げすべきと考えており、「いっそ1,000円以上になれば自分もやめられるのでは」といった声も挙がった。喫煙をめぐる環境、“全館禁煙”で院外にあふれる患者や職員に苦言、表現活動をめぐっては賛否が病院機能評価の項目に“全館禁煙の徹底”が含まれることもあって「敷地の一歩外の歩道上で入院患者が集団で喫煙し、かえって見苦しい」「職員が隠れて吸っている」など、病院周辺の喫煙状況を問題視する医師が多く、「病院こそ最も喫煙者の採用を拒否すべき職場だ」との声も挙がった。表現活動については「喫煙シーンは極力減らすべき」「映画などの規制はやり過ぎでは」と賛否が見られた。設問詳細タバコについてお尋ねします。JTが2013年5月に実施した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、全国の喫煙者率は20.9%(前年比-0.2ポイント)、男女別では男性が32.2%(前年比-0.5ポイント)、女性は10.5%(前年比+0.1ポイント)という結果となりました。2010年10月の増税・定価改定による値上げ直後に比較すると減少傾向は緩やかになりつつあるものの、喫煙者の採用拒否を明言する企業も出てくるなど社会全体での嫌煙モードは高まっています。また政府は2012年6月に新たな「がん対策推進基本計画」を閣議決定し、2010年時点で19.5%の喫煙率を、2022年度までに12%に引き下げるとの考えを示しています。一方、禁煙運動を推進するNPO法人がアニメ映画内での喫煙シーンについて問題視した要望書を提出したことで議論が起こるなど、物理的環境の制限のみならず表現活動にも踏み込む向きについては、行き過ぎであるとして疑問視する声も挙がっています。そこで先生にお尋ねします。Q1.先生は喫煙されていますか。喫煙している以前喫煙していた喫煙したことがないQ2.「喫煙は医療費増につながっているため、喫煙者は保険料や医療費などの負担額を上げるべき」という考え方がありますが、いかがお考えですか。賛成反対どちらともいえないQ3.タバコの価格はどの程度が適正だとお考えになりますか。400円程度(現状維持)600円程度(50%値上げ)800円程度(100%値上げ)1,000~1,400円程度1,500円以上Q4.コメントをお願いします。2013年8月16日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員の医師コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「禁煙の最も有効な手段の一つは、徐々にではなく急激なたばこ価格の上昇と思う。またJTによる健康被害に対する訴訟も必要だろう」(呼吸器内科,70代以上,男性)「ヨーロッパやオーストラリアと同程度にするべきです。特に医療関係者は無条件で禁煙にするべきです」(神経内科,40代,男性)「喫煙は百害あって一利なしであり、医療者が就職する際、喫煙習慣の有無をチェックし、喫煙習慣があるヒトに対して、一定期間での禁煙を課すべきと考えます」(小児科,50代,男性)「喫煙で得られるものは何もない。迷惑千万であり税金、医療費等、もっともっと高くするべき。タバコ吸って肺がんになって助けてと言われても助ける気にならないので、成人の診察は絶対したくない」(小児科,40代,男性)「生活保護を受けている心筋梗塞の患者さんに煙草をやめるように促したところ逆切れされました。その後まもなくその患者さんは脳梗塞を併発し、寝たきりとなりました。医療に対して真摯でない人に医療費が無料というのはいまだに納得できない状況です」(救急科,40代,男性)「喫煙者と非喫煙者の保険料負担は差があってしかるべきだと思います」(循環器内科,40代,男性)「血管障害の治療を受けている生活保護受給者が医師の禁煙指導に従わない場合、何らかの対策が必要と思われます」(脳神経外科,50代,男性)「大学入学後18歳から喫煙していたが、運動部で走りへの影響があり、20歳で禁煙。病院は敷地内禁煙だが、院長、副院長が喫煙者なため、職員の敷地内喫煙がしばしば見られ、禁煙対策が徹底していない。院長の喫煙の有無で敷地内禁煙の徹底が分かれてしまうように思う」(小児科,50代,男性)「循環器を専門としていますが、家族を持ってからは怖くて吸えなくなったというのが正直なところです。これが合法的なものであることすら疑問です。危険性を啓蒙することも必要ですが、ほとんどの喫煙者には現実的に受け止められないため、積極的に吸いたくても吸えない環境を整備してあげるべきです」(循環器内科,40代,男性)「根本的には、喫煙者の自覚と意志によるところが大きいとつくづく思います」(内科,50代,男性)「喫煙者の医療負担額を上げるのは,現実的には困難。たばこ税として徴収した中から医療費に回すべき」(血液内科,40代,男性)「自分自身は喫煙経験が全くないし、経営しているクリニックは全館禁煙で、職員も喫煙者は採用しない方針を採っているが、他人の喫煙にはとやかく言うつもりは無い」(精神科,40代,男性)「病院評価機構の認定基準?で、院内が全面禁煙となり(喫煙室も作れない)、入院患者がすぐ隣の公園や道ばたで座り込んで喫煙している状態が日常化しておりみっともない状態です」(小児科,30代,男性)「日本はまだ喫煙者に甘い。非喫煙者が過半数を超えた今、飲食店での全面禁煙等を早く導入すべき」(外科,40代,男性)「きちんと分煙されれば、吸おうが吸うまいが構いません」(小児科,40代,男性)「タバコは1本100円以上が適正価格。さらに自動販売機での販売を禁止すべき」(小児科,40代,男性)「たばこだけを悪者にするのは不公平。車の排気ガス、食品添加物、ファーストフード、甘い炭酸飲料など他にも色々あるでしょう」(麻酔科,50代,男性)「たばこが健康状況に悪影響があるとわかっていても禁煙できない医療関係者をみると、禁煙治療の難しさを感じる」(産婦人科,40代,女性)「少なくとも自身や家族の喫煙には絶対反対ですが、喫煙者の存在を否定するつもりはありません。飲食店などではもう少し厳密に禁煙スペースと喫煙スペースを区切ってもらえればと」(総合診療科,20代,男性)「喫煙は体に有害だとは思うが、喫煙者に肩身の狭い状況を次々と作っていくようなやり方は、ちょっとどうかと思う」(小児科,50代,男性)「若いうちは格好つけてタバコを吸っていました。40過ぎて、格好悪い、体に気をつけなければと思い止めました。患者さんにも『タバコは高校生が格好つけて吸うもの、この年になっても吸っているのは格好悪いでしょ』と指導しています」(脳神経外科,40代,男性)「医療関係者の喫煙はなくなるべきだと思いますが、職員の禁煙もなかなか進みません。生命保険料などに差をつけるのは賛成です」(内科,50代,男性)「私は職業柄、禁煙に成功したが、なかなかそうはいかない方も多いでしょう。人に迷惑をかける観点からすれば、酒のほうがよっぽど社会悪だと思います。あまり極端な締め付けは新たな問題を引き起こします。」(形成外科,40代,男性)「疾患の誘因になる上、においがつくので嫌いです。次回の値上げは、一本1円でもいいので、医療費に回してもらいたいです」(内科,50代,男性)「受動喫煙の問題もあるが、麻薬として禁止されていないのだから吸いたい人は吸えばよい」(内科,60代,男性)「子供の出生と同時に喫煙はやめました.さまざまな病気の発症(特に悪性疾患)との関連が指摘されており,抗癌剤治療等の高額医療を削減するためにはたばこの価格をもっと上げれば良いと思います」(消化器外科,50代,男性)「私も15年前に禁煙しましたが、禁煙までに苦労しました。たばこの値段を上げるのには賛成ですが、保険料や医療費まで上げることにはちょっと抵抗があります」(外科,60代,男性)「周りで吸われると臭くて汚いうえに受動喫煙による被害を被る。本人は癌やCOPDなどで医療費を食い、やめようとしても禁煙薬は保険適応となっており医療費を使う。タバコの価格は1箱5000円以上が適正」(内科,50代,男性)「喫煙者はたばこを吸う事が自他に亘って健康及び環境に対して害を与えることを十分理解しているのか調査して、理解していなければ十分啓蒙し、なおも喫煙を続けようというのなら、それ相応の対価を支払わせるのは至極当然のことと考える」(その他,50代,男性)「大人っぽく見せるために喫煙していたが、健康のため禁煙をした。それから葉タバコの臭いが大嫌いになりました。非喫煙者には大迷惑ということがよくわかった。また、排水溝のゴミにも吸い殻は大量に含まれその除去費用も、街の清掃業務にもたくさんの税金がかかっています。税金を高くするのは当然です」(整形外科,50代,男性)「健康被害や依存性が明らかな喫煙…、煙草の販売そのものをやめてほしいと思います(まあ、もろもろの事情で難しいのはわかりますが・・)」(内科,40代,女性)「症状は無かったが冠動脈に動脈硬化がわかり禁煙しました。肺がんは関係ないとの意見もありますが、口腔、食道がんやCOPDを考えると患者さんもしかり、周りの方もつらい思いをする。そのような不幸な方が少しでも減ればと思う」(整形外科,40代,男性)「禁煙外来を担当しておりますが、禁煙治療の保険適応に対する過剰な規制が気になります。ニコチン依存症の診断基準としてブリンクマン指数(1日喫煙本数×年数)があるため、若年者では診断基準を満たさず、最も対策が必要であろう中高生や20代の禁煙治療が保険で行えないことや、禁煙治療の期間が12週間と規定されており、それを過ぎると保険を使えないこと、入院患者に対しては禁煙治療を開始できないことなどです。こうした規制をはやく取り払って欲しいものです」(その他,30代,男性)「JTは『マナー問題』にすることでプロパガンダに成功している」(内科,40代,男性)「子供たちに健康上悪影響を与えるとの思いから禁煙したが、子供たちは喫煙しており、割り切れない思い」(その他,60代,男性)「20年前に禁煙した。診療所内は禁煙、患者さんにはやめるよう毎回指示している。1箱の値段が1000円を超えれば、喫煙者は相当減るのではないか」(内科,70代以上,男性)「健康政策で最も効果的なのは,喫煙者を減らすこと。しかも,徐々に(たばこ農家や零細なたばこ屋さんへの対策を行いながら)値段を上げるだけで良いのだから,極めて簡単。税収減を心配する意見もあるが,長期的には医療費削減効果が大きいので,むしろ国の収支は改善されるともされており,早急にたばこを値上げすべし」(内科,60代,男性)「喫煙に関連が深い疾病では、喫煙者の保険医療支払いを高くできないのか?」(皮膚科,50代,男性)「当院は禁煙外来をしており、病院評価も受けているため敷地内禁煙となっている。しかし、一歩敷地外では入院患者の喫煙光景がみられ敷地外に吸殻が捨てられていたり、中にはまだくすぶっている吸殻もみられ非常に危険。といって敷地外に吸い殻入れを置くのもおかしい。喫煙自体は勧められたことではないが、病院内すべてを禁煙にするのではなく空港ロビーのように換気扇のついた喫煙室の設置を義務付けてはいかがか?入院患者に禁煙していただきたいのは山々であるが100%禁煙なんて無理。厚労省の役人だってどこかで吸っているのでしょう!こんな馬鹿馬鹿しい規制はやめてほしい」(消化器内科,60代,男性)「喫煙が自分の体に良くないことは自覚した上での喫煙はやむをえないと思います。自分も以前していたので、気持ちはわかります。ただ周囲の人への受動喫煙は避けるべきと考え、喫煙場所を今後も限定していくべきと思います。禁煙できず状態が悪化した場合は、家族ともどもいっさい医療側に苦情を言わないことも条件と考えます」(脳神経外科,50代,男性)「喫煙は百害あって一利なし。わかった上でなお喫煙をやめない方は、喫煙が悪影響を及ぼすとエビデンスのある疾患に関しては医療費の全額自己負担が妥当と考えます。そもそも確実に体に悪いのだから法律で全面禁止にしたら良い。税収の減少は医療費の削減で相殺可能でしょう。また現時点で喫煙している方から特別税を徴取し、一時的な財源に充てればいいと思います」(臨床研修医,20代,男性)「可処分所得が少ない若年層が、タバコに手を出せない環境を作るのが大事」(泌尿器科,50代,男性)「喫煙はがんを増加させるだけでなく、動脈硬化を著しく促進してしまいます。高血圧症や腎疾患を診療している医師としては、病気を進行させないためなんとしても説得して禁煙して頂いております」(腎臓内科,50代,男性)「喫煙が医療費を上げるという説に根拠はあるのか。喫煙で寿命が短くなればその分医療費も減るのでは」(内科,50代,男性)「喘息の子たちが苦しそうにしてるのが見ていられないのに、平気で近くで吸う人たちが許せない」(小児科,40代,女性)「タバコの依存性を考えると麻薬よりもたちが悪い面もあると聞く。2,000円くらいでも吸うヒトはいると思うのでどんどん釣り上げればよいという立場です。自分はneversmokerです」(泌尿器科,30代,男性)「施設内全面禁煙ですが、屋外の建物の陰で医療従事者が喫煙しているところが病棟から丸見え。患者さんも雨のなかでも傘さして外で喫煙してます。どうしようもないかも…」(整形外科,50代,男性)「煙草ばかりやり玉にあげられていることに違和感をおぼえます。お酒についてももっと厳密な論議をすべき」(精神科,40代,男性)「嗜好品なので、社会保険料や医療費の負担額を上げるべきではないが、税金を増やすことはいいと思います」(内科,50代,女性)「当地の某県立病院内は全面禁煙。境界の歩道上で患者さんがたむろして喫煙しているのが早朝の風景。当然職員はそれを毎日見ているが改善されたとは思えない。嗜好であるから難しいし、モラルの問題になるのだと思う。価格を吊り上げれば多少の抑制はかかるかもしれないが、無くなることもないと考える」(産婦人科,50代,男性)「病院も全館禁煙にしたいところですが、職員の喫煙者も多くなかなか賛同が得られません」(精神科,40代,女性)「当院も敷地内禁煙のはずなんですが、タバコ臭い職員がいるんですよね。病院なんて喫煙者の採用拒否を一番にしていい職場だと思うんですが」(小児科,40代,男性)「喫煙者は保険料や医療費などの負担増であるなら、飲酒者、肥満者、高血圧者、糖尿病者、その他リスクを持つ全ての者に対して負担増を強いるべきである」(リハビリテーション科,40代,男性)「嗜好品が将来的な病気のリスクを高め、その病気を社会全体で支えることが非喫煙者の理解を得ているとは思えません。値上げのみで解決できる問題ではないが、抑止力の一つとして考慮されるべき。