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前立腺がんへのアンドロゲン除去療法での副作用、運動で改善できるか

 前立腺がんへのアンドロゲン除去療法は広く施行されているが、その有害事象により健康やQOLが損なわれることがある。これらの治療関連有害事象を改善するための方法として運動が提案されている。オーストラリア・ディーキン大学のJason R. Gardner氏らは、アンドロゲン除去療法を受けている前立腺がん患者の治療関連有害事象に対する運動の効果に関する論文の系統的レビューを行った。その結果、アンドロゲン除去療法を受けた前立腺がん患者において、適切に処方された運動は安全であり、治療誘発性の有害事象を改善する可能性があることが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年12月16日号に掲載。 著者らは、コクランライブラリー、EMBASE、MEDLINE、CINAHL、SPORTDiscus、Health Sourceデータベースをオンライン検索し、1980年1月~2013年6月に公表された査読論文のうち関連のある論文を同定した。適格な研究デザインとして、介入前後のデータを比較した非対照試験はもちろん、ランダム化比較試験も含めた。症例情報は、骨の健康、身体組成、身体能力、心血管代謝リスク、疲労、QOLに対する運動の影響に関する情報だけでなく、参加者の特性、運動介入の特徴についても抽出した。 主な結果は以下のとおり。・有酸素運動やレジスタンストレーニング(両方またはどちらか)を含む運動介入に関する10報の研究を検討した。・運動トレーニングは、筋力、心肺フィットネス、機能的タスクパフォーマンス、除脂肪体重、疲労にメリットを示した。脂肪蓄積について観察された効果には一貫性がなかった。・骨の健康、心血管代謝リスクマーカー、QOLに対する運動の影響は、現時点では不明である。 著者らは、「今回の知見を確固たるものとして展開するため、またエビデンスに基づく運動として推奨するためには、現在進行中の方法論的に質の高い研究が必要である」としている。

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外傷後の痛みは不安が持続させている

 外傷後は疼痛、うつおよび不安がよくみられることが以前から報告されている。今回、下肢外傷患者における2年間の縦断的研究の結果、受傷後1年間は疼痛が不安やうつの予測因子となるものの、その関連は弱く、2年間を通してうつは疼痛の予測因子とはならず、不安と疼痛の関連が唯一有意であることが示された。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRenan C. Castillo氏らによる検討の結果で、「今回の結果は、不安が急性疼痛の持続に重要な役割を果たしていることのエビデンスになる」とまとめている。Pain誌2013年12月号(オンライン版2013年8月30日)の掲載報告。 研究グループは、重度下肢外傷患者545例を対象として、受傷後3、6、12および24ヵ月に視覚的アナログスケールを用い“現在の疼痛強度”を、簡易症状評価尺度(Brief Symptom Inventory:BSI)を用い、うつおよび不安を評価した。 構造モデリングによる分析を行い、結果は標準化回帰加重値(SRW)で提示した。 主な結果は以下のとおり。・疼痛は、受傷後最初の1年間はうつ(3~6ヵ月:SRW=0.07、p=0.05/6~12ヵ月:SRW=0.06、p=0.10)、および不安(3~6ヵ月:SRW= 0.05、p=0.21/6~12ヵ月:SRW=0.08、p=0.03)の弱い予測因子であったが、2年目は予測因子とはならなかった。・うつは、すべての時点で疼痛の予測因子ではなかった。・不安は、すべての時点で疼痛の予測因子であった(3~6ヵ月:SRW=0.11、p=0.012/6~12ヵ月:SRW=0.14、p=0.0065/12~24ヵ月:SRW=0.18、p<0.0001)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する

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Vol. 2 No. 1 MEDICAL BRIEF OCTによる遅発性薬剤溶出性ステント血栓症の発生機序に関する検討

