サイト内検索|page:352

検索結果 合計:10309件 表示位置:7021 - 7040

7021.

リウマチ専門医のうつ病診療はこれからどうすべきか

 カリフォルニア大学デービス校のErica Heiman氏らは、リウマチ専門医へアプローチし、日常診療におけるうつ病の認識を調査した。Journal of clinical rheumatology誌2016年9月号の報告。 カリフォルニア州のリウマチ診療医470人にアンケートを送付し、最終的に226件を分析した。回答者は、人口統計学的情報、診療特性、態度、認識、うつ病に関連する診療について回答した。リウマチ専門医の個人特性とうつ病関連診療特性を評価するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。リウマチ診療でうつ病は一般的だが診断システムが未確立 リウマチ専門医のうつ病に関連する診療についての調査の主な結果は以下のとおり。・リウマチ専門医の患者の半分以上がうつ病であったと回答した医師は、51%であった。・ほぼすべてにおいて(99%)、いくつかの診察で精神衛生上の問題に対処したと報告した。・リウマチ専門医の対処として、抗うつ薬を処方する、精神科医に紹介する、プライマリケア医へ逆紹介するが同程度に高く、約60%は多くの場合3つの戦略を適応すると回答した。・リウマチ専門医の効果的なうつ病管理の主な障壁として、精神的健康診断へのアクセスと患者の抵抗が特定された。・ロジスティック回帰分析では、毎週通院の患者、線維筋痛症患者、個人開業医では、抗うつ薬の高処方と関連が認められた(p<0.05)。 結果を踏まえ、著者らは「うつ病は、リウマチ診療で一般的であるが、診断、治療、患者紹介システムが確立されていない。精神健康保険サービスに対するリウマチ専門医の意識は高いが、うつ病患者のために一貫した効果的なケアを提供するための自信、時間、紹介ネットワークが十分でない。リウマチ患者のうつ病ケアを改善するためには、臨床医レベルの介入(たとえば、行動ヘルスケア研修の強化)と診療レベルの改革(たとえば、協調的ケア)の組み合わせが必要とされる」としている。

7022.

骨粗鬆症の治療終了はいつ?

【骨粗鬆症治療開始】骨折が治ったら、治療は終了ですか治骨次す粗はわ鬆よ症!を次へスタート【骨粗鬆症】かもた骨しうみ折ら大たも?丈い治夫ねっ。●骨折の治療終了は、骨粗鬆症のゴールではありません。●骨折が治ったら、次は骨粗鬆症の治療のスタートです!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

7024.

車両運転事故、とくに注意すべき薬剤は

 処方医薬品やOTC薬服用中の自動車運転に対する公衆衛生上の懸念は増大している。米国・ウエストバージニア大学のToni M Rudisill氏らは、特定の薬剤が車両衝突事故リスクの増加と関連しているかについてシステマティックレビューを行った。Accident; analysis and prevention誌オンライン版2016年8月25日号の報告。 事前包括基準は以下のとおり。(1)1960年1月1日以降に発表された文献、(2)15歳以上の運転免許取得、(3)査読出版物、修士論文、博士論文、学会発表、(4)無作為化比較試験、コホート研究、症例対照研究、症例対照に類似の研究、(5)特定の1剤以上でのアウトカム報告、(6)車両衝突のオッズまたはリスクのアウトカム報告。14のデータベースおよび手作業で検索を行った。文献、データの抽出は、独立した二重選定で行った。 主な結果は以下のとおり。・27件の研究より、53薬剤を調査した。・15薬剤(28.3%)が車両衝突事故リスクと関連していた。・15薬剤は、ブプレノルフィン、コデイン、ジヒドロコデイン、メサドン、トラマドール、レボセチリジン、ジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、temazepam、トリアゾラム、carisoprodol、ゾルピデム、ゾピクロンであった。 著者らは「いくつかの薬剤は、車両衝突事故リスク増加と関連し、運転能力を低下させた。特定の薬剤と車両衝突事故リスクや運転能力との関連は複雑である」としている。関連医療ニュース 睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか 精神疾患ドライバー、疾患による特徴の違い てんかん患者の自動車運転、世間の意識は:愛知医大

7025.