現時点での税収減少を心配するのではなく、若年人口が減少し社会的に高齢者を支えることが不十分になっている今だからこそ将来のことをきちんと考えるべき」(消化器外科,50代,男性)「缶コーヒー1本とタバコ1本と同等くらいがいいんじゃないかと思います。が、他国とつり合いがとれないくらいの価格だと、差益を狙った組織が暗躍するのではと危惧されます」(泌尿器科,40代,男性)「生活保護の母子家庭の母親に喫煙者が多い。値段を上げても、子供の特別手当や手帳からくる公費を使って買っているのが実情なので、喫煙が減るとは思えない。子供が犠牲になるだけ。また禁煙外来も、自己負担なしなのであまり成功していない。困っています」(小児科,60代,女性)「1000円以上でも止められない方は多いと思います。呼吸器内科部長がヘビースモーカーで、禁煙外来を行っていながら休憩時間には吸っていましたね。依存の問題は難しいです」(消化器内科,50代,女性)「喉頭がんになってもまだやめない人がいる。こんな人に医療費を使うのはどうかと思う」(消化器内科,50代,女性)「全てを吸い込むのなら(副流煙もなく、吐き出しもない)許さなくもない」(小児科,40代,男性)「全面的に煙草を違法なものとして禁止してもいいのでは?吸わない人間からするとただただ迷惑なだけ。タバコ以外の嗜好品もあるのだから、タバコがなくても生きていけないわけではない」(内科,40代,女性)「禁煙外来へ紹介しているが、成功率は半分くらいで、最終的には本人の意志による」(内科,40代,男性)「被ばくより発がんリスクが高いことをなぜ伝えないのでしょう?値段は段階的に1500円以上にすべき」(消化器外科,40代,男性)「ヒステリックに騒ぎ過ぎかと思います」(泌尿器科,40代,男性)「学位論文のストレスで一時喫煙したが、運動が身体的に明らかに辛かった為禁煙した。また喫煙依存者に肺気腫等が多く、高齢になって症状に苦しむ姿を多くみて禁煙を広めるべきと感じ、抑止力として高額化することはかなり有効と感じる」(外科,50代,女性)「禁煙外来はやってませんが、よく勧めます。やってみて成功する人は少ないし、それよりも他人事と思って問題視しない人の方が多いですね。タバコの値段を引き上げれば絶対喫煙者は減ります。あとは健康というよりは政治の問題と言うしかないでしょう。前回の値上げの時に、3倍の1000円にするべきでした。400円で喫煙者数の現状維持を成功させましたね!総務省・財務省の勝ちで厚労省はいつも負けますね。もし1000円になれば1/3が禁煙、1/3が減煙、値上げ分で税金、生産者・JTの減収分は確保されて、結果的には喫煙者が減り、タバコの弊害が減って医療費分は浮くのではと予測してましたが」(精神科,50代,男性)「購入することにちょっと躊躇するような値段にすべきです」(腎臓内科,40代,男性)「たばこは嫌いですが、法律で禁止されているわけでもないのに、ここまで喫煙者が差別されるのもおかしな話だと思います。完全分煙、医療費負担増で自己責任でよいと思います」(心臓血管外科,40代,男性)「禁煙して『吸えないストレス』から解放されて、とても楽になりました」(消化器内科,40代,男性)「喫煙による被害の啓蒙VTRを小学生の頃から奨励したり、基本的にたばこ会社を撤退させたらどうか」(循環器内科,40代,女性)「喫煙者があまりにも迫害されているような気がします」(整形外科,50代,男性)「今年の世界禁煙デーの標語で厚生労働省の弱腰が明らか。WHOは『Bantobaccoadvertising,promotionandsponsorship』(タバコの宣伝、販売促進活動、スポンサー活動を禁止しよう)、対して厚生労働省の標語は『たばこによる健康影響を正しく理解しよう』。日本政府は本当に禁煙を推進する覚悟があるのか!」(循環器内科,50代,男性)「わかっちゃいるけど・・・と思っている方も多いと思うので、もっと容易に禁煙外来にかかれる(例えば小児の様に公費負担にするとか)体制を作るべきと思う」(内科,70代以上,男性)「敷地内禁煙にしていても抜け道はいくらでもあり、当院でも受動喫煙対策にかなり悩まされています。生活保護費を受給している膀胱がん患者が、ぬけぬけとタバコがやめられないとおっしゃるのが許せません」(泌尿器科,40代,男性)「過度の禁煙押し付けでうつ状態になった患者を診察したことがある。喫煙をやめさせようとする余り他の病気を発症させては本末転倒では。また、低所得層・過酷勤務層ほど喫煙率が高いことがわかっている。単にたばこの価格を上げるだけでは低所得者層への逆進課税になってしまう。販売禁止のほうが理に適っているのではないか」(内科,40代,男性)「禁煙したいと以前から思っておりますが、無理でした。値段を上げることが喫煙者を減らす第一歩ではないかと思います」(腎臓内科,40代,男性)「自分は吸わないが、安定税収入のために国民をニコチン中毒にしておいて今更医療費抑制のためにタバコの価格を上げるのはおかしいと思う」(循環器内科,60代,男性)「禁煙をした医師として『禁煙支援外来』に携わっている。吸ったことのない先生よりは適切な指導が出来ると自負している」(循環器内科,60代,男性)「病院のみならず、人格形成に大きく関わる小中学校教員自身の禁煙を徹底させる。校内禁煙は当然であるが校門近くでたばこを吸っている、あるいは駐車場の車内で吸っている教師を児童が見かけたという話をよく聞く」(消化器外科,50代,男性)「25年前結婚を機に、一つぐらい体に良いことをと思いたばこをやめました。やめてから良いことばかりです。患者への教育のためにも、少なくとも医師が率先して禁煙すべき」(外科,50代,男性)「禁煙歴27年。患者さんに禁煙を勧める時に自分が吸っていたのでは迫力ないし、自分の体験を話しながら説明しやすい」(精神科,60代,男性)「19歳頃から60歳まで吸いました。診察中にCOPDの患者さんが多くおられ、それが怖くて禁煙し13年。医療費が掛かるからと値段を上げるのは賛成できませんが、COPD等で苦しまれていることを知らせることが必要と考えます」(外科,70代以上,男性)「実の父が脳梗塞を患い、それでもタバコを吸って、再アタックが起きて寝たきりになり、ぼろぼろになって行くのを目の当たりにして禁煙した」(内科,50代,男性)「『風立ちぬ』で喫煙シーンが多かったが、監督自身がヘビースモーカーなので作品の製作にあたり何も考慮しないと思われる。映画やドラマでも喫煙の場面を極力減らしてほしい」(消化器内科,50代,男性)「早く禁煙しなければと思いながらきっかけが持てずにいます。いっそ1000円以上になればやめると思う」(内科,40代,女性)「価格を上げることが一番禁煙に繋がる早道と思う」(内科,70代以上,男性)「(呼吸器学会など)専門医取得に禁煙証明が必要となるといった動きは非常に良いと思う。医師が率先して禁煙し、患者への啓蒙活動に取り組むべき」(糖尿病・代謝・内分泌内科,30代,女性)「精神科ではたばこを必要とする患者さんがいるのは事実ですが,そういう方は一部に減りました。禁煙ってできるんだなあという印象をもちました」(精神科,40代,女性)「高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病、心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症、悪性腫瘍、肺疾患などの病名での治療では、喫煙患者の医療費自己負担率を8割位に上げるのが、禁煙促進に有効と考えます」(心臓血管外科,60代,女性)「10年以上前から間接喫煙の弊害を病院管理者に訴えましたが何も聞いてもらえませんでした。病院機能評価などで世間体が気になって初めて対策が取られました。情けないの一言です」(小児科,50代,男性)「アニメや映画での自粛や規制はやりすぎ」(小児科,40代,男性)「患者さんから『たばこ臭い人(助手)がいてリハビリを受けたくない』と苦情あり」(整形外科,50代,男性)「400円への値上げを契機に喫煙を止めた。値上げが無ければ喫煙を続けていた。経済的な理由ではなかったけれど…」(内科,60代,男性)「自分自身もなかなかやめられず、患者さんにダメですという時に心が痛い」(循環器内科,20代,男性)「広く禁煙運動が叫ばれ始めた頃に職業柄模範を示す必要があると考え半年間くらいかけて禁煙に成功。1日6-7本程度で50年くらい続けたが、結構苦労した思いがある」(その他,70代以上,男性)「喫煙者の『他人には迷惑かけてない』という妄言にはウンザリ。健康保険から金を取り、火事の原因や受動喫煙、路上喫煙で小児に火傷など、他人に直接的にも迷惑をかけているのに。大幅値上げ、健康保険からの排除などすべき」(耳鼻咽喉科,40代,男性)「喫煙本数と疾患には明確な関係があります。価格を上げ若年者には手に入りにくいところ(例えば1箱10000円)まで値上げすべきでしょう」(呼吸器内科,50代,男性)「1本100円程度にして、喫煙でリスクの上がるがん治療にJTから寄付してもらう」(皮膚科,40代,男性)「禁煙の推進や分煙には賛成するが、喫煙者の人格や喫煙行為そのものを害とみなすようなスタンス(今回の『風立ちぬ』に対する日本禁煙学会の意見など)は、原理主義的で違和感を感じる」(小児科,30代,男性)「喫煙者の患者の声として、今度値上げするなら禁煙するという声が多い。小刻みな値上げより、思い切った値上げが効果的なのではと考える」(皮膚科,30代,女性)「生活環境の変化に伴い自然にやめました。表現については、じゃあ過去の映画やドラマ等放送しないのか?レンタル等しないのか?どこまでが許容されて、どこからが問題かは、製作者が判断することと思います」(呼吸器内科,20代,女性)「煙草による経済振興と経済的損失を適正に数値表示してもらえれば功罪がわかり易くなるでしょう」(内科,60代,男性)「15年くらい吸っていたが、家族のために健康でいなければという意識からニコチンガム発売をきっかけに19年前に禁煙しました。大掃除の時、壁をふくと雑巾が真っ黒になりこれだけのタールが体内に入っていたのかと驚いた記憶がある」(内科,50代,男性)「タバコについては税金が課されているが、喫煙による疾病の医療費をまかなうほどではない事も事実。その辺の矛盾も検討すべき」(外科,30代,男性)「若いときから自動的に喫煙を始めてしまった。これからの若い人には喫煙を始めないように勧めるべきだ。医師の喫煙者は多いと思う」(産婦人科,70代以上,男性)「敷地内での禁煙で喫煙出来なくなった職員や入院患者が病院の正門で喫煙している。敷地外なので積極的に注意出来ない状況。病院のイメージが悪化しないか心配。」(臨床研修医,20代,男性)「喫煙者は、自分が中毒患者であるということを自覚すべき。患者は健康な人と同じに生命保険に入ることが難しいのは、ほかの慢性的で治療困難な疾患と同じですので、容易に理解できるはず。たばこが原因ということが明らかな癌は、保険診療を受ける権利はないと思います」(腫瘍科,40代,女性)「喫煙が健康被害があることがはっきりしているのだから、たばこの価格を上げその分を医療費に回せばよいと思う。不満なら吸わなければいい」(呼吸器内科,30代,男性)「禁煙出来ない患者は大勢いるため、タバコの値段を上げる以外にも保険料や医療負担額を上げる等の措置が必要であると思われる」(腎臓内科,30代,男性)「日本の法律上「20歳以上が許可」されているが、20歳にもなって「さあ吸おうか」などという馬鹿なことを考える人はいないでしょう。未成年で吸い始める人がほとんどでは。そういう観点で言えば「喫煙者はすべからく違法」と言っても過言ではないのでは」(循環器内科,40代,男性)「小児アレルギーを専門としています。子供が喘息で加療しているにもかかわらず、禁煙しない父親、祖父がいて困っています。日本では受動喫煙の害に対する意識が乏しいと思います」(小児科,50代,女性)「医師である限り、解剖のときに見たあの喫煙者の肺所見を知っていながら、よく自分が喫煙する気になると思う」(皮膚科,60代,男性)「喫煙者の話を聴くと、値段が1,000円以上になればやめる、という人が多いので、それくらいには値上げしても良いと思う」(膠原病・リウマチ科,50代,女性)「たばこを吸う人が減って、医療費が抑制できたらいいと思っています。私の家族もスモーカーでしたが、全然やめてくれず、最終的に脳梗塞になりました」(小児科,40代,女性)「生活保護の患者さんにヘビースモーカーが多い。禁煙指導しても聞く耳を持たない」(精神科,50代,女性)「喫煙者の保険料や医療費を上げるという意見は、理解出来るが非現実的。喫煙者の定義が困難であるし、抵抗も大きいと予想される。それよりも喫煙者の医療費に見合うだけタバコを値上げすべきであり、そうすれば喫煙の抑制にもなる」(麻酔科,50代,男性)「耳鼻咽喉科医ですが、タバコ関連癌が多いことがこの科の癌の特徴の一つです。タバコは心疾患や肺疾患の原因でもあり、「タバコは百害あって一利なし」だと思います。タバコ農家にはお気の毒ですが、JTもずいぶんタバコ以外の製品に移行できたでしょうから、容易に購買できない価格にして、喫煙をやめる人を増やすようにしていただきたい」(耳鼻咽喉科,50代,男性)「禁煙外来をしています。禁煙中にあっても再喫煙をなってしまうきっかけのほとんどは、飲み会です。会場内禁煙でありさえすれば、再喫煙の誘惑に負けてしまう確率はきわめて低くなります。喫煙シーンなど刺激を避けることが不可欠となります。また、禁煙中のがんばっている患者さんの中には、街で見える所で売って欲しくないと言っています。また、今回の一連の騒動ですが、作者自身がヘビースモーカーであり、自身の喫煙環境を満たすため(日本の社会の禁煙推進に反対するため)、作品を通して、訴えている側面がとても感じられ、危険であると感じます。反対意見を言われる方は、タバコがいかに依存性があって、反社会的な薬物であるという事が認識されていないかと思われます。」(内科,50代,男性)「日本のタバコは安すぎます。海外ではタバコに『killyou』とまで書いてあり、その上、1000円くらいです」(泌尿器科,40代,男性)「自身が喫煙しており、依存症であると認識している。麻薬や覚醒剤のように、非合法なものとして取り扱ってくれればさすがに禁煙すると思う」(内科,30代,男性)「主人は結婚を機に禁煙しました。そのときにはかなり喫煙と健康被害についてレクチャーをしましたが…」(産婦人科,40代,女性)