久保 隆史 氏和歌山県立医科大学循環器内科Examination of the in vivo mechanisms of late drug-eluting stent thrombosis.Findings from optical coherence tomography and intravascular ultrasound imaging.Guagliumi G et al. J Am Coll Cardiol Intv. 2012; 5: 12-20.Summary薬物溶出性ステント(drug-eluting stent:DES)は冠動脈インターベンション後の再狭窄を劇的に減少させたが、ステント血栓症は今もなお解決できない重要な課題として残されている。これまでの病理学的研究によると、DES留置後の治癒遅延や炎症反応の誘導、内皮化の欠落が、遅発性ステント血栓症の原因となる可能性があるといわれてきた。本研究では、光干渉断層法(opticalcoherence tomography:OCT)と血管内超音波(intravascular ultrasound:IVUS)を用いて、DESの遅発性ステント血栓症に関わる因子について調査した。著者らは、DES留置後に遅発性ステント血栓症(DES植え込み後172~1,836日)をきたした18例と、DES植え込みから無症状に3年以上経過した症例でステントの種類やサイズを一致させた36例のコントロール群を対象に、OCTとIVUSの所見を比較した。OCTによると、新生内膜の厚さは両群間で差はなかったが、遅発性ステント血栓症をきたした症例では、コントロール群に比べて新生内膜により被覆されていないステントストラット(12% vs. 4%, p=0.001)やステントマルアポジション(5% vs. 2%, p=0.001)が高頻度に検出された。一方、IVUSによると、最小ステント断面積はそれぞれ5.7mm2と5.9mm2であり、ステントの拡張は両群間で差がなかった。しかし、ステント留置部の血管断面積は遅発性ステント血栓症をきたした症例で大きく、リモデリングインデックスは有意に高値であった(1.2 vs. 1.0, p<0.001)。多変量解析の結果、新生内膜により被覆されていないステントストラットの長軸方向への広がり(オッズ比2.45, 95%信頼区間 1.27-4.73, p=0.007)と、リモデリングインデックス(オッズ比1.05, 95%信頼区間 1.01-1.11, p=0.019)が遅発性ステント血栓症の独立した関連因子であった。DiscussionDES留置後の遅発性ステント血栓症は、単一の原因によるものではなく、いくつかの因子が複雑に絡み合って発症する。Virmaniらは、剖検例による病理学的検討により、ステントの新生内膜による被覆不全がDESの遅発性ステント血栓症に関連し、30%以上のステントストラットが新生内膜により被覆されていない場合、遅発性ステント血栓症の危険性が高まることを報告した。また、Katoらは、DESは留置後12か月まで新生内膜による被覆化が進むが、ステントが完全に被覆されるのはむしろ稀であるとしている。標的病変のプラーク性状も遅発性ステント血栓症の発症に関与する。Lüscherらは、壊死性コアに富んだアテローマ病変にDESを植え込んだ場合に、治癒遅延や内皮化不全が起こりやすいことを明らかにした。Cookらは、IVUSを用いた検討において、遅発性ステント血栓症ではステントマルアポジションや陽性リモデリングの頻度が高いことを報告した。DESでは、留置直後からのステントマルアポジションが修復されず持続するばかりでなく、継時的に血管が陽性リモデリングをきたし、2次的にステントマルアポジションが生じることも知られている。これには、DESによる炎症や血管毒性、過敏反応が関与しており、病変部では血管拡張を伴う中膜壊死や過剰なフィブリンの沈着が観察されることが多い。またHigoらは、血管内視鏡により、DESの新生内膜はアテローマと同様の黄色調を呈すことが多く、新生内膜に新たな動脈硬化性変化が生じていることを報告した。DESは、炎症や過敏反応を介して、このneoatherosclerosisを加速させる可能性がある。本研究においても、2症例でDES内の新生内膜もしくはDESに近接したプラークの破綻による遅発性ステント血栓症が観察されている。さらに、本研究では少なくとも1例で高度な再狭窄病変における遅発性ステント血栓症が観察されている。再狭窄もまたステント内血栓形成と関連するが、DESの新生内膜では抗血栓作用が減弱している可能性がある。このように、ステント血栓症の原因は多元的であるが、近年のOCTをはじめとした血管内画像診断技術の発展は目覚ましく、冠動脈の微細な病理組織学的所見を日常臨床の場で得ることを可能にした。今後さらなるエビデンスの積み重ねが必要ではあるが、OCTは冠動脈インターベンションの適正化やステント血栓症のリスク評価、抗血小板薬中止時期の決定において重要な情報を提供し得ると期待される。

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道路や鉄道の騒音は乳がんリスクを増大させる?

 交通騒音への曝露はストレスや睡眠障害につながる。一方、自己申告による睡眠時間と乳がんリスクに関する研究の結果には一貫性がない。デンマークがん協会研究センターのMette Sorensen氏らは、デンマークの人口ベースのコホートにおいて、居住地における道路や鉄道の交通騒音と乳がんリスクの関連を検討した。その結果、交通騒音によりエストロゲン受容体陰性乳がんのリスクが増大する可能性が示唆された。ただし著者らは「本研究は交通騒音と乳がんに関する最初の研究であり、これらの結果は慎重に扱われるべき」としている。International Journal of Cancer誌オンライン版2013年11月8日号に掲載。 著者らは、1993~1997年の登録時に50~64歳であった女性2万9,875人の人口ベースのコホートにおいて、2010年までの追跡期間に、閉経後乳がん1,219例を同定した。平均追跡時間は12.3年であった。道路や鉄道の交通騒音は、1987~2010年に居住していたすべての場所において計算した。解析にはCox比例ハザードモデルを使用し、ホルモン補充療法、出産歴、飲酒量、その他潜在的な交絡因子について調整した。 主な結果は以下のとおり。・居住地における道路や鉄道の交通騒音と乳がんリスクとの間には、全体として関連性は認められなかった。・すべての交絡因子で調整後、過去1、5、10年間における道路交通の騒音(連続スケール)が10 dB増加すると、エストロゲン受容体陰性乳がんのリスクは、それぞれ、28%(95%CI:1.04~1.56)、23%(95%CI:1.00~1.51)、20%(95%CI:0.97~1.48)増加した。・同様に、鉄道による騒音が10 dB増加(1年平均値)すると、エストロゲン受容体陰性乳がんのリスクが38%(95%CI:1.01~1.89)増加した。・道路や鉄道の交通騒音とエストロゲン受容体陽性乳がんとの間には関連がなかった。

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うつ病診断は、DSM-5+リスク因子で精度向上

 DSM-5分類の大うつ病性障害(MDD)の診断に用いる9つの症状は、背景にある障害の指標と置き換えることが可能であり、すべて同様のリスク因子をもっていると推測されている。ドイツ・ベルリン自由大学のE. I. Fried氏らは、低~高レベルのうつ病を有する母集団コホートを用いて、MDDの診断に用いる9つの症状と、うつに関する7つのリスク因子との関連を評価した。その結果、うつのリスク因子が症状に多彩な影響を及ぼすことが明らかとなり、MDDの診断に際して“うつ”のリスク因子も加味することの重要性を示唆した。Psychological Medicine誌オンライン版2013年12月号の掲載報告。 医学生1,289例を対象とし、DSM-5分類のMDDの診断に用いる9つの症状を、Patient Health Questionnaire(PHQ-9)を用いて評価するとともに、うつに関する7つのリスク因子(MDDの既往、家族歴、性行為、小児時代のストレス、神経症傾向、就労時間、ストレスの多い生活)を、インターンシップ前からインターンシップ期間を通した長期研究で評価した。そして、症状によってリスク因子が異なるかどうか、また症状間の不均一性と潜在的なうつ要素との関連を検討した。 主な結果は以下のとおり。・MDDのすべての症状は、レジデント研修中に有意に悪化した。・「うつの既往」「小児時代のストレス」「性行為」および「ストレスの多い生活」の4つのリスク因子は、PHQ-9の特定の下位項目悪化の予測因子であった。・一方、「神経症傾向」と「就労時間」は、程度はさまざまであるが、すべての症状において悪化の予測因子であった。・MDDの家族歴は、いずれの症状に関しても悪化の予測因子ではなかった。・潜在的なうつ要素で調整した後も、症状間の強い不均一性がみられた。・リスク因子は、DSMによるうつ病の症状にさまざまな影響を及ぼすことが示された。著者は、「病因学的に症状は不均一であることから、うつの診断に加えて個々の状況を考慮することは、症状総スコアの後ろに隠されている重要な知見提供に結びつく可能性がある」と述べている。関連医療ニュース 2つの質問でがん患者のうつ病を診断 うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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てんかん治療で新たな展開、患者評価にクラウド活用