試験前の自信と試験後の落胆(解説:後藤 信哉 氏)-593

 クロピドグレルは、ランダム化比較試験の結果に基づいて世界にて広く使用された。使用の拡大後にクロピドグレルの作用メカニズムが解明された。メカニズムに基づいて個別最適化を目指した用量調節を行えば、クロピドグレルの有効性、安全性はさらに増加すると信じている人もいた。 本論文の責任著者であるフランスのMontalescot氏は、パリ市内のPCIをSteg氏と二分するカテーテル治療の専門家である。クロピドグレルを開発したサノフィ社がフランスの会社なので、抗血小板療法についても臨床的専門家の1人とされている。 筆者は「いわゆる血小板機能検査によるクロピドグレルの個別的薬効調節には意味がない。なぜなら、急性冠症候群の発症と直結する血小板の機能が未知であるからである」と話したところ、Montalescot氏が数年前に「ランダム化比較試験を行えば、個別用量調節を行ったほうが必ず結果がよい」と強い自信を持っておられた。EBMの論理体系を理解した論理的フランス人なので、今は「血小板機能検査の結果に基づいた個別的用量調節はできない」ことに同意されるようになった。 P2Y12 ADP受容体阻害薬の至適用量については、議論が継続している。筆者は、血小板凝集機能、VerifyNowなどの血小板機能検査ではP2Y12 ADP受容体の至適用量の探索はできないとのスタンスに一貫している。薬効は、P2Y12 ADP受容体阻害による。ならば、P2Y12 ADP受容体阻害率による用量調節を行うべきである。Montalescot氏の試験開始前の自信が強烈であったので、論文の結論として「Platelet function monitoring with treatment adjustment did not improve the clinical outcome of elderly patients treated with coronary stenting for an acute coronary syndrome.」と書くときの落胆は大きかったと想像する。 ランダム化比較試験は、臨床的仮説の検証には有用である。しかし、仮説の設定には専門家のアドバイスが役立つ。P2Y12 ADP受容体阻害薬の血小板機能検査による用量調節をめぐる壮大な無駄は、事前の仮説設定を慎重に行えば避けることができたと筆者は今でも思っている。

7026.

双極性障害とうつ病の鑑別診断への試み:奈良県立医大

 躁状態歴が明確にわからない患者では、双極性障害とうつ病を区別することが困難である。鑑別診断のために、客観的なバイオマーカーが必要とされている。奈良県立医科大学の松岡 究氏らは、拡散テンソル画像を用いて、双極性障害患者とうつ病患者の脳白質の微細構造の違いを検討した。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2016年8月30日号の報告。 対象は、DSM-IV-TR基準に基づき抑うつまたは躁うつ寛解状態の双極性障害患者16例、大うつ病患者23例および健常対照者23例。双極性障害とうつ病患者における異方性比率の有意差を検出するために、全脳ボクセルベース・モルフォメトリー解析を用いた。本研究は、2011年8月~2015年7月に実施された。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者では、うつ病患者と比較し、脳梁前部の異方性比率値の有意な減少が認められ(p<0.001)、これは患者の感情状態に依存しなかった。・この減少は、放射拡散係数値の増加と関連が認められた(p<0.05)。また、健常対象者と比較した場合も有意な減少が認められた(p<0.05)。・異方性比率値を用いて双極性障害とうつ病のすべての患者を予測したところ、正確な分類率は76.9%であった。 著者らは「抑うつまたは躁うつ寛解状態の双極性障害患者は、脳梁における微細構造の異常が明らかであり、これは大脳半球間の感情的な情報交換を悪化させ、感情調節不全を来すと考えられる。そして、分類診断ツールとして、拡散テンソル画像使用の可能性が示唆された」としている。関連医療ニュース うつ病と双極性障害、脳の感情調節メカニズムが異なる うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 双極性障害I型とII型、その違いを分析

7027.

新規抗好酸球抗体薬、重症喘息を約6割まで減少/Lancet

 血中好酸球数が300/μL以上で、吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を併用(ICS+LABA)投与してもコントロール不良な重度喘息の患者に対し、開発中の抗好酸球モノクローナル抗体benralizumab(抗IL-5受容体抗体)は、喘息増悪の年間発生リスクを約6割に減少することが報告された。米国・Wake Forest School of MedicineのJ. Mark FitzGerald氏らが行った第III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験「CALIMA」の結果で、Lancet誌オンライン版2016年9月5日号で発表された。benralizumabを4・8週間ごとに30mg投与 CALIMA試験は2013年8月~2015年3月にかけて、11ヵ国、303ヵ所の医療機関を通じて行われた。被験者は、中~高用量のICS+LABA投与でコントロール不良な重度喘息で、前年に2回以上の増悪が認められた12~75歳の患者1,306例だった。 研究グループは被験者を無作為に3群に割り付け、benralizumabを4週間ごとに30mg、8週間ごとに30mg(初回4回は4週間ごと投与)、プラセボをそれぞれ皮下注投与した。 主要評価項目は、高用量ICS+LABA投与でベースライン時血中好酸球数が300/μL以上の被験者の、喘息増悪の年間発生に関する率比だった。また、主な副次評価項目は、気管支拡張薬投与前のFEV1と、総喘息スコアだった。気管支拡張薬投与前のFEV1値も改善 被験者のうち、benralizumab投与4週ごと群は425例、8週ごと群は441例、プラセボ群は440例だった。 そのうち主要解析には728例(241例、239例、248例)が含まれた。解析の結果、同集団において、benralizumab投与4週ごと群の喘息増悪年間発生率は0.60、8週ごと群の発生率は0.66、プラセボ群の発生率は0.93だった。プラセボと比較した発生率比は、4週ごと群0.64(95%信頼区間:0.49~0.85、p=0.0018)、8週ごと群は0.72(同:0.54~0.95、p=0.0188)で、いずれも有意に低率だった。 また、気管支拡張薬投与前FEV1はbenralizumab投与4・8週ごと群ともに、総喘息スコアについては8週ごと群のみであったが、いずれも有意な改善が認められた。 忍容性も概して良好であった。最も頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎(4週ごと群90例[21%]、8週ごと群79例[18%]、プラセボ群92例[21%])、喘息増悪(各群61例[14%]、47例[11%]、68例[15%])だった。 著者は、「今回の試験データは、benralizumab治療の恩恵を最大限受けられる患者集団を精錬するものとなった」とまとめている。