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ビタミンDはアトピー性皮膚炎に有用

 ビタミンDの補給は、アトピー性皮膚炎の臨床症状改善に有用である可能性が示された。安全性、忍容性とも良好だという。ポーランド・ワルシャワ医科大学のZbigniew Samochocki氏らによる検討の結果、報告された。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年8月号(オンライン版2013年5月2日号)の掲載報告。ビタミンD補給後にアトピー性皮膚炎の重症度が優位に低下 ビタミンDには免疫調整作用がある。免疫機構はアトピー性皮膚炎(AD)の病因となっていることから、ビタミンDがADの病態に影響を及ぼす可能性があった。そこで研究グループは、AD患者におけるビタミンD濃度と臨床的・免疫学的・体質的・環境的因子との関連を調べること、またビタミンDの補給がADの臨床症状に影響を及ぼすかどうかについて検討することを目的とした。 具体的には、AD患者と対照被験者について、臨床値および検査値を測定し検討した。ADの重症度は、SCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)indexにて評価した。 ビタミンDがアトピー性皮膚炎の病態に影響を及ぼすかどうかを検討した主な結果は以下のとおり。・検討したのは、AD患者95例、対照被験者58例であった。・AD患者と対照被験者の血中25‐ヒドロキシビタミンD3[25(OH)D3]平均値に、統計的な差はみられなかった。・細菌性皮膚感染症の頻度は、25(OH)D3値が低値のAD患者において高かった。・ビタミンD値とその他の検査および臨床パラメーターとの間に、統計的な関連性はみつからなかった。・ビタミンD補給後、平均objective SCORADおよびSCORAD indexは、有意に低下した(p<0.05)。・本検討は、全被験者が白人であり、ビタミンD投与量が1種類のみであること、および治療期間の評価は1回のみであった点で限界があった。・以上から、本研究において、ビタミンDの補給はアトピー性皮膚炎の臨床症状を改善するのに役立つ可能性があり、安全性・忍容性とも良好である可能性が示唆された。