 多様な電気生理学的シグナルのデータが急速に増えており、てんかんや睡眠障害など多岐にわたる疾患の患者ケアおよび臨床研究に重要な役割を果たしている。これらデータの2次利用を促進するため、多施設共同研究のontology(概念体系)と同様、新しいアルゴリズムの開発ならびにクラウドコンピューティング技術を用いた新たな情報科学的なアプローチが急務とされている。米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学のSatya S Sahoo氏らは、クラウドコンピューティング技術を用いた新たな情報科学的アプローチの有用性を明らかにするため、てんかん患者のデータに基づく心臓パラメータの算出を、従来デスクトップ上で行っていたアプローチと「Cloudwave」を活用したアプローチを比較した。その結果、後者は、大規模な電気生理学的データを活用しうる新しいアプローチであることを報告した。Journal of the American Informatics Association誌オンライン版2013年12月10日号の掲載報告。 「Cloudwave」は現在、てんかん患者における突然死のリスク因子を特定するための「National Institute of Neurological Diseases and Stroke(NINDS)-funded Prevention and Risk Identification of SUDEP(sudden unexplained death in epilepsy)Mortality(PRISM)」プロジェクトにおいて使用されている。本稿では、(a)MapReduce parallel programming frameworkによる心臓パラメータ算出のための並列化されたアルゴリズムの明確化、(b)大量の電気生理学的シグナルとの相互作用のリアルタイムでのサポート、(c)シグナルの視覚化、およびontology下のWebベースのインターフェースを用いた処理要求を文字列として表す機能などを実現したCloudwave platformを紹介している。研究グループは、てんかん患者のデータに基づく心臓パラメータ(QRS波、RR間隔、瞬時心拍数など)の算出にあたり、Cloudwaveと従来デスクトップで行っていたアプローチを比較評価した。 主な結果は以下のとおり。・評価の結果、Cloudwaveは従来のデスクトップで行っていたアプローチに比べ、1チャネルECGデータについては一桁の改善(向上)、4チャネルECGデータについては20倍の改善(向上)が認められた。・これにより、Cloudwaveはユーザーのシグナルデータとの相互作用(てんかんと発作の新しいontology)について、リアルタイムでサポートが可能となることが示唆された。・一方で著者は「Amazon Web Services などのcloud infrastructureおよびcloud platformsの使用にあたり、データのプライバシーは重要な課題である」と指摘し、「Health Insurance Portability and Accountability Act(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)の標準を認識しておくべきである」と提言している。そのうえで「Cloudwave platformは、多施設臨床研究の推進にあたり大規模な電気生理学的データを活用しうる新しいアプローチである」とまとめている。関連医療ニュース これからのうつ病治療はWebベース介入で変わるのか 世界初!「WEB版」気分変動アンケート、その後の臨床に有益 重度精神障害の機能評価ツール、その信頼性は

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腰痛の程度、配偶者のネガティブな態度で負のスパイラルに

 慢性腰痛患者の疼痛の程度は、配偶者のネガティブな態度と非常に密接に関係していることが明らかとなった。米国・ラッシュ大学のJohn W. Burns氏らが患者とその配偶者を対象とした前向き研究の結果、報告した。著者は、「慢性筋骨格系疼痛の治療効果に夫婦間の相互作用が影響を及ぼす可能性があり、これまでまったく関心がもたれなかった領域も治療の標的とするためのさらなる研究が望まれる」とまとめている。Pain誌2013年12月(オンライン版2013年8月6日号)の掲載報告。 慢性筋骨格系疼痛は、結婚生活の重圧となる可能性があり、おそらく配偶者の非難や敵意も患者にとっては重圧となる可能性がある。そのような配偶者のネガティブな対応は、患者のウェルビーイングに有害な影響をもたらす可能性がある。 研究グループは、断面調査にてこの考え方の裏付けをとる一方、感情表出(EE)や対人論的考察でこれらの効果を評価し、また患者と配偶者の行動を電子日記の記録により評価した。 具体的には、慢性腰痛患者とその配偶者105組を対象に、14日間にわたり1日5回、患者の痛みと配偶者の行動を携帯情報端末(PDA)に記録してもらった。 主な結果は以下のとおり。・患者が認識した配偶者の非難/敵対的な態度は、患者が報告した疼痛強度と有意に相関した。・また、配偶者が観察した患者の疼痛行動は、患者が配偶者の非難/敵対的な態度を認識したことと関連していた。・患者が認識した配偶者の敵対的な態度は、3時間後の疼痛強度を有意に予測した。・また、配偶者が観察した患者の疼痛行動は、3時間後に患者が配偶者の敵対的な態度を認識することを予測した。・これらの結果は、EEおよび対人論的モデルの両者を支持するものであった。すなわち、統合モデルは、配偶者の非難/敵意は患者の痛みと負のスパイラルをもたらす相互作用があるという概念化を完全に示す方法であることが明らかになった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する

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CareNet.comが生まれ変わります!