7028.

BPSDへの対応、どうすべきか

 認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)は、介護者や臨床医にとって管理上の課題である。米国・トリプラー陸軍病院のTyler R Reese氏らは、認知症におけるBPSDに対する適切な非薬理学的治療と抗精神病薬使用について報告した。American family physician誌2016年8月15日号の報告。 主なまとめは以下のとおり。・第1選択となる非薬理学的治療には、身体的および感情的なストレス要因の排除、患者の環境の変更、毎日のルーチンの確立が含まれる。・家族や介護者は、要介護者の認知症症状や行動は標準的なもので故意ではないと忘れないようにすることについて、介護教育からベネフィットを得ている。・認知、感情志向性の介入、感覚刺激の介入、行動管理技術、その他の心理社会的介入はわずかな効果である。・難治性の場合、医師はオフラベル抗精神病薬処方を選択することが可能である。・アリピプラゾールは、症状改善に対し最も一貫したエビデンスを有するが、改善効果は限定的である。・オランザピン、クエチアピン、リスペリドンは、ベネフィットに対する一貫したエビデンスが得られていない。・医師は、有害事象(死亡リスクが最も顕著に増加)を最小限に抑えるために、最小有効量で可能な限り短期間の使用にとどめる必要がある。・その他の有害事象には、抗コリン作用、抗ドパミン作用、錐体外路症状、悪性症候群、起立性低血圧、メタボリックシンドローム、不整脈、鎮静が含まれる。・患者は、治療を受けながら、これらの影響を監視する必要があるが、長期治療中の患者に限定してもよい。関連医療ニュース BPSD治療にベンゾジアゼピン系薬物治療は支持されるか 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット BPSDに対する抗精神病薬使用、脳血管障害リスクとの関連

7029.

男性医師は腰痛が多い?

 労働者における腰痛が、仕事と家庭のアンバランスや好ましくない職場環境、雇用不安、長時間労働、医療従事者など特定の職業と関連していることが、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のHaiou Yang氏らの横断的研究で示された。Journal of manipulative and physiological therapeutics誌オンライン版2016年8月25日号に掲載。 この研究は、米国の一般人集団の健康状態とそれに関連する危険因子の情報収集を目的とした2010年National Health Interview Surveyのデータを用いて行われた。腰痛有病率の加重データ計算には分散推定法を用い、性別・年齢で層別化した多変量ロジスティック回帰分析により、腰痛のオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した。仕事と家庭のアンバランス、好ましくない職場環境(脅かし、いじめ、嫌がらせなど)への曝露、雇用不安といった仕事関連の心理社会的な危険因子のほか、労働時間、職業、労働組織的因子(フリーランス・派遣などの標準以外の労働形態、夜間勤務・昼夜交替制などの労働スケジュール)についても検討した。 主な結果は以下のとおり。・米国の労働者において、自己申告による過去3ヵ月の腰痛有病率は25.7%であった。・女性および高齢の労働者の腰痛リスクが高かった。・人口統計学的特性や他の健康関連因子を制御した場合、仕事と家庭のアンバランス(OR:1.27、95%CI:1.15~1.41)、好ましくない仕事環境への曝露(OR:1.39、95%CI:1.25~1.55)、雇用不安(OR:1.44、95%CI:1.24~1.67)といった心理社会的因子と腰痛の間に有意な関連が認められた。・標準以外の労働形態の高齢労働者が腰痛を申告する傾向が強かった。・労働時間が週41~45時間の女性および週60時間超の若年労働者で腰痛リスクが高かった。・男性の医療従事者、女性や若年の医療支援従事者、女性の農業・漁業・林業従事者などで腰痛リスクが高かった。

7030.