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CRT-Dの効果はLBBB・QRS≧150msの患者が最大/JAMA

 心臓再同期治療(CRT)は、左脚ブロック(LBBB)がありQRS時間が長い患者における効果が大きいことが、米国・デンバーヘルスメディカルセンターのPamela N. Peterson氏らによる検討の結果、明らかにされた。CRTは臨床試験において、心不全や左室収縮機能障害の患者の死亡率を改善し再入院を減らすことを示した。しかし適応の広がりに伴い、心不全で同療法を受けた患者の3分の1~半数が改善しなかったことが報告されていた。研究グループは、コストや手術に伴う侵襲性などのリスクから、ベネフィットが得られる患者の特定が重要であるとして本検討を行った。JAMA誌2013年8月14日号掲載の報告より。LBBBの有無、QRS幅で患者を階層化し、CRT-Dの効果を検証 検討は、臨床においてCRT除細動器(CRT-D)植込み手術を受けた患者の、QRS幅とLBBBの有無とアウトカムとの関連を調べることを目的とした。2006~2009年に手術を受けCardiovascular Data Registry's ICD Registryに登録されたメディケア受給者を対象とした、後ろ向きコホート研究であった。被験者は2011年12月まで最長3年間追跡を受けた。 被験者は、CRT-D手術のためあるいはその他の理由で入院したかどうかで階層化され、さらに、LBBBの有無、QRS幅が150ms以上か120~149msかで分類された。 主要評価項目は、全死因死亡、全原因・心血管または心不全による再入院、合併症とした。3年死亡リスク、1年再入院リスクはLBBB・QRS≧150msで最も低い CRT-D手術で入院した患者は2万4,169例であった。そのうち、LBBB・QRS≧150ms群は9,889例、LBBB・QRS 120~149ms群6,259例、非LBBB・QRS≧150ms群3,306例、非LBBB・QRS 120~149ms群4,715例だった。 CRT-D手術入院患者全体の1年死亡率は9.2%、3年死亡率は25.9%だった。全原因再入院率は、30日時点10.2%、1年時点で43.3%だった。 階層分類別での解析の結果、補正前・補正後の3年死亡リスクは、LBBB・QRS≧150ms群が最も低かった(20.9%)。LBBB・QRS 120~149ms群は26.5%(補正後ハザード比[HR]:1.30、99%信頼区間[CI]:1.18~1.42)、非LBBB・QRS≧150ms群は30.7%(同:1.34、1.20~1.49)、非LBBB・QRS 120~149ms群は32.3%(同:1.52、1.38~1.67)であった。 また、1年全原因再入院リスクもLBBB・QRS≧150ms群が最も低かった(38.6%)。LBBB・QRS 120~149ms群は44.8%(補正後HR:1.18、99%CI:1.10~1.26)、非LBBB・QRS≧150ms群は45.7%(同:1.16、1.08~1.26)、非LBBB・QRS 120~149ms群は49.6%(同:1.31、1.23~1.40)であった。 合併症との関連はみられなかった。 以上の結果から著者は、「臨床でCRT-D手術を受けたメディケア受給者において、LBBB・QRS≧150msの患者が、LBBB・QRS<150msやQRS幅を問わない非LBBBの患者と比べて、全死因死亡、全原因・心血管・心不全の再入院のリスクが最も低かった」と結論している。

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手根管症候群にHLTパッチが有用

 手根管症候群(CTS)は、疼痛、感覚異常、筋力低下などを特徴とする正中神経の圧迫性神経障害である。米国・International Clinical Research Institute社のSrinivas Nalamachu氏らが実施したパイロット試験の結果、発熱成分、リドカイン、テトラカインを組み合わせた局所貼付剤(HLTパッチ)がCTSの疼痛緩和に有用であることを報告した。著者は、「HLTパッチは、CTSによる疼痛をターゲットとした標準的な非外科的治療となる可能性がある」と述べている。Pain Practice誌オンライン版2013年8月1日号の掲載報告。 検討は非盲検試験にて実施された。対象は、電気生理学的検査により軽度から中等度と診断された片側CTSの成人患者20例(平均年齢44±12歳)。 被験者は朝および夜の1日2回(12時間ごと)、手のひら側の前腕と手首の境界付近にHLTパッチ1個を2時間貼付した。 ベースライン時および2週間の試験期間中、疼痛強度ならびに疼痛による日常生活・仕事・睡眠の障害度について、0~10の数値的評価スケールを用い評価した。 主な結果は以下のとおり。・試験を完遂したのは15例で、平均疼痛スコアはベースライン時5.1±1.5から試験終了時2.5±1.6に低下した(per protocol解析、p<0.001)。・患者の3分の2は、臨床的に有意な疼痛改善(平均疼痛スコアがベースラインから30%減少)が得られた。患者の40%は、3日目までにこの閾値に達した。・日常生活・仕事・睡眠の障害度についても、同様の結果であった。・忍容性は良好であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?

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確実な紫外線対策は物的バリアで

 日焼けによる損傷は、悪性黒色腫と関連した最も重要な環境要因だが、スペイン・バルセロナ大学のCristina Carrera氏らは、母斑への紫外線誘発の影響を防御することを目的とした日焼け止め外用の効果について、物的バリアとの比較で検証した。その結果、日焼け止めには物的バリアほど炎症性の紫外線の影響を防御する効果がないことを報告した。JAMA Dermatology誌2013年7月号の掲載報告。 日焼け止め外用と物的バリアを比較した母斑保護についての検討は、病院に通院する患者20人、母斑23例について前向き研究の手法にて行われた。 それぞれの母斑について、半分にSP50の日焼け止めを塗布し、半分は遮断バリアで覆い、紫外線B波(UVB)の単回照射を行った。 主要評価項目は、紫外線照射前と照射7日後の生体検査の結果と、7日時点での組織病理-免疫病理学的検査の結果であった。 主な結果は以下のとおり。・紫外線照射後の臨床的変化が最も大きかったのは、色素沈着、スケーリング、紅斑であった。・ダーモスコピーの所見で変化が最も大きかったのは、小球/斑点、非定型的色素ネットワーク、退縮、点状血管の増加であった。・物的バリアと日焼け止め塗布で保護された部位はいずれも、これらの変化が数度認められた。・母斑のうち、臨床的変化がみられなかったのは30%超(7例)であり、ダーモスコピー所見の変化がみられなかったのは18%(4例)であった。・生体検査で何もみつからなかった場合も、各母斑の日焼け止め塗布部と物的バリア部分の組織病理-免疫病理学的検査の結果は明白に異なっていた。最も顕著であった特徴は、不全角化スケール、表在性メラノーマの数および活性の上昇、ケラチノサイト増殖であった。・両バリア部位の唯一の違いは、日焼け止め塗布部位のほうが色素細胞活性と退縮の特徴がより認められたことであった。・特異的UVB反応の予測について、遺伝的表現型の特徴についてはわからなかった。・以上を踏まえて著者は、「物的バリアと日焼け止め外用はいずれも、部分的だが母斑へのUVB保護効果がある。UVの影響は必ずしも目に見える変化となっては現れず、保護していてもその後に変化が認められる可能性がある。日焼け止めは、UVB炎症への保護効果は、物的バリアと同程度ではなかった」とまとめている。

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SSRI/SNRI治療患者の約7割はアドヒアランス不良

 イタリア・ボローニャ大学のElisabetta Poluzzi氏らは、過去6年間の抗うつ薬処方の傾向と、SSRIまたはSNRIの治療を受ける患者のアドヒアランスについて評価した。その結果、過去6年間で抗うつ薬消費量は20%増えていたこと、SSRI/SNRI治療のアドヒアランスは23.8%であったことなどを報告した。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年8月1日号の掲載報告。 Poluzzi氏らは、イタリア北東部に位置するエミリア・ロマーニャ地方における抗うつ薬使用について明らかにすること、またSSRI/SNRI治療を受ける患者のアドヒアランスを評価することを目的とした。同地方衛生局のデータベースで抗うつ薬の処方データ(償還ベース)を検索し、2006~2011年の全消費量から有病率と使用量を割り出した。また、SSRI/SNRI治療を受けていた患者の服薬アドヒアランスを、治療開始から6ヵ月間追跡して評価した。アドヒアランスは、治療期間≧120日間、処方に対する達成≧80%、処方とのギャップ<3ヵ月、の3つの指数で検討した。アドヒアランス不良の決定要因(社会人口統計学的変数、臨床変数など)を特定し、多変量ロジスティック回帰分析にて補正オッズ比(adjOR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・2006~2011年に、抗うつ薬使用でみた有病率は5%上昇していた(住民1,000人当たり86例から90例に増大)。抗うつ薬の消費量は20%上昇していた(住民1,000人/日当たりの規定1日用量は43例分から51例分に上昇)。・SSRI/SNRI治療例は34万7,615例であった。そのうち良好なアドヒアランスが認められたのは23.8%のみであった。・良好なアドヒアランスは、共存症(adjOR:0.69、95%CI:0.67~0.72)、前年に抗うつ薬治療を繰り返している(同:0.91、0.89~0.92)と関連していた。・パロキセチン(商品名:パキシルほか)の治療を受けていた患者と比べて、デュロキセチン(同:サインバルタ、adjOR:0.58、95%CI:0.55~0.60)、エスシタロプラム(同:レクサプロ、0.64、0.62~0.66)、セルトラリン(同:ジェイゾロフト、0.65、0.64~0.67)の治療を受けていた患者のアドヒアランスは良好であった。・アドヒアランス改善は、より重症な患者で実際に薬物療法のアプローチを必要としている患者で認められるようであった。一方で、抗うつ薬のアドヒアランスの格差は、情報およびスポンサーのバイアスにより一部で起きている可能性があった。・症状の急速な改善あるいは副作用のために服薬を中断しがちな、閾値以下または軽度のうつ病ケースへの抗うつ薬処方は、プライマリ・ケアと精神科専門医との協力関係を改善することで減らせる可能性があった。関連医療ニュース 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき

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大腸用カプセル内視鏡が承認取得~こわくない、恥ずかしくない大腸検査~

 大腸がん検診で便潜血検査が陽性となり要精密検査とされても、大腸内視鏡検査を受診しない人は4割以上に上る。その理由としては「自覚症状がないから」が最も多いが、「痛くてつらそう」「恥ずかしい」という理由も多いという。こうした状況のなか、2013年7月、ギブン・イメージング株式会社の大腸用カプセル内視鏡「PillCam® COLON 2カプセル内視鏡システム」が、審査期間10ヵ月というスピードで承認された。これにより、大腸内視鏡検査をさまざまな理由で受けられない人たちの精密検査のオプションとして提供されることになった。今後、保険適用が認められれば検査数が大幅に増加することが予想される。   ここでは、8月21日に開催されたギブン・イメージング株式会社主催のプレスセミナーから、大腸がん早期発見における大腸用カプセル内視鏡の可能性と今後の展望についてレポートする。精密検査の受診率アップに期待 わが国では、近年、大腸がんの死亡者数が増大し続けており、女性のがん死亡の原因では第1位である。また、がん罹患率についても、2020年までには男女を合わせた日本人における第1位になると予測されている。しかしながら、わが国の大腸がん検診受診率は2007年で約25%と低い。さらに、受診したとしても、精密検査が必要な人における精密検査受診率は57.9%(2012年日本消化器がん検診学会集計)と4割以上が受診していない。この現状を、日本カプセル内視鏡学会理事長の寺野 彰氏(学校法人獨協学園理事長/獨協医科大学名誉学長)は、大きな問題だと指摘した。 インターネットによるアンケート調査によると、大腸内視鏡検査を受けない理由としては「自覚症状がないから」が最も多いが、「痛くてつらそうだから」「恥ずかしいから」(とくに女性)といった受容性の問題も多い。そこで、低侵襲で受容性が高いカプセル内視鏡が、肉体的・精神的に大腸内視鏡検査ができない人や受診を避けてしまう人、地方で大腸内視鏡検査を受けにくい人などに利用されることによって、精密検査受診率のアップにつながり、ひいては大腸がんの早期発見・早期治療に大きく貢献する、と寺野氏は期待する。読影する医師や技師の教育が急務 一方、寺野氏は、カプセル内視鏡検査では多大な画像を読影する必要があるため、医師と技師との協力が重要と指摘した。また寺野氏は、今後、カプセル内視鏡検査が病院のPRとなることが予想されるため、読影できる医師や技師がいない病院でも検査が行われることを危惧している。そのような状況を避けるため、日本カプセル内視鏡学会では、2012年にカプセル内視鏡認定医制度、2013年にカプセル内視鏡読影支援技師制度を施行し、カプセル内視鏡に関する研究教育を行っているという。 また、読影には1時間程度かかるため、今後普及に伴って、検査・読影する医師や技師が不足することが考えられる。その対策として、PillCam® COLON 2カプセル内視鏡システムの治験を行った田中信治氏(広島大学病院内視鏡診療科教授)は、大腸カプセル内視鏡読影センターを整備し、一線を離れて家庭に入っている女性医師などの潜在能力を有効活用していくことが重要で、役割分担によって大腸がん診療の効率化が可能である、と今後の展望を語った。■「PillCam® COLON 2カプセル内視鏡システム」の承認された使用目的・適用対象【使用目的】本品は、大腸内視鏡検査を必要とするが、当該検査が施行困難な場合に、大腸疾患の診断を行うために、大腸粘膜の撮像を行い、画像を提供することを目的とする。【適用対象(患者)】1.大腸疾患が既知又は疑われる患者に使用すること。2.次の患者への使用には注意すること。[安全性が確認されていないため] -妊婦 -18歳未満の患者 -重篤な消化管憩室疾患の患者

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帝王切開の決定時期が遅れて胎児仮死・低酸素脳症となったケース

産科・婦人科最終判決判例時報 1772号108-120頁概要妊娠経過中に異常はみられなかった24歳初産婦。破水から6時間後にいったん分娩停止となったため、陣痛促進剤を開始するとともに、仙骨硬膜外麻酔も追加した。分娩室に移動した直後から胎児心拍細変動の低下・消失、徐脈などが出現し、まずは吸引分娩を試みたが不成功。鉗子分娩は児頭が高位になったことから断念し、緊急帝王切開を行った。ところが胎児仮死の状態で出生し、重度の脳障害が残存した。詳細な経過患者情報24歳初産婦、分娩予定日1993年3月31日、身長154cm、体重55kg(非妊時46kg)、ノンストレステスト異常なし、子宮底32cm、推定胎児体重3,598g、骨盤X線計測では通過可能経過4月1日21:00陣痛が10分間隔となり分娩開始。4月2日02:00市立病院産婦人科に入院。子宮口2~3cm開大、展退80%、児の下降度stationマイナス1.5、陣痛間隔は間歇5分規則的、発作30~40秒。02:37外側式分娩監視装置を装着。07:45早期破水。08:00子宮口4cm開大、展退80~90%、児の下降度stationマイナス1.5。09:13内側式分娩監視装置を装着。10:30子宮口8cm開大、児心音130-140、児の下降度stationマイナス1。13:30子宮口8cm開大、児心音140、児の下降度stationマイナス0.5。子宮口の開大進まず、分娩遷延ないし停止状態。第2回旋が横定位の状態に戻る。15:45裁判所の認定:胎児心拍細変動の低下・減少(15分間持続しその後回復。あとからみるとごく軽度の遅発一過性徐脈ともとれるのでこの時点で酸素投与を開始するのが望ましかった)。16:00陣痛促進剤(プロスタグランデインF2α)開始。16:40裁判所の認定:胎児心拍細変動の低下・減少ともとれる所見が46分間継続(このような変化は正常な経過をとる分娩にはみられないので胎児仮死を想定すべきであった)。17:50内診にて横定位回旋異常が変化しないため、仙骨硬膜外麻酔施行。18:20~18:40(担当医師はトイレのため陣痛室を離れる)18:20裁判所の認定:胎児心拍細変動の低下・減少は著明で、遅発一過性徐脈を疑う所見がある。さらにこの時に子宮口は全開大していた可能性が高い(?)ので内疹をして確認するべきであった。18:30分娩室に移動。18:35裁判所の認定:胎児心拍数が110前後の徐脈。分娩室に移動して一時中断していた記録を再開したこの時点で急速遂娩を決定するべきであった。18:37胎児心拍数が80前後の高度徐脈。18:45胎児心拍数はいったん120を越えたため、徐脈は軽度であって経過観察をすることにした。予防的に酸素投与。18:502分間ほどの頻脈、基線の細変動は保たれていたので低酸素状態ではないと判断。18:54高度徐脈が1分間持続、臍帯の圧迫などによる低酸素と考え急速遂娩が必要と判断。18:58子宮口全開大。19:05児の下降度stationプラス1を確認したうえで、クリステル圧出法による吸引分娩を試みるが娩出せず。19:20ほかの医師に交代し鉗子分娩を試みるが、児頭が高位になったことから断念し帝王切開を決定。19:46重症仮死状態で出生。直後のアプガースコアは1点、5分後も4点であり、低酸素脳症による重度脳障害が発生し、日常生活全介護となった。裁判所からの依頼鑑定胎児が何らかの因子で分娩の初期から胎児心拍細変動の一時的な消失を示しており、また、分娩の後半における一連の変化は、たとえ遅発性一過性徐脈を伴う典型的なパターンではなくても、胎児仮死を疑い、より厳重な監視と迅速な対応が必要であった。当事者の主張患者側(原告)の主張担当医師は遅くとも18:35の時点で急速遂娩の決断をするべきであった。仮に急速遂娩を決断するべき時期が高度持続性徐脈のみられた18:54だとしても、その方法は吸引分娩ではなく帝王切開にするべきであった。このような判断の遅れから、胎児仮死による脳性麻痺に至った。患者側提出産婦人科専門医作成意見書心拍数曲線は記録の乱れのために判定は難しいが、18:37~18:42頃までのあいだに遅発性一過性徐脈を疑わせる所見がある。一般に胎児仮死の徴候は分娩経過とともに発現することが多いため、18:54まではまったく異常がなく、この時点で突然持続性徐脈で示される胎児仮死が現れる可能性は低い。したがって、18:54に持続性徐脈がみられた時点で、ただちに吸引遂娩術を試み、それが不成功であれば速やかに帝王切開術を実施していれば、胎児仮死を避けられた可能性が高い病院側(被告)の主張18:36突然の徐脈が出現するまでは胎児の状態は良好であり、突然の悪化は予見できない。裁判所からの依頼鑑定では、正常な状態で出現するレム・ノンレムおよび覚醒のサイクル(スリープウエイクサイクル)を無視している。18:54に急速遂娩を決定した時の判断として、吸引分娩が成功すれば帝王切開よりもはるかに短い時間ですむので、吸引分娩の判断は誤りではない。そして、帝王切開を決定してから児の娩出まで26分でありけっして遅滞とはいえない。アメリカ産婦人科学会の基準では、脳性麻痺の原因が胎児仮死にあると推定できる要件として4つ挙げているが、本件では2要件しか満たさないので、脳性麻痺の原因は胎児仮死ではない。病院側提出意見書(1)(産婦人科M教授)18:35までの胎児心拍数モニター上では、基準心拍数、胎児心拍数基線細変動、子宮収縮による心拍数の変化、一過性頻脈の存在、レム・ノンレムサイクルの存在からみても、胎児仮死を示唆する所見はない。分娩室移動後も、18:58までは正常範囲内である。本件における胎児心拍細変動の低下・消失は、健康な胎児がレム・ノンレムおよび覚醒のサイクルをくり返している典型的な胎児の生理的状態である病院側提出意見書(2)(産婦人科T教授)18:36から基準心拍数の低下と一過性徐脈があるようにもみえるが、この程度の変化では胎児仮死徴候の発現とみることはできない。18:50までの胎児心拍の不安定な推移はのちに起こる胎児仮死の予兆もしくは警戒信号といえなくもないが、あくまでも結果論であり、現場においてはその推移を注意深く見守るくらいで十分な状態であったといえる裁判所の判断分娩経過中には分娩監視装置を適切に使用するなどして、できる限り胎児仮死の早期診断、早期治療に努めるべきであるのに、担当医師は胎児心拍細変動の低下・消失、徐脈に気付いて急速遂娩を実施する義務を怠り、児を少なくとも1時間早く娩出できた可能性を見過ごし、胎児仮死の状態に至らせた過失がある。原告側合計1億5,200万円の請求に対し、1億812万円の判決考察今回のケースで裁判所は、分娩管理の「明らかな過失」という判断を下しましたが、はたして本当に医療過誤といえるほどの過失が存在したのか、かなり疑問に思うケースです。分娩経過を通じて担当医師は患者のそばにほとんど立ち会っていますし、その都度必要に応じた処置を施して何とか無事に分娩を終了しようとしましたが、(裁判官が指摘した時刻にはトイレにいっていたなど)さまざまな要因が重なって不幸な結果につながりました。そこには担当医師の明らかな怠慢、不注意などはあまり感じられず、結果責任だけを問われているような気がします。あとからCTG(Cardio-toco-graphy)を詳細に検討すると、確かに胎児心拍細変動の消失や低下が一過性にみられたり、遅発一過性徐脈を疑う所見もあります。そして、裁判所選出の鑑定医のコメントは、「典型的な遅発一過性徐脈が出ているとはいっていない。詳細にみるとごく軽度の遅発一過性徐脈ともとれる所見の存在も否定し得ない」となっているのに、裁判官の方ではそれを拡大解釈して、「遅発一過性徐脈を少しでも疑うのならば、即、急速遂娩しないのは明らかな過失」と断じているようなものではないかと思います。その背景として、出産は病気ではなく五体満足で産まれるのが普通なのに、脳性麻痺になったのは絶対に病院が悪い、という考え方があるのではないでしょうか。おそらく一般臨床家の立場では、病院側の意見書を作成したT教授のように、「胎児心拍の不安定な推移はのちに起こる胎児仮死の予兆もしくは警戒信号といえなくもないが、あくまでも結果論であり、現場においてはその推移を注意深く見守るくらいで十分な状態であったといえる」という考え方に賛同するのではないかと思います。今回のような産科領域、とくにCTGに関連した医事紛争はかなり増えてきています。CTGの重大な所見を過小評価して対応が遅れたり、あるいは分娩監視装置を途中で外してしまい再度装着した時にはひどい徐脈であったりなどといった事例が散見されます。やはり患者側は「お産は病気じゃない」という意識が非常に強いため、ひとたび障害児が生まれるとトラブルに巻き込まれる可能性がきわめて高くなります。そのため、普段からCTGの判読に精通しておかなければならないことはいうまでもありませんが、産科スタッフにも異常の早期発見を徹底するよう注意を喚起する必要があると思います。産科・婦人科