 2013年12月27日(金)、CareNet.com(ケアネット・ドットコム)をリニューアルいたします!今回のリニューアルは、会員の皆さまより頂戴した声に応え、「よりわかりやすく」「より使いやすく」を目指した改良です。新しいCareNet.comにご期待ください。【CareNet.comの主な変更点】1.診療科別情報提供システムの強化で、より効率的な情報収集が可能に! これまで、会員の方から「どこにあるかわかりにくい」との声をいただいていた『診療科ページ』の入口を改良しました! 具体的には、「トップページの画面左上」に診療科一覧が並び、そこから各診療科ページに移行できるようになります。 『診療科ページ』には、各診療科の先生の興味に合ったコンテンツやニュースが選択・掲載されています。さらに、リニューアル後は、先生方の閲覧ランキングも掲載されるなど、さらにパワーアップします。 今まで『診療科ページ』を使っていた方も、使っていなかった方も、効率的な情報収集に役立つ『診療科ページ』を、ぜひご利用ください。2.独自企画(人気連載コンテンツ)を、わかりやすく1ヵ所に表示! CareNet.comには、「知っている人」には大好評の『埋もれているコンテンツ』がたくさんあります。 今回、それらの『独自企画(連載コンテンツ)』を「トップページの画面左側」にまとめて表示します。この変更により、『独自企画(連載コンテンツ)』が見つけやすく、いつでも同じ場所から閲覧することができるようになります。 「こんな企画があったのか!」「これ、役に立つ」といった独自企画が、きっとあります。リニューアル後は、ぜひ「トップページの画面左側」をチェックしてみてください。(例)・「今月の特集」(ひとつの疾患を基礎から実践まで、わかりやすく解説)・「ジャーナル四天王」(有名雑誌の論文を、日本語で解説)・「CLEAR!ジャーナル四天王」(重要論文を、その領域のエキスパートが解説)・「MediLegal」(医療裁判の原因、論点、結末などを解説)・「診療よろず相談TV」(視聴者からの臨床上の疑問を、動画で解説) これからもケアネットは、医師・医療従事者への情報・サービスの提供を通じ、患者さんがより質の高い医療を受けられる社会の実現に貢献してまいります。

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筋肉痛の熱感受性に神経成長因子生成が関与?

 遅発性筋肉痛(いわゆる筋肉痛)は、伸張性収縮負荷によって筋侵害受容器の機械感受性が増大することで生じることが知られている。今回、中部大学生命健康科学部のFernando Queme氏、同教授の水村和枝氏らは、ヒトにおいて遅発性筋肉痛時に熱感受性の増大はみられないことを示すとともに、遅発性筋肉痛ラットモデルによる検討で、伸張性収縮による神経成長因子(NGF)の生成量が不十分な場合は熱感受性が増大しない可能性があることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「今回の知見は、新たな薬理学的ターゲットと治療アプローチの探索に役立つ可能性がある」と報告をまとめている。Journal of Pain誌2013年11月号(オンライン版2013年9月21日号)の掲載報告 研究グループは、(1)ヒトにおける遅発性筋肉痛時の熱感受性、(2)in vitroで筋C線維の熱刺激に対する反応、について調べた。 (1)ヒトで、遅発性筋肉痛誘発後、48℃の等張食塩水およびカプサイシンを筋肉注射し、圧痛閾値および疼痛強度スコアを記録した。 (2)ラットに伸張性収縮を負荷後、筋-神経標本(受容野)を取り出し、機械刺激および熱刺激に対する反応を記録した。 主な結果は以下のとおり。・ヒトでは、遅発性筋肉痛時に圧痛閾値は減少したが、熱およびカプサイシンに対する疼痛反応は増加しなかった。 ・伸張性収縮を負荷したラット筋C線維は、機械感受性が増大していた。また、受容野へのNGF投与により熱感受性が増大した。・結果を踏まえて著者は、「本論は、遅発性筋肉痛時の基本的な痛覚過敏のメカニズムの新たな知見を示すものである」と述べるとともに、「筋膜疼痛症候群の研究モデルとして、また筋肉の痛みに関するNGFの役割を研究するうえで有用なモデルである」と展望している。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する