第Xa因子阻害薬の中和薬、急性大出血の79%を止血/NEJM

 第Xa因子阻害薬に関連する急性大出血において、andexanet alfaは抗第Xa因子活性を大幅に低減し、高い止血効果をもたらすことが、カナダ・マクマスター大学のStuart J. Connolly氏らが実施したANNEXA-4試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2016年8月30日号に掲載された。第Xa因子阻害薬は、心房細動患者の静脈血栓塞栓症の治療や予防および脳卒中の予防に有効であるが、大出血や致死的出血のリスクがある。andexanet alfaは、遺伝子組換えヒト第Xa因子デコイ蛋白で、第Xa因子阻害薬の作用を特異的に、直接かつ間接に中和する。67例の記述的分析の初期結果 ANNEXA-4試験は、第Xa因子阻害薬投与後に、生命を脅かす可能性のある急性大出血を来した患者において、andexanet alfaの止血効果を評価する進行中の非盲検単群試験(Portola Pharmaceuticals社の助成による)。今回は、2016年6月17日の時点で、すべてのデータが得られた67例の記述的分析の結果が報告された。 2015年4月10日に、米国の20施設、英国の1施設、カナダの1施設で患者登録が開始された。年齢18歳以上、アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバン、エノキサパリンのうち1剤を投与され、18時間以内に急性大出血を来した患者を対象とした。 被験者には、andexanet alfaがボーラス投与され、その後2時間の点滴静注が行われた。点滴静注終了後12時間の抗第Xa因子活性および臨床的な止血効果の評価が行われ、30日間のフォローアップが実施された。 安全性の解析は全67例で行い、ベースライン時の抗第Xa因子活性が≧75ng/mL(エノキサパリン投与例は≧0.5IU/mL)の47例を有効性解析集団とした。12時間後の止血効果が極めて良好/良好の割合は79%、重篤な副作用は認めない 全体の平均年齢は77.1±10.0歳で、男性が52%を占めた。抗凝固薬の適応疾患は、心房細動が70%、静脈血栓塞栓症が22%、その双方が7%であり、出血部位は消化管が49%、頭蓋内が42%であった。 有効性解析集団の救急診療部入室からandexanet alfaのボーラス投与までの平均所要時間は4.8±1.8時間であった。 リバーロキサバンを投与された患者は、andexanet alfaのボーラス投与後に、抗第Xa因子活性中央値がベースラインに比べ89%(95%信頼区間[CI]:58~94)減少し、アピキサバン投与例では93%(95%CI:87~94)低下した。これらの値は、点滴静注中の2時間にわたりほぼ一定に維持された。 点滴静注終了後4時間の時点で、リバーロキサバン投与例の抗第Xa因子活性は、ベースラインに比べ相対的に39%低く、アピキサバン投与例では30%低かった。 点滴静注終了後12時間における止血効果は、極めて良好(excellent)が31例、良好(good)が6例であった(79%、37/47例)。 30日のフォローアップ期間中に、18%(12/67例)に血栓イベントが発生した。このうち、心筋梗塞が1例、脳卒中が5例、深部静脈血栓症が7例、肺塞栓症が1例に認められた。15%(10/67例)が死亡し、死因は心血管イベントが6例、非心血管イベントは4例であった。 著者は、「進行中のコホート研究の初期結果において、andexanet alfaは抗第Xa因子活性を迅速に逆転させ、重篤な副作用とは関連がなかった」とまとめ、「血栓イベントのリスクが高い患者において、これらのイベントの頻度が予測を上回るかを評価するには、対照比較試験を要する」としている。

7031.

各認知症の重症度とBPSD:大阪大

 認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)は、認知症者の予後に負の影響を及ぼし、介護者の負担を増大させる。大阪大学の數井 裕光氏らは、4つの主要な認知症において疾患重症度別に12種類のBPSD経過の違いを明確化し、日本多施設研究(J-BIRD)のデータを用いBPSDの頻度、重症度、介護者の負担を示すグラフを開発した。PLOS ONE誌2016年8月18日号の報告。 日本の認知症センター7施設より、2013年7月31日までの5年間にわたり、アルツハイマー病(AD)1,091例、レビー小体型認知症(DLB)249例、血管性認知症(VaD)156例、前頭側頭葉変性症(FTLD)102例のNPI(Neuropsychiatric Inventory)データを収集した。12種類のNPI複合スコア(頻度×重症度)は、各認知症における主成分分析(PCA)を用いて分析した。臨床認知症評価法(CDR)を用いて測定したPCA因子スコアは、疾患の重症度により各認知症で比較した。 主な結果は以下のとおり。・下記について、高いCDRスコアの有意な増加が観察された。 1)ADにおいて、多幸感以外のすべての項目3因子中2因子スコア 2)DLBにおいて、無関心、異常な運動行動、睡眠障害、興奮、神経過敏、脱抑制、多幸感に関する4因子中2因子スコア 3)VaDにおいて、無関心、抑うつ、不安、睡眠障害に関する4因子中1因子スコア・FTLDにおいては、5因子スコアのいずれについても増加は観察されなかった。関連医療ニュース 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット BPSD治療にベンゾジアゼピン系薬物治療は支持されるか 日本人アルツハイマー病、BPSDと睡眠障害との関連は

7032.