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遠隔虚血プレコンディショニング、CABGの予後を改善/Lancet

 遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC)は、待機的冠動脈バイパス術(CABG)施行後の心筋傷害を抑制し、全死因死亡を改善する可能性があることが、ドイツ・エッセン大学病院のMatthias Thielmann氏らの検討で示された。RIPCは、遠隔臓器や血管領域の虚血と再灌流を短時間で繰り返す手技で、CABG施行後の心筋傷害のリスクを低減することが示唆されているが、心筋バイオマーカーの改善が臨床転帰の改善に結びつくかは明らかにされていないという。Lancet誌2013年8月17日号掲載の報告。on-pump CABG例での有用性を単施設の無作為化試験で評価 研究グループは、RIPCの安全性および有効性を評価する二重盲検無作為化対照比較試験を実施した。対象は、West-German Heart Centre(エッセン市)で人工心肺装置使用下に単独初回待機的CABGが予定されている成人3枝病変患者であった。 被験者は、RIPCを施行する群またはこれを施行しない対照群(非RIPC群)に無作為に割り付けられた。RIPCは、麻酔導入後、皮膚切開前に左上腕の虚血(血圧測定用カフで圧迫:200mmHg、5分間)と再灌流(カフによる圧迫を開放、5分間)を3回繰り返すことで行った。 主要評価項目は心筋傷害とし、CABG施行後72時間における血清心筋トロポニンI(cTnI)濃度曲線下面積(AUC)の幾何平均値と定義した。心筋傷害を17.3%抑制、有害事象も少ない 2008年4月~2012年10月までに329例が登録され、RIPC群に162例(平均68.2歳、男性83%)、対照群には167例(69.1歳、80%)が割り付けられた。 72時間のcTnI AUC幾何平均値は、RIPC群が266ng/mL(95%信頼区間[CI]:237~298)と、非RIPC群の321ng/mL(95%CI:287~360)に比べ17.3%低く、intention-to-treat集団(p=0.022)およびper-protocol集団(p=0.001)の双方において有意差が認められた。 平均フォローアップ期間1.54年における全死因死亡率は、RIPC群が1.9%、非RIPC群は6.9%と有意な差がみられた(ハザード比[HR]:0.27、95%CI:0.08~0.98、p=0.046)。心臓死の発生率はそれぞれ0.6%、4.5%で、有意差はなかった(HR:0.14、95%CI:0.02~1.16、p=0.069)。 心臓および脳血管の主な有害事象の発生率は、RIPC群が13.9%、非RIPC群は18.9%であり、有意差を認めた(HR:0.32、95%CI:0.14~0.71、p=0.005)。冠動脈血行再建術はそれぞれ4.3%、17.1%で行われたが、両群間に差はなかった(HR:0.70、95%CI:0.26~1.88、p=0.477)。 著者は、「RIPCは待機的CABG施行例の周術期の心筋保護に有効であり、予後の改善をもたらした」と結論し、「これまでに実施された同様の試験では梗塞サイズが平均19%縮小したが、臨床転帰の改善は得られていない。今回の結果をふまえ、臨床転帰の改善効果を検証するために、多施設による大規模な前向き無作為化試験(ERICCA試験)が進行中である」としている。

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腰痛予後不良の予測因子は疼痛強度と思い込み

 腰痛の長期予後に関する予測因子はほとんどわかっていない。英国・キール大学のPaul Campbell氏らは、プライマリ・ケアにおける腰痛患者を前向きに5年間追跡した結果、疼痛強度および腰痛が持続するかどうかについての患者の認識が、6ヵ月後および5年後の予後不良を予測する因子であることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「両因子が臨床的な介入目標となる可能性がある」と結論している。Journal of Pain誌2013年8月号(オンライン版2013年6月20日号)の掲載報告。 研究グループは、腰痛でプライマリ・ケアを受診した患者の、短期および長期予後の予測因子を調べるためアンケート調査を行い、ベースライン時、6ヵ月後および5年後に質問票を回収できた488例について解析した。 各追跡調査時における臨床的に重大な腰痛(実質的な痛みや障害を示すChronic Pain Gradeスケールの2、3、4)の相対リスクおよび95%信頼区間(CI)を、4つのドメイン(社会人口統計学的項目、身体的項目、心理的項目、職業に関する項目)に分類される32の予測因子について、Cox回帰分析により算出した。 主な結果は以下のとおり。・6ヵ月後における予後不良リスクは、ベースライン時の疼痛強度により12%上昇を示した(相対リスク[RR]:1.12、95%CI:1.03~1.20)。また、腰痛が持続するだろうという患者の認識により4%上昇した(同:1.04、1.01~1.07)。・5年後も類似の結果が示された。予後不良リスクは、疼痛強度により9%上昇し(RR:1.09、95%CI:0.997~1.20)、腰痛が持続するだろうという患者の認識により6%上昇した(同:1.06、1.03~1.09)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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前立腺がん治療薬で初 カソデックスOD錠が承認取得

 アストラゼネカは20日、前立腺がん治療薬「カソデックス(一般名:ビカルタミド)錠80mg」の新たな剤形として口腔内崩壊錠(以下、OD錠:Orally Disintegrating Tablet)を採用した「カソデックスOD錠80mg」の承認を8月15日に取得したと発表した。 カソデックス錠80mgは1日1回1錠投与の非ステロイド性抗アンドロゲン剤。前立腺がんの治療における内分泌療法の中心的な薬剤として10年を超える臨床実績を有している。今回、新たな剤形として承認を取得したカソデックスOD錠80mgは、前立腺がんの治療薬では初めてのOD錠となる。  カソデックスOD錠80mgは、唾液または水で飲み込んで服用する。口の中で溶けるため通常の錠剤よりも服用しやすいのが特徴となっている。高齢の患者の場合はとくに薬剤を飲み込むことが難しくなるほか、複数の薬剤を服用する機会も増えるため、そのような患者のコンプライアンスの向上を期待できるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/Article/20130820

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コクサッキーウイルスと天疱瘡は関連しているのか

 天疱瘡は自己免疫性水疱症であり、原因とされるウイルスは複数あるとされている。トルコ・パムッカレ大学のNida Kacar氏らは、コクサッキーウイルス(CV)が天疱瘡患者において認められるかを調べた。CVは、手足口病の原因ウイルスの一つであり、自己免疫疾患と強い関連がある。著者らは、CV感染とセファロスポリンによる治療後に天疱瘡の発症が報告されたことを受けて本検討を行った。International Journal of Dermatology誌オンライン版2013年7月24日号の掲載報告。 研究グループは、患者の皮膚検体を用いて、CV RNAシーケンスについてリアルタイムPCR(RT-PCR)法にて解析を行い、また、CVとアデノウイルス受容体発現について免疫組織化学染色を行った。また、CVの抗体IgMとIgGの血清レベルについて分析した。 主な結果は以下のとおり。・患者32例と対照40例について調べた。・CVとアデノウイルス受容体発現、CV RNAシーケンスのいずれも、患者の皮膚検体について確認されなかった。・CV-IgG陽性率は、対照よりも患者において高率であった(5%対12.5%、p>0.05)。・今回の予備的な検討においては、CVのウイルス遺伝子は、皮膚において持続的に認められないことが示された。・さらなる大規模症例における検討にて、天疱瘡の原因となるCVの存在場所を明らかにする必要がある。