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うつ病と糖尿病の合併患者、臨床像は発症時期により異なる

 うつ病と2型糖尿病併存の臨床像は、うつ病が糖尿病より先行しているか、糖尿病発症後にうつ病を発症したかによって、大きく異なることが明らかにされた。オーストラリア・西オーストラリア大学のDavid G. Bruce氏らが、Fremantle Diabetes Study Phase IIの被験者について、分析を行い報告した。結果を踏まえて著者は、「時間的パターンに留意することで、2型糖尿病患者におけるうつ病の、病因、診断や治療の研究を前進させることに結びつくだろう」と結論している。PLoS One誌2013年12月号の掲載報告。 研究グループは、住民ベースの観察研究Fremantle Diabetes Study Phase IIの2型糖尿病患者を対象とした。被験者は、うつ病(lifetime depression)の評価をBrief Lifetime Depression Scale(本研究のために開発・検証したスケール)を用いて受けており、最近のうつ症状(Patient Health Questionnaire-9;PHQ-9)と抗うつ薬の使用に関する情報も補足して分析した。 主な結果は以下のとおり。・評価は、患者1,391例(平均年齢65.7±11.6歳、男性51.9%)を4群に層別化して行った。第1群「非うつ病群」58.7%、第2群「糖尿病診断前にうつ病を診断されていた群」20.8%、第3群「うつ病と糖尿病を2年以内に診断されていた群」6.0%、第4群「糖尿病診断後にうつ病を診断された群」14.5%であった。・第2群「糖尿病診断前うつ病診断群」のうつ病診断時期は、中央値15.6年前で発症時の年齢は37.2±14.7歳であった。・この第2群の患者の臨床的特徴は、セルフケア行動の減退、症候性末梢動脈疾患が多くみられることを除いて、非うつ病患者と類似していた。・第4群「糖尿病診断後うつ病診断群」のうつ病診断時期は、中央値9.9年後で発症時の年齢は59.8±13.0歳であった。・この第4群の患者の糖尿病罹患期間は長く、血糖コントロールが不良で、より強化された治療を受けており、糖尿病性合併症を多く有していた。・また第4群は第2群患者よりも現在うつ病を有している患者が多く、しかし抗うつ薬を投与されている患者は少ない傾向がみられた。・以上のように、うつ病と2型糖尿病の臨床像は、それらの時間的関係性によってさまざまであることが示された。これらの知見は、糖尿病患者におけるうつ病の発症には複数のパターンがあり、それが診断と治療において重要な意味を持つことが示唆された。関連医療ニュース SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 「糖尿病+うつ病」に対する抗うつ薬の有効性は“中程度” 抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは

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COPD患者へのβ遮断薬投与:原則禁忌だが、心筋梗塞後の予後は良好/BMJ

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者へのβ遮断薬治療は、気道けいれんを誘発する可能性があるため原則禁忌とされているが、心筋梗塞後の生存率を有意に増大することが、英国住民ベースのコホート研究の結果、明らかにされた。死亡ハザード比は、心筋梗塞発症前から服用していた患者で0.59、発症入院時に服用を開始した患者では0.50と、いずれの時期に開始した場合でも生存率の増加と関連していた。β遮断薬は心筋梗塞後の死亡および再発リスクを低下し、COPD患者にも有益であるとのエビデンスは積み上がってきているが、同患者への使用は制限され続けている。今回の結果を踏まえて著者は「処方されないことが同患者の心筋梗塞後の死亡を増大している可能性があり、われわれの知見は、心筋梗塞後のCOPD患者にβ遮断薬がより広く使用されなければならないことを示唆するものであった」とまとめている。BMJ誌オンライン版2013年11月22日号掲載の報告より。初発MIのCOPD患者、β遮断薬治療有無・開始時期と生存の関連を調査 本検討は、心筋梗塞(MI)初発のCOPD患者について、β遮断薬処方の有無および治療開始時期が生存と関連しているかどうかを調べること、また関連の規定因子を明らかにすることを目的とするものであった。 2003~2011年の英国MIレジストリ(Myocardial Ischaemia National Audit Project:MINAP)とGeneral Practice Research Database(GPRD)を結びつけ、電子カルテ記録を基に分析を行った。 被験者は、2003年1月1日~2008年12月31日に初発MIがMINAPに記録されたCOPD患者で、GPRDまたはMINAPにMI既往の記録がなかった患者だった。 主要評価項目は、β遮断薬処方有無別のCOPD患者におけるMI発症後の、死亡に関するCoxハザード比(HR)(年齢、性別、喫煙状態、服薬状況、併存疾患、MIタイプ、梗塞重症度などの共変量で補正)だった。退院日からのフォローアップ開始でも入院時処方開始と同程度の保護効果 解析には1,063例が組み込まれた。そのうち、β遮断薬の非処方患者は586例(55.1%)、MI発症前から処方を受けていたのは244例(23.0%)、MI入院時に処方が開始されたのは233例(21.9%)だった。 結果、追跡期間中央値2.9年において、MI入院時処方開始群において、有意に大幅な生存ベネフィットがあることが認められた(完全補正後HR:0.50、95%信頼区間[CI]:0.36~0.69、p<0.001)。また、MI発症前処方開始群でも、有意な生存ベネフィットが認められた(同:0.59、0.44~0.79、p<0.001)。これらの処方有無間の差は、傾向スコア分析でも同様の結果が得られた。 また、退院日からフォローアップを開始した場合でも、エフェクトサイズはわずかに減弱したものの、入院時処方開始と同程度の保護効果がみられた(同:0.64、0.44~0.94、p=0.02)。

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植物性、天然由来の薬剤は色素沈着の治療に有効か

 米国・カリフォルニア大学のWhitney A. Fisk氏らは、皮膚色素沈着に対して使用される植物性薬剤(botanically derived agent)について、臨床所見を見直すことを目的にシステマティックレビューを行った。色素沈着障害に対する治療は、皮膚科医やプライマリ・ケア医の日常診療で求められることが多い。そうしたなかで、薬用化粧品やナチュラルプロダクトの産業が急速に成長しており、多くの植物性薬剤が、色素沈着障害を改善するとうたっていることから本検討を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年11月23日号の掲載報告。 研究グループは、MEDLINE、Embaseのデータベースを検索し、包含基準を満たした26本の論文を特定した。各論文の研究方法を分析し、試験の再現性を基準に等級分けをした。 主な結果は以下のとおり。・いくつかの植物性薬剤は治療オプションとして有望のようにみられた。しかし方法論的に厳密に行われた試験がほとんどなかった。・いくつかの植物エキスとフィトケミカル(phytochemical:植物中に存在する天然の化学物質)が、紫外線照射によって引き起こされた表皮のメラニン沈着および色素沈着を、明るくする効果があった。・老人性色素斑(日光黒子)あるいは皮膚色素沈着に対する治療の結果は混同していた。・厳密にデザインされた試験がなかったため、検討された結果を確認するためのさらなる検討が行われることが重要である。・治療に反応しにくい皮膚色素沈着では、色素沈着のサブタイプが治療効果に関して重要であることが示唆された。・植物エキスは、色素沈着の治療を統合するような役割を有する可能性があった。標準治療との統合についてさらなる検討が必要であることが示唆された。・また著者は、「植物性薬剤を用いた治療を検討する際は、色素沈着が悪化するなど副作用について検討すべきである」とも指摘した。