ラムシルマブ非小細胞肺がん2次治療の日本人データ

 ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)とドセタキセル(商品名:タキソテール)の併用がプラチナベース化学療法後に増悪した非小細胞肺がん患者の生存期間を延長した。この第II相無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験は、日本人の非小細胞肺がんの2次治療におけるラムシルマブの有効性と安全性を評価したもの。Lung Cancer誌2016年9月号の掲載記事。 患者は2012年12月~2015年5月に本邦の28施設で登録された非小細胞肺がんで、プラチナベース化学療法施行にもかかわらず増悪した患者。患者はラムシルマブ10mg/kg+ドセタキセル60mg/m2群とプラセボ+ドセタキセル60mg/m2群(ともに21日サイクル)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、安全性であった。 主な結果は以下のとおり。・治療を受けた被験者は157例。・PFS中央値はラムシルマブ+ドセタキセル群で5.22ヵ月、プラセボ+ドセタキセル群で4.21ヵ月(HR:0.83、95%CI:0.59~1.16)とラムシルマブ併用群で優れていた。・OS中央値はラムシルマブ+ドセタキセル群で15.15ヵ月、プラセボ+ドセタキセル群で14.65ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.56~1.32)とラムシルマブ併用群で優れていた。・奏効率はラムシルマブ+ドセタキセル群で28.9%、プラセボ+ドセタキセル群で18.5%とラムシルマブ併用群で優れていた。・病勢コントロール率はラムシルマブ+ドセタキセル群で78.9%、プラセボ+ドセタキセル群で70.4%とラムシルマブ併用群で優れていた。・有害事象の頻度および重症度は同程度であったが、発熱性好中球減少についてはラムシルマブ+ドセタキセル群で34.2%、プラセボ+ドセタキセル群で19.8%とラムシルマブ併用群で多く認められた。

7033.

骨粗鬆症の診療はいつ受ける

【骨粗鬆症】【定期診断】骨粗鬆症の上手な診断の受け方を、教えてください●女性は閉経したら定期的に検査をしましょう。●自治体などの節目検診(40、50、55、60、65、70歳)を賢く利用しましょう!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

7034.

非STEMIの死亡率は10年間で改善、その要因とは/JAMA

 イングランドおよびウェールズにおいて、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)で入院した患者の全死亡率は2003年から2013年に改善していることが確認された。この改善は、冠動脈侵襲的治療の実施と有意に関連しており、ベースラインの臨床リスク減少や薬物療法の増加とはまったく関連していなかったという。英国・リーズ大学のMarlous Hall氏らが、Myocardial Ischaemia National Audit Project(MINAP)のデータを用いたコホート研究の結果、報告した。急性冠症候群後の死亡率は世界的に低下しているが、この低下がガイドラインで推奨されたNSTEMIの治療とどの程度関連しているかは不明であった。JAMA誌オンライン版2016年8月30日号掲載の報告。NSTEMI患者約40万人のデータを解析 研究グループは、MINAPデータのうち、2003年1月1日~2013年6月30日にイングランドおよびウェールズの247病院に入院した18歳以上のNSTEMI患者38万9,057例(年齢中央値72.7歳[四分位範囲:61.7~81.2]、男性63.1%)について解析した。データには、ベースラインのGRACEリスクスコア、患者背景、併存疾患、退院時の薬物療法(アスピリン、β-ブロッカーなど)、冠動脈侵襲的治療の使用などが含まれ、死亡データは国家統計局を介して得た。 主要評価項目は、退院後180日の補正後全死因死亡率の年次推移(パラメトリック生存分析を用いて推定)であった。10年間でNSTEMI患者の死亡率は低下、冠動脈侵襲的治療と関連 NSTEMI患者38万9,057例中、追跡期間中に11万3,586例(29.2%)が死亡した。 2003~2004年に比べ2012~2013年では、GRACEリスクスコアの中/高リスク(≧88)の患者の割合が減少し(87.2% vs.82.0%)、最低リスク(

7035.