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5α還元酵素阻害薬、前立腺がん発症を予防、生存は改善せず/NEJM

 フィナステリド(Proscar、国内未承認)の予防投与は、前立腺がんの発症率を長期的に抑制するが、生存率は改善しないことが、米国テキサス大学サンアントニオ健康科学センターのIan M Thompson氏らが実施した「前立腺がん予防試験(PCPT)」の長期追跡の結果により示され、NEJM誌2013年8月15日号で報告された。フィナステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する2型5α還元酵素を阻害することで前立腺がんの発症を抑制すると考えられている。すでにPCPTでは、本薬により前立腺がんのリスクが24.8%低下するが、高悪性度病変のリスクは26.9%上昇することが確認され、2003年、同誌で報告されている。追跡期間最長18年の長期解析 PCPTは、フィナステリドの前立腺がん予防効果を検証するプラセボ対照無作為化試験。研究グループは、今回、2003年の最初の報告以降のデータを加えた最長18年に及ぶ追跡期間(2011年10月31日まで)のアップデート解析を行った。 本試験では、年齢55歳以上、直腸指診所見が正常で、前立腺特異抗原(PSA)≦3.0ng/mLの男性が、フィナステリド(5mg/日)またはプラセボを7年間投与する群に無作為に割り付けられた。 毎年1回、直腸指診およびPSA検査が行われ、7年目の検査時にPSA>4.0ng/mLまたは直腸指診で異常が認められた被験者には生検が推奨された。病変の悪性度は、Gleasonスコアが7~10の場合に高悪性度、2~6の場合に低悪性度と定義した。発症率:10.5 vs 14.9%、15年生存率:78.0 vs 78.2% 1994年1月~1997年5月に1万8,880例が登録され、フィナステリド群に9,423例、プラセボ群には9,457例が割り付けられた。 前立腺がん発症率は、フィナステリド群が10.5%(989/9,423例)と、プラセボ群の14.9%(1,412/9,457例)に比べ有意に低かった(相対リスク[RR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.65~0.76、p<0.001)。 高悪性度前立腺がんの発症率は、フィナステリド群が3.5%(333/9,423例)、プラセボ群は3.0%(286/9,457例)であった(RR:1.17、95%CI:1.00~1.37、p=0.05)。低悪性度病変の発症率はフィナステリド群で43%抑制された(RR:0.57、95%CI:0.52~0.63、p<0.001)。 追跡期間中にフィナステリド群の2,538例、プラセボ群の2,496例が死亡した。15年生存率はフィナステリド群が78.0%、プラセボ群は78.2%であり、未調整ハザード比は1.02(95%CI:0.97~1.08、p=0.46)であった。 悪性度別の10年生存率は、低悪性度前立腺がんがフィナステリド群83.0%、プラセボ群80.9%であり、高悪性度前立腺がんはそれぞれ73.0%、73.6%であった。 著者は、「フィナステリドは前立腺がんのリスクを約3分の1抑制した。これは主に低悪性度病変の抑制効果によるもので、高悪性度病変はむしろフィナステリド群で多く、全生存率およびがん診断後の生存率に差はみられなかった」とまとめ、「PSA検査は前立腺がんを早期に発見し、死亡率の改善に寄与している可能性はあるが、低悪性度病変の過剰検出という副産物が問題となる可能性もある」と指摘している。

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重度ADへのリバスチグミンは高用量が優れる

 重度アルツハイマー型認知症(AD)に対するパッチ剤リバスチグミン(商品名:イクセロン、リバスタッチ)の投与は、高用量パッチ(13.3mg)のほうが低用量パッチ(4.6mg)よりも、有効性に優れ重大有害事象は増大せず、ベネフィット・リスクプロファイルは良好であることが示された。米国・インディアナ医科大学のMartin R. Farlow氏らが行った前向き無作為化二重盲検試験の結果、報告された。CNS Neuroscience & Therapeutics誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。 研究グループは、重度AD患者におけるリバスチグミンパッチ剤の13.3mg対4.6mg(いずれも /24時間)の有効性、安全性、忍容性を検討する、24週間の前向き無作為化二重盲検ACTION研究を行った。ADが疑われる、MMSEスコア3~12の患者を被験者とした。主要評価項目は、Severe Impairment Battery(SIB)、AD Cooperative Study-Activities of Daily Living scale-Severe Impairment Version(ADCS-ADL-SIV)とした。副次評価項目は、ADCS-Clinical Global Impression of Change(ADCS-CGIC)、12項目Neuropsychiatric Inventory(NPI-12)、安全性ならびに忍容性であった。 主な結果は以下のとおり。・1,014例の患者がスクリーニングを受け、716例が無作為化され(13.3mg群に356例、4.6mg群に360例)。ベースライン特性および人口統計学的特性は似通っていた。試験を完了したのは、13.3mg群64.3%(229例)、4.6mg群65.0%(234例)であった。・結果、13.3mg群は、認知機能(SIBで評価)および身体機能(ADCS-ADL-SIVで評価)について4.6mg群よりも有意に優れていた。16週時点(各p<0.0001、p=0.049)、主要エンドポイントの24週時点(各p<0.0001、p=0.025)ともに有意差がみられた。・24週時点の両群間の有意差は、ADCS-CGICについても認められた(p=0.0023)。しかし、NPI-12ではみられなかった(p=0.1437)。・有害事象の報告は両群で同程度であった(13.3mg群74.6%、4.6mg群73.3%)。重篤な有害事象も同程度であった(14.9%、13.6%)。・以上のように、13.3mg/24時間パッチ剤は4.6mg/24時間パッチ剤よりも、SIB、ADCS-ADL-SIVにおいて有効性に優れること、また有害事象は増大しないことが示され、重度ADにおいて高用量パッチは良好なベネフィット・リスクプロファイルを示した。関連医療ニュース 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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PTSDを伴うアルコール依存症への組み合わせ治療の効果/JAMA

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)を伴うアルコール依存症の治療について、ナルトレキソン(国内未承認)投与によりアルコール摂取(日単位)を減じられることが、米国・ペンシルベニア大学のEdna B Foa氏らによる無作為化試験の結果、明らかになった。その際、PTSDの認知行動療法の一つである持続エクスポージャー(Prolonged Exposure:PE)療法を同時に行っても、アルコール摂取の助長にはつながらないことも示された。アルコール依存症とPTSDは併存している割合が高いが、その最良の治療方法についてはほとんど明らかになっていない。アルコール依存症でPTSDを伴う患者は治療抵抗性が認められ、一方でPTSDのためのPE療法は、アルコール摂取を助長する可能性が懸念されていた。JAMA誌2013年8月7日号掲載の報告より。ナルトレキソン、PE療法または支援カウンセリングの有効性を検討 アルコール依存症治療の先行研究では、PTSD患者は除外されることが一般的で(PTSD治療のベネフィットをアルコール依存症治療が損なう可能性への懸念などから)、除外されない場合もその症状改善が治療目標にされることはなかったという。 研究グループは、米国でアルコール依存症のエビデンスのある治療として承認されているナルトレキソン投与と、PTSDのエビデンスのある治療であるPE療法の、単独または組み合わせ、およびPE療法の代わりに支援カウンセリングを組み合わせた場合の有効性について単盲検無作為化試験にて検討した。 試験は、ペンシルベニア大学とペンシルベニア退役軍人局にて行われた。被験者登録は2001年2月8日に開始され、2009年6月25日に終了し、2010年8月12日にデータの収集を完了した。 被験者はアルコール依存症でPTSDを伴う165例で、(1)PE療法(90分間セッションを12週連続、その後隔週で6回)+ナルトレキソン(100mg/日)(40例)、(2)PE療法+プラセボ経口薬(40例)、(3)支援カウンセリング+ナルトレキソン(100mg/日)(42例)、(4)支援カウンセリング+プラセボ経口薬(43例)に無作為に割り付けられた。なお支援カウンセリング(30~45分間セッション18回)は全患者に行われた。 主要評価項目は、アルコール摂取日の割合についてはTimeline Follow-Back Interview法で、PTSD重症度についてはPTSD Symptom Severity Interview法で、また飲酒渇望についてはPenn Alcohol Craving Scaleで評価し検討した。評価は治療前(0週)、治療後(24週)、治療中断後6ヵ月(52週)に行った。PE療法有効性の統計的有意差はないが、同治療群の飲酒反復は最小 全4治療群の被験者はいずれも、アルコール摂取日の割合が大きく減少した。各群の変化の平均値は、(1)群-63.9%(95%信頼区間[CI]:-73.6~-54.2%)、(2)群-63.9%(同:-73.9~-53.8%)、(3)群-69.9%(同:-78.7~-61.2%)、(4)群-61.0%(同:-68.9~-53.0%)だった。 なかでも、ナルトレキソン投与を受けた患者のほうが、プラセボ投与を受けた患者よりも有意にアルコール摂取日の割合が低かった(平均差:7.93%、p=0.08)。 一方、PTSDの減少も全4治療群でみられたが、こちらについてはPE療法の有効性について統計的有意差はみられなかった。 治療終了後6ヵ月時点のアルコール摂取日の割合は、全4治療群とも増加していた。そのなかで、PE療法群の増加が最小だった。

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エキスパートに聞く!「認知症診療」Q&A 2013 Part2