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切除不能大腸がんの化学療法の選択に遺伝子解析は有効か~FOLFOX or FOLFIRI

 切除不能大腸がんの一次治療における化学療法のレジメンとして、それぞれの患者さんにFOLFOXとFOLFIRIのどちらが適切なのかを化学療法開始前に知ることはできないだろうか。韓国・亜洲大学医学部のDo Yoon Kim氏らは、切除不能大腸がん患者において、従来の治療群と、治療前遺伝子解析による計画治療群とで奏効率を比較した。その結果、治療前遺伝子解析による計画治療群、とくにFOLFOX治療患者において、奏効率の改善が認められた。Journal of Surgical Oncology誌オンライン版2013年12月7日号に掲載。 登録された患者は、従来の治療か、治療前遺伝子解析に基づいて計画された治療のいずれかに無作為に分けられた。計画治療群(n=53)では、レジメン選択前に患者の血液サンプルを用いて遺伝子多型について解析した。標的遺伝子は、オキサリプラチンについてはXPD-751、GSTP-1-105、XRCC1-399、イリノテカンについてはUGT1A1であり、奏効率は化学療法3サイクル終了後にCTスキャンで測定した。 主な結果は以下のとおり。・全奏効率は、計画治療群で有意に高かった(67.9% vs 46.3%、p=0.020)。・FOLFOX治療患者では、計画治療群で奏効率が有意に高かった(77.1% vs 50%、p=0.018)。・FOLFIRI治療患者では、2群間の差は統計学的に有意ではなかった(50% vs 42.5%、p=0.776)。

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造血細胞移植後の重大な心血管疾患リスクを減らすには?

 造血細胞移植後の心血管疾患リスクに対する生活習慣の影響について、米国フレッドハッチンソンがん研究センターのEric J. Chow氏らが検討した。その結果、医師が心血管リスク因子と生活習慣に注意を払うことにより、造血細胞移植後の重大な心血管疾患の罹患率を減少させる可能性が示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年12月2日号に掲載。 著者らは、1970年~2010年に1年以上治療を受けた造血細胞移植後の生存者(n=3,833)について、2010年~2011年に、心血管の状態およびそれに関連する生活習慣因子(喫煙、食事、レクリエーション的な身体活動)を調査した。データが得られた生存者(n=2,362)を、マッチングさせた一般集団サンプル(国民健康栄養調査:n=1,192)と比較した。 主な結果は以下のとおり。・造血細胞移植後生存者(年齢中央値:55.9歳、移植後期間中央値:10.8年、同種移植の割合:71.3%)は、国民健康栄養調査参加者と比べ、心筋症(4.0% vs 2.6%)、脳卒中(4.8% vs 3.3%)、脂質異常症(33.9% vs 22.3%)、糖尿病(14.3% vs 11.7%)で高い割合を示した(すべてp<0.05)。高血圧の有病率は同等(27.9% vs 30.0%)であり、虚血性心疾患は造血細胞移植生存者のほうが低かった(6.1% vs 8.9%、p<0.01)。・造血細胞移植後生存者において、高血圧、脂質異常症および糖尿病は、虚血性心疾患や心筋症における独立した危険因子であり、喫煙は、虚血性心疾患と糖尿病と関連していた(オッズ比[OR]:1.8~2.1、p=0.02)。肥満は、移植後高血圧、脂質異常症および糖尿病の危険因子であった(OR:≧2.0、p<0.001)。一方、果物や野菜の低摂取は、脂質異常症および糖尿病の高リスクに関連し(OR:1.4~1.8、p≦0.01)、低レベルの身体活動は、高血圧や糖尿病の高リスクに関連していた(OR:1.4~1.5、p<0.05)。・造血細胞移植後生存者において、健康的な生活習慣は、調査したすべての心血管関連リスクを減弱させた。

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人工股関節と膝関節置換術、肺塞栓症発生率はどちらが高いか?

 これまで、米国における、待機的初回人工股関節/膝関節置換術における入院中の肺塞栓症発生率は不明であった。以前の研究ではがん、外傷または再置換術の患者が含まれていたためである。今回、米国・メリーランド大学メディカルセンターのUsman Zahir氏らが行った後ろ向きコホート研究の結果、膝関節置換術は股関節置換術より入院中の肺塞栓症の発生率および発生リスクが高いことが明らかとなった。とくに複数関節置換術でのリスクが最も高く、死亡と関連していたという。Journal of Bone & Joint Surgery誌2013年11月20日の掲載報告。 研究グループは、1998~2009年の「医療費および利用状況に関する調査プロジェクト:入院患者サンプルデータベース(Healthcare Cost and Utilization Project Nationwide Inpatient Sample)」を用い、後ろ向きコホート研究を行った。 解析対象は、待機的初回人工股関節または膝関節置換術を受けた60歳以上の患者504万4,403例で、主要評価項目は入院中の肺塞栓症、副次的評価項目は死亡率とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、片側人工膝関節置換術を受けた人が66%を占め、複数関節置換術(両側膝関節、両側股関節、または膝関節と股関節)を受けたのは5%未満であった。・肺塞栓症の全発生率は0.358%(95%信頼区間[CI]:0.338~0.378)であった。 ・肺塞栓症発生率は手術の種類によって異なり、複数関節置換術が最も高く(0.777%、95%CI:0.677~0.876)、次いで膝関節置換術(0.400%、95%CI:0.377~0.423)、最も低いのが股関節置換術(0.201%、95%CI:0.179~0.223)であった。・複数関節置換術施行患者の肺塞栓症発症の補正後オッズ比は、股関節置換術施行患者の3.89倍であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する