冠動脈疾患疑い、非侵襲的検査が不要な血管造影を減らす/JAMA

 冠動脈疾患が疑われる患者において、英国立医療技術評価機構(NICE)ガイドラインに基づく治療方針より心血管磁気共鳴(CMR)検査を用いた治療のほうが、12ヵ月以内の不必要な血管造影を減らせることが明らかとなった。CMR検査と心筋血流シンチグラフィ(MPS)検査とで統計的有意差はなく、主要有害心血管イベント(MACE)の発生率も差はなかった。英国・リーズ大学のJohn P. Greenwood氏らが、Clinical Evaluation of Magnetic Resonance Imaging in Coronary Heart Disease 2(CE-MARC2)試験の結果、報告した。冠動脈疾患が疑われる患者に対しては、非侵襲的画像診断の利用や推奨が拡大しているにもかかわらず、診断初期には侵襲的血管造影が一般的に用いられている。現在のガイドラインで推奨されている異なる画像診断の有効性を比較する大規模試験はこれまでなかった。JAMA誌オンライン版2016年8月29日号掲載の報告。冠動脈疾患疑い患者約1,200例を、異なる検査に基づく治療を行う3群に無作為化 CE-MARC 2試験は、英国6病院で実施された多施設共同無作為化並行3群比較臨床試験。2012年11月23日~2015年3月13日に、検査前確率10~90%の症状を有する30歳以上の冠動脈疾患疑い患者1,202例を、NICEガイドラインに基づいた検査と治療を行う群(NICEガイドライン群、240例)、CMRに基づく治療を行う群(CMR群、481例)、またはMPSに基づく治療を行う群(MPS群、481例)に無作為に割り付け、2016年3月12日まで追跡調査を行った。 主要評価項目は、12ヵ月以内の事前に定義された不要血管造影(正常血流予備量比>0.8、または定量的冠動脈造影[QCA]:直径2.5mm以上の全冠動脈血管、1面図で70%以上または2直交図で50%以上の狭窄なし)であった。NICEガイドラインに基づくより、心血管MRのほうが不要血管造影の減少に有用 1,202例の患者背景は、平均年齢56.3(SD 9.0)歳、女性564例(46.9%)、冠動脈疾患検査前確率平均49.5(SD 23.8)%であった。このうち12ヵ月後に侵襲的冠動脈血管造影を受けた患者は、NICEガイドライン群102例(42.5%、95%CI:36.2~49.0)、CMR群85例(17.7%、14.4~21.4)、MPS群78例(16.2%、13.0~19.8)で、事前に定義された不要血管造影はそれぞれ69例(28.8%)、36例(7.5%)、34例(7.1%)で確認された。 不要血管造影の調整オッズ比は、CMR群vs.NICEガイドライン群で0.21(95%CI:0.12~0.34、p<0.001)、CMR群vs.MPS群で1.27(0.79~2.03、p=0.32)であった。 副次的評価項目である血管造影陽性率は、NICEガイドライン群12.1%(95%CI:8.2~16.9、29/240例)、CMR群9.8%(7.3~12.8、47/481例)、MPS群8.7%(6.4~11.6、42/481例)であった。また、12ヵ月後までに報告されたMACE発生率はそれぞれ1.7%、2.5%、2.5%。補正後ハザード比は、CMR群vs.NICEガイドライン群が1.37(95%CI:0.52~3.57)、CMR群vs.MPS群は0.95(0.46~1.95)であった。

7036.

転ばぬ先の杖:TAVIに対する脳血管保護デバイス(解説:香坂 俊 氏)-590

脳血管系の合併症は、だいたい1.5~2.0%の心臓外科手術に起こるとされていて、頻度はそれほど高くないのだが、個人的には避けたい合併症No.1である。実は、頻度からすると「心不全」のほうが術後合併症として起こる確率は高いのだが、こちらはなんとか対応できるイメージなのに対して、脳血管系の合併症は起こってしまうと「本当にどうにもならない」という拭い難いネガティブなイメージが付いてまわる。心臓外科手術の脳血管系の合併症は、だいたい大動脈にクランプをかけたり外したりしたときにおこる。余談だが、筆者は頸動脈ドップラーでクランプを外したときにデブリ(破片)が飛び散るさまを【音】で聞かせてもらったことがあり、背筋か凍った記憶がある。何しろ、それまで静かだったところに、クランプを外した途端ポツポツと雑音が入るようになり、数秒でテレビの砂嵐のような(ほぼ)連続的な音に進展する。いまは、中大脳動脈の血流を実際に見ることも可能となっており(https://www.youtube.com/watch?v=oOW-B-AeDyI)、こうしたイメージでは心臓外科手術の際には肉眼的に30~40のデブリを確認できるとされている。前置きがだいぶ長くなったが、カテーテルで大動脈を留置する際にも、同様に脳血管系の合併症2~5%の症例に起きることが知られている(カテーテル操作や新しい弁を拡張して古い弁に押し付ける際にデブリが飛ぶことによる)。今回のCLEAN-TAVI試験は、このTAVIを行う際に【両側の頸動脈へのフィルターの留置】による効果を検証した試験である(下図)。なお、人工弁はメドトロニック社のCoreValveを使用している。 図1 CLEAN TAVI試験で使用された血管フィルター(Sentinel cerebral protection device: claret medical社ホームページより)その結果は下図から明らかなのだが、Lesion Volume(術後7日目に行ったDiffusion Weighted MRIでの病変の合計体積)がFilter保護を行った群では半分以下になっていた(242 vs.527 mm3)。図2 Diffusion Weighted MRIの3次元構築像。左がコントロール群で右がフィルター保護を行った群の代表例この研究はパイロット研究にすぎないが(何しろ実際のイベント発症率は2%程度なので、わずか100名では圧倒的にパワー不足)、今後さらにこのFilter保護に関する研究は進められていくものと思われる。冒頭で申し上げた通り、脳血管系の合併症は1回起こってしまうと手の付けようがない(ことが多い)。そのためのこうした「転ばぬ先の杖」的な予防法への理解は、大いに歓迎すべきだろう。

7037.