CareNet.comでは認知症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生方から認知症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、大阪大学 数井裕光先生にご回答いただきました。今回は、抗認知症薬の投与をやめる時期、症状による抗認知症薬の使い分け、独居患者や認認介護の場合の服薬指導方法、レビー小体型認知症に対する治療薬、開発中の抗認知症薬についての質問です。Part1(Q1~Q5)はこちら6 抗認知症薬の投与をやめる時期について教えてください。これは多くの先生方が悩む難しい問題です。現在の抗認知症薬は根本治療薬ではありませんので、これらの薬を投与する目的は、症状の進行抑制によって患者さんの生活の質を少しでもよい状態に維持することです。したがって、生活の質がよくなる可能性が非常に低い状態なら中止を検討します。たとえば、非常に進行して、自発運動や発語がなく、食事やアイコンタクトもとれない状態です。実臨床場面において、薬の中止を提案するのは、ご家族からであることがほとんどだと思います。したがって、私たち医師は、そのときの患者さんの状態を見て、薬が有用かどうかを考えます。それと同時に、ご家族がどうしてそのように思ったのか、ご家族は薬の中止について実際はどう思っているのか、ご家族の中で意見が分かれてはいないか、経済的な問題があるのかなどについて確認します。これらの情報も勘案して中止するか否かを決めます。また実際に中止するときには、まず2~3週間中止し様子を見て、もしも悪くなれば再投与するという方法もあります。この方法はご家族にも安心感を持っていただきやすいです。薬の中止の話題が出るときは、進行期であることが多く、ご家族は薬の中止以外にも、どんな準備をしておけばよいのか、どんなことに気を付けなければいけないのか、などについて悩んでいることが多いです。したがって、このような進行期の患者さんに対するご家族の心情、悩みなどを受け止めてあげることも重要です。また逆に、医師の側から食事がとれなくなった場合に胃瘻をどうするのか、もしも命が危うくなったときにどこまで治療をするのか、たとえば人工呼吸器の使用を希望するのか、などについてご家族で相談し始めておいてはどうかと提案することも大切だと思います。このような場面は、私たち専門医よりもかかりつけ医の先生の方が遭遇しやすいので、かかりつけ医の先生からお話しいただけたらと思います。7 症状による抗認知症薬の使い分けを教えてください。現在のところ、コリンエステラーゼ阻害薬3種類の認知機能低下の進行抑制効果については差がないとされています。したがって、これらの薬の使い分けは、服用回数、合併症、剤形、価格、行動・心理症状(Behavioral and Psychological symptoms of dementia: BPSD)などで決めることが多いと思います。さて、アルツハイマー病治療薬にはアルツハイマー病のBPSDに対する効果も報告されています。それぞれの薬剤のメタアナリシスによると、ドネペジルは抑うつ、不安、アパシーを軽減し、リバスチグミンは、幻覚と興奮を軽減します。ガランタミンは不安を軽減し、脱抑制の悪化を抑制します。メマンチンは妄想、興奮を軽減し、易刺激性の悪化を抑制します。Part1のQ3で説明したように、どの薬剤でも著効したときに目立つ症状は意欲や活動性、注意・集中力の改善です。すなわち精神機能が賦活される方向です。この賦活が焦燥や興奮という症状として現れる可能性もあります。したがって、焦燥や興奮が出現した患者さんは薬剤が大きく作用したと考えることもできますので、中止や減量をした後に、投薬量を調整したり環境を調整したりして治療薬の再投与ができないかと模索することも必要だと思います。8 独居患者や認認介護の場合の服薬指導方法について教えてください。近年、独居の認知症患者さんや認認介護の患者さんが増えてきました。認知症患者さんの多くは、軽症でも物忘れのために毎日正しく薬を服用することが困難になります。そのため、患者さん本人に対する服薬指導は非常に制限されます。たとえば、十分な病識のない患者さんに対しては、「ご本人さんは感じておられないかもしれませんが、少し物忘れがあるようです。そのために薬を飲みましょう」「物忘れがひどくならないように薬を飲みましょう」「ご家族も心配されていますので、薬に関してはご家族の手助けを借りましょう」などと診察のたびに繰り返しお願いする程度でしょうか。それよりは、服薬を支援してくれる人を設定することが重要です。たとえば、同居していなくても近くにご家族が住んでいれば、ご家族に支援してもらえないか検討します。また、介護保険サービスを利用してヘルパーさんに自宅に来てもらったり、デイケア中に職員から手渡しでもらったりできないか検討します。一方、医師としては、可能な限り、薬の量、種類、服薬回数、服薬方法、服薬のタイミング(食後服用、食間服用など)を減らしたり単純化したりするよう心がけます。このとき、ご家族やケア職員の都合に合わせて服薬のタイミングを工夫できないかも検討します。そして、たとえば、月・水・金曜日はデイケアに行き、昼食後に職員から薬を手渡してもらう、火・木曜日は昼食時にヘルパーさんに来ていただき、服薬を支援してもらう、土・日曜日はご家族が手渡す、というような予定を立てていただきます(ケアマネジャーが立ててくれることもあります)。内服時に毎回、誰かが付き添わなくても、朝に誰かが薬をセッティングすれば翌日までは間違えずに服用できるレベルの患者さんの場合は、たとえば、朝・昼・夜・寝る前それぞれの薬を入れる4つの箱からなるピルケースを用いて対応します。またカレンダーに1週間分、あるいは1ヵ月分の薬を貼っておけば、間違いなく服用できる患者さんの場合は、適当な間隔で誰かがチェックすることで対応できるかもしれません。抗認知症薬の中では、リバスチグミン貼付薬は、独居や認認介護の患者さんに使いやすいかもしれません。あらかじめ支援者が薬に日付を書いたり、正しく貼付するための指示をしたりすることは必要ですが、貼られている間は薬を服用しているということになり、確認がしやすいからです。9 レビー小体型認知症に対する治療薬の選択について教えてください。レビー小体型認知症(DLB)はアルツハイマー病、血管性認知症に次いで頻度の多い疾患であること、さまざまなBPSDを高頻度に呈すること、介護負担が大きいことなどから重要な疾患ですが、現時点では、保険適用のある治療薬はありません。しかし、ドネペジル、リバスチグミン、メマンチンには、DLB患者さんの認知機能、とくに注意機能に対する改善効果が示されています。これらの薬はDLB患者さんのBPSDに対しても有効で、コリンエステラーゼ阻害薬には、幻覚、妄想、アパシー、抑うつ、認知機能の変動に対する効果が報告されています。メマンチンには、幻覚、妄想、睡眠障害、食行動異常に対する効果が報告されています。わが国では、DLB患者さんに対しては、まずコリンエステラーゼ阻害薬を使用し、次にメマンチンの使用を検討することが多いと思います。しかし、これらの抗認知症薬では改善しなかったり、一時的に改善しても、疾患の進行に伴い再度悪化したりすることがあります。このような場合は抗精神病薬や漢方薬などを使用します。たとえば、非定型抗精神病薬であるクエチアピンには興奮、幻覚、妄想に対する効果が、オランザピンには幻覚、妄想に対する効果が、リスペリドンには興奮、妄想、猜疑心、幻覚に対する効果が示されています。抑肝散にも幻覚を軽減する効果が報告されています。また、レム睡眠行動障害にはクロナゼパムの眠前投与がしばしば有効です。DLBのパーキンソニズムに対してはレボドパが推奨されています。ただし、レボドパの反応はパーキンソン病と比較すると劣ります。また、レボドパで精神症状が出現したり悪化したりする可能性があります。以上の薬の投与は、少量から開始し、有害事象が生じていないかどうかをご家族に十分観察していただきながらゆっくり増量し、必要最低限の量を心がけます。抗コリン薬は認知機能を悪化させる可能性があるため、使用を避けるのが一般的です。10 認知症予防の薬剤を含めて、現在、開発中の抗認知症薬について教えてください。2013年1月のNATURE REVIEWS DRUG DISCOVERY誌によると、現在、102のアルツハイマー病治療薬の臨床研究が行われています。内訳は、第1相試験が43、第2相試験が52、第3相試験が7です。これらの新しい薬剤は作用機序によっていくつかに分類されますが、その一つは、現在使用可能な薬剤と同様の神経伝達物質に作用する治療薬です。これにはニコチン性アセチルコリン受容体拮抗薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、5-HT4受容体作動薬、5-HT6受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬が含まれます。タウ蛋白凝集阻害薬も第3相試験が開始されています。アミロイドβ(Aβ)をターゲットとした薬剤については31の試験が行われています。その中の9個はアミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein:APP)をターゲットにしたαセクレターゼ促進薬、βセクレターゼ阻害薬、γセクレターゼ阻害薬または調整薬です。また能動免疫や受動免疫を利用してAβの重合、凝集を阻害したり、排泄を促進したりする免疫療法の試験も行われています。Aβ能動免疫療法としてはAβワクチンが、受動免疫療法としては、ヒトAβ抗体治療があります。しかし、現在までのところ、Aβをターゲットとした治療薬の中で認知機能や生活機能に対する効果が認められた薬はありません。この結果を受けて、アルツハイマー病の臨床症状が明らかになる前の早期の段階に髄液バイオマーカーやアミロイドPETを用いて診断し、これらの薬を投与する必要があるのではないかと考えられ始めています。アルツハイマー病以外の認知症に対する薬については、レビー小体型認知症に対するドネペジルの第3相試験が最近、わが国で行われました。結果についてはまだ報告されていませんが、ドネペジルがレビー小体型認知症に対して保険適用となる可能性があります。また、中年期の高血圧、糖尿病、脂質異常症は、血管性認知症、アルツハイマー病の危険因子です。したがって、これらの疾患を有する患者さんにとっては、これらの治療薬も認知症予防薬と呼べるでしょう。※2012年10月の認知症特集におけるQ&Aも併せてご覧ください。認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part1)認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part2)

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脳卒中の死亡率と治療コストは病院規模により異なる

 病院規模と脳卒中患者の転帰の関係は明らかではなく、脳卒中のサブタイプごとの関係はほとんど知られていない。ハーバード大学の津川友介氏らは、病院規模(退院数)と脳卒中の院内死亡率や治療コストとの関連を、国立病院データベースの二次データ分析によって検討した。その結果をMedical care誌2013年9月号に報告した。 対象は、2010年7月1日~2010年12月31日に、日本の796の救急病院で脳卒中の一次診断を受けた入院患者6万6,406人である。 著者らは、病院を3群(6ヵ月あたりの退院数:10~50、51~100、>100)に分類し、患者と病院特性を調整する多変量回帰モデルを用いて、病院規模と転帰の関係を評価した。 その結果、大規模の病院群は小規模の病院群よりも脳卒中の死亡率が低かった。また、大規模の病院群ではくも膜下出血の治療コストが高かったが、虚血性および出血性脳卒中では有意ではなかった。 主な結果は以下のとおり。・小規模の病院群(退院数10~50)に入院した患者では、大規模の病院群(退院数>100)で治療を受けた患者に比べて、院内死亡率が高かった(補正オッズ比:1.45、95%CI:1.23~1.71、p

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