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少し歩くだけでもうつ病は予防できる

 うつ病は有病率が高くQOLに影響を与えることから、うつ病の予防因子を特定するため多くの研究が求められている。カナダ・トロント大学のGeorge Mammen氏らは、運動がうつ病の発症を予防するかを前向き研究のメタアナリシスにより検討した。American journal of preventive medicine誌2013年11月号の報告。 身体活動とうつ病との関係を検討した縦断的研究を2012年12月までに各データベース(MEDLINE、Embase、PubMed、PsycINFO、SPORTDiscus,、Cochrane Database of Systematic Reviews)より検索を行った。抽出されたデータは、2012年7月から2013年2月の期間で分析された。研究の質は2名の独立したレビュアーが評価した。主な結果は以下のとおり。・検索結果より得られた6,363件のうち30件の研究が分析対象となった。・このうち25件の研究で、ベースラインの身体活動とその後のうつ病リスクとの間に負の相関があることが示されていた。・大半の研究は方法論的な質が高く、身体活動が将来のうつ病発症を予防することを示す結果であった。・身体活動はどのようなレベルであれ(たとえ1週間当たり150分未満のウォーキングなど低いレベルであっても)、うつ病の予防に有効であると考えられる。関連医療ニュース 食生活の改善は本当にうつ病予防につながるか 日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき 認知症を予防するには「体を動かすべき」  担当者へのご意見箱はこちら

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オメガ3脂肪酸は皮膚がん予防に有用?

 オメガ3多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)には皮膚悪性腫瘍に対する予防的効果は、現状ではエビデンスに乏しいものであることを、オーストラリア・Albany Health CampusのSophie E Noel氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。ラボデータでは、n-3 PUFAは皮膚悪性腫瘍に対して予防的効果があることを示唆されているが、ヒトを対象とした大規模レビューは行われていなかった。International Journal of Cancer誌オンライン版2013年11月21日号の掲載報告。 本検討は、n-3 PUFA摂取と皮膚がん発生率との関連を明らかにすることを目的とし、2013年3月までに発表された無作為化対照試験と観察試験をレビューの対象とした。 n-3 PUFA経口摂取と、基底細胞がん(BCC)、扁平上皮がん(SCC)、メラノーマ(悪性黒色腫)(またはこれらの複合)の発生率との関連について検討していた5試験(2件はケースコントロール試験、3件はコホート試験)が特定され、ランダム効果メタ解析に組み込まれた。 さらに6試験について、非摂取性n-3 PUFA曝露(組織分析など)と皮膚がんリスクのバイオマーカー(p53など)について検討しており、質的解析に組み込んだ。 主な結果は以下のとおり。・n-3 PUFA摂取とBCCの関連は認められなかった(プールオッズ比[OR]:1.05、95%信頼区間[CI]:0.86~1.28)。・高値のn-3 PUFA摂取と悪性黒色種とは、逆相関の関連がみられたが、1試験のみの推定値であった(OR:0.52、95%CI:0.34~0.78)。SCCとの関連は有意ではなかった(プールOR:0.86、0.59~1.23)。・以上のように、入手できたエビデンスは示唆的ではあったが、現状では、n-3 PUFAに皮膚悪性腫瘍に対する予防的効果があるとの仮説を支持するには不十分であった。

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レベチラセタムの神経活性阻害、新たな機序が判明:熊本機能病院

 抗てんかん薬レベチラセタム(LEV)はユニークな作用機序を有するが、その機序は完全には解明されていない。熊本機能病院の脇田 真仁氏らは、LEVの作用機序を詳細に解明するため、ラットを用いてLEVが海馬苔状線維-CA3ニューロンのグルタミン作動性伝達に及ぼす影響を検討した。その結果、LEVはZn2+誘発性のGABA A を介したシナプス前抑制の阻害を解除し、グルタミン酸を介した興奮性シナプス伝達を低下させることを示した。Journal of Pharmacology Experimental Therapeutics誌オンライン版2013年11月20日号の掲載報告。 研究グループは、ラットから単離した神経シナプスボタンを材料とし、海馬苔状線維-CA3ニューロンのグルタミン作動性伝達に及ぼすLEVの作用を検討した。活動電位誘発性の興奮性シナプス後電流(eEPSCs)を、従来の全細胞記録によるパッチクランプ法を用い、電位固定による電流記録(ボルテージクランプ)により波形を記録した。 主な結果は以下のとおり。・抗てんかん薬フェニトインは、電位依存性Na+およびCa2+チャネル電流を阻害し、濃度依存的にグルタミン作動性eEPSCs を減少させた。・一方LEVは、eEPSCsおよび電位依存性Na+およびCa2+チャネル電流に影響を及ぼさなかった。・神経終末部のGABA A 受容体の活性化は、神経伝達物質の1つであるムッシモールによるeEPSCs阻害の結果、苔状線維終末部を脱分極させた。・eEPSCsおよび電位依存性Na+およびCa2+チャネル電流に影響を及ぼさない低濃度Zn2+は、ムッシモールに誘発されるシナプス前抑制を低下させた。・LEVを1μM濃度のムッシモールおよび1μM濃度のZn2+に持続的に曝露すると、Zn2+のeEPSCsに対する修飾を回復させた。・LEVのZn2+誘発性のシナプス前GABA A 受容体阻害に対する拮抗的作用は、Zn2+キレート、Ca-EDTAおよびRhodozin-3においても観察された。・以上のことから、LEVはZn2+誘発性のGABA A を介したシナプス前抑制の阻害を解除し、グルタミン酸を介した興奮性シナプス伝達を低下させることが明らかとなった。これは、LEVが神経活性を阻害する新たなメカニズムを示唆する知見である。■関連記事難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有用性はどの程度か新規の抗てんかん薬16種の相互作用を検証小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証

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診療報酬改定の逆風に負けない 科学的経営で「強い病院」に変革せよ!