統合失調症は進化の過程でどう生まれたのか

 なぜ統合失調症は、適応能力に対し負の影響を有しているにもかかわらず、人類の歴史を通じて淘汰されずにいるのかは、進化の謎のままである。統合失調症は、人間の脳の複雑な進化における副産物であり、言語や創造的思考、認知能力の融合物と考えられる。ノルウェー・オスロ大学のSaurabh Srinivasan氏らは、統合失調症に関する大規模ゲノムワイド研究などを分析した。Biological psychiatry誌2016年8月15日号の報告。 著者らは、遺伝子構造や遺伝的変異に関する補助的な情報を利用した統計的フレームワークを使用して、最近の統合失調症の大規模ゲノムワイド関連研究とその他ヒト表現型(人体計測、心血管疾患の危険因子、免疫介在性疾患)の範囲を分析した。ネアンデルタール選択的一掃(NSS:Neanderthal Selective Sweep)スコアと呼ばれる進化の代理指標からの情報を使用した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症と関連する遺伝子座は、最近のヒトにおけるポジティブ選択(低NSSスコア)を受けた可能性の高いゲノム領域において有意に広く存在していた(p=7.30x10-9)。・低NSSスコアの脳関連遺伝子内の変異体は、他の脳関連遺伝子における変異体よりも、有意に高い感受性を示した。・エンリッチメントは、統合失調症において最も強かったが、他の表現型でのエンリッチメントを排除することはできなかった。・27候補の統合失調症感受性遺伝子座への進化プロキシポイントの偽発見率条件のうち、統合失調症および他の精神疾患に関連または脳の発達にリンクしたのは12件であった。関連医療ニュース 統合失調症の発症に、大きく関与する遺伝子変異を特定 統合失調症患者の脳ゲノムを解析:新潟大学 統合失調症の病因に関連する新たな候補遺伝子を示唆:名古屋大学

7038.

喫煙による潜在性動脈硬化リスク、禁煙で減るのか

 滋賀動脈硬化疫学研究(SESSA:Shiga Epidemiological Study of Subclinical Atherosclerosis)において、喫煙が複数の血管床での潜在性動脈硬化と強く関連する一方、その関連性は禁煙後の期間が長くなるに連れて減衰することがわかった。Journal of the American Heart Association誌2016年8月29日号に掲載。 喫煙は、心血管疾患の圧倒的な危険因子であるが、予防可能な因子でもある。本研究では、心血管疾患のない40~79歳の日本人男性1,019例の集団ベースのサンプルにおいて、喫煙状況・累積喫煙歴(pack-years)・1日消費量・禁煙後期間と、冠動脈石灰化・頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)・頸動脈プラーク・大動脈石灰化・上腕足関節血圧比を含め、解剖学的に異なる4つの血管床での潜在性動脈硬化の関連を横断的に検討した。 主な結果は以下のとおり。・現在喫煙者、元喫煙者、非喫煙者の割合は、それぞれ32.3%、50.0%、17.7%であった。・現在喫煙者は、4循環すべてにおいて、非喫煙者と比べて潜在性動脈硬化リスクが有意に高かった(冠動脈石灰化>0のオッズ比[OR]:1.79[95%CI:1.16~2.79]、CIMT>1.0mmのOR:1.88 [同:1.02~3.47]、大動脈石灰化>0のOR:4.29 [同:2.30~7.97]、足関節上腕血圧比<1.1のOR:1.78 [同:1.16~2.74])。・元喫煙者は、頸動脈と大動脈で、非喫煙者と比べて潜在性動脈硬化リスクが有意に高かった(CIMT>1.0mmのOR:1.94 [同:1.13~3.34]、大動脈石灰化>0のOR:2.55 [同:1.45~4.49])。・現在喫煙者および元喫煙者で、pack-yearsや1日消費量との用量反応関係が、とくにCIMT、頸動脈プラーク、大動脈石灰化、上腕足関節血圧比との間に認められた。現喫煙者では、pack-yearsや1日消費量が少なくても、冠動脈石灰化や大動脈石灰化と関連していた。一方、元喫煙者では、禁煙後期間が動脈硬化指標すべてにおける低負荷と直線的に相関していた。

7039.