病院向け医療教育動画サービス「CareNeTV hospital」発売記念病院マネジメントエグゼクティブセミナー病院経営への大きな影響が予想される2014年診療報酬改定。これまでのやり方で病院は生き残っていくことができるでしょうか。本セミナーでは、病院経営トップを対象に、DPC分析やBSC(バランスト・スコアカード)を活用し科学的アプローチで経営戦略を立案・実行する方法論、それを具現化するためのノウハウ、さらに改定後の病院経営の指針を、各分野の第一人者がレクチャーします。このセミナーが、貴院の科学的な病院経営スタイル確立への第一歩となることをお約束します。開催概要開催日:2014年2月1日(土)13時30分~17時15分(13時開場)開催場所:ベルサール飯田橋ファースト[住所] 東京都文京区後楽2-6-1住友不動産飯田橋ファーストタワーB1地図:http://www.bellesalle.co.jp/bs_iidabashifirst/access.html[電話] 03-5805-3231[交通] JR線 飯田橋駅 東口徒歩5分/大江戸線 飯田橋駅 C3出口徒歩4分/有楽町線・南北線 飯田橋駅 B1出口徒歩5分/東西線 飯田橋駅 A3出口徒歩6分/丸ノ内線 後楽園駅 2番出口徒歩8分※飯田橋駅には、「ベルサール飯田橋駅前」という施設があります。お間違えないようご注意ください定員:130名(先着順)対象:病院経営幹部(院長、事務長など)参加費:10,000円(当日会場にてお支払いください)主催:株式会社ケアネット協力:産業医科大学公衆衛生学教室申込方法:申込は締め切りました※受講料は当日会場にてお支払いくださいプログラム【講座1】13時30分~14時30分(60分)講師:松田晋哉氏(産業医科大学 公衆衛生教室学 教授) 「勘と度胸の」経営から「データに基づく」科学的経営へ病院を「勘と度胸」で経営できる時代は終わりを告げました。これからの生き残りに必要なのは、一般企業では常識になっているデータに基づく科学的な経営手法です。「財務」「顧客」「内部業務プロセス」「イノベーションと学習」の4つの視点から戦略に適合した個別の実施項目/数値目標/評価指標を設定し、PDCAサイクルを回していくバランスト・スコアカード(BSC)。DPCデータの正しい分析とその経営改善への活用方法。これらを融合させた、新時代の科学的病院経営手法を概説します。【講座2】14時30分~15時15分(45分)講師:遠山峰輝氏(株式会社メディカルクリエイト 代表取締役社長)改善策はこう導き出す― 事例とともに学ぶ課題解決手法 ―自院の経営状態をデータで把握し、科学的な手法で経営改善につなげていく―。口で言うのは簡単ですが、それを実践して具体的な成果を上げるまでには様々なハードルがあるのは言うまでもありません。早くから科学的な病院経営の分析と改善策立案、実行の必要性を提唱し、実際に数多くの病院の経営改善に取り組んできた医療経営コンサルタントの立場から、課題解決型の科学的経営を確立するための具体的ノウハウの一端を開陳します。【休憩】15時15分~15時30分(15分)【講座3】15時30分~16時15分(45分)講師:鐘江康一郎氏(聖路加国際病院 経営企画室/QIセンター マネジャー)「経営企画室」は何をやって、どんな成果を上げるのか?どんなに有能な病院長でも、科学的な病院経営スタイルを独りの力で確立するのは困難です。経営トップの意思決定を組織としてサポートするのが「経営企画室」。事実、最先端の病院では、経営企画室を設け、MBAや一般産業界で経営企画を行ってきたエキスパートを登用し、実績を上げています。病院における「経営企画室」とはどのようなものなのか。その実際の役割と機能を、聖路加国際病院における具体例を引きながら解説します。【講座4】16時15分~17時15分(60分)講師:西澤寛俊氏(公益社団法人全日本病院協会 会長)「2014年度診療報酬改定」後の経営の舵取り科学的な病院経営がこれからの時代には必須ですが、保険医療機関である以上、同時に、厚生労働省の政策のトレンド、診療報酬改定のポイントも当然押さえておかなければなりません。特に、次期改定は消費税引き上げ対応を伴う病院にとって厳しい内容になると予想されています。2014改定後、病院経営者は何を見据え、どの方向に経営の舵を切ればよいのか?厚労行政、診療報酬に精通する中小病院経営者のリーダーとして、明日の病院経営に直結する指針を語ります。 【個人情報の取り扱いについて】株式会社ケアネットは、お客様の個人情報をJIS規格(JISQ15001:2006「個人情報保護マネジメントシステム要求事項」)に準拠して適切に取扱い、保護いたします。ご記入いただきましたお客様の個人情報は、本セミナーの実施目的(申込受付、確認の連絡など)以外には使用いたしません。ただし、弊社からのお知らせやアンケートのご協力をメールまたはDMでお送りすることがあります。予めご了承ください。 【ご注意】セミナーの内容に一部変更が生じる場合があります。予めご了承ください。 【問合せ先】株式会社ケアネット 病院マネジメントエグゼクティブセミナー事務局 担当:戸田(トダ) 〒102-0074 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビルTel:03-5214-5750 受付時間10時~18時(土日祝日、冬期休業期間12/28~1/5を除く)Fax:03-6867-0354e-mail:hospital-manage@carenet.co.jp

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