ゲーム感覚で小児の視力を自動測定できるタブレット端末

 小児の視力を自動的に測定するタブレット型コンピュータが開発された。ゲームデザインを用いたアプリケーションソフトウェアが搭載されている。英国・マンチェスター大学のTariq M Aslam氏らは、100例以上の小児において検討し、このシステムは眼疾患を有する小児の視力を客観的かつ正確に自動測定できることを示した。将来の実用性が期待される。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2016年8月17日号掲載の報告。 研究グループは、マンチェスター王立眼科病院の小児眼科外来患者を受診した連続112例を対象に、Mobile Assessment of Vision by intERactIve Computer for Children (MAVERIC-C)システムを用いて視力を測定した。 MAVERIC-Cシステムは、ゲームデザインを用いて、視力測定のコンプライアンスを高め自動的に視力スコアを得られるタッチパネル式のタブレット端末で、参加者には特別に用意した視覚室で操作してもらった。また、検査者がETDRS視力検査に基づいた標準視力検査表を用い視力を評価した。 主要評価項目は、MAVERIC-C近見視力スコアの信頼性、およびMAVERIC-Cスコアと通常視力検査との一致性であった。 主な結果は以下のとおり。・112例中106例の小児(95%)が、手助けの必要なくMAVERIC- Cシステムを用いた視力測定を完遂することができた。・試験-再試験視力スコアの平均差は0.001(標準偏差[SD]±0.136)、一致限界(2SD)は±0.267で、視力スコアは十分信頼できることが認められた。・近見EDTRS視力検査との比較では、平均差-0.0879(±0.106)、一致限界±0.208であった。

7040.

ステント留置後のプラスグレル投与、血小板機能検査は必要か/Lancet

 急性冠症候群(ACS)で冠動脈ステント留置術後の75歳以上ハイリスク患者に対してP2Y受容体拮抗薬プラスグレル(商品名:エフィエント)を投与する際、5mg/日投与後に血小板機能検査によるモニタリングを実施し用量調整を行っても、同検査をせずに5mg/日を投与し続ける場合と比べ、1年後までの心血管イベント発生率は変わらないことが明らかにされた。フランス・モンペリエ大学のGuillaume Cayla氏らが、877例を対象に行ったエンドポイント盲検化による非盲検無作為化比較試験「ANTARCTIC」試験の結果、明らかにしLancet誌オンライン版2016年8月28日号で発表した。心血管死、心筋梗塞、脳卒中などの複合エンドポイント発生率を比較 研究グループは、2012年3月27日~2015年5月19日にかけて、フランス35ヵ所の医療機関を通じて、ACSの治療で冠動脈ステント留置術を受けた75歳以上の患者877例を対象に、無作為化比較試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはプラスグレル5mg/日を投与し、14日後に血小板機能検査を行い、その結果に応じて用量を調整し、さらに14日後に再度検査を行った(モニタリング群)。もう一方の群には、プラスグレル5mg/日を投与し、血小板機能検査や用量の調整は行わなかった(対照群)。 主要エンドポイントは、12ヵ月後の心血管死、心筋梗塞、脳卒中、ステント血栓症、緊急血行再建術、BARC(Bleeding Academic Research Consortium)定義の出血性合併症(分類タイプ2、3、5)の複合だった。出血性合併症リスクも両群で同等 877例は、モニタリング群442例、対照群435例に無作為に割り付けられた。 Intention-to-treatによる解析の結果、主要複合エンドポイントの発生は、モニタリング群120例(28%)、対照群123例(28%)と、両群で同等だった(ハザード比[HR]:1.003、95%信頼区間[CI]:0.78~1.29、p=0.98)。キー複合エンドポイント(心血管死、心筋梗塞、ステント血栓症、緊急血行再建術)の発生(モニタリング群10% vs.対照群9%、HR:1.06、95%CI:0.69~1.62、p=0.80)、およびその他の虚血性エンドポイントについても有意差はみられなかった。結果は、項目別にみたエンドポイントすべてにおいて一貫していた。 主要エンドポイントの発生は、主として出血イベントが占めていた。その出血イベントの発生も両群間で有意差はなかった。主要安全性エンドポイント(BARC分類タイプ2、3、5)の発生は、両群ともに約20%(モニタリング群21%、対照群20%)だった(HR:1.04、95%CI:0.78~1.40、p=0.77)。 結果を踏まえて著者は、「投与調整のための血小板機能モニタリングは、ACSでステント留置を受けた高齢患者の臨床的アウトカムの改善には結び付かなかった。血小板機能検査は、多くの施設で行われており、各国ガイドラインでハイリスク患者への使用が推奨されている。しかし、今回の結果はそれらの適用を支持しないものであった」とまとめている。

検索結果 合計:10309件 表示位置:7021 - 7040